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第3回移行期医療交流会報告「たっぷりと中身の濃い交流会」できました

2021-11-08 | 活動報告

第3回移行期医療交流会の報告
たっぷりと中身の濃い交流会できました
11月7日(日)に開催しました。参加者は7人で、3回の累計参加者は32人となりました。
牛田から、以下のお願いと、第2回交流会以降に入手できた情報について報告しました。

お願い
愛知県循環器病計画への意見書提出は締切は17日(水)です。参加対象は「県民」ですので、当事者も親の方も提出することができます。
先生方のご献身に助けられて、現在の会員の方で成人先天性心疾患医療の難民となっている方は見当たりませんが、先生方も患者と同じだけ年齢を重ねられます。これからの患者・当事者により安心できる医療環境を引き継いでいくことが大切です。今年は愛知県循環器病対策に切れ目のない医療体制を具体的に位置付けていただける初年度です。
多くの方が参加されるように重ねてお願いします。

パブコメ提出の呼び掛けにいただいた返信
・当事者意見の提出が大切です。一番問題は産婦人科関係が最も遅れています。
・コーディネーターの配置、ACHDに関連する施設間協議会の設置の2点が実現していくといいと思います。今後ACHD患者の出産についても、ある程度県内で集約化して専門的に対応できる施設を作っていただけるようお願いします。
・具体的な対策などを挙げた方が良いと思いますが、まずは患者・当事者の生の声ですね。

移行期医療について(考え方)
守る会本部大会(10月31日)での、国立成育医療研究センター 賀藤 均 先生のご講演「日本の移行期医療」の一部を紹介しました

移行期医療のあり方  「移行期医療」+「自律・自立支援」

移行支援プログラム
・小児科一般診療において、患児の成長に合せて自分が治療の主体であることを教え、意思決定に参加できるよう支援する。また、自分の病気、病状、必要な治療を理解し、服薬管理等を身につけるよう支援する。
・移行支援外来において、さらに他者(成人診療科医師や学校関係者、職場関係者)に疾病の説明ができるように支援する。ヘルスリテラシーの獲得によるアドヒアランスの向上、自立不安の解消なども支援し、適切な健康管理ができる自律した成人患者となるよう応援する。

今後の移行期医療
移行期医療支援センターの役割 (設置状況 全国で7都府県で設置)
・成人期の小児慢性疾患の患者に対応可能な医療機関の情報を把握・公表
・小児期の診療科・医療機関と成人期の診療科・医療機関の連絡調整・連携支援
・患者自律(自立)支援を円滑に進めるための必要な支援
具体的な取組内容
・連絡体制の整備
・相談受付体制の整備
・在宅介護や緊急時の受入れ先の確保の支援
・各医療機関の自律(自立)支援の取組の支援
・小児慢性特定疾病児童等自立支援員との連携
・移行期医療支援の進捗状況の評価、改善策の検討

難病・小慢対策の見直しに関する意見書について
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805891.pdf
 2011年7月14日に、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会・社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会において、「難病・小慢対策の見直しに関する意見書」がとりまとめられました。その中に次の記載があります。
○ 移行期医療については、国において、移行期医療支援センターの設置促進のための対応について、財政支援の在り方を含め、検討すべきである。

主な交流内容は
・意見書を書こうとしていますが「県の人にも共感いただけるような内容」と考えると筆が…
・自分の要望や意見を率直に書けば良いのでは…
・妊娠・出産の事、大きな病院HPでは受入れOKとも思えますが…?
・学会同士や、県も含めた連携してほしい。対応可能な病院のリストや公的な相談先があれば…
・小児の病気と成人期の病気は違うものです…
・若い世代の循環器Drにも成人先天性心疾患に興味をもってほしい、他診療科連携も進めてほしい…
・大きな病院とつながっている、成人先天心を診ていただけるかかりつけ医・開業医がほしいですが…
・「県外からの患者」を診ても良いと言ってくださるDrもみえます。(会に相談ください)
・小児病院などで、医師以外に相談できる人・部署などがあれば良いのに…
・一人で受診できるようになったことの経験紹介など(複数事例)
・自分の病気のこと、周りの人に説明するのにメモを作ったことも…
・自分の病気の情報は、年齢層に応じて、医師→親→本人と管理する人が移っていきます。守る会は「しんぞう手帳」の活用も呼び掛けています。
・就職する時にちゃんと説明できるかどうかは、その後の社会人生活に大きな影響がありますしので…
・青年会員でラインを活用し、交流会もしています。連絡下さい。
当事者同士で話せる環境です。成人になっていない方もよろしかったら参加ください。(会に連絡いただければつなげます)
などでした。

「愛知県循環器病対策推進計画」(案)に対する 県民意見(パブリックコメント)を提出しましょう

2021-11-08 | 活動報告
これから3年間の「先天性心疾患移行医療の改善」につなげるために

「愛知県循環器病対策推進計画」(案)に対する
県民意見(パブリックコメント)を提出しましょう


2021年年10月26日 愛知心臓病の会 担当・牛田正美

 愛知県は、循環器病対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、2021年度から2023年度までの3年間を計画期間とする、法律に基づく「愛知県循環器病対策推進計画」策定を準備しており、手続きの一つとして、その(原案)についての県民の意見を公募しています。
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kenkotaisaku/junkanki.html

 愛知心臓病の会は「先天性心疾患の移行医療改善」への大きなチャンスと考え、移行医療交流会を2回開催してきました。先天性心疾患移行医療の改善につなげるために、多くの意見を提出しましょう。

   提出先 :愛知県 保健医療局 健康医務部 健康対策課 健康づくりグループ
        〒460-8501(住所記載不要)
        ファクシミリ:052-954-6917
        電子メール:kenkotaisaku@pref.aichi.lg.jp
        提出締切:2021年11月17日(水曜日)まで(必着)

提出していただきたい意見の参考例(要旨)

・成人先天性医療体制の整備を「検討する」にとどめず、「当事者のヒアリングを行う」「愛知県でACHD診療に取り組む施設間での交流をすすめる」など、検討をすすめる具体的な取り組み内容を示してください。
・成人先天性医療体制の整備に時間がかかることは理解できますが、当面、「コーディネーターの育成」「相談窓口の設置」などを責任もって進めてもらえる担当者を作ってください。
・愛知県では、成人となり、妊娠・出産を求める先天性心疾患患者にとって診ていただけるところを探すのが大変困難です。産婦人科との連携の話し合いを促進できる仕組みを早急に作ってください。また、他診療科との連携促進もお願いします。
・先天性心疾患患者の移行医療体制整備の課題を、小児慢性疾患全体の関連の中だけで考えることなく、循環器病分野での独立した課題として位置づけてください。
・協議会議事要録にある委員の先生の意見について正面から受け止め、「成人の先天性心疾患に対する医療体制等についても計画に取り入れていく必要がある」ことを計画に明示してください。

県民の意見(パブリックコメント)提出に協力ください。

愛知県循環器病対策推進計画<原案>には
以下のように記述されています。(抜粋)

ライフステージに応じた循環器病対策の推進 小児期・若年期の循環器病対策
<現状と課題>
〇近年の治療法の開発や治療体制の整備等により、小児患者全体の死亡率は大きく減少した一方で、先天性心疾患等の原疾患の治療や合併症への対応を継続したまま成人期に移行する患者が増加していますが、対応可能な医療機関や医師の不足等の課題があるといわれており、小児から成人までの生涯を通じた切れ目ない医療が受けられるよう、総合的な医療体制の充実が求められています。

【今後の方策】
〇成長過程を通じた切れ目ない支援を行うことができるよう、移行医療の体制整備を検討するとともに、小児患者とその家族が、安心して暮らすことができるよう医療、保健福祉、教育機関等の関係機関の連携による相談支援及び疾病にかかっている児童の自立支支援及び疾病にかかっている児童の自立支援を引き続き推進します。

原案作成までに2回の愛知県循環器病対策推進協議会が開催されました。その議事要約には以下のように委員の先生のご意見が紹介されています。

第1回協議会(6月1日)
〇先天性の心疾患をもつ方で、成人される方が増えており、成人の先天性心疾患に対する医療体制等についても計画に取り入れていく必要がある。
第2回協議会(8月20日)
〇成人の先天性心疾患の患者さんを診る医師や医療機関が限られている。人材の育成など時間はかかるが、成人の先天性循環器疾患に係る体制を整備する必要がある。

原案の問題点は
 移行医療の体制整備だけが
「検討する」課題となっていることです


 原案全文を読んでいただければ分かりますが、他のすべての課題の「今後の方策」は「取り組みます」「推進します」「実施します」などとなっています。抜粋した文書の中でも「児童の自立支援」は「引き続き推進します」となっています。
<現状と課題>で「小児から成人までの生涯を通じた切れ目ない医療が受けられるよう、総合的な医療体制の充実が求められています」と記述しながら、「移行医療の体制整備」だけは「検討する」となっています。どのように検討を進めるのかも示されていません。このままでは3年間での改善にはつながらないと危惧しています。
 委員の先生方のご意見では、成人の先天性心疾患に対する「医療体制の整備」が必要とされています。

先生方の意見に対する「県の考え方・対応」は
 「先天性心疾患患者に対する切れ目のない医療体制の整備については、関連する『愛知県小児慢性特定疾病児童等地域支援協議会』の状況等を踏まえながら検討していきたいと考えている」とされていました。

愛知心臓病の会牛田名で以下の意見書を提出しました
 この数年間「愛知県小児慢性特定疾病児童等地域支援協議会」で、「移行期医療センター設置・コーディネーター配置」実現を求めさせていただいてきていますが進んでいません。これが「踏まえる」状況です。設置・配置を求める国の考えに対して大きな遅れがあります。県としてこの状況をどう考えておられるのでしょうか。
循環器病対策に切実に求められているのは「移行医療の体制整備」です。「検討する」にとどまらない取り組みが求められます。「医療体制の整備」は、成人先天性心疾患総合・連携修練施設や当事者の意見をふまえて、当該医療分野の先生方に進めていただく以外に道はないと思います。


以下参照いただきたい資料です

パブリックコメント募集についての愛知県HPの抜粋
1 意見募集期間
2021年10月19日(火曜日)から2021年11月17日(水曜日)まで(必着)
2 意見の提出方法 (提出用紙を添付します)
市町村名、年齢、職業を御記入の上、郵便、ファクシミリ又は電子メールで提出してください。なお、電子メールで御提出いただく場合には、必ず件名に「愛知県循環器病対策推進計画(案)について」と明記してください。
3 「愛知県循環器病対策推進計画(案)」の閲覧方法
愛知県循環器病対策推進計画(案)  概要版 <原案>
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/395004.pdf
愛知県循環器病対策推進計画(案)  全文  <原案>
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/395005.pdf
4 提出いただいた御意見への対応
(1) 提出いただいた御意見は、本計画を策定する際の参考にさせていただきます。
(2) 御意見に対して個別に回答はいたしませんが、いただいた御意見を取りまとめた
概要等について、Webページに掲載する予定です。
(3) 提出いただいた御意見は、個人情報を除いて公開する場合があります。
5 問合せ先 愛知県 保健医療局 健康医務部 健康対策課 健康づくりグループ
郵便番号:460-8501(住所記載不要)
電話:052-954-6269  ファクシミリ:052-954-6917
電子メール:kenkotaisaku@pref.aichi.lg.jp

循環器病対策推進基本計画(令和2年10月27日閣議決定)(抜粋)
個別施策⑩ 小児期・若年期から配慮が必要な循環器病への対策
(現状・課題)
循環器病の中には、100 人に1人の割合で出生する先天性心疾患や小児不整脈、小児脳卒中、家族性高コレステロール血症等といった小児期・若年期から配慮が必要な疾患がある。学校健診等の機会を通じて、小児の循環器病が見つかることもある。
近年の治療法の開発や治療体制の整備等により、小児期に慢性疾病に罹患した患者全体の死亡率は、大きく減少し、多くの子ども達の命が救われるようになった。
その一方で、小児患者の治療に当たっては保護者の役割が大きいこと、また、原疾患の治療や合併症への対応が長期化し、それらを抱えたまま、思春期、さらには成人期を迎える患者が増えていることなどの現状があり、そのような患者の自立等に関する課題もある。胎児期の段階を含め、小児から成人までの生涯を通じて切れ目のない医療が受けられるよう、他領域の診療科との連携や、移行医療を含めた総合的な医療体制の充実が求められている。

(取り組むべき施策)
成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律(平成 30 年法律第 104号)に基づき、子どもたちの健やかな成育を確保するため、成育過程を通じた切れ目ない支援などを基本理念として、医療、保健、教育、福祉等の関係施策を総合的に推進する。

5.循環器病対策の総合的かつ計画的な推進の確保のために必要な事項(抜粋)
(1)関係者等の有機的連携・協力の更なる強化
循環器病対策を実効的なものとして、総合的に展開するためには、国及び地方公共団体をはじめ、関係者等が、適切な役割分担の下、相互の連携を図りつつ、一体となって取組を進めることが重要である。
この際、国及び地方公共団体は、患者・家族を含む関係者等の意見の把握に努め、循環器病対策に反映させることが重要である。

(2)都道府県による計画の策定
法第11条第1項において、都道府県は、基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における循環器病の予防並びに循環器病患者等に対する保健、医療及び福祉に係るサービスの提供に関する状況、循環器病に関する研究の進展等を踏まえ、当該都道府県における循環器病対策の推進に関する計画(都道府県計画)を策定しなければならないこととされており、都道府県計画の策定等の際には、都道府県の協議会等に患者等が参画するなど、都道府県は関係者等の意見の聴取に努める。