7月1日は『弁理士の日』です!
今年もドクガクさんより、「弁理士の日を勝手に盛り上げよう!」に参加しない?というお誘いを受けましたので、のっかりました。
今年のテーマは、「知財業界のキャリアプラン」
のっかったはいいけど、困りました。
自分自身、
キャリアプランなんて格好いいこと全然考えてこなかったし、
開業したことも、もともとキャリアプランなんて考えてやったことじゃないし、
そもそも、この業界に入ったのも偶然ですし…。
うーん。
何を書こうか?
数分考えた末、思いついたのは2つ。
1つ目は、弊所の中の実務者向けに示しているキャリアプラン
2つ目は、自分の今後のキャリアプラン
知財業界全般に敷衍した内容は他のどなたかが書いて下さるでしょう。なので、私からは、所内的な2つのネタでお許しを(ドクガクさま)。
(1)『弊所の中の実務者向けに示しているキャリアプラン』
未経験で特許事務所に入所すると、まずどの程度の業務ができるようになれば順調といえるのか?がわからないですよね。ある程度の実力がついてきた場合のイメージもつきにくいです。
そのため、道筋などをイメージできるよう、所内実務者向けシートの中に、以下のようなことを書いております。
(1-1)「未経験からの成長の目安」
未経験の方が入所後、いつの頃にどうなっていると標準なのか、優秀なのか、やばいのかを示してあります。
区分けとしては、入所2-3ヶ月頃、入所4-6ヶ月頃、入所7-12ヶ月頃、入所2年目、入所3年目、入所4年目の6区分
これにより、到達イメージが掴めればいいなと思っています。
本シートの中には、以下のようなことも書かれています。
(1-2)「クラス・コース」
ステップアップのイメージ
Xクラス:新人が1年程度在籍するクラス
Eクラス:なるべく入って欲しくないクラス(新人じゃないけど新人と同等レベルというか…。現在、該当0名)
Dクラス:2年目で目指してほしいクラス
Cクラス:3,4年目で目指してほしいクラス
Bクラス:4,5年目で目指してほしいクラス
↓
↓これ以上は、原則弁理士でないと、なることができないルール
↓
Aクラス:一通りだいたい対応できて、主要顧客からも信頼が絶大
↓
Sクラス:スペシャリストクラス(実務内容が模範レベルで処理も早い)
or
Mクラス:マネージャークラス(A,Bクラス経由。指導者としての位置づけ)
↓
Pクラス:パートナークラス(Mクラス経由からしかなれない)
将来的にはBクラスまでは誰でも原則としていつかは到達して欲しいレベル(ライフワークバランスの取り方からCクラスあたりでOKという人がいても問題はないけど)で、 Bクラスから先は、スペシャリストへの道と、マネージャーへの道とに分岐し、進む道の選択があります。
つまり事務所として提示している道は、スペシャリストかマネージャー(→パートナー)かの二択
特許事務所で勤務弁理士として働く場合、この2つの道がわかりやすいかなと。
ただ、Aクラス以上にならなくても、BクラスやCクラスなどにいながら、個性や指向によって自身に付加価値をつけることももちろんあり得ますね。2つのパターンは単純なものですから、実際には色々とあるでしょうね。対外的な動きがうまい、語学が堪能である、アドバイスのセンスがいいなど、付加価値としての個性発揮はいくらでもできます。
なお、キャリアプランといっても、自分本位では、行き詰まるのではないかな?(特許事務所の仕事は個人に依存することが多いとしても、自分本位なキャリアプランを描いていると、お客様の心を掴めないので、結局は評価されにくい)と思ったりもしますが、この話をしだすと発散してしまいそうなので、止めておきます。
ちなみに、本シートには、各クラスにおいて期待される業務、どの程度のことができるとどの程度の年収になるのか、といったことが明示されています。自分の評価を知ってもらい、将来への目標をもってもらい、将来の生活レベル(住宅ローンはどれくらい組めるかな?とか)もイメージできるようにするためのものです。
(2)『自分の知財業界での今後のキャリアプラン』
自分が特許事務所を開業した理由は、「こんな特許事務所があったらいいなー」と思っていたものを現実に作ってみたい、ただそれだけです。
まだまだ理想に近づけていませんが、そうしたいという思いで開業し、そうしたいを実現したくて今もやっていますし、今後もそうしたいを実現するためにやっていきます。自分が所長である必要性はなく、「こんな特許事務所があったらいいなー」に近づいていける環境であれば満足です。寧ろ、有能な経営者候補がいれば役割を譲るべきだとも思っています。
そして、大事なことは、事務所が永続性をもつこと。
スタッフを途中で露頭に迷わせるわけにはいきません。頑張ってきた人、信じてきてくれた人が報われないのは最悪。
そのためには、引き継ぎがとても大事です。
自分は現在46歳ですが、開業した34歳のときから、後継者へきれいに引き継ぐことをいつも考えています。
あと、引き継いだ以上、口を出さないこと、70歳、80歳になってまで事務所に居すわらないこと。
そんなことを考えています。
もちろん、70歳、80歳になっても現役で事務所を引っ張るという先輩弁理士も尊敬しています。すごいな!と。ただ、自分としては、別の道を選びたいというだけです。
これは、自分のキャリアプランというより、事務所のプランですが…。
そして、しっかり引き継ぎができた後は、それまでに培った実務のスキルをもとに、地元岐阜にしっかり貢献すること。
そんなことも考えています。
後継者への引き継ぎについては、10年20年単位で考えても考え過ぎではないと思っています。すでに10年以上経っているわけですし(汗)。
引退したいと思ってから後継者を探そうとしても無理があると思うんですよね。現時点でも、後継者が決まっているわけじゃないですが…・
誰にでも機会はあります。所内・所外でその力を発揮できる人であれば、機会はあります。
引き継ぎこそが経営者の最大の仕事だと思っています。
弊所では、将来の経営者待遇のお約束は一切できませんが、所内のみんなが認める人材、お客様が認める人材であれば、自然とそうなるでしょう。我こそはと思う方は是非!(なんか、求人っぽくなっている(笑))。
以上、慌てて書きましたが、『知財業界のキャリアプラン(弁理士の日記念ブログ企画2014)』の記事はこんなところでお開き!
毎度ながら、ドクガクさんの企画に感謝しますm(..)m
ドクガクさんに背中を押してもらったことで、滞りがちなこのブログに1つ記事が増えました。ありがとうございました。
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「所内実務者向けシート」という制度は、非常に有意義だと思います。
正直、内容を読んでみたい!
また、後継者を重視されているというお考えも非常に共感できます。
実際、引継ぎでもめている事務所も少なくないですし、所員としては安心できますよね。
最後に、また来年もご参加頂けると嬉しいです。
それでは。
後半は書くか書かないか迷いましたが、「書いて公表してしまった方が、思いが強くなり、思った結果を得られ易い」という信念に従い、書いてしまいました(汗)。