千とちひろの神かくし、の舞台設定は宮崎駿監督の逞しい想像力が結実したものと思っていたが、仇分(地名)の山々に 積み重ねるように斜面にへばりついた小店群がモチーフと聞いた。
かって金の掘り出しで賑わい、鉱脈が上へ上へと登るに任せ、やがて産出が止まると 街はいったん廃れた・・・。
だが、今ここは、いつも縁日のようだ。
延々と石段を刻んで雲の上に伸びる狭い階段の両サイドには 小店が軒を連ね、背後の山谷と奇妙に符合している。
雑貨屋、喫茶風情が多く、軒先をひやかして歩きたい向きには面白い異国の風景である。
この廃れた不便な街区を、ふたたび観光に向けた仕掛け人はエライ!
次の立ち寄り先の十分(地名)、その駅から徒歩で数分、線路わきの小さな店で風船を買う。ひとがすっぽり入るくらい大きな色とりどりの紙袋風船に、各自それぞれ、家内安全、健康第一、おカネが欲しいなど、好き勝手な願い事を書き、風船の口にしかけた油脂状の固体に点火する。
簡易な気球はすぐに手から離れ上昇を始めくもり空へ吸い込まれていく。尻の火は雲間にまぎれ やがてテンになり没するまで、他愛もないシアワセな時間が過ぎていくのだった。
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