砂漠の井戸

メラノーマ治療の備忘録

2020年生存報告

2020年12月30日 | 病状

 2年ぶりにログインしました。長期間更新の無いブログに今でも一日平均30IPもの訪問があり少々驚きますが、メラノーマという希少がんのブログは数が限られますから、この病気の予後などが心配で検索されているのかもしれません。と、いうことでゲリラ投稿というか近況なぞ。

 早いもので、治療開始から丸8年が経過しましたが転移・再発なく無事過ごせています。罹患後5~6年までは一時も離れなかった癌への恐怖心も、最近では大分薄らいできていて、がんに罹患していたことを忘れていることにふと気付くこともあったりします。厄介ながんで油断してはいけないのですが、取り敢えずは運よく克服できたのかな…と思っています。
 とは言え、50も半ばになると色々とガタがでてきます。実は9月下旬頃からお腹に違和感を感じるようになりました。具体的には便通異常や胃痛・腹痛などで市販の整腸剤や胃薬などを飲んで様子をみていましたがなかなか改善には至らず、原因は何なのかとモヤモヤしながら過ごしていました。コロナ下での自粛生活で一念発起し通い始めたジムも1ヶ月そこそこでやめる事になり運動不足なのは明らかだったので、体調を整える目的で10月から、遠くで煌めいているスカイツリーのライトアップを眺めながら夜間のウォーキングを始めました。運動すればお腹の違和感も改善するに違いない。サボらず結構毎日歩きました。体重はみるみる減って1ヶ月で3㎏減。明らかに、お腹周りの脂肪は減ってきているようでした。
 それでも目論見通りには行かず痛みはどんどん増幅してくる一方。いたたまれずに病院に行き色々検査してもらうことにしました。消化器科で血液検査をして、腫瘍マーカーの数値を調べてもらうことから始まり、泌尿器科で尿検査、CT撮影。痛みの原因となりそうな膀胱や腎臓や前立腺の病気をいろいろと調べてもらい、再度、消化器科で胃の内視鏡と大腸内視鏡の予約をしてその日は終了。
後日、胃と大腸の内視鏡検査をしてもらい。先日その結果が出揃いまた。                                                         

 ▫腎臓に結石あり(今回の痛みとの因果関係なし)

 ▫膀胱がん、前立腺がんの兆候無し(前立腺は肥大傾向)…涙

 ▫軽度の逆流性食道炎、びらん性胃炎

 ▫大腸には全く異常無し

一番疑っていた大腸になにも異常が無かったのは意外でした。大腸がんの可能性を非常に疑ってましたから、結果を伝えられた時には「え?異常無しですか?」「ポリープも何も?」思わず2度聞きしてしまったくらいです。画像を見せてもらいましたが、荒れていた胃の画像とは違って、大腸は色艶も良く至って状態が良さそうに見えました。
結果、現在も続く胃腸の違和感や痛みの原因は特定されませんでした。こんな時言われがちなんですが、「大きなストレス抱えてません?」医師が質問してきました。
 ええ、滅茶苦茶ストレスありましたし、現在も抱えてます。例外なく誰しもがコロナでストレス抱えているし、そのコロナで息子の就活が思いもよらない苦戦にみまわれました、不採用メールを受け取る息子の状況を傍から見守るのも相当きついものがありました。最近では離婚直前に飼い始めた愛猫が死んでしまいました。17年一緒にいたので今も信じられません。愛猫のことを考えながら流星群をみていたら、目からも熱いものが流れるのでした。うーん寂しい…
そして最悪なことに、母親が怪我で手術が必要となり今月初旬に入院してしまいました。今年の年末年始はイレギュラーが多すぎて少々疲弊気味です。燻っていた長年にわたる懸案事項も再燃してきそうだし…。お腹の不調は暫く治りそうな予感がしません。スッキリしませんが、身体のメンテナンスの良い機会にはなったと考えて納得しておきます。皆様に早く平穏が訪れますよう。

それでは、またいつか。


新たなしこり

2018年07月12日 | 病状

 先月18日に左鎖骨付近のしこりについて造影CTと超音波エコーをして、現段階ではグレーとの判断しかできないので経過観察となったわけですが、二週間もしない内に新たにしこりが出現しました。正確には出現したんだか最初のしこり発見時に元々存在していたのかは定かではありません。しこりが気になるものだからついつい触ったり押したりしてしまいます。他にもないか入念にリンパ節のありそうなところを探るわけです。もう脇の下から鼠径部にいたるまでね。

そんな中で喉仏の下のところにコリッと固い小石のようなしこりがあるのに気付いたのでした。左鎖骨のよりも大きめでアヅキと大豆の中間くらいの大きさです。直ぐに担当医に電話して超音波エコーの予約をし先日がんセンターに行ってきました。左鎖骨のしこりは三週間前と変化なしでしたが、やはりしっかり喉にはしこりが確認できました。

急遽、専門医のいる頭頸科の予約を入れてもらい診察を受けることになりあれよあれよと事は進み、注射針で細胞診をしました。悪いものだったら針を刺して刺激してしまっていいのか質問しようと思ってましたが、先生が忙しくしていたし、予約がないのに診察をねじ込んでもらった負い目もあったので聞けませんでした。大きく思えたしこりは意外に小さく直径7ミリで案の定、注射針で中身は吸出すことはできませんでしたが、微量に採取できた組織の一部を検査にまわしてもらいました。エコーの画像からはメラノーマっぽくはなさそうで甲状腺由来の腫瘍のようで、器官?気管?イントネーションから器官と聞こえたのですが「器官かな~?」と器官?も可能性も…。
待合も混んでいたし詳しく聞けず終いで二週間後の予約で結果を聞くことになりました。

針を刺したしこりは現在2倍くらいに腫れてしまうし痛みもあるしで、大丈夫なのかと心配になってしまいます。しこりができてからというもの頭の中には「終活始めないとな…。精神が持ちそうにないな…。」とかそんなことばかり浮かんできていましたが、メラノーマっぽくはないという診断だけで随分楽になってきたように思います。甲状腺の悪性腫瘍かもしれませんが、メラノーマよりはマシなんじゃないかと思ってしまいます。それ程予後の悪いメラノーマは怖いです。二週間後に白黒つくのかグレーのままってこともありますが、兎に角、待つしかありません。

先月末に患者会代表の徳永さんの訃報を知りました。彼女は僕が術後のフェロンの連続注射の治療中にこのブログにメッセージをくれて、ステージが全く同じでお話を聞きたいと言ってくれて5年半前に初めてお会いしました。

その時、不安な気持ちを共有できる患者会を作ろうと思っていると話されていましたが、その後間もなく本当に患者会を立ち上げた彼女の行動力には正直驚かされました。僕は同じメラノーマの患者さんとは2人の人しか会ったことははありません。病室では勿論何人もの方と会ってはいますが皆さん病状はあまり思わしくありませんでした。深く相手をしってしまえばのちに辛い思いをする。ならば距離を置こうというスタンスでした。それもあって患者会を立ち上げた彼女から入会のお誘いがくることはありませんでした。きっと知り合いになってしまってお互い厳しい病状に陥った時になんと言葉を掛けたらいいのか僕には分からないと言っていたのを気遣ってくれていたのかな…と思います。


こうして知り合いになったからには、お互い再発するのは無しだよ!と約束したのを覚えています。ですから彼女が再発したのを知った時はとても残念でした。彼女に限って再発は絶対にないと思っていましたから。彼女の行動力やー底なしのバイタリティーを知る人なら誰もがそう感じていたと思います。

昨年の12月の通院の時に颯爽と目の前を横切った彼女を見つけたのですが、あまりの早歩きで見失いかけました。声を掛けると以前の様に気さくに話してくれましたが、やっぱり僕には彼女にかけてあげる言葉がでてきませんでした。ずっと見守ってるからね!というのが精一杯。なんとも言えない気持ちのまま病院を後にしたのを覚えています。あんなに元気に歩いていたのに、その後直ぐに車椅子生活になられたのはとてもショックでした。ブログから諦めずに治療と向き合う様子を拝見し、病状もコントロールできているのではないかと感じていましたので、突然の訃報はなかなか受け止めることができませんでした。いまでも病院で偶然会えるような気さえしています。

メラノーマという病気を患者会を通じて彼女が広めてくれたお蔭で病気が広く認知されるようになり早期発見が増えてきていると聞いています。徳永さんのお陰で救われた命も少なくないと想像します。患者会にとっての損失は大きいと思いますが、彼女の意思はずっと受け継がれていくと思います。

ブログの最後の投稿、愛猫の銀の小さい頃の写真が涙を誘います。ピロ子さん安らかに…。


転移の疑い

2018年06月24日 | 病状



  19日はコロンビア戦のPVに出かけてきました。家でTVで観戦するのもいいのですが、親友と一緒に時と場所を共有つつ熱狂応援しながら観戦するのも楽しいのでね。
しかも2×1で勝利ともなれば免疫も上がるってものです。いやー今夜も連勝期待してしまいます!

実はこの前日は元々予定にない通院でがんセンターに行ってきました。4日のフェロン後いつものように首肩の張りが酷くなり数日後の改善を期待していたのですが、なかなかいつものようには良くならずに張ってしまった首や肩をマッサージしていたのですが、鎖骨の上、首の付け根付近に痛みがあるのに気が付きました。痛みの場所を特定しようと探ってみると小豆大のシコリを発見。正直、血の気が引きました。

シコリは固くて、つまんでみると痛みがあります。それが原発側であること、リンパ節のようであることから良くないものである可能性は低くはないと思われました。
直ぐに担当医に電話をし状況を説明し支持を仰ぐと、次回の8月の予約まで放置することはできないので早めに検査しようということになったのでした。造影CTとエコー検査をしたのですが、結果はグレー。

エコー検査からシコリは取り残したリンパ節だろうということで大きさは現在9mm。9mmではCTでは捉えることはできません、仮にPETCTをしてもまだ糖を集め出している段階ではないので映らないとのこと。9mmとはいえ大きくなっているのは確かで、転移は否定できないとの見解で、希望するなら針で生研するのもアリだそうですが、がん細胞にあたらないこともままあるようで確定は困難だろうということから少し時間をおいてエコー検査で経過を追っていこうということになりました。

CT撮ったらあちらこちらに複数転移が発見されるかもしれないという想定もしていましたから、特に他の臓器に異常が無かったのは幸いでした。でもエコー検査とCTで白黒つくことを期待していましたから、転移かもしれないというもやもやを解決できなかったのはとても悩ましいです。

梅雨時で寒暖差もあるので、体調不良やストレスからリンパが腫れているのかもしれない…朝起きたらシコリが無くなっているかも…と期待したりしますが、残念ながらシコリはしっかり毎日存在しています。心配するくらいなら、残ってるリンパを郭清してくださいと言いたかったのですが、完全に黒でもないのに今以上の後遺症を背負うのも正直躊躇ってしまいます。QOLを下げてまで賭けにでることはできませんから。

悩んでいても消耗して疲れてしまいますから、サッカーW杯で日本代表の躍進を願いつつ免疫UPに心がけようと思います。出来るだけ長くロシアに残ってもらえれば気が紛れるので有難いのですがね。


生存報告です。

2015年12月11日 | 病状

ご無沙汰しております。更新に一年以上の間隔が空いてしまいました。
暫くぶりにログインしてみると、平均して毎日50~60人くらいの方がこのブログを検索してみてくれているようです。

まあ、あまり居ないとは思いますが定期的に覗いてくれる方が数人はいるとしてもほぼ50人程度の方はメラノーマのブログを探して何か病気について情報はないものかと僕のブログを見つけてくださっているのかな、と思われます。
5年生存率が50%程度と思われた僕のようなケース(ステージ3aで頸部リンパに転移)で3年経過後も転移なく過ごせていることをこうして報告することは、これから告知や治療を受けられ方に少しでも希望になるのではないかと思うに至り更新してみる気になりました。小さくても需要があるなら書こうかな…といったところです。

最初に原発の切除手術を受けたのが2012年10月。追加で広汎手術が11月頭。転移発覚で頸部リンパを郭清したのが同月末です。
治療開始日から起算すると本日で約3年2ヶ月が経過したことになります。今年の9月に受けたCTではお蔭さまで転移は見つかりませんでした。次回のCTの予定は3月頃になると思いますので、その時点で転移がなければ晴れて3年5ヶ月無事乗り切ったことになります。

僕の現在受けている治療は3年経過した今も月1回のインターフェロンβの局部注射のみです。当初はフェロンは3年を目途に受けることにしていましたが、最後のCT検査が微妙に2年10ヶ月程度で、3年をクリアしているかはまだ確定していないことになり、次回までは取り敢えずこのまま月1フェロンを継続することにしました。

体調の方は5月頃に自身2回目の尿管結石になってしまい、石が出てくる10月くらいまで時々襲われる痛みと格闘をしたり、郭清手術の後遺症の首や肩の痛み・頭痛には殆ど毎日休みなく1年365日悩まされてはいますが、慣れとは恐ろしいものでそんな症状とも上手く薬の力をかりながら付き合ってこれています。

今後ですが、3月までにインターフェロンを続けるのか或るいは減らすのか、それともキッパリ止めるのかじっくり考えます。
全く止めてしまうと半年毎の検査しか病院を訪れることは無くなってしまいます。病院に月に一回通うことである意味安心している部分もあったりするので、今のところは2ヶ月に1回か3ヶ月に1回フェロンと付き合う気持ちに傾いてはいます。


組織検査の結果

2014年06月23日 | 病状

今年に入ってから急に、リンパ郭清手術で摘出したリンパ節のあった一部である耳の後ろが隆起しだしました。

それが何であるのかは勿論外見からは判りませんでした。CT撮影でも判らず、仕方なくもっと正確な診断が可能なPET撮影を試みてみると、可也の精度で悪性黒色腫ではないのではないかという結論に至り、経過観察で今後変化が現れた場合に摘出しようということになったのですが、相手は悪性度の高い黒色腫。もし転移だった場合は手遅れになり兼ねません。

僕の頭は原発のあった部分が小判状に禿げてしまっているだけでなく、以前受けた脂肪腫の傷跡も含めると総延長で40cm以上の傷で継ぎ接ぎ状態になってしまっていますから、できればもう傷は作りたくないところなのですが、転移であるならば早いうちに処置してしまった方が良いに決まってます。

ということで先日11日に隆起部分の切除手術を受け、今日、抜糸を兼ねて結果を聞きに行ってきました。

摘出した組織に悪性黒色腫は存在しませんでしたと結果には書かれていました。

では何だったのかというと、外科手術が原因の斑痕組織だそうです。

手術の後が蚯蚓腫れになることってありますよね。手術の後って傷を直そうとして一生懸命に皮膚の細胞が頑張るんだと思うのですが、それが暴走気味?になってしまって異常増殖して盛り上がってきてしまうってところでしょうか。手術後に先生が悪いものではなさそうだと仰って下さったのと、W杯の応援で多少気が紛れた部分もあって、少しは心配もあったのですが四六時中ドキドキしている程ではありませんでした。
ところが流石に待合で待っていると「もしかして…・」という気持ちが湧いてきてお約束の極度の緊張状態に陥ってしまいました。

結果を聞いて安心し過ぎで脱力したからなのか、はたまた帰りに銀座を2時間も歩いてしまったからなのか、身体が熱っぽくダルイです。

安心できた節目に、絶好調!って言ってみたいですが、一向に回復しない術後の痛みからしてもそれは難しそうです。

劇的に体調が戻る方法ってないんだろうか…。転移ではなかったのだから贅沢なことを言うものではないですね。
日本代表にも起死回生で予選突破!期待してしまいます。