あまぐりころころ

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時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第141話感想

2015-11-08 22:40:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2015年49号掲載
 掲載順第4位
 第141話 【思い出】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 買収という卑劣な行為で、食戟に勝利した叡山。
 対戦相手だけでなく審査員までもが敵に回ってしまった事によって、『食戟』は勝負自体がまともに成り立たないものに。





 扉絵が切ない。
 こういう場所って、ちょっとした隠れんぼ感があって結構楽しいんですよね。(^^)
 そんなごくさり気ない“日常”。
 何気ない時の中の笑顔。(創真のこういう笑顔は初めて見ました)
 ああ・・・切ない。(><。)





 次の日。
 食戟管理局にて、局長である景浦は食戟が不正によって汚されたことに落胆していました。
 とりあえずクビにはならずに済んだものの、やはり決定権はセントラルに奪われてしまった模様です。
 そこに訪れたのは叡山。
 自分宛ての食戟の申し込みがどうなったかを確認に来たと言う叡山でしたが、食戟の申し込みは全てキャンセルされていました。
 つまり、全ての学生が反撃の意思を失ってしまったという事。

 残念だとあけすけに笑う叡山。

 白 々 し い (怒)。

  

 そうして、セントラルの授業が実施されることに。
 薊が外部から招いた講師達が全ての授業に介入してきます。
 そうさせることによって、シャペル先生らこれまでの講師陣の影響力も無効化させる仕組みですね。
 やはり心配していた通り、「生徒自らの判断」は否定されてしまいます。
 そんな四角四面の教え方じゃ、伸びる才能さえも伸びないと思う。

 教育方針の変更だけでなく、研究会やゼミの解体も着々と進行されていく遠月学園。
 薊政権による改革は、「食戟の形骸化」を以って完遂されてしまったのでした。





 暗い部屋で一人考えに耽るえりな。
 そんなえりなに声を掛ける榊。
 個人的にこれは意外なチョイス☆
 これまでの関係性から、こういう時のえりなに関わるのは恵とばかり思っていたのですが。

 思い詰めた様子で榊に何かを話しかけるえりな。
 でしたが、何でもないと撤回します。
 えりなは真面目な子ですからね。
 今回の極星寮の件は自分は直接関係してはいませんが、廃止を取り決めたのは自分の父親。
 自分の父親の勝手な取り決めのせいで、自分を快く受け入れてくれた人々が苦しむことになってしまった。
 そのことに彼女なりの罪悪感を感じているのでしょう。

 でも、謝ることは出来なかった。
 自分から藪蛇的にその話題を出して、今の居場所を失うのが怖かったからかもしれません。
 なにより。
 この父親の横暴なやり方は、自分がこれまで行ってきたこととほとんど同じだったから。
 (彼女なりの価値観の上だったにしても)今まで散々横暴に振舞ってきた自分が今更詫びたところで、「どの口がそれを言う」ですからね。
 えりなはようやく、これまでの自分を顧みることが出来たのでしょう。
 大事なのは、これからどうするか。
 このまま薊や“過去の自分”に流されてしまうのか。
 それとも、向き合っていくのか。
 えりなにとっての重要な局面は確実に迫ってきていますね。

 そして榊もえりなのそんな思いを何となくではありますが汲み取ってくれている模様。
 追及したりせず明るく接してくれるあたり、本当に榊は思慮深く優しい子です。
 恵とはスタジエールで顔見知りとなり、懐っこい吉野とも親しくなったえりなでしたが、ここで榊ともまた一つ交流が深まった感じですね。



 食堂に集まり、夕食を共にする面々。
 ですが、いつものような明るい雰囲気は一切ありません。
 

 沈んだシーンですが、一方でこうも思ったり。
 えりなも創真達と同じ釜の飯を食べてくれたんだなあ~・・・、と。

 それとやっぱり「裸エプロン」は知らなかったえりなサマ(苦笑)。
 知らない方が賢明です。
 知った瞬間気絶するに違いありませんから。(←←←)




 そして思い出話に花が咲く一同。
 共に笑って。
 一緒に料理を磨き合って。
 お互いに励まし合った。
 そんな沢山の事があった日々。



 そんな日々が本当に楽しかったからこそ・・・。



 吉野の叫びは悲痛でした。



 皆が敢えて口にしなかった思いを代弁してくれた吉野。
 良い意味で自分の気持ちを押し込めることなく正直に吐露出来る彼女だからこそ出来たことです。


 冷静な観点から言わせてもらえば、退学になる訳ではないのだから、皆とはこれからも会えるわけですよね。
 料理だって、授業を通して一緒に作れる機会はあるわけです。
 これで全てがお終いになってしまうというわけではない。

 でも、そういう理屈ではなくって。

 失いたくないのは皆が集まるこの場所。 
 思い思いに、伸び伸びと交流を深められたこの雰囲気。
 沢山の思い出が詰まったこの空間。

 そんなかけがえのない場所が、理不尽に奪われる・・・。
 極星メンバーにとって、極星寮が潰されるという事は自分達の「家」を失うのと同義なのでしょう・・・。





 自室で一人、思案に耽る創真。



 附田先生、よくぞ・・・。



 よくぞここを用いてくださった!!!



 ここはアニメオリジナルの中で私が一番好きなシーンだっただけに、感慨もひとしおです!!
  

 原作では第41話にあたるこのシーン、個人的にほんの少しだけ物足りなさを感じていたんです。創真と城一郎のやり取りに。
 出来ることなら、親子水入らずの語らいが見たかったなぁ、と。
 そう思っていただけに、アニメでこのシーンが追加された時は心からアニメスタッフさん方に感謝でした!!
 やっぱり附田先生も、この追加シーンには喜んでくださったのでしょうね。(^^)
 こうして原作に用いてくださったことで、アニメスタッフさん達もまた喜んでくださったことでしょう。(^^)


 父親にとって、楽しい思い出のある場所。
 仲間達にとって、長い間生活してきた大切な場所。

 なら、自分にとって此処は・・・?










 翌日。

 叡山と対峙する創真。

 創真が叡山に提示したのは果たし状。

 「負け」がほぼ確定している勝負というのは承知の上。
 それでも勝負を挑むのは、誰のためでもない。
 自分のため。



 だから―――



 「受けろよ食戟 俺の寮は潰させねー」

 

 

 

 

うああああぁぁぁああああ
創真ーーーーー!!!!!

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

熱すぎて涙出る。

 

 

 

 

 創真が格好良すぎてヤバい。
 創真が漢前すぎてヤバい。

 仲間の涙を受けて静かに動き出す創真は何度見ても最高すぎます。熱すぎます。



 今回ほとんど喋らなかった創真。
 それだけに、ラスト一連の発言は“重み”が感じられました
 しかもこの作品の大きな特徴である「顔(眼)を見せない演出」も凄く効いていますし。
 何度も見ている演出だというのに・・・。
 やはり、惹き込まれます。



 『食戟』の形骸化によって漂う無力感。そして極星寮という「居場所」さえも奪われてしまう悲しみ。
 ここまでの流れが情感たっぷりだった故に、尚更ラストの創真の想いには震えました。

 「俺の」と、二度重ねて言う創真。
 もうこれだけで熱い想いがひしひしと伝わってきましたね。
 ラストページなんて作画と共にもう極めつけ。
 敬語無しの宣戦布告。
 それがこれ以上無く本気の決意を物語っていました。
 こんなシンプルな言葉にこれほど重厚な気持ちを載せることが出来るなんて、附田先生ってば天才・・・!!


 いつだって、創真が圧倒的不利な闘いに身を投じる理由にあるのは「自分」。
 丼研を助けた時も、“自分”の矜持に障ったから。
 恵を助けた時も、“自分”が認めた料理人であった恵の退学理由に納得できなかったから。
 ただし。

 「自分のため」にと動く創真の前後には、必ず他者の涙や笑顔があるんですよね。

 自己犠牲的精神によるものではない。
 かといって、独りよがりなものでもない。

 創真のこの絶妙な中立性も、もはや立派な魅力になってますよね。




 し・か・も。

 ここの創真の想いが第1話のそれと同じ言葉だったというのがもう・・・!!!(o(><o) (o><)oo(><o) (o><)o)

 もうどこまで粋なんですかと創真&附田先生に言いたい。

 実家の定食屋さえあれば満足なんだろう、と叡山に言われた創真。
 確かにその通り。
 ・・・かつては、ね。

 でも、今は違う。
 「ゆきひら」ではなく極星寮をこう思えたこと。

 それは創真がこだわっていた“小さいハコ”が大きく広がったことを意味しています。

 極星メンバーの中で最も新参者の創真。
 過ごした時間も、約半年だけ。
 それでも。
 極星寮を大切に思う気持ちは本物ということです。

 本当に、本当に成長したね創真・・・。(><。)





 そんな激熱な宣戦布告が行われた今回でしたが、果たしてどのような勝負となるのでしょうか?

 改めて考えてみると、今度の勝負は初の『十傑』との食戟になるんですよね。
 薊政権への反撃の狼煙の意味合いも兼ねて、非常に大きな勝負です。

 それだけに気になるのが、「審査員の敵化」という圧倒的ハンデキャップへの対処。

 展開的には第1話のような超真っ直ぐな展開を望んでいますが、創真はあの時より遥かに成長しています。
 創真と共に成長してこられた附田先生。(&佐伯先生)
 これまでの中でも最大レベルと言える逆境を覆すのに、どれだけの「説得力」をつけられるか。
 改めて、附田先生の力量が問われる時だと思います。


 そしてこの度の戦いには、「極星寮を守る」という目的の一方で、「『食戟』に息を吹き返らせる」という課題も。
 薊政権が食戟の形骸化によって完遂されたというならば、逆に言えば食戟を復活させることが出来れば薊政権に大きくヒビを入れられるという事ですからね。


 ですが今はただ、創真の完全勝利を信じて応援に徹したいと思います。

 

頑張れ創真!!!!!

 

   



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