さむ〜い世の中、熱〜いロマンで暖まっていただければ幸いです。
全て紹介する訳でなし、『火の鳥』の宣伝にもなるから著作権に触れないでしょうね。お願い見逃して🤲
望郷、と言う言葉が最近やたらと心に沁みてきます。
そこで丈二はたった一人で突貫工事を始め、地下から水が出ないか試みるのです。
そして、無事生まれた子カイン。しかし、このままだとカインはこの星の最後の人間になってしまう。
男ばっかのこの星の世界に現れたのが、別の生物の女子(ムービー)。
望郷、と言う言葉が最近やたらと心に沁みてきます。
ここで言う故郷は「私たちの星」地球であります。故郷を想う人は未来に存在した星エデンの女王様のロミです。
女王と言っても彼女は文明から忘れ去られたような小さな島に育った可愛い少女だったのです。
少女はスクスクと成長して高校生の時、ステキな初恋の相手に巡り会います。研究者の卵の丈二であります。
少女はスクスクと成長して高校生の時、ステキな初恋の相手に巡り会います。研究者の卵の丈二であります。
若い二人は激しい恋に陥りましたが、好事魔多し、長閑な田舎の島も開発が始まる事になります。まともに住める場所が地球上で少なくなって、人口大移動で移民が始まり、二人のささやかな幸せも犠牲になりそう。
若さゆえ、考える事が短絡的で、丈二は島の開発費用を盗み出してロミと駆け落ちを試みるのです。
しかも行先は宇宙。もはや狭い地球上では逃げ場が無いからですが、悪徳業者に格安であるが欠陥物件ならぬ欠陥星を掴まされてしまいました。
それでも若い二人は地球を逃亡して無事星に到着。新婚初夜を過ごしたのです❣️
ところがこの星、なあにも無い、どころかカラカラの水が出ない所だった。
そこで丈二はたった一人で突貫工事を始め、地下から水が出ないか試みるのです。
が、、、突然起きた地震で敢えなく若い命をおとします。
そして、、、嘆き哀しんでいる間もなくロミは丈二の子を身籠ったのに気づくのです。
この子の為に生きねばならぬ、と彼女は決心します。
そして、無事生まれた子カイン。しかし、このままだとカインはこの星の最後の人間になってしまう。
せっかく生まれた命の絆を護りたい。
そこで最後の手段をとるのです!
カインの育児計画をあらかじめプロミラミング、それを優秀なロボットに記憶させて、子守り役を命じます。^_^自分がカインとの間の子どもを作る!(つまり子孫を残す)目論みでした。
そして、冷凍睡眠室に自ら横たわり、タイムスイッチをかけるのです。それはカインが成人した時に解けることになってる。
てな事あるのかいな?と思いますが、手塚治虫先生は医者であります。ひょっとして未来の医療に永遠の若返り術もあるのかも知れません。
ともあれ睡眠は美容に良いみたいです(無駄話)
そして結果は大成功。カインとロミは結ばれる(なんか私イヤですが)
なのですが、生憎二人の間にできた子は何故か男の子ばかり、このままだと子孫が出来ない、、、。
男ばっかのこの星の世界に現れたのが、別の生物の女子(ムービー)。
ロミの生んだ男性(つまり孫)との間の子(つまり曾孫)、ムービー族の女子はお互いに惹かれて結婚します。
こうしてこの星の人口は無事に増えていきました。
そして、子供が生まれ、又も冬眠に入ってた(諦めないで人間の子孫を増やそうとして)ロミが目覚めた時、荒れ放題だったその星は開拓されて緑の土地に変わっていました。
星はエデナの名付けられ、ロミはこの星の女王様に祭り上げられたのです。
エデナでは子供は4、5年で働き盛りになります。人口は増えても反乱など皆無、ムービーの子孫は素直な働き者で正直な住民ばかりだってのです。
人口は一万人をとうに超えて星は豊かで平和な世界となりました。
立派な宮殿におさまったロミは創始者として国民から尊敬され、何不自由ない暮らしをしていたのです。が。
冬眠期間も加えて131歳になったロミは、ほっとしたものの、生まれ故郷の地球が恋しくて恋しくてたまらなくなってます。
そして一人密かに涙を流していました。
城に用事で来たムービーの子供ココムはロミの嘆き悲しんでる所に遭遇してしまいました。
そして彼女から事情を聞いて深く同情します。
この気の良い男の子は何とかロミに生まれ故郷(地球)を見せてやりたい、と工作します。
ココムの母親も心優しい人で、女王そっくりに身を変えて替え玉になるのです。
ムービー族はどんな姿にも変われる不思議な能力を持っていたからです。
そして何と二人の「念力」で動くロケットに登乗し、宇宙空間に飛び出しました。
、、、もう殆どオカルト的展開になってます。
そのロケットと遭遇したのが牧村と言う地球人宇宙パイロット。
牧村にロミとココムは地球へ導いてくれるように懇願するのですけれど。牧村は首を横に振ります。
牧村曰く、地球は昔のような優しい自然豊かな星ではない、そこに住む人々はかってのモラルなど持ち合わせていない、と。
地球にはもはや資源が枯渇して食糧も乏しく、余所者(つまり地球以外の星から来た生物、たとえ地球人だろうと)は密入国者として処罰する掟になってました。
その刑罰は、なんと「死刑」でした。
苦労に苦労を重ねて、やっと生まれ故郷の地球に辿り着いたロミになんと残酷な、と暗澹たる気持ちになります。
そこは手塚漫画で画面にユーモアを取り入れて、結果は非常な悲劇ですが、画面のみ見ると寧ろロマンチックな印象があります。
、、、、
望郷編の中で、今日我々が夢見る「永遠の若さ」や「未だ見ぬ星の世界」がリアルに描かれてますが、非常にシビアな世界であります。
現実でも起こりそうです。
この作品がネットも無い、宇宙開発も今程進んでない、相当平穏だった昭和時代に描かれたのが不思議なくらいです。
又も私は思いますが、優れた作家は予知能力があるらしいです。