中国為替操作問題

　オバマ氏の次期大統領の演説では、
　「アメリカを愛しアメリカのために疲れを知らずに働ける人間として。彼らが民主党のリーダーだ」
　「アメリカの新しい方向を切り開くため、団結して、共に働きましょう」
　「ブッシュ政権の経済政策を」では、「労働者の待遇を保障することなく」
　「変化とは」を、「労働者と労働に報いる経済を作り上げる」
　と、社会主義をも連想させる演説をしてきた。
　そして大統領となったのだ。

　そして最近の一般教書演説では、こうも言っている。

そして、共和党のリーダーシップが、上院の60個の票が、この町でいったいビジネスをするために必要とされていることを強く主張しようとしているならば、制御する責任は現在あなた方です。
まさにすべてにノーと言うことは短期的な成果のための政治であるかもしれないけれども、それはリーダーシップではありません。
私達は、私達の野心ではなく私達の市民に奉仕するためにここに送られました。
従って、私達が一緒にそれをすることができることをアメリカ人に知らせましょう。

　この呼びかけを受けて、民主党と共和党は月例会で以下のことをまとめた。

米の１３０議員「中国は為替操作国」　対抗措置を要求(朝日新聞) - goo ニュース
　書簡では、人民元が対ドルで不当に安いため「米国の輸出品は、中国製品と競争できない」と批判。財務省に対し、中国を「為替操作国」と認定し、強い態度で臨むよう求めた。

　以前の分析通り、「そんなアメリカであれば、今以上に中国と協力関係となることだろう。中国の経済成長を頼ってしまうのであれば、重要な課題も棚上げにしてしまいかねない」は予測として的中したのだが、アメリカ人にとっては、日本人拉致問題よりも、人権問題よりも、国内の経済問題がより深刻だったのである。

人民元相場「低すぎない」…中国・温首相

圧力は解決策ではない＝人民元問題で－ＥＵ大使(時事通信) - goo ニュース

　中国人民元問題
　世界からの投資で発展した経済力で輸出で成功し、積み上げた外貨で投機が始まる。
　元安固定相場で外国に製品を安く輸出し高い外貨を得て、その外貨で投機を行なう。
　財政悪化を粉飾し、割高の輸入からの割安な製品の輸出という不均衡は、労働者の賃金の低下に向かう。

　固定相場で国民は経済力の恩恵を受けられなくても、労働者の賃金を抑え輸出で外貨を稼ぐ。
　稼いだ外貨で投機を行ない世界的な市場で影響力を発揮する。
　統制国家ならではの手法だが、このような不健全な経済活動が、現実にこのような国際的な経済不均衡としての反作用を起こしているのだ。

中国、投機抑制に向け外為取引への課税検討を―銀監会顧問＝現地紙

　問題は中国政府系ファンドにあり、国内の政策がどれほどの影響となるかは懐疑的である。

　日本は７年で所得倍増計画を完了（1960~1967）し、ニクソンショックを経て先進各国と歩調を合わせ1973年に変動相場制に切り替えた。
　中国は1978年に「改革開放」政策が採用され、市場経済の導入以降、３２年経っても、未だ固定相場なのである。
　米国債格下げ懸念の中、中国の為替操作問題はさらに広がりを見せるだろう。

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