砂漠の井戸

メラノーマ治療の備忘録

もうすぐ4年経ちます。

2016年08月12日 | 定期検査

 

千日紅は文字通りドライフラワーにすると千日経っても色褪せないとか。

思えば…
悪性黒色腫との告知を受け、後日リンパに転移が発覚した時は余命は長くて3年くらいかな…
と覚悟しました。悲観的になっていた僕は入院中毎週末に見舞いに来てくれた親友に、「あと10年は生きたかったよ。せめて5年だけでも…」
と弱音を吐いて彼を困らせたものでした。情けない自分を忘れてくれているといいのですが、きっと鮮明に覚えていることでしょう(恥ずかしや)

現在、2ヶ月に一度フェロンを続けながら半年に一回CTなどの画像診断を受けています。
お陰様で先日受けた治療開始から3年10ヶ月程度経過した時点でのPET検査でも特に問題はありませんでした。

千日紅の様にはいかず、色褪せないどころか加齢のせいもあり随分とヘタレになってしまいましたが何とか千三百日以上生きています。後遺症の辛さは相変わらずですが、この分でいくともし転移したとしても神様に命乞いした5年は何とか生きていられそうです。
勿論、無事健康で5年クリアしたいと願っているのは言うまでもありませんよ!

元気で5年をクリアできるように、千日紅のように少しでも長く咲き続けられるよう少し摂生に努めないとマズイかなと最近感じます。
少しづつでも身体を動かすことを日課にしようと思うのですが、なかなかね…。






 


3年4ヶ月(定期検査)

2016年02月12日 | 定期検査

 8日(月)に5ヶ月振りの定期検査を受けました。前回は昨年の9月だったので通常のルーティーンであれば半年後の3月の予定だったのですが、1月の診察で首にあるシコリの様なものが気になる旨ドクターに伝えると、手術痕が硬くなっているとの診断をしてくれました。でも心配ならエコー或いはCT検査を前倒ししようという事になったのでした。

 月曜日は13時の診察予約でしたので、診察時に血液検査の結果が出ているように1時間前の正午に採血を済ませカフェでコーヒーを飲んで時間を潰しました。がんセンターはいつも患者さんで溢れていますが、全て予約制ですし、早朝の時間帯の採血こそ混んでいることがありますがそれも15分程度です。会計も待って10分程度。でも唯一待つのが昼時のコンビニの会計の列でしょうか…・。サンドイッチ一つに20分待ったことがあります。がんセンターに着いて30分後には築地の場外で買い物をしている…そんな事もしばしばあったりします。今回の採血も待ち時間はゼロ。

 13時に診察に呼ばれるとちょうど採血の結果が出ていて、内容も全て問題なし。その場で当日枠のCTの予約を入れてもらい、いつものフェロンをブスリ!相変わらず頭も首も麻痺しているので痛みはありません。心配性の僕は最近気になっていた右の喉付近の硬いシコリが何なのか質問。ドクターは笑顔で「これは誰にもある軟骨ですよ。心配ないです。」…と。
まあ、そんな予感はしていたのですが悶々としているなら一瞬の恥なんぞ何てことないですからね。ドクターもその辺の僕の性格を知っているのでCTの結果も次回の通院を待たずに電話でお教えてくれます。有り難いことですよね。

 当日枠のCTは予約の患者さんの間に組み込んでくれるのですが、3~5人も呼ばれると直ぐに順番が回ってきます。造影剤は少し気持ちが悪くなるので苦手なのですが、あの身体中が熱くなる感覚は意外とクセになります(笑)

 話しが脱線してしまいましたが、今日、CTの結果を教えていただきました。治療開始から3年4ヶ月後の定期検査はお陰様で無事クリアすることができました。時限爆弾の残り時間をまた半年リセットできた感覚です。何回受けても定期検査の前はナーバスになってしまいます。特に結果を待つ2~3日は、毎回、悪い結果の場合を想定して覚悟を決めます。
といっても、覚悟なんてできなくてビビりまくって体調が悪くなったりするのが常なのですがね。今回もフェロンの副作用がなかなか抜けずにグダグダでした。

次回の検査は8月か9月。もうちょっとで4年というタイミングになりそうです。そして来月はこのままフェロンを続けるのかそれとも減らすのか、或いはきっぱり止めるのかドクターに相談します。
決まりましたらまたここでお知らせしようと思います。

花粉症の症状が昨日あたりから急にでてきました。今年は軽く済むといいのですが。。。


頸部リンパ郭清

2015年12月26日 | 手術の後遺症

このブログの検索ワードは「頸部リンパの郭清」「頸部リンパ覚醒の後遺症」が多いようですので、以前にも書いているかもしれませんが思い出しながら記してみます。

センチネルリンパ(見張りリンパ)の1つに微少転移があると知らされた時点で僕には

①既に終えている広汎切除と皮膚移植のみで治療を終える。
②万全を期して所属リンパである頸部のリンパ節を全郭清する。

という二つの選択肢が医師から提示されました。

この時点での僕の悪性黒色腫のステージはステージⅢa

国立がん研究センターの2002~2007年の症例ではステージⅢaの5年生存率は61%になっています。10人に6人は5年後生存していますが、残念ながら4人の方は5年以内に亡くなってしまうということです。
更にショックな事に僕のように頭頸部に原発がありリンパ転移があった場合の5年生存率は一般的に61%よりもかなり低くなると知らされました。それはいったい何故なのか。どうやら手術の難易度が他のリンパより高いからということらしく。頸部の場合複雑に走っているリンパをきれいに完全に取りきることが難しいのだそう。逆に熟練した医師が丁寧に完璧なオペを行えば61%に限りなく近付けることが可能だということなのだろうと思います。

転移告知を受けた時、このまま治療を終えてしまっても根治している可能性もあるということ。悪性黒色腫というがんの悪性度からして念のために郭清手術をするのが推奨されるという説明を受けたわけですが、もう自分の頸部のリンパ節には他にも転移が広がっているというイメージが頭から離れなくなっていました。

頸部リンパの郭清により考えられる短期的な後遺症にリンパの液漏れや手術による切開で細かな神経も切れてしまうので麻痺が残るということ。恒久的には特に後遺症は心配がないだろうということでした。麻痺という単語に多少のショックはありましたがそれが短期的なもので徐々にある程度は回復していくとのことでしたので、熟考するまでもなく全郭清を受けることに決断したのでした。

がんセンターの医師が百戦錬磨のオペマイスターであるということは理解できるのですが、がんセンターのような大病院でも皮膚腫瘍科に限った数字ですが僕が手術を受けた2012年度の頸部リンパ節郭清術件数はたったの6例(この内に1例は僕の手術がカウントされているのだろうと思います)で他の所属リンパよりかなり少ない印象。慣れている手術とは言い切れません。兎にも角にも他の所属リンパより厄介な手術なのは間違いないのかなとも思います。

手術は頭部・頸部・肩まで。僧帽筋の下のリンパ節やリンパ管の切除、原発と転移のあったリンパの間の皮膚組織の切除にまで及び痛みは相当きつかったです。気管が腫れで圧迫され呼吸が止まって目覚めることが何度もありました。術前の説明通り、耳や首、頬の一部には痺れがあり感覚は麻痺していました。処方されたビタミン剤の一種でその範囲は小さくはなりましたが現在に至っても麻痺は完全には治ってはいません。例えば蚊に刺されても気がつかないし、痒みも感じません。それに汗のコントロールができません。経験者が痛い痛いというインターフェロンの注射も幸いと言うべきか僕の場合殆ど痛みはありません。

恒久的な後遺症は無いどころか僕の場合とても重度に残っています。頭・首・肩の張りや痛みは四六時中続く厄介なものです。マッサージや揉むことによって改善できそうなものですが揉むと行場のないリンパが悪さするのか首などにおできのような吹き出物が沢山出てきてしまいます。

場所が脳に近いからか、意識から無くなることがなく思考が次第にネガティブになり何事に於いても消極的になってしまいます。

リンパをとらなければ今頃快適だったのに…。

時々そう思ったりもします。

でも、取ってなかったら今頃再発していたかもしれません。結果は神のみぞ知る。今更どうにもなるわけではないので諦めていますが、郭清手術は人にもよりますがとても辛い後遺症があるかもしれないと覚悟した方がいいのかもしれません。

命と引き換えにとなると郭清は止めておくという選択は事実上無いに等しいのですが…。


生存報告です。

2015年12月11日 | 病状

ご無沙汰しております。更新に一年以上の間隔が空いてしまいました。
暫くぶりにログインしてみると、平均して毎日50~60人くらいの方がこのブログを検索してみてくれているようです。

まあ、あまり居ないとは思いますが定期的に覗いてくれる方が数人はいるとしてもほぼ50人程度の方はメラノーマのブログを探して何か病気について情報はないものかと僕のブログを見つけてくださっているのかな、と思われます。
5年生存率が50%程度と思われた僕のようなケース(ステージ3aで頸部リンパに転移)で3年経過後も転移なく過ごせていることをこうして報告することは、これから告知や治療を受けられ方に少しでも希望になるのではないかと思うに至り更新してみる気になりました。小さくても需要があるなら書こうかな…といったところです。

最初に原発の切除手術を受けたのが2012年10月。追加で広汎手術が11月頭。転移発覚で頸部リンパを郭清したのが同月末です。
治療開始日から起算すると本日で約3年2ヶ月が経過したことになります。今年の9月に受けたCTではお蔭さまで転移は見つかりませんでした。次回のCTの予定は3月頃になると思いますので、その時点で転移がなければ晴れて3年5ヶ月無事乗り切ったことになります。

僕の現在受けている治療は3年経過した今も月1回のインターフェロンβの局部注射のみです。当初はフェロンは3年を目途に受けることにしていましたが、最後のCT検査が微妙に2年10ヶ月程度で、3年をクリアしているかはまだ確定していないことになり、次回までは取り敢えずこのまま月1フェロンを継続することにしました。

体調の方は5月頃に自身2回目の尿管結石になってしまい、石が出てくる10月くらいまで時々襲われる痛みと格闘をしたり、郭清手術の後遺症の首や肩の痛み・頭痛には殆ど毎日休みなく1年365日悩まされてはいますが、慣れとは恐ろしいものでそんな症状とも上手く薬の力をかりながら付き合ってこれています。

今後ですが、3月までにインターフェロンを続けるのか或るいは減らすのか、それともキッパリ止めるのかじっくり考えます。
全く止めてしまうと半年毎の検査しか病院を訪れることは無くなってしまいます。病院に月に一回通うことである意味安心している部分もあったりするので、今のところは2ヶ月に1回か3ヶ月に1回フェロンと付き合う気持ちに傾いてはいます。


無事2年経過しました。

2014年10月23日 | 手術の後遺症

お久しぶりです。
ちょっと近況など書いてみようかな、という気になったので4ヶ月振りにログインしました。

6月に受けた転移の疑われる耳横の腫瘤は切除の結果、幸にも単なる手術痕ということが判明し大事には至りませんでした。
でも、昨年は気候が暖かくなるにつれリンパ郭清の後遺症である首や頭や肩の張りは徐々に軽減する傾向があったのですが、今年は暖かくなってもその状態は悪化の一方。ついには背中の方まで痛みが広がってしまったばかりか酷い頭痛にまで悩まされるようになってしまい、仕事の忙しさも相まって鬱屈した精神状態で日々を送るようになってしまいました。

9月に受ける予定の定期検査もクリアできるような気がしない…
事実、逆側の首のリンパが張っていて少し痛みもあります。転移が発覚する人の70%~80%は2年以内、90%の人が3年以内だといいます。もうすぐ2年になる自分に当て嵌めてみると、前向きに捉えれば転移の確立が減ってきているように見えますが、この先1年以内に転移すれば90%の中に入っている訳で、あくまでも転移してしまった人の数字である以上結局のところ安心ではないということです。
毎回CTの度に結果が心配で大変な重圧で潰されそうになりますが、9月に受けた検査はいつもよりも増してストレスが大きかったです。「2年で転移」よく耳にする話ですしね。

「異常はありませんでした。」結果を聞いた時には当然安堵しましたが、体調が悪いということにリンクしていないので転移していないのが意外に感じられる部分もありました。
この頃、半ば諦めかけていた後遺症の痛みに耐えられなくなり、筋肉の張りを抑える弛緩剤などは使えないものだろうかと考えるようになり、試しに整形外科の診察を受けました。
2年位前に悪性黒色腫になりリンパを郭清した為、後遺症が酷いと告げると薬で和らげることは可能だということで、安定剤・筋弛緩剤・鎮痛剤・漢方薬の候補があるので、フェロンとの相性が悪いといけないから主治医に相談するといいと薬の候補をメモしてくれました。

10月の外来でそのことを告げ先生に相談すると、薬に特に制限はないので、逆にどれにしますか?と尋ねられてしまいました。事前にネットで薬については下調べしてあったので副作用の少なそうな筋弛緩作用のある安定剤を希望し処方してもらいました。鬱症状に使われるらしいので抵抗もあったのですが、病的とはいわないけれど鬱々と過ごしているのも事実なので丁度いいのかとも思えたので。

1日3回の服用となっていましたが薬局の薬剤師の方に相談して寝る前の1回の服用で試すことにしました。
睡眠導入剤としても使われるので寝付きもよくなり、睡眠の質も向上したのか寝起きがよくなりました。肝心な痛みも完全にとまではいかないですが軽減されてきています。もっと早く整形外科に行くべきでしたね。「2年ならもう大丈夫ですね。黒色腫の転移曲線は極端に急なので、2年経過したならクリアじゃないかな。」専門でもないのに…と思いましたが、専門外とはいえ医師がそう言ってくれるのは多少励みにもなります。

そういえば、先日チョコレートを食べているとメラノーマ発覚直前まで治療していた歯が取れました。2年振りに歯科を訪れ治療してもらう序でにクリーニングもしてもらいスッキリ息爽やか!「また1年後にいらしてくださいね」と声を掛けられうるっときてしまいました。そんなこんなで、まあ何とかやっています。