京料理はいいねぇ~ 鱧が食べとうオス!

2008-08-10 23:47:18 | 美味しんぼ話

 のれんをくぐると初老のご夫妻のみが店内の待ち席に腰掛けていて、その横の空き席に知人と腰掛け案内を待った。
 祇園囃子のBGMを聞きながら待合部屋内の壁やキャッシャー横のウィンドーケース内を見渡していた。
 
 「おッ、京うちわ(丸型)がいっぱいあるじゃん。どこぞのごひいきさんの名前がいろいろうちわに書いてある... おッ、(土産用に)手毬寿司がある。かあいらしいやん
 
 コンコンチキチン、コンチキチン

 新宿のど真ん中にいながら気分は祇園の料亭に足を運んだ錯覚に陥る。
 
 店内はやはり年配客が多く、そのにぎやかな声(美味しいものを食べているときの大人たちの宴のにぎやかさ)と祭囃子の音(ね)が相まって、祇園に行かずして祇園祭のムードにどっぷり浸れちゃう... ハッピー
 あとはお料理が期待を裏切らないでと願いながら

 でもってお店の名前は京料理 田ごと光悦舗というお店。
 京都は四条通河原町に本店がある京会席(懐石)の老舗らしい(京懐石の老舗といったら料亭「たん熊」「万亀楼」「錦」ほかあるけど、田ごとさんは知りませんでした。みなさん知っといやすか?<祇園ことば合ってたかな?>

 さて、ほどなく京ことばを話す仲居さんに「おこしやすッ」と迎えられ、奥のテーブル席(店のHPに画像アップされてます)に案内された。
 
 知人とすでに注文する料理は決まっていたので席に着くなり即「料理長オススメ品」を仲居さんにオーダー
 すると周りのお客たちが「ピクッ!と何気ない反応、その気配を感じた。
 「えッ、何か?と思い周りのお客が食している料理を横目で見てみると、テーブル席の全員(10名)が「料理長オススメ品」を食しているではないか。
 「ホッホー
 みんな(老若男女)同じ嗜好で 驚くやら 面白いやら 楽しいやら

 料理が出てくるまで、後ろのテーブル席や小上がり席まで目をやると、なんとなんとそのときの約8割近いお客が「料理長オススメ膳」を食している。
 まッ、その日はむし暑く、涼を求め誰しも冷やしそうめん(涼しげな卵豆腐も魅力)が食べたくなり、冷やしそうめんは「料理長オススメ膳」にしか付いてなかったのとコストパフォーマンス(品数・内容・味覚に対する満足度と値段の割安感)で注文が集中したんだろうね。
 
 そうこうしているうちに「オススメ膳」が運ばれてきた。
 知人との会話もよそに
 さっそく一品一品吟味し始めた。
 
 総評...文句なし
 どれも丁寧な手抜きなしの京料理だ。
 
 冷やしそうめんに添えられた卵豆腐の繊細さ、つゆも一番だしが使われているのかいいおだしで京ならではの薄口仕立て(関東の人へ…ヒガシマルなど関西で主に使われている「薄口醤油」は、関東の「濃口醤油」より醤油の色は薄いけど実は塩分は濃口より強い。京料理は食材の色合い・見た目も大切にするので東京のうどん汁のような醤油色「ドバッ」てな無神経で粗野なことはしない)。ほのかに上品な柚子の香りもする。そうめんの細さも繊細でのど越しよくこれまたイイ!
 その他の仕事も正当なもので安心&満足。

 そして、おいしい食事をしながら、突然あの魚のことが頭に浮かんだ。

 祇園祭といえば鱧(はも)じゃん。
 (祇園祭りは別名「鱧祭り」とまで言われる)

 「なんで鱧がないんや?」
 そんな1,890円でこないぎょうさんウマイもん食うてからに欲深い

 この日は知人と久しぶりに会ったのに
 京都のお遊びや料理談義だけで終わってしまった。
  
 しかし、とても気分のよいひと時だった。
 


 よし、次回は鱧(はも)について薀蓄(うんちく)をカキコするかな。

 関東の人は昔から敢えて「鱧」など食さなくても江戸前でうまい魚が食せたから
 京都や大阪の人たちのように鱧について知らない人がとても多い。
 私の周り(30代、40代の人)でも生まれてこの方食べたことがないという人が結構いる。
 
 嗚呼、鱧が食べとうオス!

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