アモルの明窓浄几

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お盆ですね その2

2012年08月14日 | まちのこと
●関西電力出身の都倉尚吾大阪市鶴見区長が、区のhpで「鶴見区構想」を発表し話題になっています。
最初に日本国憲法に触れ、「日本の憲法はいわば国民の権利を保護する“権利の章典”であり、極めて美しいコンセプトをうたっている。しかし、残念ながら権利の主張にその重点がおかれ、それにかかるコストをどう担保するかという視点についてはバランスを欠いていると言わざるを得ない。“もらう100 円とあげる100 円は価値が異なる”という至極あたりまえで身近な感覚が容れられていない」と主張しています。

そして、「生活保護、失業保険などの給付を受けるもの、あるいは、年金生活者にもよびかけ、区のサービス提供に協力をしていただく」といいます。
「保護を受ける人々が、できる限りサービスの提供する側にまわっていただくことで、保護費を単なる支出として認識するのではなく、サービスの提供に対する対価と認識すれば、払う方も、払われる方も、より喜びがもてる」とし、生活保護受給者がおこなうサービスとは「介護、保護、子どもの世話、夜の見回り、公共施設の点検管理、まちや施設の清掃、ごみの分別、給食の補助等々さまざまな分野が考えられる。政府や自治体から支払われる単なるコストではなく、受給者による労働の対価と捉える」としています。

又、「これは、失業保険受給者、あるいは年金の受給者にも通じることである」と強調しています。
要するに、都倉区長は、生活保護受給者は「労働の対価」として、給付を受けるのだといっています。

これは誤りで、生活保護の受給は「権利」なのです。「労働の対価」ではありません。
さすがに、橋下徹大阪市長も放っておけず、区長が公務員である以上、「現行法での見解表明をしないといけない」、「現行法上は、(生活保護は)労働の対価ではない」と言わざるを得ませんでした。

大阪市長の指摘があったにも拘らず、「鶴見構想」は今も区のhpに公開されています。
→鶴見区構想:http://www.city.osaka.lg.jp/tsurumi/page/0000179251.html


●第1回「ブラック企業大賞2012」が発表されました。
大賞には「東京電力(株)」が選ばれましたが、誰しも異議のないところでしょう。
市民賞には、居酒屋チェーンの「ワタミ(株)」です。今回の総投票数20,116票の半数にあたる10,024票を獲得し、堂々の受賞でした。

週刊金曜日(8/10号)によると、「森美菜(当時26歳)さんは2008年4月1日にワタミフードサービスに入社。…所定労働時間は午後4時から午前1時までだったが、開店2~3時間前に出勤。平日は午前3時30分まで、週末や休み前日は午前6時までが勤務時間だった。配属1カ月で月の残業が100時間超となり、始発での帰宅という毎日。5月中旬に心身に変調を来たし、自殺したのは6月12日。入社からわずか2カ月後だった。(中略)今年2月に自殺が労災と認定された。ところがこの労災認定に際し、ワタミの渡邉美樹会長は『労務管理できていなかったとの認識は、ありません』などとツイッターで発言、ネット上で批判を浴びて“炎上”した」という。
渡邉会長は、NPO活動や教育にも熱心のようですが、言動にも事欠かないようです。

尚、ブラック企業の「選考方法」は、下記の通りです。
ブラック企業には幅広い定義と解釈がありますが、「ブラック企業大賞」では次のようにブラック企業を定義し、その上でいくつかの観点から具体的な企業をノミネートしていきます。
ブラック企業とは・・・・(1)労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業
(2)パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)
(3)また環境破壊や事業所の周辺環境や地元地域社会への配慮・貢献、消費者のニーズ・アフターケアに対する考慮が薄い企業なども含まれる場合がある。
以上

「ブラック企業大賞2012」→http://blackcorpaward.blogspot.jp/
渡邉美樹会長の迷言・言動→http://matome.naver.jp/odai/2132987288185252501

追伸:居酒屋チェーンのワタミ(株)で、過労自殺した森美菜さんのご両親が、第6回「過労死をなくそう!龍基金」中島富雄賞を8月5日に受賞されました。
同基金は、過労死をなくすために貢献した団体や個人を表彰しています。
森美菜さんのご両親は今も、ワタミ(株)に謝罪などを求めて交渉中とのことです。


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