I.D.S.

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麻生太郎首相の国連総会一般討論での演説要旨

2008-09-26 23:59:03 | 外交
●集団的自衛権の行使 憲法解釈見直しを、首相表明(日経新聞 9/26)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20080926AS3S2600C26092008.html

国連総会に出席するため訪米中の麻生太郎首相は25日夕(日本時間26日朝)、国連本部で記者団に、政府が憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権の行使について「基本的な(憲法)解釈を変えるべきだ」と表明した。日米同盟の強化や自衛隊による積極的な国際貢献に向け、集団的自衛権を行使できるよう憲法解釈を見直すべきだとの考えを示したものだ。


 集団的自衛権を巡っては、憲法解釈見直しに意欲的な安倍晋三元首相が有識者による懇談会を設置。福田政権下で同懇談会が解釈を見直すよう求める報告書をまとめた。しかし福田康夫前首相は慎重姿勢を崩さず、動きが止まっていた。


 これに先立ち、首相は国連総会で一般討論演説をし、来年1月に期限切れを迎える海上自衛隊によるインド洋での給油活動の継続について「日本が今後とも国際社会と一体となり、テロとの戦いに積極参画していく」と表明した。日本の首相の国連総会への出席は2005年の小泉純一郎首相(当時)以来3年ぶり。


ちなみに記事中では記者団に語った内容とされていますが、国連総会一般討論での演説要旨は日経新聞に載せられています。そのうち官邸のホームページか自民党のホームページに全文なり動画なりがアップされるだろうと思います。


いくつかポイントと思われる事。
まず、自衛隊の海外派遣について憲法解釈を変える事で何とかするとしています。つまり、憲法改正は考慮外としています
次に、この演説は総理就任後初の海外向け演説であるということです。次の衆議院選挙もこの方針を国民に問うものになるでしょう。
最後に「テロとの戦い」に積極参画していくと宣言した事です。

金融危機で米国はこれからパワーを落としていく事が予想されます。まず経済力が低下し、やや遅れて軍事力も低下し始める事でしょう。基本的に、現代の軍隊は経済力がないと維持・運用できません。

日本にとって重要な航路は二つあります。
一つは日本と米国をつなぐ航路で、これを通じて日本と米国が貿易しており、全世界でもっとも富を生み出す航路と称されています。
もう一つは日本と中東をつなぐ航路で、これを通じて石油を運んでいます。この中東との航路が曲がりなりにも安定しているのは米軍が海域を押さえているからです。従って米国の軍事力が低下するに従ってこの航路は不安定化すると予想されます。
ある日突然石油が入ってこなくなると、当然ながら日本国民の生活は大混乱します。石油以外の燃料をどこからか購入し、その燃料に対応した設備に更新しなければいけませんから。設備更新までの間は電気が止まり、それに伴い多くの施設が閉館を余儀なくされます。(発電の30~50%が石油に依存していたはず。もっとも電気よりも化学工業への影響の方が大きい気がしますが…)

従って、真に国民の生活が第一と考えるならば、
・米国の経済が急激に崩壊しないように、ある程度肩入れする。
・少なくとも日本-北米航路、日本-中東航路については自力で維持できるように自衛隊の装備を更新する
・石油の輸入量が減っても対応できるように、経済構造を変換させる
あたりのことはしなくてはいけません。

どこぞの政党が言ってるような”ばらまき政策”は本当の意味で国民を大事に考えていません。これから訪れるであろう状況を打破できず、結果的に国民の生活を損なうからです。
そしてその政党は「自衛隊の海外派遣」をネタとした政策論争に非常に弱いです。そういった国防ネタに強い議員がいないという意味ではなく、その議論を行う事によって党が分裂・崩壊してしまう可能性すらあるという意味です。そもそもからして党としての基本政策が策定されていないってどういうつもりかと。
…とはいうものの、数の上では旧社会党系(要するに憲法九条死守という宗教じみた思想の持ち主、別名”市民団体”、”市民活動家”)が数の上では多数を占めており、その連中は自衛隊の海外派遣と聞いただけで火病るので、党としては反対路線を突っ走らざるを得なくなる事でしょう。

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