砂漠の井戸

メラノーマ治療の備忘録

病理検査の結果

2012年10月29日 | がんセンター

がんセンターにて病理検査の結果を訊いてきました。

結果は

先日切除した病変部分はメラノーマと確定しました。

ステージ(病期)を評価する上での判断材料となる腫瘍の厚みは

1.2mm

原発腫瘍の評価は

pT2a・・・・・厚さが1mmを超え、2mm以下のメラノーマ
        T2で潰瘍なし

所属リンパ節と遠隔転移がないと仮定すると臨床病期分類としては

ステージⅠB 皮膚悪性腫瘍ガイドライン


ステージⅡの可能性は消えました。
でもリンパに転移があればステージⅢ
遠隔転移があった場合ステージⅣの可能性も残っています。
でもかなり、いや楽観視するのはやめます。
すこぉ~しだけ早期である可能性も出てきました。

腫瘍の厚みについては、ドクターとの会話のやり取りのなかで
「仮に2mmあったとしても4mmはないでしょう」という予想があったので
思いの外厚さがなかったのは嬉しい驚きでした。潰瘍もなしというのも材料として
プラスなのは間違いないと思います。

あっ、楽観視は禁物です!メラノーマを甘く見てはいけません。

「もし時間があれば一度CT撮影をしておきましょうか」のドクター勧めで
遠隔転移の有無を急遽調べることになり初CT撮影も済ませてきました。

人生半ばを過ぎているオジサンの身体。メラノーマ由来の癌の転移は無くとも
他の癌があるんじゃないかと不安だし、レントゲンの400倍にも及ぶ被爆も怖いしで
緊張度MAXの中、なんとか全身のCT撮影を終えました。

造影剤が身体に入ると、身体中(特に顔と股間〈袋部分〉?)が燃えるように熱くなるのはとても
不安な気分になりましたが2年前に受けた長時間に渡って閉鎖空間に閉じ込められるMRI
よりは直ぐに終わるし恐怖感は少なかったです。

因みに僕は高所&閉所恐怖症です(ガクガク)


ということで4日後にCTの結果を訊きに再度外来受診し、来週の11月5日(月)に
入院し6日に患部の拡大切除と植皮。リンパへの転移を調べるセンチネルリンパ節生検
(転移があった場合はリンパの郭清手術)に挑んできます!


麻酔科に行く途中、この間がんの影響から政界を引退された大物政治家を見かけました。
国立がんセンター、やっぱりメジャーだな!

ここで診てもらえてラッキーだと思おう!


色白注意。

2012年10月23日 | がんセンター

すっかり日光(紫外線)が怖くなってしまいました。
昼よりも夜、屋外よりも屋内、日向より日陰を好むようになって
しまいました…
昨日も傷口を診てもらうためにがんセンターに行ったのですが
地下鉄が地上から地下に潜るととても安心します。

確実にこれからは夏よりも冬が好きになると思います。

悪性黒色腫(メラノーマ)の発生に影響を及ぼしているのは
紫外線の暴露であると考えられています。
日本人よりも白人の方が年間推定発生患者数が10倍にも
及ぶことからも色素が薄いほどメラノーマになり易い傾向があるようです。

子供の頃から色白で目の色も薄い茶色だった僕は明らかに紫外線対して
弱く、日焼けすると赤く腫れてしまったり、シミやホクロも出来易かったです。
今思えば、帽子を被ったり日焼け止めクリームをもっと利用すべきだったな、
と後悔しています。

がんセンターに行くのも今回が3回目。
到着に要する時間なども分かってきたので外来の予約時間のどの位前
に家を出ればよいか予測できるようになってきました。
(余裕をみて1時間30分かな)
電車は50分程度だけど家から駅が10分。築地駅からがんセンター10分
20分が余裕部分です。

もしかすると病理の結果がでていて腫瘍の厚さなどが訊けるかもしれないと
ドキドキしながら呼び出しを待っていたんですけど、流石に6日しか経ってないので
結果はでてませんでした。
僕としてはステージの進み具合に絡めて転移の可能性など訊きたいことが盛り沢山
なので、実際に腫瘍を切除しているT先生に見た目、何ミリくらいありましたか?とか
腫瘍形状は何型で転移し易いタイプでしたか?とか質問するのですが、T先生は頑なに
「病理の結果がでないとそれは判りません。」
来週に詳しくと話すのみで、安易な予想はしない主義のようです。
そりゃそうだよね。良いように患者は解釈して後で悪かったら大変だものね。
傷を消毒して軟膏を塗ってもらいセンターを後にしました。

今日は雨模様なので少しほっとする…

爺ちゃんが付けてくれた名前が泣いてるな。


切除手術(国立がんセンター)

2012年10月16日 | 手術(病巣の切除)

今日、がんセンターで原発巣の切除手術を受けてきました。
術後3時間くらいは痛みもなく、処方された痛み止めは必要ないと感じて
いましたが、流石にその後はズキズキと側頭部が痛みます。
まあ、明日起きる頃には痛みも一段落していることと思います。

12:00 受付を済ませ病院内にあるファミマでサンドイッチとお茶で
      腹ごしらえ(癌予防に有効だと思い飲み物は最近コレばっか)
      その後、初診の時に貰ったがん研究の為にがん組織と血液の提供を
      協力する旨の同意書にサインして提出しました。
      僕のような思いをする人が1人でも少なくなるのなら喜んで(どうせ
      がんの塊なんて要らないし(笑))

12:30 外来の受付で体温と血圧の測定をして看護師さんと9階の手術フロアへ
      更衣室で下着の上に手術着を纏い周りを見回すと手術室があるわあるわ!
      国立のがんセンターだけに1日の手術数も相当数なんだろうね。
      なんか、緊張してきた…

12:45 2時頃の手術と聞いていたのに、あれよあれよという間に手術室に案内
      され執刀してくれる初診をしてくれたT先生が現れ手術開始。
      
      手術台に横たわると血圧計や心拍計をつけられ患部の周りの髪を切って
      もらい念入りに消毒。
      局部麻酔の針を6箇所程打たれ、最初は痛かったけど4箇所目くらいには
      もう麻酔が効いているらしく全く痛みを感じません。
      「じゃ、切除を始めますね。」
      「はい… 宜しくお願いします。」
      と言うか言わない内にザクザクザク… 
      はっきりと音がするわけではないのだけれど、そんな振動というか感覚を
      確かに感じます。

      出血もかなりあるようで何度も何度もガーゼで拭いているようでした。
      すると次の瞬間にジュージューという音が…
      レーザーで焼いて出血を止めているのかレーザーメスで患部を剥がし取って
      いるのかは定かではありませんが、タンパク質が焼ける時の独特の臭いが
      してきました。20分した頃には病巣部分は取れたようで後は縫って終りますから
      と声をかけてくれました。(当初は患部にコラーゲンでできた人口皮膚を被せると
      いうことになっていましたが、ケアが面倒だろうと縫い合わせてくれることになったようです。)
      3cm×3cm切除したらしいのですが、頭皮は堅い為か縫い合わせられるとかなり
      引っ張られる感じです。

13:45 手術終了。約1時間でした。丁寧に手術してもらい感謝ですが、もし悪性黒色腫なら
      奇麗に縫ってもらったのに更に大きく切除です…
      99%だめだと分かってはいるけど残り1%の望みも捨てきれないのが正直な心境です。


月曜に傷を診てもらい、その数日後に出る病理検査の結果次第で11月5日の
入院の有無が決まります。


現在の体重66.5㎏


がんセンター<初診と告知>③

2012年10月02日 | がんセンターでの初診と告知

メラノーマと確定したからには速いとこホクロを取ってもらいたい…
でも、総合病院でも言われたようにがんセンターでもオペの予定が
10月いっぱい埋まっているとのこと。

あと1ヶ月も、悪性で転移し易い腫瘍を放っておくのは精神的にキツ過ぎる。

なんとかオペを早めてはもらえないかとお願いしましたが、あなたの様な方が
いっぱい控えているのでそれは無理と諭されれば納得するしかありませんでした。
でも、外来で取り敢えず小さめに切るといういうのも王道だし、いきなりの
一発オペでなければ9月半ば可能だというので、是非切ってしまって下さいとお願い
しました。

今後の予定が見えてきました。

10月16日
外来で部分麻酔で病巣の切除手術(切り取った跡にはコラーゲンでできた人工皮膚を貼り付け)
       ・
       ・
(切除した病巣の検査。恐らく高い確率でメラノーマと判明)
       ・
       ・
10月30日or11月6日
入院して患部の拡大切除手術&場合によってはセンチネルリンパ節生検。転移があれば郭清手術
       ・
       ・
  2週間~3週間の入院
       ・
       ・
      退院


「一緒に頑張っていきましょう!」
先生のその言葉に覚悟が固まり、立ち向かう勇気が湧いてきました。

採血・検尿、心電図、呼吸器、X線撮影を終え。帰途につくと久しぶりに
お腹が減ってきました。(採血で血を5本も抜かれたからかな。)

体重66.0kg   (5日で2.5kg減ってしまいました)


がんセンター<初診と告知>②

2012年10月01日 | がんセンターでの初診と告知

平成24年9月27日
皮膚科の診察室は2つあり一方の診察室には次から次へと患者さんが
出入りしているのですがもう一方の方は誰一人呼ばれることはありません。
どうやら、今日に限っては初診専用になっているようです。
担当医の名前の札があったのでスマホでがんセンターのHPを検索してみると
医長であることがわかりました。
それは心強い。

思った通り10時になると僕の名前が呼ばれそちらの診察室に入るようアナウンス
がありました。

助手の方と連携して側頭部のホクロのサイズを測り、次にカメラで10枚程その
写真を撮影、幹部にぜりー状のものを塗ってから専用のスコープでホクロを観察
してくださいました。

「メラノーマ、悪性黒色腫の可能性が高いです。」

「確率的にいったらもう90%以上とかでしょうか?」

「そうですね。」

敢えてメラノーマでない可能性を残すために90%と聞きましたがニュアンスからして
99%と聞いたとしても同じ返事が返ってきたと思います。

いよいよ確定だ…

「もしメラノーマだとすると、組織をあらかじめ取って検査することはできません。」
「傷つけることによってがんが他に転移しやすくなってしまうんですよ。
だから患部をいきなり少し大き目に取ってしまい、それを調べてメラノーマだったら
更に患部の周りを大きく切り取って、そこに自らの皮膚を移植することになります。
頭の皮膚は固いので縫い合わせることが出来ないんですよ。
後は最初からメラノーマであると決めつけて一発で大きく切るというのもアリです。」


ホクロの長径ですが15ミリあります。一回目にその周りを10ミリ大きく取ると25ミリ
更に二回目に10ミリとか20ミリ切り取られたら40ミリ程度の大きな傷が残ります。
一発で切り取る場合はもっと大きくなるかもしれません。

「当然そこには頭髪は生えませんよね?」
「そうですね、でも頭髪で隠れると思いますし、希望があれば再建手術で多少は
縮まりますよ。」

ううん!そんなことはどうでも良い!命が助かることが最優先なんだから。

「それで、ステージなんですがどれくらい進行しているんでしょう?」

ステージは大まかに腫瘍の厚さで分類するんらしく1ミリ・2ミリ・4ミリで進行度に差があり、
僕の場合は2ミリと4ミリの間ではないかのことでした。

この時点でステージ2以上が確定してしまいました。
もしかして5年さえも生きられないのだろうか…

ただ救いは腫瘍がジクジクしていたり潰瘍化していないのでステージ2の中では
進んでいない方ではないかとのことでした。
でも、リンパや他の全身に転移していればステージは勿論進んでいることになります。

腫瘍を取った段階での判断になるようですが、手術の時にリンパへの転移を
調べる為にセンチネルリンパ節生検という手術も同時に行うこともあるとのことでした。

僕の場合は頭が患部なので最初に転移しやすいのが首のリンパということになるので
その手前のセンチネルリンパ節(門番リンパ節)を調べて、そこにがん細胞が存在しなければ
その先には転移はないという理屈です。

助手の方と医長の先生が入念に首筋のリンパを触診してくれ、上半身のホクロを
一通りチェックしてくれた後に今のところリンパへの転移はないと考えていますという
言葉をかけて下さいました。

辛かった気持ちが少し楽になりました。

③に続く