不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Natale di Roma

2006-04-19 12:28:33 | うんちく・小ネタ

伝説ではローマは紀元前753421日に
狼に育てられた双子のかたわれロモロ(
Romolo)によって
設立されたと言われています。


もちろん歴史的な背景に基づくものというよりは
飽くまでも「伝説」。

ロムルスがローマを建国したといわれるころには
既にカンピドリオ周辺には
小さいながら集落ができていたのが確認されているのだから。

しかし、都市の成り立ちにはロマンも必要、ということで
わかっていてもこういう「神話・伝説」が
大事に受け継がれていくのです。

トロイ戦争の生き残りの末裔で狼に育てられた
双子のかたわれが建国なんて話は魅力的だものねぇ。
いずれにしても最近の発掘作業により、
パラティーノの丘からは紀元前
8世紀半ばころの
「建国」を確証するような遺跡も見つかっていているのです。
永遠の都・ローマにはこういうのもなくては
!

ロムルスはパラティーノに
レムルスはアヴェンティーノに建国を希望して喧嘩。
鳥占いで決着をつけようと思ったものの、収集がつかず、
結局ロムルスがレムルスを殺害して建国を達成。

キリスト教徒はこの逸話を旧約聖書の
「カインとアベル」の話と結びつけ、
またロムルスとレムルスの二人が生まれてまもなく
川に流されたことはモーゼに結び付けたりもしています。


聖書もローマ建国もこじつけだらけ。でもいいのだ。

たとえこじつけでも「伝説」でも
421日の「ローマ建国」のお祝いは、
古代ローマの放牧の女神(
Dea Pale)を敬い、
パリーリア(
Palilia)と呼ばれ
古くからローマに根付いているもの。


特にお休みではないけれど
市立の美術館などは無料開放の予定。


Cannoli Siciliani

2006-04-17 22:27:54 | Squisito!

友人が連れて行ってくれた
「シチリアン・バール」はMizzicaという名前。
Mizzicaのサイト
*注:軽快な音を発します!!仕事中に開くときは注意!

さすがにシチリア出身の友人が勧めるだけあって、
そろえているドルチェの数々はすべてシチリアの香り!

友人はシチリア出身でありながらカンノーリが嫌い。
私もその昔は
「こんな重くてカロリーの高そうなお菓子食べられない」
と敬遠していたけれど
シチリア・トラーパニで勧められて食べたら
めちゃくちゃおいしかったので
機会があれば、美味しいカンノーリを食べたいと思うように成長。

フィレンツェには
ホンモノのシチリアのものを扱っているバールは少ないけれど
ローマにはやたらあちこちにシチリア系のお店があるので
美味しいカンノーリを見つけるのはそんなに難しくないかも。

お腹いっぱいの状態で連れて行かれたので
ノーマルサイズのカンノーリは
さすがに食べられそうになかったので
ミニチュア版のピスタチオ風味をいただきました。

Cannolino_pistacio

あぁ、シチリアに行きたい!

logo_albero4 banner_01

Buona pasqua!

2006-04-16 15:15:46 | アート・文化

Uovo_pasqua_2006_1

最近のイタリアのイースターエッグは
なんだか派手な感じの包装になってきました。
数年前はもっと地味だった気がするけどなぁ。

そして今年はアルマーニのチョコ・タマゴも登場したらしい。
200グラムの卵型チョコレートに
でかでかとAマーク。
3種類のカカオを使った3タイプがあるそうで。
なんだかとても美味しそうだ。
ヴェネズエラ産カカオ、タンザニア産カカオ、ジャヴァ産カカオ。
55ユーロだって。
材料にこだわっている割には安いかも。
(まぁ200グラムのチョコレートに50ユーロですけど)

市場には200ユーロの卵型チョコも出回っているわけで。

しかし、アルマーニ製のタマゴ・チョコの中には
どんな「おまけ」が入っているのかなぁ?
(追記:どうやらおまけは入っていないらしい…。)


Via Crucis

2006-04-14 19:12:27 | アート・文化

今日は聖なる金曜日。
イエス・キリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘を上り
十字架にかけられた日。


ローマではコロッセオに向けてVia Crucis(ヴィア・クルチス)。
21時から23時まで続く恒例の宗教行事。

最寄駅の地下鉄コロッセオ駅は準備のため18:30から閉鎖され、
その周辺を走るバス路線も迂回します。

ローマの住人はこういうことに目くじら立てることはないのですね。

宗教的伝統行事のためなら。
さすがヴァチカンのお膝元。


というか、復活祭休暇に入っているイタリア。
仕事している人も減っているし、交通量も少ないから、
実際にはそんなに大きな影響ではないのかも?


Via Crucis はラテン語。
「十字架の道(
Via della Croce
もしくは「痛みの道(
Via Dolorosa)」とも言われます。
この行事の起源は聖母マリアがイエス・キリストの受難を思い
かの地へ赴いたことに遡るとも言われますが、
現在の定説ではアッシジの聖フランチェスコ
もしくはフランチェスコ会の慣わしに由来していると考えられています。

1294年ころドメニコ会派の司祭であった
Rinaldo di Monte Crucis(リナルド・ディ・モンテ・クルチス)が
Santo Sepolcro(サント・セポルクロ:聖墓)について詳しく説明した際に、
キリストがたどった道順を
14の地点に分けたことに由来しているらしいです。

1.イエス、死刑宣告を受ける 
2.イエス、十字架を背負う 
3.イエス一度目の躓き 
4.イエス、聖母マリアに遭遇 
5.Simone di Cirene(シモーネ・ディ・チレネ)イエスの十字架を担ぐ 
6.Veronica(ヴロニカ)イエスの顔を拭う 
7.イエス二度目の躓き 
8.イエス、イエルサレムの女に説諭 
9.イエス三度目の躓き 
10.イエス、服を脱がされる 
11.イエス、十字架にかけられる 
12.イエス、十字架上で命果てる 
13.イエス、十字架から降ろされる 
14.イエスの亡き骸、聖墓に安置される

これが現在スタンダードとされている14項目。

このうちイエスの躓きや聖母との遭遇などは
後の時代に付け加えられたものだといわれていますが。

そして長年リクエストされているものは

15番目に「復活」を加えようというもの。
これを加えることで
Via Crucis
痛みに満ちた辛い宗教行事で終わらずに済むから。
そういう変更が実際行われることは今の時点ではなさそうですが。

本来ならばVia Crucisの折には
実際イエス・キリストが受難をうけた場所を
訪れるべきとされていますが、
そうした巡礼の旅が誰にでも許されるわけではないので、
各教会がそれぞれに
14箇所を設定して、
そこを巡礼する慣わしが残っているわけです。

ローマのViaCurcis見てみたいけどなぁ。
混んでそうだ…。