7月1日は「弁理士の日」、これをご存知の方は少ないでしょうね。知財業界でも…(汗)
そんな中、ドクガクさんの「弁理士の日を勝手に盛り上げよう!」という企画にお声かけいただきましたので、それにのっかって記事を書いてみようかなということで。
さて、「ワーク・ライフ・バランスの取り方」というテーマをドクガクさんが選定された理由は、
・非常にバランスが取り難いと感じています。厳しい期限はあるし、依頼件数に波はあるし・・・etc
・一体、知財業務に関わる方々はどのようにバランスを取っているのでしょうか?
・ご自身がどうのように工夫しているのか?
・または、こういう工夫をしたらどうかという提案などなど
とのこと。
自分はどうだったかな?と振り返ってみますと、事務所開業前と開業後とでは大きく変化しました。
(1)開業前
お客様のニーズに応えて、いい特許実務を提供し続けることにパワーを割いていました。
基本的には自分が担当する仕事を終わらせればよいわけですから、時間の管理も極めて簡単です(個人の感想です)。
品質はもちろん大事ですが、スピードが大事です(個人の感想です)。
仕事のスピードさえつけば、大抵のことは定時内で終わらせることができていました。
開業前、私はおそらく残業を月平均で10時間もしたことがなかったのです。
開業前でも何名かの実務教育をしながら実務を目一杯していましたので、自分の手持ち仕事だけということはありませんが。
休日出勤は、やはり特許業務というよりは経営戦略会議への参加など直接業務以外のことでしていたくらいです。
この仕事は期限がついて回るのですが、スピードさえあれば何とかなるかなと思っています(あくまで個人の感想です)。
換言すれば、自分に降りかかる期限ものでアップアップにならない実力をつけることが肝要だと思っています(あくまで個人の感想です)。
なので、ドクガクさんが悩まれているようなワーク・ライフ・バランスの難しさを自分は全く感じていませんでした(あくまで個人の感想ですw)。
というか、ワーク・ライフ・バランス自体を意識したことすらありませんでした(あくまで個人の感想ですww)。
(2)開業後
開業直後は、自宅にすら帰らない日もあり、土日もほぼ全て使って仕事をしまくっていました。
仕事といっても、当然のことながら実務仕事だけではなく、経営上の戦略、計画、実行に時間をかけていました。これは今でもそうです。これをやらないなら、今でもそんなに遅くはならないと思います。
そんなことを必死にやっていると、私自身のワーク・ライフ・バランスはワーク寄りのままです、はい。
かといって、ワーク寄りが悪いとも思っていません。充実感をもって仕事をしていますので、趣味と仕事とが一緒になっているようなものでして…。
ただ、家族には迷惑をかけっぱなしだなという反省はありまして、家族には感謝してもしきれないです。
さて、自分のことはさておき、事務所全体としてのワーク・ライフ・バランスについては特に意識しています。
(A)組織前提でのワーク・ライフ・バランス
「全員提示ダッシュを原則に」が理想ですよね。
ただ、弊所は、若手スタッフが非常に多く、まだまだ教育を大量にしていかなければいけない状況です。
教育を受けている側からしても大きく成長していかなければいけない状況です。
そんな中、私を含む幹部スタッフは教育のみならず事務所の信頼度を向上させるべく実務も含めて夜遅くまで仕事をしています。
どちらかというと若手よりベテランの方が長時間勤務状態になっています。
この仕事は、頭を使い続けるので、時間の割に頭が疲れるという面もありますので、長いことが良いことではないですけどね。
自分も、特許実務だけを毎日夜中までやるのは難しいかな?
経営仕事や教育仕事など色んなことが日々舞い込むから、変化があって、長時間勤務でも意外と大丈夫という面があります。
ベテランのスタッフも教育と実務を兼任しているので、そこで頭の切換ができている、また事務所の成長にやりがいを感じていてくれるからという面があると思っています。
さて、脱線しまくりなので話を戻して(汗)、「全員定時ダッシュを原則に」を実現できれば、それぞれの人が家庭、趣味、自己研鑽など豊かな暮らしを実現できるようになるでしょう。
そのためにはどうすればいいのでしょうか?
(B)どうすれば?
あいぎ特許事務所は、設立11年になりまして、20名以上のスタッフがいるわけですが、まだまだ若い、修行中という方も多くいます(最年長でも40代でまだ50歳以上がいませんし、30代が中心で実務経験数年程度の人が多くいる状態です)。
そうなると、伸び代があります。伸び代はこの仕事では最初の3年、5年が大事で、そこで伸びない場合は多くの場合、プロに近づけないことになってしまいます。
初期段階で頑張れない人は別問題として、ある程度、若手が力をつけてきたとき、事務所全体としてのワークライフバランスを実現するとしたら、「協力・助け合い」が最も大事なことだと思います。
協力的でない人の場合、自分の都合で動けるから、本人はワーク・ライフ・バランス(ここでは、短時間労働による日常生活への時間確保という意味)がとれている可能性があります。
でも、「協力・助け合い」がないなら、組織の中では誰かの負担のもとでしか成立しないものであり、「協力・助け合い」のない人同士が集まっても一部の人の善意に依存するしかなくなって何も生まれないのではないかと思います。
経営者・マネージャーは、組織全体でバランスよく業務を負担させる仕組み作りとそれを実践する流れ作りが必要であり、自分勝手な人や仕事のできない人がいかに減るかが重要なテーマになってきます。
その場合、減らすためには、若手のスキルアップへの道筋と、協力者を増やすこととが大事であり、排除することは大事なことではありません(格好いいことを言えるほど上手く行ってはいませんけど…)。
もちろん、色んな事情の方がいます。例えば、介護しながら仕事をしている人、育児しながら仕事をしている人、病気がちな人、…、状況は個々人によって大きく変わりますので、その辺りのバランスも必要なんでしょうね。
突発的に休むことになる人もいるでしょうし、一時的に時短勤務にシフトしたい状況の人もいるでしょうし。
そういう状況でも、スタッフみんなで分け合えば、たいしたことはありません。
負担を分け合うことができなければ、一部の人だけ負担が増します。
現状では、正直言って、弊所も負担は一部に偏っていますね。それはどこでも同じかもしれないけど、改善しなければいけないことです。
色々書いてきましたが、
組織に所属するみんなで「公平感」をもって「ワーク・ライフ・バランス」を図らなければ、結局は誰かの犠牲のもとでの「ワーク・ライフ・バランス」でしかない。組織での「公平感」をもって「ワーク・ライフ・バランス」実現のためには、「協力・助け合い」が大事。
そんなことを思いました。
これを導くのは自分の仕事ですので、肝に銘じて今後を見つめ直したいと思った次第です。
以上、まとまりなくざっと書いてみましたが、このようなテーマを「弁理士の日」にあわせて設定してくれたドクガクさん、考える機会をくれてありがとうございましたm(. .)m
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