皆さま、こんにちは。
とても爽やかな今日のお天気。
今日は、アートインナガハマを離れ、私の周辺で起こった事について
記録として書きます。
始まりは5月8日。この日は、GW明けで息子の家庭訪問の日でした。
夕方の家庭訪問に備え、仕事から帰宅して家の片付け等していると
敷地内の実家の父が、「ちょっと来てくれー」と、血相を変えて
飛び込んできました。
急いで実家に行くと、母がうつ伏せに倒れていて、手足・顔等が土色で
本当に今まで見た事のない様相でした。
父と2人がかりで起こそうと思っても、母の体は予想外に重く
とても持ち上げられません。そして、母も起き上がろうとしても
ハイハイするだけの腕の力もない状態でした。その日は何とか
父と2人で母を抱え、トイレに連れて行きましたが、驚いたことに
オムツを当てていて、GWの前から、歩行が困難なためトイレが
間に合わず、便も・尿も漏れてしまうので、オムツを当てていたと
父に聞かされ、全く知らなかった私は、母の状態に大変なショックを
受けました。
次の日を待って、病院に連れて行きましたが、39度の発熱が治まらない
こと、下痢で10分間隔のトイレ通い(しかも歩行がままならず)で
結局、入院して原因解明と治療ということになりました。
母は15年ほど前に、国の特定疾患の一つ「全身性強皮症」という
難病にかかり、以来何度か 入退院を繰り返しています。
入院や発熱のことは、慣れていました。
今までと入院の経緯が違ったのは、そこに「認知症」の症状が
加わったこと。言動がおかしい・・・
具体的には、トイレに行って鍵を閉め、その開け方がわからないと
トイレの中でわめいたり、病院に来ているのにホテルに来たと
思いこんでいる、父・私・妹が毎日見舞いに来ているのに
来た事を忘れている、排便しているのにその感覚がわからない等々
自分の母だからこそ、この状態を受け入れることができず、母が
母でないような、何とも言えない悲しい気持ちで過ごした約2週間でした。
もう今までの母は戻ってこない…と、毎晩暗い出口のないトンネルを
彷徨っているような気持ち。
しかし、2日ほど前からやっと症状が快方に向かい始め、特に
言動の面では、しっかりとしてきて、もう二度と昔の母には戻らない…
と、落ち込んでいた私の気持ちを明るくしてくれました。
昨日、担当の先生から今回の原因と治療について説明がありました。
原因は強皮症の合併症で、肝硬変になっている肝臓に何かしらの
ウイルスが入り込んで、腸炎・発熱・脳障害を引き起こしていたが
抗生剤等々によりウイルス殺菌でき、突発的な脳障害も改善、
腸炎も快方に向かっているとのことでした。
来週半ばごろ退院できるとの見通しも話されました。
今回、母の入院で、改めて感じたこと、気付いたことを 最後に
記します。
まず、看護師さんの優しさ。色々な機会に何度もお世話になっている
看護師さんですが、これほど優しさが身し沁みたことはありません。
そして、子どもたち。思春期で普段は反抗的ですが、今回、2回ほど
私が疲れからダウンしていると、(我が家は夜干し)洗濯ものを干して
くれたり、朝、勝手に起きてコンビニでおにぎりを買って学校や部活に
行ったり、優しいお手紙をくれたことも・・・
そして、私が最も有り難いと感じたことは、実は普段 気にもかけなかった
「介護保険制度」でした。
先週木曜日、母の容体がまだまだ悪かった時、今後どのように母を
介護して行ったらいいのか…付き合っていったらいいのか…と、途方に
暮れ、市の介護福祉課を訪れた折、初めて「介護保険制度」という制度・
サービスの仕組みを説明していただき、父・妹・私の3人で抱えていた
問題が、気持ちの面で急に軽くなったことを、今も忘れません。
私も40歳を過ぎてから介護保険料を納めていますが、元気なうちは
その存在意義や価値について、知ろうともせず、ただ保険料を取られている
という感覚だけを持っていました。
今回の私のように、このようなことが、突然起こる可能性を 誰もが
持っている!と、体験した今では、介護保険料は私の気持ちの安心料で
あり、保険を使う・使わないの損得勘定の問題ではないということを
身をもって感じました。
使わずに済めば、それは損ではなくて有り難いこと。そして万が一
思いもよらない事態になったら、介護保険サービスのお世話になり
本人だけでなく、周りの家族の気持ちも前向きにしてくれる やはり
有り難い制度である事を、体験した私は伝えていきたいと思います。