砂漠の井戸

メラノーマ治療の備忘録

原発画像

2017年09月20日 | 原発

  原発の画像をいつかUPしようと思ってはいたのですが、グロテスクさのあまりにずっと躊躇していました。

5年経った今でもスマホの画像フォルダにある自身のメラノーマを見る事がありますが、その度に顔が自然としかめっ面になり険しくなってしまうのがわかります。
先日、ネットでメラーノーマの画像を検索して見る機会があり、いろいろな部位にできた原発の画像を目にしましたが以外に頭皮のメラノーマの画像が少ないということに気づきました。
それなら、自分の画像を見てもらい何かの参考にしてもらおうという心境になりました。

 ただでさえ希少ながんで10万人に1~2人(年間で1500~2000人)しか罹患する人がいないし、ましてや髪の毛の中(頭皮)にできる人は更にレアなケースなのかと思います。
顔にできる人もそれなりにいらっしゃいます。頭皮と顔は一枚で繋がってますから同じ部位だと言っても差し支えないとは思います。しかし一方は目立ち易くて容易に発見できますが、もう一方は髪の毛に隠れていて見つけ難いというのところで大きな違いがあります。

 僕が自身の側頭部に以前からあったホクロが異常に大きくなっているのに気付いたのがちょうど5年前の今日だったと思います。
大きくなったと言っても触って指に触れる感覚は以前と全く変わりなく、米粒程度のポツンとしたホクロの出っ張りを感じるだけでした。
ただ違うところは多少の痒みがあったことだけ、痒みが無ければ髪をかき分けてホクロを見る事はなかったのではないかと思います。

がんには自覚症状があまりないといわれます。僕のメラノーマも自覚症状なんてあるはずもなく全く普段と一緒の生活を送っていました。
でもなんか痒い…
ホクロの部分だしチョット見てみるか…

そんな偶然というのか…今思えば奇跡なんでしょう。あの時発見できてなかったら3ヶ月放置してしまっていたら、病期は更に進んでしまい今頃命が無かったと思います。




 白い点線の中が発見時から10年前には既にあったホクロ部分です。ある日突然できた記憶があります。ニキビだと思って触って、爪に引っ掛けてしまい出血したことがありましたが、いつのまにかホクロができていたのだと特に気にすることもなく、後に確認したのも10年で1回程度?3回は無かったと思います。
ですから発見から何年前から増殖が始まりここまで大きくなったのかも全く判りません。10年で徐々に大きくなったのかあるいは半年で急激に大きくなったのかも。
3ヶ月に一度位、床屋さんでパーマをかけロッドで巻いてもらっていたのに床屋さんも全くあるのに気づかなかったと言っていたので、もしかすると後者の方の可能性が高いかもしれません。
ホクロががんになったのか或いは始めからがんだったのかということが議論されますが、少なくとも僕の場合は最初から普通ではないホクロだったのが急な出現、ちょっとの引っ掛かりから出血した事などからも推測できます。

水色の矢印部分に滲み出しがあります。この部分が痒みを伴っていたのかなと想像しています。滲み出し=リンパに転移していたのもこのせいかもしれません。

とてもグロテスクで、素人目で見てもイカニモな画像で顔をしかめていらっしゃる方が多いと思いますが気になるホクロの自己判断時に応用して頂ければ幸いです。

後にちゃんとした病院で診断してもらうのは必須です!



5年経過します

2017年09月14日 | 定期検査




  8月31日は埼玉スタジアムで日本×オーストラリア戦を観戦してきました!
W杯の予選のホーム開催試合は過去4大会欠かさず応援に行っているかもしれません。
ピッチのグリーンの鮮やかさ…周囲の盛り上がり…ゴールや勝利の瞬間の歓喜の渦…
免疫力が自然と上昇する感覚があります。昨秋のイラク戦。山口蛍がロスタイムに相手ゴールにシュートを突き刺した時には頭の血管が千切れそうになるくらい叫び声を上げでしまい危うくあの世に行ってしまうところでした(笑)

 さて、試合の興奮も冷めやらぬ9月4日に半年振りに腰から上と頭のCTを受けてきました。メラノーマの告知を受けて概ね5年、転移が発見されてリンパの郭清手術を受けてから4年10ヶ月後の検査にあたります。がん種全般に言えることですが5年の壁を超えることはがん患者にとって大きな目標です。もう安心というわけにはいきませんが、再発のリスクは少なくなってきます。

 実は今回6月にひいた風邪の咳がなかなか収まらず夏の間ずっと咳き込んでいたので肺転移を少しだけ疑ったりして結果がとても心配でした。メラーノーマの場合1年目2年目が大きな壁です。3年の壁を超えると転移のリスクは下がっていきます。でも3年目、4年目よりも今回の5年目の壁は精神的には少し高いように感じられました。

 通常2~3日後にがんセンターに電話をして結果を聞いていたのですが、最近CTの結果が遅れがちだというので10日後以降に電話するように伝えられました。ここでも5年の壁が?
先程、満を持してがんセンターに電話。担当医に繋いでもらい結果を聞きました。画像確認の為、1分程の沈黙がありソートーびびりましたが、けっか問題なかったとの言葉をいただきました。

 5年前、ステージ1の筈がステージ3になった時には世界がガラリと変わってしまい、見える景色も霞んだフィルター越しに見ているようで自分の周りだけ他とは違った時間が流れているよでもありました。残された余命を意識せずにはいられませんでした。でもこうして5年目を迎えようとしている今、少しずつ病気前の感覚に戻ってきたように思います。
執刀してくれた先生や入院生活でお世話してくださった看護師の皆さん、家族、友人のサポートのお陰だと思ってます。心から感謝しています。


僕は運良く5年をクリアできそうですが、残念ながら同じメラノーマで辛く苦しい闘病をされている方がたくさんいらっしゃいます。
自分だけ、申し訳ない気持ちがしてきます。もう十分頑張ってらっしゃるのを承知で…心からエールを送りたいです。負けないでください!

また、メラーノーマの疑いがあって現在心配なさっている方へ。メラノーマは確かに怖いです。でも治療する術が殆ど無かった5年前とは違い使える薬が沢山でてきました。たった5年で驚くべきことだと思います。あまり心配なさらずに!こうして5年経って生きているサンプルも居ますので。

 


胃粘膜下腫瘍

2017年09月08日 | がんセンター

 今年1月半ば頃、胃の具合がどうもおかしい… みぞおち辺りが痛むし食後にムカムカするし。
元々、胃の不調自体はよくある方で、時々胃痛などを起こしておりました。
でも今回は何か変... 普通は常備してある胃薬を飲めば2~3日で良くなるのに1ヶ月してもよくならず、痛みが横っ腹にまで拡大してきていました。

 もしかして胃に転移したかな? 2~3日の不調でもそんな疑念が頭を過るのにあまりの不調期間に不安は募るばかり。
ストレスによる胃潰瘍か痛みの部位からして十二指腸潰瘍かも。最悪メラノーマの転移だってあり得る。忙しかったこともあり重い腰をあげて市立病院に行った時には、既に3月になろうとしていました。

 血液検査の腫瘍マーカーの値からすれば悪性のものは無さそうとのことだったのですが、不調ならこの機会に胃カメラでよく検査した方が良いのではと医師に勧められ翌週に胃カメラをすることに。
中高年にはかなりの確率でピロリ菌がいるというし、もしピロリ菌がいたら除菌してもらえば胃がんのリスクも減るので胃カメラには抵抗感があったのですが良い機会と捉え受けてみることにしたのでした。

 話が逸れますが、昔は離乳食なんて便利なものは売ってなくて、大人が食べるものを柔らかく煮たり潰したりして赤ん坊に食べさせていたんですよ。下手したら親や婆ちゃん辺りがわざわざ咀嚼して柔らかくしたせんべいなんか与えたりしてたわけです。当然抵抗力のない赤ん坊ですからピロリ菌が見事に移ってしまいます。なので40代~にはピロリ菌の保菌者が多いというのは頷ける話です。僕もきっと誰かに咀嚼したせんべいを食べさせられてるハズ。

 初めての胃カメラは大変でした。自分の前の順番の人がカメラ挿入されると「ゲーゲー、オエーオエー」始まりまして。「空気を入れるから我慢してねー 入れますよー」「グウェーーー」「何してんだよー!バカヤロー!」みたいな会話が聞こえてきてたもんだから、こっちも緊張がMAX!

自分の番になり胃カメラを飲み込むのですが、直径10mm以上もありそうな管が喉を通るのは流石に苦しくて…自分の胃の中の様子が映っているモニターを確認することもできたんですが全くそんな余裕はなく、固く目を瞑ってひたすら検査が終わるのを祈るのみでした。

 二週間後結果を聞きに行くと、多少の食道の荒れはあるものの胃はとてもきれいでピロリ菌もいないとのこと。胃の違和感や痛みの原因になりそうな所見は見つかりませんでした。
ところが胃の入り口付近に胃粘膜下腫瘍なる腫瘍ができていることが発覚。要は胃の内側の粘膜ではなくてその裏っ側に10mmくらいの出来物があるというのです。良性の場合が殆どだけれども悪性でないとは言い切れないらしく胃カメラでの定期的な検査で経過観察するか、心配ならがんセンター等の設備の整った大きな病院を紹介するのでそこで切除してしまうのもアリだと説明されました。
良性の可能性が高いけれど一応CTを撮って腫瘍の表情を見てみるにることになり後日CTを撮ったのですが腫瘍が全く映らないという結果に…

 粘膜下腫瘍なんてよくありがちな腫瘍なんだろうし、CTにも映らないくらい小さいなら年に1回胃カメラして経過観察していけばいいやと気持ちは固まっていたのですが、先生にこの腫瘍が見つかる頻度を訪ねると年に数例しかないと聞かされ直近の例では柏のがんセンターで手術した人がいたって言うじゃないですか…

 もう面倒だから僕にも柏のがんセンター紹介してください!という流れになり放射線科でCD-Rを焼いてもらって消化器科で紹介状に同封してもらおうと戻ってきたら、「築地に通ってましたよね?築地の方がいいですかね?」
最初からメラノーマで築地に通っている旨話してあるのに柏を紹介したのは築地のがんセンターにはルートがないんだと勝手に理解していたのですが、結果どこでも紹介してくれるんだそう。メラノーマの時もここで築地に紹介してくれたんだしそりゃそうだよね。

 皮膚科に通っていてもがんセンターでは他の科で診てもらう時は新患扱いで、予約を取って診察券を通せば他の科を受診できるというわけではないようで、新患受付で住所やら緊急連絡先やら既に登録されている情報を始めから記入させられました。がんセンターに通われている方はご存知かもしれませんが新患患者は生活習慣やら現在の心理状態等の結構な量のアンケートも記入させられます。流石にまたあのアンケートを書くことはありませんでしたがそこそこの時間を要しました。


 内視鏡科での問診後、2週間後の超音波内視鏡での検査を予約してその日はお終い。翌週は皮膚科でフェロンだったので3週連続の築地通いとなりました。でも大変ってことはなくって築地通いは良い気分転換になるので逆に楽しみなくらいです。


 市立病院で胃カメラした時には鎮静剤なしで検査したのですが、超音波内視鏡は少し太いのでモレナク鎮静剤のオマケ付きらしく、鎮静剤を注射して検査してもらいました。研修生なのか3人程見学者がいて検査の流れや内視鏡の操作方法を熱心に聞いていました。鎮静剤の威力からか太い内視鏡でも苦しさは全くなし。40分程度リカバリー室で休んで検査は終わりになりました。

 結果は予想通り悪性の所見はなしで、大きさも6mm程度でした。平滑筋がなんらかの原因で大きくなった平滑筋腫というもので急激に大きくなったり50mmを超えるようにならない限りは年に1回程度の胃カメラで経過観察でよいということになりました。当然ながらがんではなかったのでがんセンターでは経過はみてもらえず市立病院に差し戻しです。


 平滑筋肉腫なら悪性、平滑筋腫なら良性で一文字違いでも大違い。ただでさえメラノーマの転移が怖くて定期検査の度にビビッているのだから、今回は検査して良かったです。年初の胃の違和感がなければ胃カメラすることもなく無駄に心配することもなかったのですが胃カメラアレルギーもすっかりなくなったことだし良しとします。

 結局2か月にも及ぶ胃の違和感は何だったのかは判らずじまい…
暴飲暴食に気を付けないと大事になるぞ!というサインかもしれませんね。

来週はいよいよメラノーマの治療開始から丸5年経過後に受けた定期検査の結果がでます。