愛知と岐阜と弁理士と。あいぎ特許事務所の所長ブログ
岐阜県に住み続け、名古屋市で特許事務所を経営する、地元大好き弁理士。愛知県+岐阜県で『あいぎ』、地域密着の想いを込めて!




特許出願又は商標登録出願における拒絶理由通知の応答期間の延長に関する運用が平成28年4月1日に変更予定です。

その他にも、各種料金の値下げ(外国語でPCT使う場合は大幅値上げ)、職務発明制度の改定など色々ありますが、本記事では期間延長請求について。

これまで、上記応答期間の延長といえば、国内居住者の場合は引用文献に記載された発明との対比実験を行う場合くらいしか認められていませんでした。

在外者の場合は翻訳が必要との理由さえあればよく、実質的には無条件で延長が認められていましたよね。

運用の変更により、延長請求のための合理的理由が不要となりましたので、適式な期間延長請求書を送付しさえすれば延長が認められるようになります。

特許出願については、延長請求により国内居住者は2月延長されるようになり(これまで1月)、在外者も少し変わります(1通1月×3通まで計3月→1通で2月、2通で計3月)。

しかも、期間経過後でも延長(2月)が可能になります。

そうなると、これまでよりも頻繁に期間延長請求が活用される可能性があります。

例えば、長期連休に差し掛かってバタバタしている場合とか、発明者が長期出張中である場合、結論がでるのを先延ばししたい場合、事務所都合で少し先送りしたい場合(この場合は延長料金は事務所持ちとしてお願いすることになるでしょうね(汗))、期限徒過してしまった場合(やってはダメだけど(汗))、期間が過ぎてしまってから気が変わった場合など、色んな場面が想定されます。

なお、拒絶査定不服審判請求後の拒絶理由通知(前置拒絶含む)については対象外(現行のまま)とのことですので、拒絶理由通知書ならなんでもOKと勘違いしてしまうとまずいことになりますね(汗)。

さて、ちゃんと情報をまとめて所内勉強会をやらないといけないなと思って、改正関係情報(下記リンク)をチラチラみていたところ、なんだか延長時の料金のところがわかりにくい。延長できる場面など流れは図解されていたりしますので、よく分かるのですが、延長請求の庁料金がいまいちわからない。

<改正関連情報(経産省・特許庁Webサイトより)>
平成27 年改正特許法等の施行のための政令が閣議決定されました
平成27年特許法等改正に伴う料金改定(平成28年4月1日施行)のお知らせ
特許出願及び商標登録出願における拒絶理由通知の応答期間の延長に関する運用の変更について(平成28年4月1日開始予定)
特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案に対する意見募集
特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案に対する意見募集の結果について

ということで、以下に延長請求の費用についてまとめてみました。


【延長請求の費用まとめ】

<特許法>
(1)特許法第5条第1項の延長(通常延長)※改正なし
2,100円/件
cf.特許法第5項第1項→第195条第1項第1号→特許法等関係手数料令第1条第1項表1

(2)特許法第5条第3項の延長(期間経過後の延長)【H28.4.1施行予定】

(2-1)特許法第50条の拒絶理由通知書への応答期間以外の場合
4,200円/件
cf.特許法第5項第3項→第195条第2項(別表7)→特許法等関係手数料令第1条第2項表7

(2-2)特許法第50条の拒絶理由通知書への応答期間に関する場合
51,000円/件
cf.特許法第5項第3項→第195条第2項(別表8)→特許法等関係手数料令第1条第2項表8(第195条第2項(別表8)では「68,000円/件」と定められているが、これは上限を定めるものであり、実際の料金は特許法等関係手数料令第1条第2項表8に定められた「51,000円/件」である。で、OKかな?)

<実用新案法>
実用新案法も同様。
ただし、拒絶理由通知書が存在しないので「通常延長2,100円/件」「経過後延長4,200円/件」の2パターンのみ(cf.特許法等関係手数料令第2条【H28.4.1施行予定】)
<意匠法>
意匠法は特許法第5条第3項を準用しない(意匠法第68条第1項)ので、これまで通り経過後延長不可であり、通常延長2,100円/件」の1パターンのみ(cf.特許法等関係手数料令第3条での追加なし)
<商標法>
商標法は準用しているけど、拒絶理由通知書かどうかで区別していないので、通常延長2,100円/件」「経過後延長4,200円/件」の2パターンのみ(cf.特許法等関係手数料令第4条【H28.4.1施行予定】)


【コメント】

(A)もし間違いがあればご指摘下さいm(..)m
(B)拒絶理由通知についての理由なし延長は、拒絶査定不服審判請求後の拒絶理由通知(前置拒絶含む)については対象外(現行のまま)とのことですので、気をつけないと。
(C)上記(2-2)はお高いですね。不服審判請求するより安いよね!という微妙なラインを設定していますが、高いですね。これはもうポカしたときの救済くらいの意味合いですかね。
(D)不確定期間が長くなって第三者にとってはウォッチングが大変になりますね(汗)。

 

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