読書の森

通天閣 その2



通天閣通り。

早朝の路で鳩がチョコチョコ歩き回り、長閑でした。
この近所のおばさんが二人豆屋の前で立ち話をしてました。

もっと時間が経てば土地の人のさんざめきで賑やかなのでしょう。

この喫茶店はずっと昔からあると言います。
仲の良さそうなカップルがメニューを見て相談してました。

大阪は関東周辺よりカップルの距離が狭まってます。
勿論マスクしてるけど、大阪の人の方が肉食の感を強くしました。

「射的」これって江戸時代からある遊びです。

タイムスリップしたようです。

「空に灯がつく 通天閣に
俺の闘志がまた燃える」
村田英雄の歌「王将」(古いか)で知られる様に、将棋の天才、坂田三吉はこの辺りを跋扈してたようです。

その死後、通天閣の入口に彼の碑が建てられました。
おじさんが縁台で将棋を指してる姿はお芝居の一幕の様に浮かびます。


通天閣の直ぐ側には明治年間創業の菓子屋があります。
名物の釣鐘饅頭を買いました。

売り子の可愛い女の子が喜んで売ってくれました。
こんな朝早く、しかもコロナ禍の中で訪れる客が少ないのかも知れません。

その側の路地をちょっと入った所に「さかもと」と言う肉屋があります。
コロッケなど揚げ物が美味しいと旅行案内に書いてありました。

ここら辺のおばあさんがちょこんと座ってました。
ニコニコ笑いかけて身についた大阪弁で話しかけます。

私はコロッケを2個注文しました。
もっと注文しても一人じゃ食べきれないのです。
今度は売り子(おばさんでした)はムッとしてます。
何しろ一個80円で、それをたった一人の客の為に揚げねばならないからです。
「代金!」と綺麗なつけまつげのおばさんは不機嫌に言います。
恥ずかしげもなく、私はコロッケを受け取ってニコリと立ち去ったのでした。

内心は「もっと高いの買えば良かった」と後悔。
ただし、帰宅後食べたこのコロッケ、今まで食べたコロッケの中で一番美味しかったです。

大阪は食べ物が安くて美味しく、又内心を隠さない人が多い所です。
通天閣辺りはこの大阪のエッセンスを集めた様な昔懐かしい街でした。

読んでいただき心から感謝します。 宜しければポツンと押して下さいませ❣️

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