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「天性心疾患の手術を行う施設の集約化(地域拠点化)に関する提言」をご一読ください

2023-10-15 | 活動報告
「天性心疾患の手術を行う施設の集約化(地域拠点化)に関する提言」をご一読ください

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先天性心疾患の手術を行う施設の集約化に関する提言 (jscvs.or.jp)

内容概略は以下のようなものです。先天性心疾患患者・家族全体に関わることです。

「先天性心疾患の手術を行う施設の集約化(地域拠点化)に関する提言」
令和5年9月:第2版
・特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
・特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
・一般社団法人 日本胸部外科学会
1 安全で良質な先天性心疾患の外科医療を継続的に提供し、次世代医療者を育成するため、年間150例以上の手術を行う拠点施設(高難度手術実施施設)を中核とした地域の拠点化を学会が推進する。拠点化を推進することにより、施設当たりの手術数が増加し、年間150例規模の施設を増やすことを目標とする。
2 拠点施設は、次世代を育成する能力を持った多職種ハートチームを有する必要がある。
3 拠点施設は、集中治療専門医研修施設である独立した小児ICUを備えることが望ましい。
4 集約化(地域拠点化)により、すべての手術実施施設が2024年度から始まる「医師の働き方改革」に準拠し得る体制となることが望ましい。
5 約化(地域拠点化)への第一歩として、年間手術数50例未満の施設では、中等症以上のリスクを伴う先天性心疾患に対する手術の実施を控えることが望ましいが、手術を行う際には地域の実情に応じて拠点施設との連携を取ることが望ましい。

まとめ
わが国には先天性心疾患の手術を行う施設が多数存在しているが、その多くは年間手術症例数が 50 例未満の小規模施設である。手術症例数の少ない施設は症例数の多い施設と比較して手術の死亡率が高く、高リスク症例のみならず中リスク症例においてもその差は無視できないものであった。次世代育成という観点からも、小規模施設では充分な数の症例を経験することもままならず、新生児から成人までのあらゆる先天性心疾患患者に対して安全で良質な外科医療を継続的に提供するためには、一定以上の症例数と経験を有し、切れ目のない次世代育成能力を有する多職種ハートチームの構築が望まれる。

また、先天性心疾患手術に従事する外科医の労働環境改善は遅れており、2024 年度から始まる「医師の働き方改革」に準拠し得る施設は少ない。適格な多職種ハートチームが構築されないと小児心臓外科医の働き方改革は実現できない。現存する 150 の先天性心疾患手術実施施設すべてに働き方改革に準拠し得る体制の構築を期待することは現実的ではなく、拠点となる施設に多職種の医療従事者を集約化し、適格なハートチームが構築されている施設で多数例の手術が行われるべきである。

今後、目指していくべき小児循環器医療体制は、「先天性心疾患手術を実施し、周術期医療を担う施設を拠点施設」とし、「手術を実施せずに主として診断、初期治療、亜急性期~慢性期医療、および日常の健康管理を担う施設を連携施設」とする。拠点施設と連携施設とからなる施設群によってそれぞれの地域の先天性心疾患の外科医療を包括的に担う。集約化(地域拠点化)後の拠点施設数は、概ね 50 施設前後が妥当と推定される。

集約化(地域拠点化)を行うためには解決すべき問題点が数多く存在しており、一朝一夕に実現しうることではない。しかしながら先天性心疾患を持って産まれた患者さん達に対して、新生児期から成人期まで安全かつ継続的な医療を提供する為に、手術を行う施設の集約化(地域拠点化)を推進していくことは必然かつ喫緊の課題である。

以上です

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