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 秋 田 奇 々 怪 会

心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明、オーパーツ、超常現象、UFO等不思議大好きの会です

      「奇 々 怪 会」 とは、どういう会なのか


昭和30年前後にイギリスのネス湖で恐竜ネッシーの存在が話題となり(湖面を泳ぐ姿が目撃され、写真に撮られたりした)、ヒマラヤで雪男の足跡が発見された等などが新聞やテレビで話題になりました。
こうした話題は昔から私達の興味を引く出来事だったようです。

いや、もっともっと旧くには・・・
秋田出身の国学者・平田篤胤は異界・幽冥の世界の有様をまとめて、1822年(文政5年)に『仙境異聞』を出版しています。
実は文政3年秋の末、篤胤45歳の頃、江戸で天狗小僧寅吉の出現が話題となっていたそうです。
寅吉は神仙界を訪れ、そこの住人たちから呪術の修行を受けて、帰ってきたというのです。
篤胤は、天狗小僧から聞き出した異界・幽冥の世界の有様をまとめて、出版したのが『仙境異聞』であります。これが当時大きな話題となったと伝えられています。
ことほど左様に”不思議な話”は、いつの時代でも人の興味を引き付けるのだと思われます。

心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明、オーパーツ、超常現象、UFO、UMA、ツチノコ・・・・・
身近では霊的な場所、遺跡、神社、お寺、巨木等なども私達の興味を引き付ける様です。


奇々怪会は、こうした事に興味を持つ人の集まりです。
新規の入会を希望する方は下記までご連絡ください。
メールアドレス arashigeru@yahoo.co.jp

秋田怪談 ここが面白い(4)

2024年02月12日 | 本・雑誌から
さて、拙い分析も今回が最後といたしましょうか・・・・・・

1・キーになるのはやはり女性かな~
この本のスタートが舞台は学校、そして赤いランドセルの女の子が出てくる。
更に進んで行けば海の中で出てくるおかっぱの少女、キャンプに遊びに来る手まりを持ったおかっぱの少女、かと思えば農道でクネクネ踊っている女性をよく見たら、ゆでたまごの様に目も鼻も口もない。
土崎が舞台の酔った女性、これが酔った男性では一挙に興ざめする。
やはり女性がいて物語は成り立つようだ。

2・と言っても男の出番もあるな~
トンネル内に出てくる警察官、通町に出てくる白装束の男といくつかの場面に男が出てくる。
だけど何となく面白みに欠ける、華やかさがない・・・・・ま~物語上、華やかさは必要ないか!!

3・人形とかおもちゃ
音の出るおもちゃが壊れたのか訳の分からない音を出す物語があった(市営住宅 秋田市)。
実は私も持っていて、結構可愛いので大事にしている。この物語の様になったら怖いなと感じさせられた。私の持つおもちゃは私が発する言葉を可愛く復唱するだけなのだが、これが復唱以外を止めどなく発声したら怖いよな~。下記が私のしゃべる人形カッちゃんとサクラちゃんです。

日本人の感性は「森羅万象、すべてのものに神が宿る」のです。だから例えば要らなくなった人形を単純にゴミ袋に入れて処分するのに抵抗を感じるようなのだ(*特に人型のものには、その傾向が強いと思われる)。したがって「人形供養」が行われているし、準じて「針供養」「○○供養」が行われている。

4・この世は不思議に満ちている・・・・・
私は会報や、このブログにも公表しているのだが、自らに霊的な能力は全くにない。不思議体験をしたことは皆無だし、UFOやその類に遭遇したことすら全くに縁がない。
しかし、世の不思議や超常現象、心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明などは大好きで故に秋田奇々怪会の会員でもある訳だ。
しかし自分にそうした能力がないからと言って、その能力を持つ人を疑ったり否定する事は全くにないのです。
だからこの「秋田怪談」は面白かった・・・・・是非多くの人に読んで欲しいと思っています。
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秋田怪談 ここが面白い(3)

2024年02月12日 | 本・雑誌から

今回の事例の中で数例出てくる共通の言語があった。それは「龍」「狐」「神社(みよしさん)」等の呼称でありました。
例えば「龍」前回に”記したイチコ、カミサマの対応の中で、この存在がキーになっている数例がありました。私たちの感覚で言えば 龍 は架空の生き物であり、実在はしない。しかしイチコやカミサマはそれらを鎮め処置もしたと言うのだ・・・・・しかも、それで懸案が解決している。
架空の生き物という観点で言えば、この本の中には河童も数例出てきます。

また「狐」今まで例示では採り上げてはおりませんが、ある空き家に見たことのない人が着物姿で出入りするのを多くの人が認めている(不審人物-美郷町)。
結局空き家を管理している人に物件に行ってもらった所、物件の家から数匹の獣が勢いよく飛び出して、それが狐だったというのだ。しかも、その居間には畳まれた着物が数枚あったというのです。
よく狐と狸は人を化かすとか、イタズラや悪さをすると言われます。
この本の中では「狸」は出てきません。しかし、このブログでも以前に採り上げたし売上も凄いようなソフトカバー「山怪」には狸の事例も沢山出てきます。

ついこの間”ぼんでん”が行われた太平山三吉神社。秋田では「みよしさん」と親しまれている神様で、例えば由利本荘でも祀られていると初めて知った次第だ。
私の住む地元でも「こんな所に・・・・」と初めて気が付く神社があることにビックリする事がある。それらは、どんな小さなもので目立たない所にあっても、しっかりと護られているようだ。
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秋田怪談 ここが面白い(2)

2024年02月11日 | 本・雑誌から

この本の中で どうしても困り果てて 原因や対策を”霊能力者”(本ではそういう表現をしておりません)に相談する事例が数例出てまいります。
県央エリアの記事の中で出てくる人はイチコ(秋田県南のイタコ)と呼ばれ、その他の地区ではカミサマ(東北の民間巫者)あるいは同じカミサマ(民間信仰の巫者)と呼んでいるようだ。
青森県の恐山にいるイタコは全国的に名前が通っていますが、秋田県では統一した名称では存在していない、こういう事なのかと思ってはおります。
しかし、この方たちが本の中ではすごいのです・・・・・・
1・外にある汲み取り便所で水音がする(水源はない)のを相談したら「便所にいたのは龍で雄物川に流しておきました」と言い、それ以降水音は止んだ。

2・火事を繰り返したり、身内が事故で亡くなる等の不幸が続く家の顛末をイチコに相談した。
敷地内にあった社を小さくしたりを龍が怒っているとの宣託で、相談者には思い当たる事があった。

3・夜中に大きな音がしたり、金縛りにあう高校生がいた。母親がカミサマに相談したところ「あなたの息子が川で遊んだのだが、そこで悪いものが憑いてきた」と言う。その川は花岡鉱山で中国人が過酷な労働をした場所のすぐ近くであった。

4・孫が夜に寝付かず、家の中に四つ足の獣がいる気配も感じられる。
カミサマに相談したところ「家の裏にお稲荷さんがある。雪ごと片付けてけろ、と言っている」
家の裏を掘り起こしたら白い雪の中から、小さな石の祠が姿を現した。
それらを祀りお詫びをしてから、孫はよく眠り獣の気配もなくなった。

どうだろうか、これだけ相談して答えを得、その後に解決しているのだからイチコ、カミサマあぁ有難やではないですか。
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秋田怪談 ここが面白い(1)

2024年02月08日 | 本・雑誌から
秋田怪談を通読してみて面白さに嵌っているのだが、いくつか私が感じたポイントをこれから数回にわたって述べてみたい。

いわゆるミステリースポットを訪ねてそこで怪奇現象に遭う話が今回もないではない。廃病院、廃ホテル、或いは座敷童子などで、それなりの迫力はあるのだが今回の題材の中心は日常に私たちが暮らす中で遭遇する民話的な話が中心である。

例えば除雪機の修理を頼まれ雪深い集落に行った人の話(恍惚 仙北市)、着いた先で依頼人の老人に会ったのだが、大きな声で挨拶してもいつもと感じが違う、その内に老人が裏手の山に登りだした。慌ててあとを追いかけたのだが追いつけない内に変な事に気づく。老人が登った雪山の道筋に普通は残るはずの足跡がないのだ。
おかしいと思い自分の車に戻った時、この老人が軽トラで帰ってきたのだ。
事の顛末を話した時この老人から「山に登りだした老人にもし付いていったら、命落としたぞ。山には人を騙す悪いのがいるからな・・・・」と言われた、と記されている。

私は前にこのブログに書いた事があるのだが心霊スポットと言われる所に進んで出掛けていって非日常体験を得ようとするのは、私自身の主義から言えば好みではない。日常生活の延長上に起こる出来事が貴重なのだと思っている。そういう意味では今回の本は私の主義にピッタリとあうのだ。
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秋田怪談 ホンマかいな?が満載で面白い

2024年02月03日 | 本・雑誌から
たびたびお知らせしている「秋田怪談」1月29日発売 竹書房
既に私は二読いたしまして、その面白さに嵌ってしまっております。

全体的な印象で言えば各地に伝わる民話的な作品も多く河童や狐が数多く出てきたり、学校や廃ホテル、病院が舞台の話題もある。それから秋田には少ないといわれる座敷わらしも出てくるし、個人のお宅に関わる話も多く「オイオイ、本当かい・・・・」と頭が混乱する話も少なくない。よくこれだけの話題を集めたものだと執筆陣に頭が下がる。
発売直後なので個々の作品の披露は問題もあるでしょうが、Amazonに紹介された一遍がありますので雰囲気を知ってもらう意味で下記に転載いたします。

収録話「通町橋の男(秋田市)」より抜粋

秋田市に出張で訪れていた会社員の土屋さんは、取引先との契約を終え、秋田支店の社員と秋田の歓楽街「川反」で契約成立の祝杯を挙げていた。
タクシーで送るという支店社員の誘いを断り、酔い覚ましにホテルまで旭川沿いを歩く。
竿灯まつりを終えた秋田の街は、夜風に秋の気配を感じる。
次の橋を渡れば、ホテルという辺りまで来た時だった。
柳並木の歩道に、周囲の風景とは異質な装いの人物が佇んでいるのが見えた。
髷を結った白装束の男――。
(あ! 見ちまった)
土屋さんは時折、この世の者でない人たちを見る。
面倒は御免と気づかれぬ様、その場を足早に立ち去り、ホテルへ繋がる橋を渡る。

(やべえ、タバコ買い忘れてた)
ホテルへ戻る前に近くのコンビニで買い物を済ます。
タバコとペットボトル飲料の入った袋を手に提げ店を出ると、目の前に数名の酔客の後ろを歩く白装束の男と出会した。
――思わず驚いちまったんですよ。
すると、白装束の男と土屋さんは、目が合ってしまった。
――すぐに目を逸らしたんですけどね……。
ホテルに戻った土屋さんは、一日の最後に怪しい者を見た後味の悪さのままベッドに潜り込んだ。
どれぐらい眠っただろうか、寝苦しさを感じて目を覚ます。
(喉が渇いた……)
飲酒のせいか水分が欲しい。
冷蔵庫にあるペットボトルを取り出そうと起き上がった――。
(何かいる……)
薄暗い客室の中、いつも怪しき体験をするとき特有の気配を感じた。
(いるとすればベッド脇のテーブルの辺りか?)
ゆっくりと横を見てみると、白装束の男がいた――。
なにか物言いたげそうに土屋さんを見つめる男。
「オレ、何もできないよ」
土屋さんが小声でそう告げると、白装束の男は透けるように消え去ったという。
――続きは書籍にて。

こんな感じです、皆様にも是非ご一読をお薦めいたします。



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秋田怪談が発売になりました

2024年01月31日 | 本・雑誌から
先にご案内をしておりましたが秋田県内の怪談奇談、怪奇伝承を採り上げた「秋田怪談」が1月29日に発売となりました。
竹書房 発行 文庫本スタイル 発売価格781円

私は発売日の購入を予約し既に完読いたしました。県内を県央、県南、県北に分けて、それぞれの逸話が満載されています。目次は次のとおりです。皆様も是非お読みください。

著者の鶴乃大助さんとは奥羽怪談(同社発行)を通じて親交があり、今回の発売計画も事前にご連絡をいただいておりました。昨日に鶴乃大助さんご自身様から同書を郵送にて手元にいただきました。
著者のサインもありますので下記にご紹介かたがた、ご家族様や友人、知人の方々にもご紹介いただけますようお願いいたします。




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秋田怪談 の発売が今月末です

2024年01月14日 | 本・雑誌から
前に色々とご紹介してきた東北の怪談本「奥羽怪談 鬼多國ノ怪(竹書房)」の著者のお一人であります鶴乃大助さんとはその後も情報交換をしておりましたのですが、同じ竹書房から秋田に特化した怪談本を出版する計画を伺っておりました。
今般正式に出版案内がありましたので、早速皆様にお知らせする次第です。
発売日 今月29日(文庫本781円)
著 者 鶴乃大助、卯ちり、戦狐の三氏 卯ちりさんは12/19に講演内容をアップしております

秋田県に所縁のある鶴乃大助、卯ちり、戦狐が秋田の各地を巡り土地の人々から聞き集めた秋田の怪異奇譚集。
北秋田市◆祭りで撮れた不可解な写真
秋田市◆飲み屋街に出る白装束の男
男鹿市◆深夜見た都市伝説のアレ
横手市◆トンネルに現れる謎の警官
仙北市◆秋田藩の公的河童目撃録
由利本荘市◆通夜の日のぴんぽんおばけ ……ほか
・家に続く不幸の理由は、敷地内の郷土神を祀る社が荒れたせいなのか…「みよしさん」(由利本荘市)
・大太鼓祭りで撮れた不可解な写真、その行方は…「ポラロイド写真」(北秋田市)
・座敷ワラシのいると言われる部屋に宿泊してみたら…「禍福は糾える縄の如し」(大仙市)
・歓楽街・川又で飲んだ帰りに髷を結ったいで立ちの男と目が合い…「通町橋の男」(秋田市)
――ほか、仙北の河童やナマハゲ、妖狐など、怪奇伝承から妖怪話、曰くある代物云々…奇々怪々な秋田がここにある。

皆さん、是非応援してあげてください!!
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奥羽怪談 お薦めします

2023年10月08日 | 本・雑誌から
前回にご紹介した「奥羽怪談 鬼多國乃怪」早速購入して読んだのですが面白くて、そして・・・・・怖いです。皆様にお薦めします。

鬼多國乃怪とあるように東北六県を県別に採り上げており我が秋田県は八つです。

この本に巡り合ったのはここで一話を掲出している鶴乃大助さんとの偶然の出会いであったのですが、ここの鶴乃さんの「宴の夜に」も怖い・・・・・
舞台は男鹿半島の砂浜、ここで二次会をしていた若者たちに異変が襲う。海の中から二次会をみていたのは無数の男女、彼らを挑発したら一気に襲ってきた!!結末は秘密にしておきましょう。
他にもさすが秋田、ババヘラやらなまはげやら南外村やら。お薦めしますよ。
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秋田県藤里町が題材 山怪新本の2

2023年02月25日 | 本・雑誌から

2、山奥の出来事
藤里町は林業が盛んな地で、昔は営林署の管区がいくつにも分かれていた。
山の中には飯場も多く、長いと二週間程度寝泊まりしながら作業をしたそうである。
安保勝徳さんは中学卒業と同時に山仕事に従事している。最初は飯場での炊事が主な仕事で、飯炊きから後片付けまでこなすのは大変だった。
「これは先輩から聞いた話なんです。十文字の小屋で寝ていると夜中に”トンボ行くぞー”って大声が聞こえるんですよ」
トンボとは木の倒し方のことだ。斜面に対して横倒しになるように切ってそのまま転がすやり方である。
「ギコギコ木を切る音がしてメリメリ、ど~ん、ごろごろごろごろって聞こえるんです。」
真夜中いきなり木が倒れて転がってくる音がする。屈強な作業員たちも肝をつぶしたが、しばらくすると元の静寂に戻った。
何事が起こったのか誰も分からず、まんじりともせずに朝を迎える。そして次の日、作業を終えて布団に入り皆が寝静まった頃、またしても
「トンボ行くぞー」”ギコギコギコ、ど~ん、ごろごろごろ”驚いて飛び起きる男たち。
しかし、気がつけば辺りは静かな闇の中、いつもの小屋である。
立て続けに安眠を妨害された男たちは一計を案じる。そして次の夜。
「トンボ行くぞー」”ギコギコギコ、ど~ん、ごろごろごろ”それ今だと待ち構えていた男たちが小屋の外へ一斉に飛び出すと・・・・・・。
目の前の斜面を狸がごろごろって転がってきたそうだ。

川の達人で監視員でもある市川市治さんも同様の話をしてくれた。
「山仕事から帰る時に突然ど~んって大木が倒れる音がするんですよ。その音のほうへ見に行っても何も無いんです。
これは作業員たちが複数で聞いているんですよ」典型的な狸の仕業である。ちなみに藤里町では狸のことをムジナと呼ぶ人が多い。

年の半分は山へ入り山菜やキノコを採っている人がいる。彼は直売所などで得物を売って生計を立てている。
謂わばプロであるが、その彼がタケノコを採りに行った時の話だ。
「たくさんタケノコが生えている所は怖いですよ。もうね、タケノコ生えているのがずっと見えるんですから。採っても採ってもまだ先にずっと見える」
終わりがないのだ。いくら採ってもその先には限りなくタケノコが顔を出している。手が止まらない。気がつけばどこにいるのか分からなくなった。
長い採集生活でも初めてのことである。ベテランの山人でも焦りは隠せない。藪の中をどれくらい彷徨しただろうか。
かすかに車の走る音が聞こえた。「ああ、助かったと思いましたよ。道の方向が分かったから」
無事に山から帰還出来た時は心底ほっとしたが、彼は翌日も同じ場所へと向かったのである。
採っても採っても少しも減らないタケノコ。いや採れば採るほど目の前に新たなタケノコが出現するではないか。
我を忘れて採り続けるうちに、またも居場所が完全に分からなくなったのである。
「あの場所へは二度と行かないですね。なぜ? いやあ三度目は無いですよ」タケノコ採りは怖いのである。

藤琴川のかなり奥の沢筋にゼンマイの名所がある。時期になると我先にと大勢の人が向かう場所だ。
或る年のことである。ゼンマイ採りが好きなAさんは早起きすると薄暗いうちからそこへと向かった。
沢沿いに軽トラを止めるとAさんは籠を背負って歩き出す。目的地はかなり奥で楽ではないが一番乗りだと思うと嬉しかった。
”ザッザッザッザ”しばらくすると足音が聞こえてくる。顔を上げると誰かが下りてくるのが見えた。
「あれ?こんなに早く採りに入ったのか?」
自分がてっきり一番だと思ったから驚きながらも挨拶をするが、男は無反応である。
強い違和感を感じたAさんが後ろを振り向くと、男の姿はどこにもなかった。
この謎の男には多くの人が遭遇し、現場は”お化けが出る場所”として知られるそうだ。
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秋田県藤里町が題材 山怪新本

2023年02月18日 | 本・雑誌から
先に山怪の第四巻が発売された事をお知らせしました。
買い求め通読、またまた引き込まれました。今回は北は北海道から南は宮崎までの話題が満載なのですが、我が秋田県は 藤里町 が取り上げられています。
その内のいくつかを早速ご紹介します。


1・謎の電話
日本各地を回っていると北東北は比較的狐に関する話が多い。ここ藤里町でも老若男女問わずいろいろな狐体験をしている人たちがいた。

藤里町役場に勤める成田貴之さんは祖母から謎の電話の話を聞いている。
「これは昭和の四十~五十年代の話なんですよ。うちの爺ちゃんは酒飲みだったんですが、決して乱れるような飲み方はしない人だったんです」
或る夜、いつものように街中へ飲みに出かけた爺ちゃんは少し帰りが遅くなった。
節度ある飲み方をする人なので家族はあまり心配していなかったが、少しは気になる。「どうしたんだべ、遅いでねか?」「んだな」
時計を確認しながら話をしていると、突然電話のベルが鳴った。電話の内容はこうである。
”おめぇんとこさの爺ちゃんが坂の途中で寝てっから迎えさいげ”
院内岱の家へと向かう坂で爺ちゃんが寝ているという知らせだ。すぐに家族が探しに行くと坂道の真ん中で確かに爺ちゃんは寝ていた。
着物を脱ぎきちんと畳んで履物も綺麗に揃えてある。まるでどこかの家に上がって布団で寝ているような姿だった。
「爺ちゃんは不思議なことがこの世にあるとはまったく思わないタイプの人なんです。でもこれについては不思議だったそうです。
でも一番不思議なのは誰が電話を掛けてきたのかが結局分からなかったことですねぇ」
電話を掛けてくるような知り合いすべてに確認したが、そのような人はいなかったのである。
爺ちゃんが道端で寝ていたのは狐に化かされたからだと家族は考えたが、謎の電話も狐の仕業なのだろうか。

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