あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『鬼滅の刃』第203話感想

2020-05-01 10:00:00 | 鬼滅の刃

 週刊少年ジャンプ2020年21・22合併号掲載
 第203話 【数多の呼び水】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわああああああああん
!!!!!!!!!!

たんじろおおおおおおおお
!!!!!!!!!!

よかったああああああああ
!!!!!!!!!!

。・°°・(ノ`)・°°・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 これ(↑)が今回を読んだ直後の感想です。(感情120%)

 

 

 

 

 

 

 あとはですね。もう。ひたすら。

 

 

 

 

 

 

 

美しかった。

 

 

 

 

 

 


 今でも克明に思い出されます。
 炭治郎が鬼にされてしまったあの時。
 頭が真っ白になったことを。
 無惨が己の夢という名の野心を炭治郎に押し付けたあの時。
 本気で吐き気を催したのを。

 

 

 それだけに、殊更。
 今回の美しさにはただただ感動し。
 そして、心の底から救われました。

 

 

 

 その「美しさ」は冒頭から。

 それは炭治郎の眼に“光(ハイライト)”が戻っていたこと。
 第184話【戦線離脱】からずっと。
 戦線復帰してからもず~~~っと炭治郎の眼には“光”が描きこまれていませんでした。
 炭治郎の心自体は全く折れても挫けてもいなかったのですが、それでもあの描写は炭治郎の酷いダメージを示唆しているようで右目とは別の痛々しさがあったんです。
 その眼が、ようやく。


 そして改めて思いました。
 やっぱり私炭治郎の眼が好きです。心から。

 

 そんな綺麗な眼を持つ炭治郎が涙を零す表情もまた綺麗。
 っていうか、今回の炭治郎は終始綺麗でしたよ。本当に。

 

 

 

 多分今回は炭治郎の精神世界が描かれるだろうとは予想していました。
 そこで炭治郎と無惨は激しく対立し合うと。
 ところが。
 実際は私の予想なんぞの遥か上をいくやり取りだったという。

 まずなんと言っても、炭治郎が無惨の言葉に些かも動じなかったこと。
 この炭治郎の対応には本当に胸のすく思いになりましたね。

 無惨のペラッペラな嘘も全く通じず。
 炭治郎には嘘が通用しないという、「嗅覚」という彼の能力を通した設定がしっかりと活かされているのがこれまた見事。
 特に「それはお前が決めることじゃない」という炭治郎の言葉には会心の気持ち良さがありました。
 超ごもっとも。めっちゃ炭治郎の言う通り。


 そんな炭治郎を手助けしてくれる存在が。
 家族達です。(><。)

 

 無惨:「黙れ」
 てめえが黙れ。💢


 無惨:「屑め」
 どの口がそれを言うこの汚物が。💢💢💢

 

 もう無惨の発言もさることながら存在自体が不快で堪りません。
 炭治郎の眼の前に現れるな喋るな触るなふざけんな。

 

 ですが、これまでほとんど動じなかった炭治郎も無惨のこの発言には口を噤んでしまうことに。
 「お前だけ生き残るのか?大勢の者が死んだというのに」
 私だったらてめえが殺したんだろうが💢💢💢💢💢と(メリケンサック付きで)無惨をぶん殴るところですがね。
 ですが如何せん炭治郎は誰よりも優しい子。
 優しい人ほど他者を責めずに罪悪感を抱えてしまうものですから・・・。
 

 再び零れる炭治郎の涙。
 そんな彼を下から支えてくれたのは―――

 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。(><。。。)


 死人に口なし。
 だからこそ「彼ら」は言葉でなく動作で答えてくれました。

 炭治郎の身体を一番高く押し上げてくれているのが煉獄さんというのがまた感慨深い。
 でもその一方で、もしかしたら生存しているかも・・・と一縷の望みを懸けていた蜜璃さんと伊黒さんもその中に・・・。

 

 

 香る藤の花の匂い。
 それはしのぶさんの匂いでもありました。
 しのぶさんが己の身も含めてこれまで作ってきたのは藤の花の毒でしたが・・今回は。
 藤の花の薬が炭治郎のもとへ。

 

 ここからはもう。

 おいそれと言葉にするのも憚れるような美しさでした。

 

 頭上の藤の花の中から現れる禰豆子の手。
 この両手のなんと想いに満ち溢れていることか。

 その手は炭治郎の手をしっかりと握り、炭治郎を天へと導きます。


 一方で喧しく見苦しく縋りつく無惨。
 高圧的に散々罵倒していた態度から一転。懇願し始めるという醜態の極みに。
 ですがもう炭治郎に無惨の言葉は届いていません。

 うん。

 ざまあみろ この手の平クルクルパーめ♪

 

 禰豆子の手に続き、次々と炭治郎を導く手。
 それは義勇さん、善逸、伊之助。
 他にも沢山の仲間達の手も。

 優しい手、力強い手。
 沢山の手に導かれ、炭治郎は天の藤の花へ―――

 

 

 ・・・。

 

 

 ・・・・・。

 

 

 ・・・・・・・・・・。

 

 

 ・・・どうするのufotableさん。

 

 


 いやマジで

 

 



 アニメ化する時ここのシーン一体どうすんの?????
 これを超えること出来ます???ハードルで例えるならもはやスカイツリー並みの高さでっせ???(←)


 ここの藤の花に包まれる炭治郎。
 安らかすぎて・・・
 穏やかすぎて・・・
 無垢すぎて・・・
 恋してしまいました。このコマに。

 

 このコマの炭治郎、第201話の時とは真逆の意味で吾峠先生渾身の作画になっていますよ、間違いなく。 


 まるで天国に導かれたような。優しい夢の中のような。
 美しさを通り越した美しさってこういう事を言うのね☆と初めて知るような、そんなシーンでした。
 アニメでみたら今回の三倍は泣ける自信ある。

 

 

 

 そして・・・

 目覚める炭治郎。
 そこには禰豆子をはじめ、沢山の仲間達が炭治郎が戻ってくるのを待ってくれていました。
 義勇さんが炭治郎の心拍を確認してくれている・・・!
 炭治郎の右足に覆い被さって泣いてくれてるの村田さんですよね!?
 [隠]の人も炭治郎の手を握ってくれている・・・!
 手を組んで祈ってくれている隊士も・・・!
 本当にみんな、どうもありがとう・・・!!!(><。。。)

 

 

 

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛炭治郎が笑ってくれた・・・
 ずっと、ずっと、ずっと見たかったんだよ

キミの笑顔を・・・。

。・°°・(>_<)・°°・。

 

 

 歓喜に沸く鬼殺隊。

 その傍らでカナヲも手当を受けていました。
 どうやら視力も失っていない様子。
 良かった・・・。

 お互いを見ながら笑い合う炭治郎とカナヲ。
 こういうやり取りもまた良いですよね。
 言葉がなくとも心は通じ合っている感じで。(^^)


 それと炭治郎にくっついて泣く伊之助も可愛かったよ♪


 その様子を屋内で見守っていたのは愈史郎。茶々丸も傍にいます。
 炭治郎が戻ってきたことを彼も泣きながら喜んでくれていました。ありがとう。(もうすっかり炭治郎の隠れファンだね♪)
 そして珠世さん・・・。
 本当にありがとうございました。貴方がいなければここまで戦えませんでした。今頃天国で微笑んでくれているかな・・・。

 

 炭治郎を始め、みんなみんな。
 本当にお疲れ様でした!!!!!

 

 

 

 それと、これだけ言っていいかな?

 さらりと厚かましいことしてんじゃねえよ善逸。💢

 

 

 


 

 そしてこれ(↑)が読んで30分後の感想。(感情80%考察20%)

 

 

 

 

 

 今回はあまりにも最高の高すぎたので、初めて三部に分けた週刊感想になってしまいました。
 私に大型連休というものがあったならば一気にその日の内に書き上げられたのかもしれませんが、如何せんそれは不可能なので★(いえ、このご時世に働けるだけでも充分恵まれているのですがね)


 そしてここからは読んで数日経った感想です。(感情20%考察80%)

 

 

 

 なんといってもまず最初に取り上げたいのは、今回のサブタイトル。
 それは【数多の呼び
 炭治郎が人間に戻るというこの超重要回で「水」という青のファクターを用いてくれたことは、私にとって悶絶級の悦びでした。
 やっぱり青のファクターは重要なんですよね?そうなんですよね?吾峠先生?

 

 そんな吾峠先生は本当に画力が向上なされましたよね・・・。
 私が思う画力が高い漫画家というのは、いかにシンプルな線画で伝えたいものを表現しきることが出来る方かどうかです。
 キャラクターの心情を。雰囲気を。場の空気感を。
 本当に実力のある漫画家は読者に色を、動きを、紙面を通して伝えてくれるものです。
 読んでいて普通に見えましたもの。藤の花の色合いが。花びらが舞い降る様が。

 


 炭治郎に触れる数多の手。
 これは一歩間違えば恐怖表現です。
 しかしながら、その手が「誰か」というのを読者がきちんと把握しているからこそ。そのキャラクターの人物像を読者が分かっているからこそ。
 その手が救済の手というのがしっかり分かるという。
 この読者への委託が実に見事。
 それもひとえに、炭治郎を通じた出会いがこれまで丁寧に積み重ねられていたからこそ。
 まさに吾峠先生の描写力と私達読者のキャラクターへの理解によって成せた表現と言えましょう。

 

 

 鬼と化した時はあまりの絶望に目の前が真っ暗になったものですが、今回多くの仲間達の助けによって無事に炭治郎は人間へと戻ることが出来ました。
 今回の炭治郎が人へと戻る過程の描写は、禰豆子が人間に戻った時(第196話)と対照的になっていましたね、やはり。
 炭治郎が人間へと戻る過程を「静」とするならば、禰豆子が人間に戻る過程は「動」。
 無惨という騒音害悪(←)さえ無ければ、心理行動共に大変静寂だった炭治郎。一方の禰豆子はずっと走っていたことに加え、彼女の鼓動が大きく描かれていました。
 そして人間へと導いてくれた人達の顔は全員描かれていなかった炭治郎に対し、禰豆子の場合は彼女の視点だったこともあり全員顔が描かれていたという。
 そんな対照的な中で、二人とも強調されていたのは「手」という絆の象徴部位。
 そんな風に表裏一体な関係なんです、この兄妹は。

 

 そして竈門兄妹を人間へと戻してくれた薬。
 あくまで憶測の範囲だったのですが、今回の炭治郎のケースから比較して考えてみてもやはり禰豆子に用いられた人間化薬は血液をもとに作られたものとみてよさそうです。
 「絆で繋がっている人々」という点以外で見てみると、炭治郎が人間へと戻る中で大きく描かれていたのは薬の原料となった「藤の花」でした。
 そして禰豆子の時はというと。
 大きく描かれていたのは「彼女の鼓動」だったわけですから。

 炭治郎に投与された人間化薬は藤の花から作られた物というのは、個人的に納得しかありませんでしたね。
 何故なら、私は今後の展開において炭治郎は「植物(花)」に大きく繋がると考えているので。記念考察第三部参照
 そしてこうも考えているんです。
 炭治郎が(どちらかといえば)「青の力」を担う役割ならば、禰豆子は「赤の力」を担う役割になるであろうと。

 

 ですが、しのぶさんの薬だけでは炭治郎を人間に戻すことは不可能だったことでしょう。
 無惨の血が少量だった禰豆子とは違い、炭治郎に注ぎ込まれたのは無惨の全ての血であり全ての力だったのですから。
 それでも炭治郎が元に戻れたのは、まず大前提に炭治郎自身が鬼の力に抗ってくれていたこと。
 そして。
 禰豆子の血を口にしていたからに違いありません。
 今回の一連の件で、禰豆子が「己の自我を取り戻すよりも優先していた事」は治癒の力ではないことが証明されてしまったようなものですが・・・。
 それでも私は、どうしても「人間に近づくこと」に関係があると思えて仕方ないんですよ。
 炭治郎が禰豆子に噛みついたことによって彼女の血を口にしたのは偶然ですし、禰豆子が「己の自我を取り戻すよりも優先していた事」を自覚しているのかも不明ですが、私はこの出来事は炭治郎が人間に戻るための大きな切っ掛けだったと考えています。
 そもそも吾峠先生は一つの現象が起きるための理由を三つも四つも用意するお方。
 炭治郎の精神力、禰豆子や仲間達の呼び掛け。そしてしのぶさんの薬と禰豆子の血。
 これらメンタル面とフィジカル面の両面からのアプローチが揃ったからこそ炭治郎は人間に戻れたのでしょう。

 

 

 ただ炭治郎にはまだ心配点も。
 鬼化したことで右眼の腫瘍は消え、左腕も再生したものの・・・。
 ごく短時間で人間に戻った事により、再生した部分が衰弱してしまっているように見えます。
 右眼は光(ハイライト)を失っていることから、少なくとも視力が落ちてしまっている模様。
 左腕はあんまりはっきりとは確認できませんが、痩せこけてしまっている・・・?
 そしてこれらの部位は、図らずも禰豆子とカナヲが損傷している部位と同じという。
 まあ、蜘蛛になりかけたという善逸でさえ元に戻れたのですから、炭治郎も禰豆子もカナヲも治療によって治ってくれますよね?

 っていうかお願いだから治ってください(泣)。
 ただ・・・。
 まだ炭治郎には“後遺症”が残っている懸念があるのですが、ね・・・。

 


 怪我といえば、カナヲは『彼岸朱眼』を用いてもどうやら視力が失われなかった模様。
 ・・・う~~~ん・・・。
 これはもしかして・・・。
 今回はカナヲが泣いていたからではないでしょうか・・・。
 いや医学的な説明は全く出来ないのですがね。
 くどいようですが、私がこの作品の最重要キーワードと見ているのが“赤”そして“青”のファクター。
 そして記念考察第三弾のラストで述べた通り、“赤”のイメージに直結するものの一つが「血」。相対する“青”が「涙」。
 『彼岸朱眼』が失明のリスクがある技なのは、眼球に血流の負荷が掛かるためです。
 ひょっとしたら。
 涙を流すことで、その負荷を軽減できるのかも・・・。
 もしそうだとすると、炭治郎はカナヲの心を花開かせたことで間接的にカナヲを助けたことになるのでは

 

 

 ・・・ふう。
 ようやく述べたいことを全て綴る事が出来ました。

 今回はただただ藤の花の演出と共に、炭治郎の美しさがひたすら印象的でした。
 無惨の呪縛から炭治郎自身の力で脱しようとした描写がちゃんと入ってくれていたのも嬉しかったし、彼を後押ししてくれたのが亡き人達だったというのも、引き上げてくれたのが生者達というのも嬉しかった。
 もう全てが良かった。

 

 今回の結果は、炭治郎がこれまで出会ってきた人達の想いを背負い信じてきたからこそ。
 人の想いを信じ分かってくれた炭治郎と、人の想いを信じず理解さえしなかった無惨。
 その違いがこの結果へと如実に出る形になっていたと思います。
 それ以上に
 とこっとん心が綺麗で清らかな炭治郎とこっとん根性が汚くて醜い無惨との対比が明白に描かれていたわけですがね。

 炭治郎が救済されるのは至極当然と思えたし、無惨が闇に取り残されたのも至極当然と思えた。
 シンプルながらもこれが一番大切だったと思います。

 

 



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