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第2回移行期医療交流会(8月29日)の報告

2021-09-08 | 活動報告
第2回移行期医療交流会の報告
愛知心臓病の会 牛田正美

 8月29日(日)18:30~20:00にオンライン(ZOOM)で開催しました。

 9歳から71歳と幅広い年齢から、親子参加4組を含む13人の参加でした。
 成人会員は3人の参加で、それ以外は「これから移行期をむかえる」年代の当事者と保護者の方と専門職の方(1人)でした。

 牛田会長から「先天性心疾患の移行期医療、当事者意見を反映させる大きなチャンス」「パブリックコメントとは」「愛知県循環器病対策協議会委員の先生への働きかけ」などを簡単に説明させていただき、自己紹介・交流へと進みました。

 これから移行期医療を迎える患者・保護者の方が多く、移行期医療の2つのテーマのうち、その方たちが現在直面している「自立支援」の話題が盛り上がりました。
 すでに就職している先輩当事者からは、自立支援は医療・診察室内だけでの話ではなく、就労の際をはじめ、社会人となってからも必要な信頼関係を作る「生きていく力です」と経験を踏まえたお話があり、理解が深まりました。
 「自分の病気などを他の人に伝えることができるようになること」の必要性は共有できましたが、実際には「家族・親の課題」となっており、どのように進めたら良いのかは手探り状態です。それをサポートする体制・環境の整備が求められます。患者会もその一助となれれば幸いです。
 長野子どもや愛媛大学での、「自分の心臓の絵を描けるようになる取り組み」なども紹介されました。

 医療体制の整備の話題では、「成人先天心外来での医師ローテーションへの不安」、「県外受診先病院での医師ローテーションの紹介」、「背骨の病気の併発と治療」、「成人先天心を診られる医師の不足・医師育成の課題」などの発言もありました。
 今回、県外から大学入学での転入、就職での転入の事例が紹介されました。受診医療機関を選ぶとき、転入前の受診医師の紹介はあったものの、県内での相談できる窓口がないことが示され、改善が必要とおもわれました。

コロナ対策についても話し合いできました。
 「ワクチン接種券が届いたので、接種の予約をしたのですが、やはり色々と心配です。フォンタンの方で、ワクチン接種された方の様子を(副反応大丈夫だとか)きけると嬉しいのですが。そのような連絡は届いてないでしょうか。」など、会員から情報を求める声が届いています。
 医師との話し合い公表できる範囲での情報を、会員同士メールで共有することなど、励まし合いとなりますので、情報提供のご協力くださいとお願いし、交流会を閉じました。

 やっぱり交流するといろんな気づきがあります。
 これからもよろしくお願いします。

移行期医療についての情報
Aさん
〇小児循環器から移行外来に変わった方の理由
・移行の年齢に到達しているが病状が安定していない為
・平日、学校を欠席、早退しての受診が難しくなってきた為
・患児が女の子で担当を同性の先生に変更も可能ですと配慮していただいて

〇我が家での移行準備(現在高1)
 主治医より「中1の頃に高校生ぐらいから大人の病院へ変わるからね。」とお話しはしていただいていましたが、今まで移行の準備を全くしてなかった母。
先週の「成人の病院紹介前カテーテル検査」の前までにはと、ようやく取り掛かりました。
何から取りかかれば良いものかわからず、守る会の「しんぞう手帳」の手術歴等の記入から始め、主治医にもう一度確認しないと書けないところがあり、転院用の紹介状と宛先無し(患児本人用)の紹介状を1通余分に依頼しそれを見て記入することにしました。
 ファイル等に、正常な心臓と患児の心臓と手術後の心臓の図を比較できるように並べて貼り、病名等を書き込み、本人が詳しく調べたくなった時に見られるように主治医からもらった資料をすべて入れて心臓ファイルとしました。
 必死にファイルを作成する母を見て本人は、「そんなの作らなくていいよ〜」と言っていましたが、「私が生きているうちは私に聞けばいいんだけど死んじゃったら聞けないからまとめておくんだよ」と言うとなんだか納得した様子でした。
 カテーテル検査の前日に自分の病名がわかるか検査を担当してくれたドクターに聞かれ答えられず、これからは病名くらいは言えるようにしないとダメだよ。と指摘されました。
本人の心臓病のことを教えてあげなくてはと思い頑張るものの素人なのでドクターの様にすらすらとは言葉が出てこない。私も人に説明できる程理解できてないのだろうな〜と思いました。詰まりながらなんとか検査当日までに説明できたけど、20%程度しか理解してもらえてないかもな〜と思います。
 次回がA小児で最後の外来になると思うので、それまでにもう何回か家で話し、外来の時に主治医からも本人に説明してもらえる様なので本人の理解度が少しでも上がればと思います。

Bさん(他県から県内企業に就職された方 26歳男性)
 自分の病気のことなどを他の人に伝えることについて、私は病気の説明を含めた『自分のことを自分でする』ことができなかったため、社会に出て何度も痛い目を見ました。
 あまりにも情けなさ過ぎて仕事中や仕事終わりに泣いてしまうという醜態まで晒してしまうほどです。
 今後成長していく患者に私と同じ失敗を『自分の命に関わることなのに自分の病気や現状の説明と相談したい内容が話せないから助けをもらえない』という形で経験してほしくないので申しました。
 私を反面教師にして自身に活かしていただければ幸いです。


Cさん (県外から愛知の大学に入学された患者さん(大学3年生)の保護者)
 県外からの住居移転に伴う医療受診について、「今現在も転院先が見つからず、年に1回、京都の病院に定期受診しています。幸い経過観察は順調で、投薬も無いため。普段は住まいの近くの病院に見てもらっています(幸い個人病院ですが、総合病院の循環器内科に長年勤めていた医師なので、エコーや心電図の設備はあります)
 今は大学3年生ですが、就職は東海地方なのでその際に通院できる病院を見つけないといけませんが、なかなか転院先がないので悩んでいます)」