
母の通院している病院は、精神科病棟、認知症病棟、身体疾患合併症病棟、
重度認知症デイケアセンターがあります。
市民病院におられた知人の先生が、こちらの病院で院長をされていたので、
我が家からは、少し遠く、通院するには少し大変だったのですが、
とてもすばらしい先生なので、通院していました。
たくさんの患者さんが来られていて、待合はいつも混雑していました。
認知症の方や、精神科の方たちも多く、人間社会の複雑さを感じました。
一昔前に、お隣に住んでいたお家に、母と遊びに行きました。
事前に母の状態が、認知症であることを、知らせていました。
相手の方は、母の手を握って、喜んでくれましたが、母には笑顔もありませんでした。
その家族の方たちが、昔話やらいろいろ楽しく過ごせるように、気を使ってくれていても、
まったく無表情でした。
昼食も用意してくれていたのに、ほとんど食べませんでした。

久しぶりに会えたのに、じっと座ったまま、目がうつろな状態で、
家に帰りたい、家に帰りたい・・・・・
まだ時間が早いから、家に帰らなくてもいいので、ゆっくりしたらいいからと、
言われても、子供のように聞き分けのないことを言い出す母・・・・

その家の人たちもどうしたらいいのか、きっと困惑されていたと思います。
そのうちに一人で、3階まで上がり(お家は3階建て)、窓からしばらく景色を
眺めていたので、何か懐かしいことでも、考えているのかと思っていたら、
ここから飛び降りたら、死んでしまうかな?
その言葉にみんな絶句・・・・・
この言葉に、油断できない、母から目を離せない、とても恐怖を感じました。
このまま、長くお邪魔するわけにもいかず、帰ることにしました。
楽しく過ごせたはずなのに、何も楽しくなかったようでした。
何をどうすれば、母が楽しく過ごせるのか、笑顔がもどるのか、
とても悩みぬいた日々でした。
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