アモルの明窓浄几

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再度、「後期高齢者医療制度」について思うこと-7

2007年10月22日 | 万帳報
県広域連合の議員が指名推選によることは良しとしても、何故、市議会議員の中から推薦するのではなく、執行機関側の市長が推薦されたのでしょうか。
このシリーズの4回目で触れましたが、大阪府の広域連合の場合は規約において、当該関係市町村の長及び副市長は選任の対象者にはなっていません。
兵庫県の広域連合の場合は、執行機関側の市長又は、副市長も選任対象になっています。
そして、事務局長会の中では、執行機関側からの選任という意向が強いと云われ、事実その様な結果になっています。
では、3月定例会の前日の議会運営委員会の様子を見てみましょう。
かなり長いですが、我慢して付き合ってください。

平成19年2月19日の議会運営委員会の会議録より(県広域連合議員選出に関する部分のみ抜粋)

・来田委員長:…(省略)…次に③の兵庫県後期高齢者医療広域連合議会議員の選挙についてですが、13日の代表者会議で選出の方法について本日の議運委員会までに持ち寄ることになっていましたが、この場でご協議を願いたいと思います。
如何致しましょうか。つまり、投票をするか、指名推薦にするかということです。

・長野議員:会派に一応この前検討してということでしたので、会派の意見をちょっと簡単に聞いてください。

・来田委員長:聞かせてもらいましょうか。 どなたからでも結構です。

・前村議会事務局長:補足して、念のために説明させてもらいますと、この選挙される被選挙権を持っているのが、市長と助役(副市長職がなかった為※筆者)と議員と、その内から選挙すると、議会で選挙するということになって居ります。従って、どなたかに決めて指名推薦でいくか、いきなり投票でいくかと云う事について、前回、代表者会で各会派に検討をお願いしたいと云う事で依頼していた内容です。
従って、3月定例会で各市共に広域連合の議員を選ばなあかんという状況になっておりまして、ただ今のところ聞いておりますのは、西宮市が執行機関サイドから選びそうというような情報を聞いております。本会議が西宮市は始まっていたが、その辺がちょっと定かではないんですが、本会議前の情報では、執行機関側からにしたらというような事で、ほぼ意見がまとまったというふうには聞いております。
それから兵庫県で41市町がございますが、その中で議会からと今はっきり意思表示をされているのは、高砂市ともう1町、町で一つあったと思います。この二つぐらいです。
それから執行機関側から議会の判断に委ねますと云うところが姫路と加古川だったと思います。それ以外は、まだ検討していないんですが、事務局長会の中では、大体、執行機関側からという方の意向が強かったかと思います。
それと議長、16日の時は、特にそういう意向は、ございませんでしたか。

・長野議長:周辺市は、大体、執行機関からです。やっぱり議員でやると、議員は毎年、一年、一年、委員会等が全部変わっていくでしょう。
そうすると非常に難しいと、継続してそれをやるのか、執行機関だと四年有りますから、その方が、事務上は簡単だと、簡単だと云ったらあれですけど、やりやすいというあれで、なかなか議員は毎年、毎年変わるのが、これは大変だと云う事は言ってます。

・畑中議員:私とこは、執行機関でやったらいいだろうという話で結論は出ています。

・来田委員長:有難うございます。 ほか、会派で検討して頂いた結果について、如何でしょうか。

・帰山委員:私共も専門性も高いし、先ほど議長もおっしゃったように余りころころと議員が変わるというのも好ましくないというような点もございますのでしょうから、執行機関の方から、当局の方からと云う事でまとまりました。

・松木委員:うちも三人で協議したんですが、はっきり言って経験がないもんですから、どっちがいいのかというのは分からなかったんですが。
私個人としては、やはり指名推薦で執行機関側から出て行ったほうが、この議会側から出すということになると6月10日で一応また任期が切れる、そうすると、そこでまた交代せなあかんということになってくると、継続性という点からいうたら、やっぱり執行機関側から出て頂いた方がいいんじゃないかなと思います。

・木野下委員:私共は、基本的には執行機関側がこれだけ多いという状況であれば余計、議会側から出した方がいいんじゃないかなという気がします。
全国的に見てみても、議員で選挙しているところも有りますね、全体の県の中での今回、高齢者の意見を直に聞くという、そういうふうな場がなかなかないという状況がありますから、なるべく市民に近い議員から議会に送り込んで、それで高齢者の意見を代弁していくということが必要じゃないかと思います。

・来田委員長:オブザーバーの前田議員は如何でしょう。

・前田議員(オブザーバー):どちらかということでもないんですけども、私は執行機関の方から出して、議会の中でしっかりとした議論を、執行機関が専門性も含めて発言するということを押えていくという事でいいんじゃないかなと思います。
執行機関でいいんじゃないかなと思いますけども。

・来田委員長:創政の方、幣原委員、ちょっと会派で検討しましたとき欠席しておりましたんで、私の方から申し上げますが、創政クラブの方でも指名推選にして、執行部から出してもらったらいいんじゃないかという結論でございます。
そうしましたら、大方の方は指名推選、執行部側から出てもらったらいいんじゃないかというようなご意見のようでございます。
その様に決めさせて頂いてよろしゅうございますか。

(「異議なし」の声おこる)

・来田委員長:これは、決定せんでもいいんですね。

・前村議会事務局長:これですね、指名推選でいくときに指名推選の方法、それから誰が選ぶか、それから誰を選ぶか、この何れにも異議がある時は、直ちに投票に切り替えなあかんと、そういうことになっておりまして、ただいま会派では、共産党だけが一応議員からということですんで、ぶっちゃけた話、共産党に指名推選でいけるかどうかということの確認をして頂かんとあかんと思います。

・木野下委員:ちょっと時間いいですか、休憩して頂けますか。

・来田委員長:それでは、暫時休憩します。

・来田委員長:それでは、会議を再開します。
木野下委員、先ほどお聞きのように、ほとんどの会派は、指名推選で執行部側から出てもらったらいいんではないかというような事でございましたが、その辺の、もう一度お考えをお聞かせ頂けますか。

・木野下委員:大勢がそういうことであれば、私達の考え方を一応言わせて頂きましたので、それで結構です。

・来田委員長:そしたら他の方と同一で結構ですか。

・前村議会事務局長:そうしますと、執行機関側からとなりますと、市長にするか、助役にするかの問題が。

・来田委員長:これはここで決めてしまうんですか。

・前村議会事務局長:いえいえ、残っておりますので、この後、ちょっとその辺の調整をして頂かんとあかんかなというふうに思います。

・長野議長:後で調整したらいいんです、一応決めておいてね。

・来田委員長:後でいうのは。

・中島副議長:この場では、市長が、助役がというのは出来ないから、今は一応指名推選だけ決めておいて、後から市の方と調整をして。

・前田議員(オブザーバー):参考に聞いておくけど、26票の投票権があるわけやね、26人の中から選ぶではない、投票になればか。

・前村議会事務局長:投票権は、議員だけなんです、24人、それで選ぶのは26人の中でね。

・前田議員(オブザーバー):そうしたら向こうに預けるというにも、投票権がある人が預けられたら、市長やったら市長とか、副市長やったら副市長と言われた方が当局はいいという格好には、建前で言うと。
でも投票権がある人が預けたらとなったら放棄したみたいな形で、執行機関というのは二人居ますわね、条例。

・長野議長:どっちかです。

・前田議員(オブザーバー):どっちかと云うけれども、でも投票権をもっとんのは議員ですと言うた時。 そんなん、投げられたかて如何いうふうにね。 いやいや、原則から云えばよ。
民主主義から云ったらおかしいわね。 こちらで、だったら代表者である首長が出なさいとかいうふうな、公に云うかどうかは別にして、内々ではそういうふうに、皆さんの意向がありますよという方がきれいなんじゃないかなと思うけどね。

・畑中委員:どっちがいいのよ、向こうに決めさすべきなのか、議会から云えるのか、それもちょっと。

・前村議会事務局長:それは別に選挙する方が、議員に権利がありますので、議会が決める、決定権はあるわけです。
決定の方法は、もう執行機関側サイドからということになりましたんで、この議運終了後に正副で当ってもらって名前を確定して、明日の指名推選までに各会派に連絡するというような形で流れるのが一番スムーズに流れるかなというふうに考えております。

・畑中委員:もうすぐ選挙やから、それは一緒や、副市長にしとった方がええんと違う。

・前田議員(オブザーバー):副市長も分からんよ。
基本的な考え方だけを云っただけなんで、それはいいんですよ、別に、預けてもうてもね。 でも、如何なんかと云われた時ね。

・畑中委員:基本的な考え、よく分かりました。

・前村議会事務局長:議会に特に意向がなければそういう形、私の申し上げたような形で流れるのが一番いいかなというふうに思います。
やはり議会に意向があれば市長、副市長にするかは、議会サイドで決めたらいい話だというふうに考えております。

・来田委員長:そしたらそういうことで、執行部側の方で出てもらうという事で、誰に出てもらうかいう事は、調整。

・長野議長:調整します。

・松木委員:一応、正副の方で当局と話して、如何するかというのを今日中に決めて、それで明日の本会議前に皆さん方にもお知らせしますし。

・来田委員長:そっち、してもらったらいいね。

・松木委員:それで。

・来田委員長:それじゃ正副議長にその調整をお願いすると云う事でよろしいですか。

(「はい」の声おこる)

・来田委員長:それじゃ、そのように決定させてもらいます。

以上です。
正・副議長は、執行機関側とどのような調整を図った上で、山中健市長を指名推選したのか。
議会側は、市民に説明する義務があると思うのですが。

今回のシリーズは、3回程度でまとめる予定でいたのですが、長くなってしまいました。
物事の結果を知ることは、さほど難しい事ではないのですが、その結果がどのような経緯を経て決まってきたのかは、なかなか知る手立てがないか、その手続きが大変だったりします。
この後期高齢者医療制度は、これから正式にスタートします。
この制度は、高齢者だけの問題ではないことは、分かって頂けたと思います。

芦屋市から唯一、県広域連合議員に選任された山中市長は、9月議会で保険料の払えない人への制裁措置は止めることや低所得者への減免制度を設けること等を県広域連合へ提案するよう求められたのに対し、市長は制裁措置はやむをえないし、その様なことは伝えることはしないと答弁しているとの事です。
市長には、芦屋市民、兵庫県民のために、被保険者の立場に立った活動をして頂くよう願っています。
私自身は、今後もこのテーマを見つめて行きたいと思っています。

追伸:「後期高齢者医療制度ハンドブック」という、小冊子(頒価¥100円)があります。
イラスト入りで、A5サイズ22ページ程のものです。大変分かりやすい構成になっており、制度の内容がひとめで理解できます。 お勧めです。
    発行:兵庫県社会保障推進協議会 (電話)078-303-7351
         又は、東神戸医療互助組合 (電話)078-851-9381


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1 コメント

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勉強になりました (みるく)
2007-11-04 00:08:12
はじめまして

数日後に田舎の母を引き取ることになり、介護や医療、扶養にするかどうかなど、いろいろわからないことがあってネットをさまよっていましたところ、このブログに辿り着きました。

後期高齢者医療保険制度のこと、ほんとに無知でした。大変な法律が通過していたのですね。

このブログはほんとにためになりました。

これからもわからないこと、いろいろ教えていただけたらと思います。ありがとうございました。
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