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愛知と岐阜と弁理士と。あいぎ特許事務所の所長ブログ
岐阜県に住み続け、名古屋市で特許事務所を経営する、地元大好き弁理士。愛知県+岐阜県で『あいぎ』、地域密着の想いを込めて!




 7月1日は『弁理士の日』です!

  今年も「独学の弁理士講座」を監修されている弁理士内田浩輔さんより、弁理士の日記念ブログ企画2019に参加しない?というお誘いを受けましたので、のっかりました。

 今年のテーマは、「知財業界での初体験」

 私が特許事務所に入ってからの各種経験は全て初体験の積み重ねといえます。

 ですので、どれをピックアップしたらいいのか、迷いますね。

  特許事務所を開業したときが一番の変化ではありますが、今回は、知財業界での積み重ねのスタートである知財業界1年目の初体験について書くことにします。

 

<特許事務所への就職>

 私が知財業界に入ったのは、1990年、バブル崩壊直前?の22歳です。

 この業界には、輝かしい経歴をお持ちの方が割と多くいらっしゃいますが、私はそれとは無縁です。

 当時、名古屋大学に通っていたのですが、大きな会社で働くより、小さな会社で働いて、世の中にない面白いモノづくりをしたいと思っていました。

 トヨタ等の地元大企業や研究者を目指す方がほとんど(ほぼ皆)という中、小さな会社で働くことを指向する上で学歴なんて必要ないし、かえって学歴が大企業に行きたいという気持ちを残して中途半端になってしまうぞ!とアホな発想で、大学を中退しました(アホですねー)。

 高校は3年間クラス替えなしの理数科におりましたが、後日談によればクラスメイトの1/4~1/3が中退していたとのこと!そんな変わったメンバーが揃ったクラス(田舎の公立高校ですが)で育ったのも影響しているのか?自分の周りでは、中退は特に珍しくなかったわけです(笑)。

 面白いことに、大学中退した人が経営者になっているパターンが多いのも、後から分かった特徴です。

 知財業界では(大企業さんでも同様だと思いますが)、大学中退というアホは殆どおりませんで、レアな存在ではありましたが、特に不利になった経験があまりないのは、今思えば運が良かったです。

 特許事務所に就職したのは、あくまで偶然です。

 「小さな会社で世の中をびっくりさせる商品を作ってみたい」などと思っていたのですが、地元で「特許事務所」の看板を発見し、「特許?発明するところ?」「なんだか面白そうだな」「事務所っていうくらいだから丁度いい小さな組織に違いない」と、勝手に妄想を広げました。

 その結果、特許事務所が何をするところかもほとんど知らずに、また求人をかけているかどうかも知らずに、特許事務所に電話をして履歴書を送り、面接の数日後にはそこで働いていました。

 なんだか、とんとん拍子で終わってしまった就職活動でした。バブルが弾ける前ということもあり、特許事務所に就職する人が少なかったのがラッキーでした。

 以上が「知財業界での初体験」としての特許事務所への就職の巻です。

 中退のくせに言うのもなんですが、中退して就職したいという人がいても採用側(今の私)としては「いや、それはアカンやろ」と思うわけでして、こんな私に対し、当時、書類通過・面接・採用していただいた能○課長(伏字ですみません。分かる人には分かる)には、今でも感謝の気持ちしかございません。ありがとうございました。←今の自分があるのは、これが一番の出来事です。

 

<手書きの明細書からワープロへ>

 1990年といえば、パソコンも普及しておらず、手書き明細書からやっと日本語ワープロに置き換えられつつある時期でした。

 そのため、特許明細書の補助業務として最初に下書きをかかせていただいたのは、「手書き」の原稿です。

 これが今でも思い出す地獄の日々でした(笑)。

 もともと手書きで文章をかくのは得意ではなかったわけですが、これに加え、特許明細書とは、なんでこんなに難しいんだろうと。

 しかも、添削を受けて、またゼロから手書き原稿の作成という状態でしたので、もう手が疲れていました。このとき、果たして自分はこの知財業界でやっていけるのだろうか?と感じました。

 この不安も、ちょうど日本語ワープロが全員にいきわたることでしたので、手書きは最初の1件だけで、その後は富士通の「オアシス」という当時大変優秀なワープロを使えるようになりました。

 手書きからワープロへの変化は、地獄から天国への大きな変化でした(笑)。

 以上が「知財業界での初体験」としての、手書きからワープロ導入への変化の巻

 

<手書き図面やトレーサー>

 1990年は、図面についても、CADなどという立派なものはありませんでした。

 そのため、実務者が鉛筆等により下書きをし、最終的に図面のプロに仕上げをしていただく形でした。

 最初は、先輩が作成する図面の補助として、お客様からいただいた資料や先輩からの指示に基づいて、手書き図面を作成しました。

 図を書くのはそれほど苦ではありませんでしたが、曲線部分は「雲形定規」を駆使して、何度も書き直しながら完成させていました。

 鉛筆による手書き図面の仕上げは、ロットリング(登録商標)を用いてトレースする仕事です。

 これも体験としてやったことはあるのですが、なかなか難しい。

 もちろん、美しく仕上げる図面職人さん(当時、トレーサーと言われていました)がおりまして、結局はトレーサーさんにバッチリ仕上げてもらうという流れ。当時、本当に上手だなーと感心していました。

 今放送されているNHK朝ドラ(なつぞら)をみると、トレーサーさんのことを思い出します。これぞプロ!という仕事でしたから。

 以上が「知財業界での初体験」としての手書き図面作成の巻

 

 こういうトレーサーさんとか和文タイプ入力の事務方さんのような仕事も、日本語ワープロ、パソコン、CADソフトなどが徐々に入っていくに従い、なくなっていきましたね。時代の流れというのはすごいです。

 ワープロが導入されてからは、手書きの苦痛がなくなって、特許事務所の仕事が大好きになりました。モノづくりではないけど、何かの役に立つことができれば、それでOKです。

 

<1年目の初体験第1位>

 このような手書き体験というものもなかなかの初体験でしたが、1990年、印象に残っている「知財業界での初体験」の第1位といえば?

 1990年といえば、特許庁が世界に先駆けて、電子出願システムを実現した年です。

 当時、電子出願を行うには、専用端末の購入が必須でした。

 今のように汎用パソコンにソフトをダウンロードすれば済むような簡単な話ではなかったのです。

 専用端末は、たしか30年近く前の当時の値段で、500万円以上はしていたような記憶があります。

 中堅以上の規模の特許事務所でないと対応できないという状態で、最初から導入した特許事務所は少なかったかと思います。

 就職先の特許事務所は、そこそこ大きな規模(といっても当時は50人未満)でしたので、電子出願に最初から対応していきました。

 その際、電子出願プロジェクトチーム(名称は忘れてしまいましたが、こんな感じだったような…)にも入らせていただき、紙からデータへと変わるに際して、色々と対策を検討しました。

 そんな感じで、知財業界初(世界初)のペーパーレスシステム化に伴う大きな変革期を、1年目から体験させてもらいました。

 電子出願を可能とするために法令が色々できていまして、それらの勉強までできたのは今でも役立っています(弁理士でも意外と特例法をしっかり勉強する人はいないですから)。

 以上が「知財業界での初体験」としての電子出願対応の巻

 これが業界的には大変大きな初体験で、私にとっても大きな初体験になりました。(読んでいる人にはあまり伝わらないネタですみません)

 

 なんだか、特許事務所就職、ワープロ導入、手書き図面、電子出願など、思いつくことがいっぱいありすぎて、まとまりがなくなったこと、ご容赦下さい。

 書いた自分は、「あー、そういうことがあったな」と振り返る良い機会になり、満足です(笑)。

 最後に、知財業界1年目の初体験を振り返る機会をいただき、弁理士内田浩輔さんに感謝です。

 

 最後の最後に、恒例の求人ネタです(笑)

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【1】特許事務/特許事務経験者のみ

【2】意匠商標アシスタント/CAD兼任

【3】弁理士・特許技術者/電気機械化学

【4】外国特許実務/経験者・国内兼任

※【2】について、CAD担当専任者の場合、パート希望ならマッチングOKです。

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 ご興味のあります方は、是非ご応募下さい。

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【1】弁理士登録のお知らせ

2015年4月30日付で弊所 加藤肇 が弁理士登録し、弊所の弁理士が11名となりました。

加藤肇弁理士は、特許庁において特許審査業務を、弊所に入所後は特許技術者として特許明細書の作成補助業務を、それぞれ経験してきました。

弊所では今後も優秀な弁理士及び補助スタッフの補充育成を行い、高度かつ広範な知財サービスの提供を継続して行なえるよう一層精進していく所存でありますので、何卒ご支援ご鞭撻の程お願い申し上げます。

あいぎ特許事務所

※追加のお知らせ※
本人の強い希望により、掲載写真がファイティングポーズになっています(笑)。
また、撮影してくれたスタッフの強い意志により、あえてピンボケにしてあります(笑)。


【2】俺の〇〇

さて、気を取り直して?、先日のプレミアム商標に続く、流行ネタを。

「俺の〇〇」とか、
「〇〇女子」とか、
「〇〇男子」とか、
そんな言い回しがブームになって数年経ちましたかね。

これらも、商標登録に傾向がみられるのでしょうか?


ということで、
「俺」
「女子」
「男子」
を検索文字列に含む商標登録を、先日の「プレミアム」商標に続いて、ノイズいっぱいの中、調べてみました。


(1)「俺」を含む商標登録(登録年ごと)

2015年 18件(70くらい?(注))
2014年 65件
2013年 35件
2012年 08件
2011年 13件
2010年 19件
2009年 13件
2008年 04件
2007年 16件
2006年 06件
(注)登録日基準で2015年は1/4年分の情報がアップされている状況のため

ここ2年くらいでドカンときてますね!(ドカンというほどの伸びではないかな?)

ちなみに、「俺」といえば、中日ドラゴンズの落合元監督の「オレ流」を思い浮かべるのが名古屋人(自分は、岐阜人ですが)。
上記の検索では「オレ」「おれ」は外されています(「カフェオレ」「おれんじ」などノイズが多くなってしまうので…)。
「オレ流」を調べますと、さすが、株式会社中日ドラゴンズ、落合さんが監督になった2004年に「オレ流」を商標登録出願していますね。
スポーツ分野でも、「グッズ販売」との関係で、色々と商標登録をしておく必要性はありますからね。こういうのをしっかりおくのは大事なことです。


はい、次!

(2)「女子」を含む商標登録(登録年ごと)

2015年 19件(70くらい?(注))
2014年 45件
2013年 50件
2012年 47件
2011年 36件
2010年 27件
2009年 21件
2008年 08件
2007年 05件
2006年 11件
(注)登録日基準で2015年は1/4年分の情報がアップされている状況のため

6,7年前からじわじわときてますね!

「女子」がつく名称でいえば、伊藤ハム株式会社が「女子高生」を商標登録したことで、変な方向に話題がいったことがありました。
リンクは貼りませんが、気になる方は検索してみてください。

ところで、商標登録は、「名称等の商標」を指定の「商品・役務(サービス)」について排他的に使用するためのものです。

伊藤ハム株式会社の「女子高生」と完全一致の商標権は以下の2つ

第4341989号
商標:女子高生
指定商品:べんとう,ぎょうざ,しゅうまい,ピザ,ミートパイ,菓子及びパン

第4341990号
商標:女子高生
指定商品:肉製品,加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと

つまり、上記の「商品名」として女子高生という名称をとっているものであり、これからは「女子高生」というだけでお金をとられてしまうようになったり、「女子高生」という用語を無断で記事に登場させることすらできなかったりする、というものではありません。

商標権は、「名称やマーク」と「商品やサービス」とがセットになったものですのですが、「名称等」が独り歩きし、ヤフーのトップ記事になるような場合でも「セット」を無視した内容が掲載されていることがあります。

このあたりは、弁理士の啓蒙活動が不足しているという見方もできますので、もっともっと広報が必要なんだろうと思います(反省)。

あと、こんなのもありますね。

第5659697号
商標:女子高生プロジェクト
指定商品:乳製品,食肉,肉製品,・・・菓子,パン,サンドイッチ,・・・

伊藤ハムさんの内部事情はわかりませんが、女子高生とコラボした新商品開発をして、世の中に新商品を出したいというような意気込みかもしれません。

そういう見方ですと普通の企業活動といえるわけでして(他の企業さんでも普通に行っています)、ネットで騒がれるような問題は全くないのです。

どちらかというと、コラボ商品において、第三者から「商標権侵害だ!」と言われないために、防衛的に取得していることが多いと思います。企業活動の中で保険をかけて行動するのは、ある意味、しっかりした企業ということです!

※弊所は、伊藤ハムさんとは業務上、何の関係もございませんw

 
はい、次!

(3)「男子」を含む商標登録

2015年 05件(20くらい?(注))
2014年 10件
2013年 08件
2012年 07件
2011年 10件
2010年 09件
2009年 04件
2008年 06件
2007年 00件
2006年 00件
(注)登録日基準で2015年は1/4年分の情報がアップされている状況のため

うーん、特に伸びていないですね。
「男子」を商品・サービス名称の一部に使うニーズがないのかな?これでは売れないのかな?

 


以上、弁理士登録のお知らせと、俺の〇〇とか〇〇女子とかの商標ネタでした。

 

では、皆さま、ゴールデンウィーク楽しんでくださいね!

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仕事を言い訳にして、ブログを更新しないまま早1か月(汗)。


ということで(?)、ちょっと一息程度の小ネタを強引に、しかも小ネタ過ぎるのをごまかすべく2つまとめてアップ!


(1)プレミアムな件

最近、


『プレミアム』がつく商品が多い!


そう思いませんか?


ということで、無料DB、J-PlatPatを使って『プレミアム』商標を調べてみました。
(非常に大雑把な調査の始まり始まり~)


トップページ>商標>商標出願・登録情報

のページへ飛んで、

検索項目「称呼」の検索キーワードとして「?プレミアム?」を入力
※「?」は任意文字列でして、「プレミアム」を称呼に含む商標を検索することができます。ただ、「プレミア」「プリーミアム」などは外れます。

次に、傾向を見つけるために年単位で絞り込み。

ただ、出願日検索では無理があります(商標情報は、拒絶確定後、削除されてしまい、件数を調べても傾向がわからないため)。

そこで、今回は、登録案件について調べてみます。

登録日基準で検索する場合、例えば2014年の登録のものであれば、検索項目「登録日」を選択し、検索キーワード欄には「20140101:20141231」と範囲指定します。

今回、商品・役務は特に絞り込まずに全範囲という、これまた大雑把な調査です。


以上の簡単な検索結果を過去10年分並べてみます。


2015年  80件(300オーバー?(注))
2014年 288件
2013年 213件
2012年 201件
2011年 180件
2010年 163件
2009年 183件
2008年 149件
2007年 117件
2006年  98件

(注)本日の検索では2015/04/03登録分までの情報なので、2015年は1/4年分だけの情報。ということは、単純計算で300件オーバー?という非常に雑な計算です(汗


<結論>

近年の『プレミアム』をつけたがる傾向は、商標登録件数からも見受けられますね(そりゃそうだろ!)。

 

はい、(1)プレミアムな件について、以上です。

 


(2)J-PlatPat、どう読めばいいのかなの件


無料特許調査で大活躍の『特許情報プラットフォーム

英語表記では、『Japan Platform for Patent Information』のようです。

で、略称が『J-PlatPat』なんですが、『ジェイプラットパット』が呼びにくい。
『ジェイ』と『プラットパット』との音のつながりがよくないのかな?

皆さんはどう読んでいますか?
『プラパ』という人もいるようですが、今のところ市民権は得ていないような。あまり周りでは聞きません。

ちなみに、この略称(左上のロゴ)については、商標登録されていますね。

商標権者は、独立行政法人工業所有権情報・研修館
登録番号は、第5745958号
(ちなみに『特許情報プラットフォーム』も登録済)

参考情報として以下の3つ称呼が付されています。
『ジェイピイピイ』
『ジェイプラットパット』
『プラットパット』

あと、略称には、
「ぷらっと」寄って、情報を「ぱっと」見つけられる!
という意味も込めているようです。

じゃ、もう、『ジェイ」だけ外して『プラットパット』でどうでしょ?

『ブラッド・ピット』みたいで、いいですよね?


ん?ブラッド・ピットの愛称は『ブラピ』でしたね。

なら、『J-PlatPat』も『プラパ』でいいかも?

 

<結論>

ブラッド・ピット風に、とーっても愛着のある人は『プラパ』で?!


はい、(2)J-PlatPat、どう読めばいいのかなの件について、以上です。

 

本日の小ネタ2つ終了、仕事に戻ります(汗

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特許協力条約(PCT)やマドリッド協定議定書(マドプロ)など、海外における特許権や商標権取得のための便利な手続きに関する条約があります。
これらを利用した場合、一定期間が経過すると、出願内容がWIPOにより公開されます。
公開情報には出願人の名称・住所が含まれており、出願番号等も当然に特定できます。

ここで、公開後、海外から出願人宛に直接、「登録手数料を払ってね!」等(もっとオフィシャルっぽく、英語で書かれたレターですが)の手数料請求のレターがくることがあります。日本円にして20万~30万程度の請求が多いようです(ドルかユーロでの請求みたいです)。

特許事務所に代理を依頼していたり、特許事務所経由で海外代理人に依頼していたりする場合、請求は特許事務所が取りまとめてくれます。
そのため、取引先である特許事務所とは異なるルートから何らかの請求書が出願人に直接送られることはまずありません。

つまり、特許事務所に依頼しているはずなのに、海外から直接やってきた手数料請求は、国際特許出願等の手続きとは無関係、根拠のない請求です。
引っかからないように注意しましょうね!
とにかく、よくわからなかったら勝手に判断せず、取引先の特許事務所等に相談しましょう。

 

<2015.3.16追記。ando様より>

インドネシアの場合、政府から直々に権利者に請求書が届くとのことです。

<2015.3.19追記。SYY様より>

欧州のどこかでは、追納期間の通知が直送されることがあるようです。

※詳細はコメント欄をご参照ください!実は例外がいろいろありそうな…

 

特許庁の注意喚起ページはこちら↓
『ご注意ください:条約上規定された組織外からの手数料請求について』(日本国特許庁)

WIPO国際事務局日本語版には実際の問題レターが多数掲載されています。
『ご注意ください:WIPO国際事務局以外の者からの手数料請求書について』(IPO国際事務局日本語版)


なお、今年の5月13日には、ハーグ協定のジュネーブ改正協定(ハーグ)により、意匠権についても海外において一括保護を求めることができるようになります。
この意匠に関する条約でも、国際公表によって公開されます(意匠制度で登録前に公開されちゃうのでは使いにくいじゃないか、という苦情は別として)ので、同じような請求書がやってくるかもしれません。

くれぐれも引っかからないようにしましょう。

 

以上、注意喚起の記事でした。

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 7月1日は『弁理士の日』です!

 今年もドクガクさんより、「弁理士の日を勝手に盛り上げよう!」に参加しない?というお誘いを受けましたので、のっかりました。

 今年のテーマは、「知財業界のキャリアプラン」

 

 のっかったはいいけど、困りました。

 自分自身、

 キャリアプランなんて格好いいこと全然考えてこなかったし、
 開業したことも、もともとキャリアプランなんて考えてやったことじゃないし、
 そもそも、この業界に入ったのも偶然ですし…。


 うーん。


 何を書こうか?

 

 数分考えた末、思いついたのは2つ。


 1つ目は、弊所の中の実務者向けに示しているキャリアプラン
 2つ目は、自分の今後のキャリアプラン


 知財業界全般に敷衍した内容は他のどなたかが書いて下さるでしょう。なので、私からは、所内的な2つのネタでお許しを(ドクガクさま)。


(1)『弊所の中の実務者向けに示しているキャリアプラン』

 未経験で特許事務所に入所すると、まずどの程度の業務ができるようになれば順調といえるのか?がわからないですよね。ある程度の実力がついてきた場合のイメージもつきにくいです。

 そのため、道筋などをイメージできるよう、所内実務者向けシートの中に、以下のようなことを書いております。

(1-1)「未経験からの成長の目安」

 未経験の方が入所後、いつの頃にどうなっていると標準なのか、優秀なのか、やばいのかを示してあります。
 区分けとしては、入所2-3ヶ月頃、入所4-6ヶ月頃、入所7-12ヶ月頃、入所2年目、入所3年目、入所4年目の6区分
 これにより、到達イメージが掴めればいいなと思っています。


 本シートの中には、以下のようなことも書かれています。

(1-2)「クラス・コース」

 ステップアップのイメージ

 Xクラス:新人が1年程度在籍するクラス
 Eクラス:なるべく入って欲しくないクラス(新人じゃないけど新人と同等レベルというか…。現在、該当0名)
 Dクラス:2年目で目指してほしいクラス
 Cクラス:3,4年目で目指してほしいクラス
 Bクラス:4,5年目で目指してほしいクラス
  ↓
  ↓これ以上は、原則弁理士でないと、なることができないルール
  ↓
 Aクラス:一通りだいたい対応できて、主要顧客からも信頼が絶大
  ↓
 Sクラス:スペシャリストクラス(実務内容が模範レベルで処理も早い)
  or
 Mクラス:マネージャークラス(A,Bクラス経由。指導者としての位置づけ)
  ↓
 Pクラス:パートナークラス(Mクラス経由からしかなれない)

 将来的にはBクラスまでは誰でも原則としていつかは到達して欲しいレベル(ライフワークバランスの取り方からCクラスあたりでOKという人がいても問題はないけど)で、 Bクラスから先は、スペシャリストへの道と、マネージャーへの道とに分岐し、進む道の選択があります。

 つまり事務所として提示している道は、スペシャリストかマネージャー(→パートナー)かの二択

 特許事務所で勤務弁理士として働く場合、この2つの道がわかりやすいかなと。

 ただ、Aクラス以上にならなくても、BクラスやCクラスなどにいながら、個性や指向によって自身に付加価値をつけることももちろんあり得ますね。2つのパターンは単純なものですから、実際には色々とあるでしょうね。対外的な動きがうまい、語学が堪能である、アドバイスのセンスがいいなど、付加価値としての個性発揮はいくらでもできます。

 なお、キャリアプランといっても、自分本位では、行き詰まるのではないかな?(特許事務所の仕事は個人に依存することが多いとしても、自分本位なキャリアプランを描いていると、お客様の心を掴めないので、結局は評価されにくい)と思ったりもしますが、この話をしだすと発散してしまいそうなので、止めておきます。

 ちなみに、本シートには、各クラスにおいて期待される業務、どの程度のことができるとどの程度の年収になるのか、といったことが明示されています。自分の評価を知ってもらい、将来への目標をもってもらい、将来の生活レベル(住宅ローンはどれくらい組めるかな?とか)もイメージできるようにするためのものです。


(2)『自分の知財業界での今後のキャリアプラン』

 自分が特許事務所を開業した理由は、「こんな特許事務所があったらいいなー」と思っていたものを現実に作ってみたい、ただそれだけです。
 まだまだ理想に近づけていませんが、そうしたいという思いで開業し、そうしたいを実現したくて今もやっていますし、今後もそうしたいを実現するためにやっていきます。自分が所長である必要性はなく、「こんな特許事務所があったらいいなー」に近づいていける環境であれば満足です。寧ろ、有能な経営者候補がいれば役割を譲るべきだとも思っています。

 

 そして、大事なことは、事務所が永続性をもつこと。

 スタッフを途中で露頭に迷わせるわけにはいきません。頑張ってきた人、信じてきてくれた人が報われないのは最悪。

 そのためには、引き継ぎがとても大事です。
 自分は現在46歳ですが、開業した34歳のときから、後継者へきれいに引き継ぐことをいつも考えています。

 あと、引き継いだ以上、口を出さないこと、70歳、80歳になってまで事務所に居すわらないこと。

 そんなことを考えています。

 もちろん、70歳、80歳になっても現役で事務所を引っ張るという先輩弁理士も尊敬しています。すごいな!と。ただ、自分としては、別の道を選びたいというだけです。 

 これは、自分のキャリアプランというより、事務所のプランですが…。

 

 そして、しっかり引き継ぎができた後は、それまでに培った実務のスキルをもとに、地元岐阜にしっかり貢献すること。

 そんなことも考えています。

 

 後継者への引き継ぎについては、10年20年単位で考えても考え過ぎではないと思っています。すでに10年以上経っているわけですし(汗)。

 引退したいと思ってから後継者を探そうとしても無理があると思うんですよね。現時点でも、後継者が決まっているわけじゃないですが…・

 誰にでも機会はあります。所内・所外でその力を発揮できる人であれば、機会はあります。

 引き継ぎこそが経営者の最大の仕事だと思っています。

 弊所では、将来の経営者待遇のお約束は一切できませんが、所内のみんなが認める人材、お客様が認める人材であれば、自然とそうなるでしょう。我こそはと思う方は是非!(なんか、求人っぽくなっている(笑))。

 

 

 以上、慌てて書きましたが、『知財業界のキャリアプラン(弁理士の日記念ブログ企画2014)』の記事はこんなところでお開き!

 毎度ながら、ドクガクさんの企画に感謝しますm(..)m

 ドクガクさんに背中を押してもらったことで、滞りがちなこのブログに1つ記事が増えました。ありがとうございました。

 

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