ヘレスとお茶 Jerez and Tea

停まらず走り続けよう~
Thru drinking teas & practicing flamenco

風が強く吹いている 大森寿美男監督

2009-10-31 13:26:20 | 映画
三浦しをん さんの原作は読んでいませんが
スポ根もの世代の私なので、箱根駅伝がテーマのこの作品が
どんなドラマなのかなぁと見ました。

冒頭の学生寮のシーンがとても前時代的で、とても劇画的で
エンターテイメントに引き込まれていきます。

小出恵介さんのクレバーな演技の巧さが、チームを
引っ張ると同時に、観客も引き込んで行ってくれる感じが
しました。

カメラマンさんは佐光朗さんですが、全編にわたって
疾走しているスピード感があって、構図もとってもよかったです。

お約束のロマンスもなく、ひたすら、男たちのドラマが
続きます。躍動感があって、見終わるころには、
走り出したくなる、そんな作品でした。

マルティニーク ラム

2009-10-29 20:53:31 | Weblog
昨日はほんとに久々のマルチニーク・ラムを飲みました

池袋にある、King Rumというお店でしたが

大昔によく飲んだラムがオールドラムになってる
わけで

25年もののJ Ballyとかです

うまいですよね、何杯でも飲めちゃいそうだけど
一杯2700円だから、まぁ一杯です

甘くて楽しい夜になりました

壁にはキューバ系の写真がいっぱい・・・

Tenth Circle 「偽りをかさねて」 ジョディ・ピコー

2009-10-25 00:05:54 | Weblog
早川書房の翻訳本
ジョディ・ピコーのTenth Circleを読了しました

序盤はかなり純粋な文学かなと、重さを感じながら
進みましたが、中盤、犯罪小説かというような
ディテイルが続き、アメリカらしいエンターテーメントなんだな
と感想も変わりました。

しかし終盤は、父親ダニエルのユピックエスキモーでの体験と
物語が絡み始めます。

スピリチュアルな奥深さと、ダイナミックな生き方が
この作品の巧さにつながったと思いました。

ダニエルが娘のボーイフレンドのジェイスンにつきつけた
ナイフを離した理由として

「ジェイスンと自分の間に共通なものがあることに気づいた」
としている。人は必ずしも自分で思っているような人間では
ないという。

非常に文学的な描写になっています

娘のトリクシィと母親が雪の中ではしゃいだあと、
「つぎに何が起こるかわかっていることは、なんと
素晴らしいものなのか」とトリクシィの心理を描写している

ここもわかり易く哲学的ですらあった


ピコーのほかの作品も原書で読みたくなりました

倉橋由美子 暗い旅 河出文庫

2009-10-20 01:20:41 | Weblog
60年代に書かれた女性主人公の物語でした。

読み進めていて疑問が.....

・なぜいちいちフランス語で表現するのか?
・人や人の心には触れないで物のディテイルばかり
 細かに描写するのはなぜなの?

これはフランスかぶれしてしまった女性作家が、
当時としては、遊んで暮らせている読者層に
向けて書いたポルノグラフィーなのかなと
思ってしまいます。

あんまり、こんな小説の記事を書いてもしかた
ないんだけど、

今読んでいるジョディ・ピコー Jodi Picoultの
翻訳本があまりにも、人のもつ愛憎の生々しさを
的確に書いているから、

女って、そんな浅いもんじゃないだろうと
この小説に対しては、気持ちの悪さを
覚えてしまったからです

一回、Jodi Picoultは英文で読んでみたいです


ひさびさに浅草で呑み会

2009-10-16 23:00:34 | Weblog
久々に浅草で呑み会をしました

言問通りを少し入った居酒屋でした

この界隈、小さなお店、しかも老舗が多くて

妙にミュージシャンっぽい人も多くて

自然と元気になってきます

仕事の関係で浅草地元の知り合いができてよかった~

その帰りに日暮里のサルサバーに寄ってしまった

無防備 市井昌秀監督

2009-10-15 23:50:29 | 映画
もとコメディアンの市井監督による自主制作映画

知識なしに女性の物語ということで見に行きました

客席は映画ファンとは思えない、初老のおやじがちらほら
その理由は無修正で出産が見える報道があったからと
後で知りました

結論的には、この作品、まっとうに1800円払うのは辛かった

それは、どこから切っても自主映画だからです

ただ通常商業映画には乗らない、陰鬱な主題を扱った映画なので
それがよかったです

その主題は好きです

女性のもつとてもネガティブな部分と
どうしようもなくポジティブな部分を
特に後半、見せつけられます

よい意味で映画的とは思えない醜い女性たちに
よる映画だと思いましたが

それがドキュメンタリーっぽくなった理由だとも
思います

ただ、これを配給した人たちに言いたいですが
同じプロットでリメイクすべきです

なにしろ、プロの映像ではありません

役者さんたちも、やはりちょっと苦しいです

撮影は、特にひどいです、ホームビデオを
無理やりフィルムに焼いています

多用されている引きの画(遠景)になると解像力がついて
いかず、レンズも限界を超えています

明るい空も稲もクリップしてしまい、べたべたに
汚くなっている・・・

照明という存在もほとんどわかりません

わたし自身自主映画を作っていたから
汚さへは寛大なつもりですが、お金を取るのなら
画質への思い入れが欲しかったです

次回、もう少しお金が入ったら
プロのカメラマンさんを使って
きれいな引きの画を撮って欲しいです

ピュアな監督の心が、さらにピュアに見えるはずです

東京マラソン 狭き門

2009-10-14 19:59:07 | Weblog
昨日、東京マラソンの参加者抽選があったようですね

わたしの周囲にも何人か応募した人がいましたが

全員落選したようで、嘆いていました

競争率が8.9倍だとか

東京ってでかすぎる街なんでしょうか
それとも応募者が多すぎるのか

でも毎年応募してもずっと落ちる人は
かわいそうでもあります

とはいえ今シーズンはどこかのマラソンに
応募したい気はします・・・

ヴィヨンの妻 根岸吉太郎

2009-10-11 19:20:12 | 映画
今年は太宰の生誕百年で4本が次々と公開されるそうですが
ヴィヨンの妻は根岸吉太郎監督なので、期待していました

新潮文庫にある原作を読むとわかるとおり
オリジナルはさらっとした短編です

これに対し、田中陽造さんのシナリオはかなりアレンジして演出しています

恐らく原作では時代背景もあり古典としてはよいのですが
映画としては、妻「さち」の生き様にはギャップを
感じてしまいます

エンターテイメント性をもたせて、はかなく
寂しささえある原作に対して、強くて、映画では
逆に励まされるようなドラマができていました

冒頭の闇夜を逃げ帰る大谷の姿が印象的でした

今の中央線三鷹界隈の話ですが
セットが見事でわくわくしてきました
カメラも素晴らしかったです

浅野忠信の大谷は、すごく知的な演技だったと思います
こないだの鈍獣が辛かったので、魅せられました

伏見 椿堂の雁が音

2009-10-09 16:00:39 | お茶
おためしセットとは別のお茶の感想です

椿堂さんの雁が音 永楽 1260円(100g)



茶葉には雑な茎や枝は混じってなくてきれいです

個性というより、上品なおいしさがあるお茶でした

他の茶舗にはあまりない(弱いが)シャープな茶葉の香り

後味にわずかな塩っぽさ
(これは一保堂の玉露に特徴的な)

深みというより、甘い余韻(これは玉露ですし)

このお値段でしたら及第点のお茶でした

椿堂 おためしセットより 煎茶編

2009-10-07 00:26:49 | お茶
椿堂さんから、通販で購入しました
こちらは伏見に素敵なお店があるようですね

おためしセット 1575円
玉露【椿乃誉】10g詰・煎茶【山城乃誉】10g詰



10gずつの小袋が二つ入っています

はじめに今日飲んだのは山城乃誉

煎茶は普段あまり飲まないのですが
100g 5000円の煎茶ですからね

愉しく飲ませていただきました

まず茶葉は、椿堂さんWebの解説の通りです
細くて丸く、短いものが多い(写真)



ですが、これが水分を帯びると
きれいな明るい緑色になり
開いてくると大きな葉もあります

お味はというと
ドライでシャープな苦味と渋み
癖がまったくなくて、まろやかでストレートな旨味です
とてもピュアな味わいがします

10gだから、2回くらいしか入れられないなぁと
もっと欲張りに飲みたくなりました

煎茶もたまには良いです

明日以降で玉露も飲みます
わくわくです


心のおもむくままに スザンナ・タマーロ

2009-10-01 22:33:35 | Weblog
スザンナ・タマーロというイタリア人作家の小説
「心のおもむくままに」読み終えました

訳のせいではないと思いますが、文体が
とげとげしく、しつこく、重く、曲があって

主人公の老女が理屈っぽく
すべてが弁解で
途中で投げ出しそうになるほど
このキャラクターを好きになれませんでした

だんだんと、諦念が入り、潔さが現れてくると
家族愛の深さを感じることが出来ました

自己顕示欲が強く、自分を賢いと思っていて
楽しくしている人が不幸になればよいと思うような
そんな主人公

思考のパターンがロジックや知識や経験からではなく
かなり一方的な独自の基準である主人公

この本、相当なベストセラーだったそうです