文氏の「常識の追求」は外交にも影響を及ぼすだろう。就任直後に日本の安倍晋三首相と行った電話会談で、2015年に朴恵槿政権と結んだ慰安婦に関する日韓合意を「受容することができない」と宣言したことはこうした文脈からである。
「不可逆的」という文言が入っている合意を「罪悪」と呼んだ文政権は、その合意の再交渉を要求することになる。
だが、こうした姿勢は単なる「反日」とは片付けられない。
現下の政策案件の以外に文氏が日本について言及したほぼ唯一の事例は、彼が中学生の時に結ばれた1965年の日韓正常化合意を彼の父親が「悪である」といったということだ。
現下の政策案件の以外に文氏が日本について言及したほぼ唯一の事例は、彼が中学生の時に結ばれた1965年の日韓正常化合意を彼の父親が「悪である」といったということだ。
この影響で、文氏は、高校2年生の時、李承晩大統領の「3選改憲」の反対デモに参加したという。
もう1つあげれば、2004年に制定された「親日反民族行為真相究明に関する特別法」を盧武鉉政権の大きな功績としてあげることだ。
なお、李明博政権について非常に厳しい評価を持つ文氏は、その政権で結ばれた包括的軍事情報保護協定(GSOMIA)について、日韓の間の軍事情報の共有が日本に有利な形であるという認識をもっている。だから、GSOMIAの再交渉も卓上に挙げられるだろう。
中国の古典『三国誌』を複数のバージョンですべて読んだという文在寅は、中国について突出な発言をしたことがない。だが、中国・ロシアと協力し、「一帯一路」システムへの編入を構想している可能性が高い。
文氏には、韓国の運命を左右するのは、米国ではなく中国であるという認識が底辺にある。ならば、彼の任期の中で、北朝鮮とロシアと協力し、中国主導のユーラシア構想への参加することがありうる。
現代ビジネス からの引用記事
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