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読書の森

手塚治虫『1985への旅立ち』

大袈裟ですが、この漫画を以前削除してから今回又upするのに際して非常な葛藤がございました。
著作権侵害を恐れたのでなく、最近は「反戦」について描かれる事自体にナーバスな時代です。ちょっと怖いのです。

手塚治虫は昭和3年生まれでまさに青春と戦時が重なった世代です。当然青春を灰色にした戦争を非常に憎んでます。私は戦後生まれですが、戦争によって全く運命が暗転した親や親戚を持っていますし自分の運命自体が左右されてますので、手塚治虫先生に負けず劣らず戦争を憎んでおります。

しかし、それと思想は全く関係ありません。現行憲法は時代に合わないので改正すべきと思っておりますし、ジェンダーや家族制度、天皇制について現行を変更しない立場に賛成します。

ただ、「先の戦争で日本が負けた事を疑問に思い今度は勝つのだ」と無邪気に話してる小学生の話を実際に聞いて、非常な恐怖を感じてます。二度とあんな辛い体験をしてはいけない。

「国際情勢を考えるに、護りの体制は固める必要はあるが、参戦は絶対避けるべき」
だと思います。ズルかろうと何だろうとどんな戦争であろうとも回避して欲しい。

そう言う意味で再度この漫画を掲載する事にしました。

1945年、敗戦国日本の国土は非常に惨めだった。

戦争孤児が街に溢れて治安の意味もあって一括捕らえられて収容された。
不幸な孤児に踏んだり蹴ったりの処置である。

そこで知り合った3人の子。皆非常に逞しい根性の孤児である。

彼らは過酷な収容施設を脱走して、自ら運命に立ち向かうとした。
そこで出会った占い師のオカルト的な予言。

それが当たって、、未来へタイムスリップ。

そして出会った未来の自分たち、つまり成人してめでたく夫婦になって会社を設立した男女に出会う。
豊かな生活と地位を持つ未来の自分たちは「日本の復興の為に何でもやる」戦争産業に加担していた。
そして、、、。
とんでもない未来に出会った三人は「人生をやり直す」事に決めた。
(生きる能力に満ちた)自分たち三人がくっついて成功するより、この悲惨な戦争というものを二度と起こさない世の中をつくろうと誓った。


非常に離れがたい思い(恋愛と言うより強い連帯感だと私は思う)を抱きながら、より平和な日本の未来の為に一人一人で生きる為の別れを告げる。

又未来、1985年に会おうと!



漫画が描かれたのは1980年代で、これはもはや遠い過去になりました。

21世紀もあっという間に24年となって、かなり怖い爆弾を孕む状況です。
しかしどんな未来があろうとも未来への道は残ってます。

そう言う意味で一人一人将来へ向かっていきたい、、、
なんて言っても我々爺婆の出来る事は一つ、過去の明らかな誤りを誤りとして伝える事なのかな、と思います。

実は、全共闘の時代に学生の私ですが学生運動に批判的でデモに参加した事がない、ところが今その頃誰かさん(誰だか忘れてしまってます)が一生懸命言ってた事と同じ事を言ってます。
今非常に反省します。あの頃もっと世の中を広く見るべきだったと。




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