日々徒然

日々旅にして旅を住処と・・・
できるほどの金も時間もないけれど、お散歩も旅。
ほてほてのんびり歩きましょう。

イタリア古寺巡礼

2005-11-29 16:43:45 | 
「古寺巡礼」で有名な和辻哲郎さんの書いた「イタリア古寺巡礼」を読んでいます。

京都大学の助教授だった著者が、文部省の海外留学生としてドイツに留学、
そのときフランス・イタリアの各地を巡り、夫人に感想を書き送った手紙が元になった本です。

フランスからイタリアに行ったのが年末、ローマに滞在したあとシチリアめぐりをして帰ってきたのが3月はじめ。
10日ほど置いて今度はアッシジ、フィレンツェ、ボローニャ、ヴェネツィアなどを巡っているようです。

文部省のお金で行った以上そんな自由があるのか?と今ならつい思っちゃうのですが、昔はのんびりしてたんだろうなぁ。
今はフィレンツェのウフィツィ美術館を巡っているあたりを読んでいます。

日本の風土との違い(湿気の多さ)、美術品の鑑賞。
ローマ・シチリアでは、特にギリシャ時代の彫刻・建築に惜しみない賞賛を送っています。
アッシジ、フィレンツェでは、ジョットーやラファエロなどの感想になってます。彫刻的要素の観点が多いかなぁ?

あと、時代を表しているのが、時折出てくるムッソリーニの話題。
パレードでムッソリーニの車が、、、とか、ファシズムの興隆、
通りを行く子供たちがすっかりファシズムになっているようだ、
そういえばムッソリーニが子供に対する教育に熱心らしい、というような話題も出て、
このあとの歴史につい思いを馳せてしまうのです。

その場にいる人の素直な感動・感想が、まるで自分が今そこにいるような新鮮な気持ちになって読ませてくれます。

今読んでも全く色あせることのない本。
「古寺巡礼」が古都巡りのガイドブックになっているのと同様、この本もイタリアめぐりの際のすばらしいガイドブックになります。お勧めの本です。

でもこの本、「古寺巡礼」ほどは有名じゃないですよね?
そりゃ、古寺巡礼のほうが、皆見たことのあるものの紹介だからとっつきやすいとか、国内だから行きやすい、とかいろいろ理由はあるだろうけど。
うーん、もったいない。

これを持って、イタリアの美術めぐりをしたいなぁ。


今日の天気はのち

ダーリンの頭ン中

2005-03-07 22:24:00 | 

本屋に寄ったら、ダーリンの頭ン中(小栗 左多里(おぐり さおり)著 メディアファクトリー刊)が平積みの最後の1冊になっているのを見つけ、買って帰った。

この本は、前に2冊出ている「ダーリンは外国人」の続編ともいうべき本なのだけど、「ダーリンは外国人」が国際結婚のあれこれを書いている(国際結婚というより、違う生活習慣のカップルが一緒に住んで発見したあれこれで、同国人でもありそうなお話という感じのものが多い)のに比べ、今回は言語に特化したお話になっている。
というのも、このダーリンというのは、著者である小栗さんのだんな様で、ハンガリーとイタリアの血をひいてアメリカで教育を受けたという「語学オタク」のトニーさん。今回は、そんな語学大好き!のトニーさんの頭の中をのぞいてみましょう=語学に特化したお話しにしましょう、という企画らしい。

英語のあれこれはもちろん、日本語を母国語としない人が感じる日本語のあれこれも盛りだくさん。今まで自分が思っても見なかった日本語の姿が見えてくるのが面白い。日本語の発音って1種類だと思っていたけど、実は違うとか。例えば「ん」。
小栗さんとトニーさんのかけ合いも絶妙。楽しく、へぇ~、って思わせてくれるエッセイコミックです。お勧め。

今日の天気は

冷静と情熱のあいだ

2004-12-13 17:22:46 | 

江國香織さんと辻仁成さんのコラボレーションで出来上がった小説、「冷静と情熱のあいだ」を、今年2004年晩夏のイタリア旅行に行った後に読みました。角川文庫。

読んだ人なら、あるいは映画を見た人なら知っている通り、この小説はイタリアが舞台になっている。その中でも特に"フィレンツェのドゥオモ"がキーワード。
フィレンツェのドゥオモに上るときに初めて知って、帰ってから早速購入して読みふけり。

この本を、江國さん → 辻さん の順で読んだ後にもともと雑誌連載だったときいたので、一章ずつ交互にも読んでみました。一章ずつ読むほうが、時の流れがよくわかります。

写真は、アルノ河と、ポンテ・ヴェッキオ。辻さんのほう-男性からの視点で書かれたほう、の主人公がこの河沿いのアパートに住み、この橋の袂にある工房で働いていたという設定です。この本の中では、アルノ河は美しい河として描かれてましたが、実際は匂ってきそう。

結局小説の紹介にも何にもなっていないうえ、イメージ壊したらごめんなさい。


最近は江國さんにどっぷりです。