特許協力条約(PCT)やマドリッド協定議定書(マドプロ)など、海外における特許権や商標権取得のための便利な手続きに関する条約があります。
これらを利用した場合、一定期間が経過すると、出願内容がWIPOにより公開されます。
公開情報には出願人の名称・住所が含まれており、出願番号等も当然に特定できます。
ここで、公開後、海外から出願人宛に直接、「登録手数料を払ってね!」等(もっとオフィシャルっぽく、英語で書かれたレターですが)の手数料請求のレターがくることがあります。日本円にして20万~30万程度の請求が多いようです(ドルかユーロでの請求みたいです)。
特許事務所に代理を依頼していたり、特許事務所経由で海外代理人に依頼していたりする場合、請求は特許事務所が取りまとめてくれます。
そのため、取引先である特許事務所とは異なるルートから何らかの請求書が出願人に直接送られることはまずありません。
つまり、特許事務所に依頼しているはずなのに、海外から直接やってきた手数料請求は、国際特許出願等の手続きとは無関係、根拠のない請求です。
引っかからないように注意しましょうね!
とにかく、よくわからなかったら勝手に判断せず、取引先の特許事務所等に相談しましょう。
<2015.3.16追記。ando様より>
インドネシアの場合、政府から直々に権利者に請求書が届くとのことです。
<2015.3.19追記。SYY様より>
欧州のどこかでは、追納期間の通知が直送されることがあるようです。
※詳細はコメント欄をご参照ください!実は例外がいろいろありそうな…
特許庁の注意喚起ページはこちら↓
『ご注意ください:条約上規定された組織外からの手数料請求について』(日本国特許庁)
WIPO国際事務局日本語版には実際の問題レターが多数掲載されています。
『ご注意ください:WIPO国際事務局以外の者からの手数料請求書について』(IPO国際事務局日本語版)
なお、今年の5月13日には、ハーグ協定のジュネーブ改正協定(ハーグ)により、意匠権についても海外において一括保護を求めることができるようになります。
この意匠に関する条約でも、国際公表によって公開されます(意匠制度で登録前に公開されちゃうのでは使いにくいじゃないか、という苦情は別として)ので、同じような請求書がやってくるかもしれません。
くれぐれも引っかからないようにしましょう。
以上、注意喚起の記事でした。
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