見出し画像

読書の森

アガサクリスティとサイコパス

アガサクリスティの『ゼロ時間へ』は以前紹介したミステリーですが、「サイコパス」的性格の持ち主が真犯人なのが極めて今日的です。

発表した1944年当時は第二次世界大戦の真っ最中、作者自身もサイコパス像を意識して書いたかどうかは分かりません。

ただ、専門家以上に人生経験を重ねた感性の豊かで鋭い人間の本質を見抜く力がある人はいると私は思います。この点、クリスティは天才的です。


周りの人を惹きつけずにいられないカリスマ性のある魅力的な人物、優秀な成功者に多いタイプですが、その内面は非常に冷酷で普通の人の傷みに非常に鈍感な人がいるのに驚いた事はありませんか?
これは男女を問いません。例えば、言葉の行き違いで相手を傷つけるなんてものでない、根本的に自己中心的で反省しない人です。

『ゼロ時間へ』の犯人はそんなタイプです。とても頭がよくモテる人で自分は他の人に愛されても良くても、相手が自分以外の人を好きになるのを絶対許さない人はいますね。
この犯人がそれで、自分を裏切った者を徹底的に陥れたい人だったらしい。
その為に「嘘」を平然とつき犯罪迄犯してしまう。


アガサクリスティは二度結婚してます。それ自体は珍しい事ではありませんが、最初の結婚の際に失踪事件を起こしてます。ひょっとして最初の夫がサイコパスタイプだったのかも知れません。
(あくまでも私の想像ですよ)
寛容な相手と再婚後、人間心理のヒダをつく名作を次々に発表してます。
あまりにも有名な『そして誰もいなくなった』もその一つです。



「サイコパス」を解説したウイキペディアを読んでみます。

サイコパスは元々精神医学の用語で、精神病でない反社会性のある精神病質者とされてます。
エゴイストで感情が欠如している犯罪者に見られるらしい。
周りが理解不能で近づけないとも思えます。ところが、「サイコパスの中で社会的な成功者も少なくない」だと。

代表的な人物がヒットラー。
これは納得できるけど、ウイキペディアは更にスターリン、毛沢東、ケネディ、etc.さてはキリスト迄サイコパスではないか?
というのです。ホントでしょうか?

私には、いわゆる天才とサイコパスの見分けは非常に難しいと思えます。

人並み外れた能力者の場合、自分一人で取り仕切った方が結果的に成功する場合が多いです。
そこから独善的になりがちですね。
これとサイコパスの人は区別した方が良いと思います。

サイコパスの最大の特徴は自分の為ならどんな嘘もつくという事です。それで良心の呵責が全然無いタイプです。
一番心配なのが強大なカリスマ性を持つサイコパスの言う通りにすれば楽なのでついて行く人が大勢出てくる事です。
例えばオーム真理教が一大問題になった時、東大卒とか医者の卵とか麻原に盲信的になった例がありますね。

アガサクリスティの分析力から離れて、飛躍したサイコパスの話になってしまいました。

ただし、「如何にも優しく人に接する人の中で、実は相手の感情を全然理解しようとしない人がいる」、と言うこわ〜い現実に、アガサクリスティは気づいていた、と私は感じました。



心が通じ合って、お互いに相手を思いやれる人が何人か居れば、その方がずっと幸せだと私は思います。
それが家族である事が最も望ましいですね。

サイコパスさんとは縁が無い事を祈ります。



読んでいただき心から感謝します。 宜しければポツンと押して下さいませ❣️

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「エッセイ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事