靖国神社は、戦死者(戦病死、戦傷死も含む)を神様(英霊)を合祀してする神社です。戦前そして戦後も戦死者が判明すると、戦死者を神様(英霊)にする儀式をおこなっていました。靖国神社本殿に隣接して「招魂斎庭」という儀式をする広場があります。戦死者の名前が書かれた霊爾簿に招魂し、御羽車に乗せて本殿に奉遷し「英霊」となります。
この招魂齋庭は長い間使われていませんでした。憲法九条によって新たな戦死者がでていないからです。
そこで、1985年に靖国神社は招魂齋庭の一部を残した広場を「月極駐車場」として利用することにしました。靖国神社では遺族会の人数も減ってきて、財政上の理由から「定期収入」を得るための措置でした。駐車区画は99区画あり、月4万9千円の駐車料を取っていたのです。これだけで毎月約490万円がはいってくる計算です。月極の場合は、日中も十数台の自動車が駐車していましたし、契約を直ぐに解除することも出来ない事情が内在していました。招魂齋庭は鳥居と祭壇跡が残っているだけでした。
ところが、この7月以来、「月極駐車場」をなくしてしまい、「一般参拝者用駐車場」にしましたので、白線が引かれた更地になっています。創建150周年事業で境内施設を工事するための現場事務所と工事材料置き場も一部ありますが。
これはどういうことでしょうか。昨年来の安全保障法制の成立にともなって、自衛隊の海外派兵もできるようになっています。「駆けつけ警護」も可能と言っています。新たな「戦死者」がでるかもしれません。靖国神社はそのときに備えて、「戦死者」を神様(英霊)にする儀式はすぐにできますよ、とアピールしているようです。
靖国神社平和ガイドの仲間達は、招魂齋庭跡の駐車場を見ながらもっぱらこんな憶測をしています。
これまで派遣されていたのは「南スーダン派遣施設隊」の名称のとおり、陸上自衛隊施設科(工兵)が主体。道路修復などもっぱらインフラ整備を主任務としてきました。今度は、普通科(歩兵)です。危険を認識し覚悟しての自衛隊派遣。派遣される自衛隊員も危ないし、自衛隊員の武器使用による死傷者の出ることも予想されています。
もし自衛隊員が死亡、または傷か病気によって死亡した場合は「殉職」となり、防衛省内メモリアルゾーンに建立されている慰霊碑で毎年防衛大臣が追悼式を執り行い、総理大臣が参列します。しかし一般国民は、「防衛省市ヶ谷ツアー」に参加する以外は、慰霊碑に行くことも出来ません。
「殉職」した自衛隊員は、お国の為に尊い命を亡くしたのだから、靖国神社に合祀すべきであるという世論を、日本会議や英霊にこたえる会、産経新聞によって創り出すことが予測されます。
靖国神社は「宗教法人」ですから、総代会で決定すれば、合祀が可能となるでしょう。安倍首相は堂々と参拝する理由ができたと大喜びでしょう。そして「合祀」される自衛隊員を増やしていくつもりと考えられます。
国民はそんな安倍内閣を絶対に許しません!
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