アモルの明窓浄几

芦屋・仕舞屋・三輪宝…生噛りの話題を机上で整理します。

お盆ですね その3

2012年08月15日 | まちのこと
●関西電力大飯原発の敷地内にある断層の再調査が行われることは、皆様もご存じだと思います。
しかし、調査が不備だと指摘された前回と同じ調査会社に関西電力が再委託していることはご存じだったでしょうか。

しんぶん赤旗(8/8日付)によると、再受注した地質調査会社は、ダイヤコンサルタント(本社・東京都千代田区、資本金45,500万円)とのことです。
「ダイヤコンサルタントの大株主は、三菱グループの三菱マテリアルです。同じグループ企業の三菱重工業が大飯原発3・4号機の原子炉を納入しています。ダイヤ社は、大飯原発3・4号機の増設にむけた地質調査を1982年から翌年にかけて受注しています。この調査をもとに地質図が作成され、関西電力は85年に国に提出しています」とのことです。

この地質図がもとで、敷地内断層が活断層か(当ブログ6/19日付参照)そうでないかで意見が分かれ、「(活断層ではないとする)信用に足る証拠が示されていない」として、保安院が関西電力に再調査を指示したという経緯です。

このダイヤコンサルタント社がその他の原発に関わっている地質調査は、敦賀原発(日本原子力発電)、志賀原発(北陸電力)及び柏崎刈羽原発(東京電力)です。

地質学者の立石雅昭新潟大名誉教授は「地質調査ではわかる限りのことを精密に記録することが基本です。(略)今回の再調査では、高い倫理性を発揮して、生のデータをすべからく公開すべきだと思います」といっています。


●原発の割合を2030年にどうすべきかの意見聴取会が全国で開かれています。
2030年の原発依存度を三案(0%、15%、20~25%)から選ぶというものです。
先月の6~16日に行われた時事通信社の世論調査では、今後の原発の在り方について「速やかに廃止」17.8%を含めた廃止派は、62.2%に上ったとのことです。

政府の思惑は、原発依存度「15%」を落としどころと考えているようです。
朝日新聞(8/2日付)によると「政府では早々に『15%が検討の軸』(細野原発相)との声があがった。15%案は40年使った原発を廃炉にするという政府方針を進めた場合の割合だ。原発推進を求める経済界などにも理解されやすい。ところが30年より後に原発を減らすのか、増やすのかは決めていない」というものです。

要するに「15%」案は、2030年以降には原発が増える可能性が残されているのです。
では、「0%」案は如何でしょうか。
橋下徹大阪市長は、当月9日の大阪府市エネルギー戦略会議の後、報道陣に「議論を聞いて原発ゼロは可能だと思った。負担はあるがメリットははるかに大きく、国民は絶対についてきてくれる」と述べました。(朝日新聞8/10日付)

橋下徹大阪市長は、2030年の原発依存度「0%」案が実現可能と判断し、次の衆院選の争点にしたいということのようです。
彼の言うことに、もう騙されませんよね。彼の撤回発言が大飯原発の再稼働を許したのですから。選挙に勝てば、あとは「白紙委任」されたというでしょう。

それとは関係なく、私は当初より原発依存度三案に疑問を感じていました。
依存度「0%」とは、原発全廃ではないのではないかと感じていたのです。
依存度「0%」案は素直に解釈すると、2030年には原発が全て廃止され、それ以降も原発はなくなっているものと思いますよね。でも、「15%」案と同じく、2030年以降については何も決めていないのではないでしょうか。
依存度(率)「0%」とは、原発撤廃(解体)ではなく、原発に依存する割合が2030年には「0」にするだけで、原発を止めておくだけでよいと解釈できないでしょうか。原発依存度とは、原発に依存することの度合い(比率)であって、ゼロであろうがなかろうが「依存」することには変わりがないのではと思っています。その後の状況が変われば再稼働が可能ということです。穿った見方ですが、私はそう思えてならないのです。

何故私がそのような考えに至ったかといいますと、消費税の課税率「0%」が脳裏をかすめたからです。原発と消費税を同じに論議することはできませんが、似たような構造ではないかと思えたのです。

消費税が全く掛からないことと、消費税率ゼロ「0%」とは全く意味が異なります。
因みに「輸出戻し税」ともいわれていますが、輸出売上には消費税が免除されており、これは消費税が掛からないのではなくて、ゼロ税率課税が掛かっています。従って、輸出売上に掛かる仕入税額も税額控除の対象となる仕組みなのです。税額控除の対象となるということは、輸出比率の高い大企業にとっては仕入れ時の消費税分がまるまる還付されるということです。国や大企業は絶対に損をしないシステムなのです。それどころか、消費税率が上がれば上がるほど還付される金額が増えるのですから、事実上の「輸出補助金」(斎藤貴男氏)などともいわれています。

原発依存度ゼロ「0%」に賛成といわず、原発完全廃止(撤廃)といいましょう。



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