アモルの明窓浄几

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まちの議員のお務め-5

2007年04月01日 | まちのこと
本年3月定例議会において、議員提出議案第43号が提出され、賛成多数で可決しました。
尚、議案提出・賛成議員については、前回の”まちの議員のお務め-4”を参照ください。
これによって、市会議員定数が2名削減の22名になりました。
只、賛成多数で可決ということですが、議員の賛否の構成がわかりません。
他の請願や議案もそうですが、議事録を見ると本会議での採決は、起立多数、少数で採決されており、各議員がどう判断したかの記録が残されていません。
市民にとっては最も知りたいことではないでしょうか。
しかし、今回の件については、各議員が自身の活動報告などを配布しており、それから知ることが出来ましたので下記に紹介します。

○定数削減に賛成した議員(計16名)
   畑中俊彦 重村啓二郎 幣原みや 伊藤とも子 田原俊彦 寺前尊文 中島健一 来田守 山村悦三 山田みち子 灘井義弘 徳田直彦 帰山和也 都筑省三 小川芳一 松木義昭

×定数削減に反対した議員(計7名)
   大久保文雄 前田辰一 山口みさえ 木野下章 田中えみこ 平野貞雄 青木央

△長野良三議員は、議長のため採決には加わっていません。

註:上記内容については、定数削減に賛成された某議員の活動報告からの転載です。

賛成議員の主な主張は、
 ・定数削減は、民意である
 ・議会の強化や議員の質を高めるために
 ・議員一人一人の専門性が問われてくる
 ・議員提案をどしどしやっていきたい
 ・常に議会で施策提案をし続けてきた
 ・能力や実行力、即戦力のある政治家のみが生き残る
 ・選挙の時だけ姿を見せ、あとは働かぬ議員は必要ない
 ・人口に見合った議員定数の見直し
  ……等々枚挙に暇がありませんでした。

反対議員の主な主張は、
 ・議員を減らせば、いろんな市民目線の批判的意見が排除される
 ・なんでも賛成議員ばかりでは市民の暮らしは守れません
 ・数は民主主義の保障の土台です
 ・議員数24名でも法定数30名からの削減率は20%で阪神間で2番目に大きい削減率です
  ……反対意見は、概ねこの様な内容でした。

前回までに紹介してきました、各議員の請願・議員提出議案の署名数を比較してみましょう。

・削減賛成議員16名の署名合計=170……48%(170/355総署名件数)
           1名当り=11件
・削減反対議員7名の署名合計=177……50%(177/355総署名件数)
          1名当り=25件

上記より、削減反対議員の方が署名総数では、ほぼ同じだが一人当りの署名件数では、賛成議員の2倍強となっています。
この事を如何考えればよいのか……私達、市民一人一人の判断に委ねられています。

今回で、このテーマの話題提供は一先ず終わります。
元々、市民からの定数削減は9名だったわけで、その直接請求は否決されていたものです。それが3月定例会において、突如2名削減の議員提出議案が出され、可決されました。何故2名削減なのでしょう。
これについて、削減賛成議員は説明責任を果たしているでしょうか。何故9名でなくて、2名削減なのか、そして、そもそも削減すること事態が市民の利益にかなうのか、具体的説明が見当たりません。

議員は、自身の政治信条に基づいて、発言し、行動して民意の代表者たりえるのであって、市民に阿ることではないはずです。
そして又、我々市民は如何でしょうか。議員削減の発想は、市の財政危機を錦の御旗に市民へ痛みを強いている事への反発の色合いが濃いのではないでしょうか。成熟した市民社会は、「共生」の社会であり、市民一人一人の生活、暮らしを支える基盤の公平公正が保障されなければなりません。そういう観点から議員の削減が市民の利益にかなうのであればそれも選択肢としてあり得るでしょう。
議員数削減賛成、反対のいずれの市民も此れまでに一度として、議会を傍聴された事があるでしょうか、議事録等を見られた事があるでしょうか、各議員が日常どのような活動をしているか又、議会運営のシステムを理解した上で我々は議論しているでしょうか。
議員に向けたはずの刃は、実は我々自身に向けられているのではないかと私は思っています。

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