「人間の幸福というものは、時たま起こる素晴らしい幸運よりも、日々起こって来る些細な便宜から生まれるものである」
(フランクリン自伝)
アメリカ合衆国建国の父とも言われるフランクリンの言葉である。
私は若い頃、この時たま訪れる幸運こそが幸福だと思っていた。
恋の成就や一流と言われる学校や企業に入る事、経済的な成功。
幸福は明確な形をとって現われると思い込んでいた。
それを目指して努力する人生を、若い頃、周りの仲間も歩んでいた気がする。
私自身、ときめく幸せを得た時期があった。
それは、確かに充実した素晴らしい幸福感があった。
しかし、永続しなかった。
そして例えば永続する地位を得られたとしても、本当の幸せを得たのとは違う気がする。
高揚した喜びは心を休めるものではないからだ。
日々の小さな便宜、例えば暖かく使い易いストーブ、家族が入れてくれる美味しいお茶、その価値は望んで得られない時に初めて分かるものだ。
一緒に暮らした温もりや、電話すれば応えてくれたいつもの声や、便宜とは違うが当たり前に享受していた生活が、実は一番の幸せの元だという事はある。
『青い鳥』という昔の童話がある。
幸せの青い鳥を探して彷徨ったチルチルミチルが、やっと見つけたのが我が家だったというお話である。
勿論、フランクリンが言った言葉はより実際的な意味を持っている。
暮らし易い生活を築く事が幸せなのだと思う。
その暮らし易さとは、其々の人の自由である。
そんな暮らし易さが集まった時に、そこが幸福な場所なのだろう。
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