暑かったり寒かったりですが、菰野地方はまだまだ爽やかです。
実は私は乗馬の審判もやっています。
審判規定(国際馬術連盟FEI規定)、というものがあり馬場馬術(ドレッサージュ)、障害馬術(ショージャンピング)、総合馬術(3デイズイベント)などで規定集が別れています。
前にも書いたと思いますが、そこには「馬のためのスポーツ憲章」と言うのが書かれています。
今日は全文を書いてみたいと思います。
国際馬術連盟(FEI)は、国際的な馬スポーツにかかわるすべての者がFEI馬スポーツ憲章を遵守し、如何なる場合も馬のウェルフェア(福祉)を最優先して、決して強競合的または商業的な影響をうけてはならないことに同意し、これを受け入れることを求めるものである。
1.競技出場への準備段階や競技馬の調教段階のいずれの時点においても、馬のウェルフェアが他のどのような要求よりも優先されなければならない。そこには、馬の飼育管理、トレーニング、装蹄、馬装具、輸送などの良質で適切な対応が求められる。
2.競技馬と選手は、競技への適応性と能力を備え、良好な健康状態であることで初めて競技への出場が認められる。たとえば、医療品への依存、あるいは馬のウェルフェアや安全を脅かすような外科的処置を用いての競技適正の確保、または妊娠中の牝馬の使用や扶助の誤用は禁止されている。
3.協議内容や競技環境が馬のウェルフェアを害するものであってはならない。そこで、競技場の環境、馬の状態、天候、厩舎、競技場の安全性、競技会終了後に予定される馬輸送に向けた馬の健康状態などに十分な注意を払うことが必要である。
4.競技終了後には馬の健康状態に十分留意し、また競技生活を引退する段階では人道的な扱いが取られるよう最善の努力を払わなければならない。すなわち、適正な獣医療の提供や、競技での負傷や事故へ対応、安楽死対策、引退後の対策などが課題となる。
5.FEIは、馬スポーツに関わる者のすべてに対して、その専門知識に関する最高レベルの教育を身に付けるよう強く要請する。
馬術の競技場にはスチュワートなるものが必ずいます。
この人たちの役目は、「馬の側に立った」立場で環境なり、扱いなどを見ることです。
だいたい待機馬場にいて、馬を痛めつけるような道具が使われていないか、馬体が傷ついていないか、などを見ています
。
競技終了後、馬から少しでも血が出ていれば失権となります。
スチュアートは厩舎の見回りなどもして、水が与えられていなかったり不適切な管理を見つけた場合は、そのクラブに勧告することができます。
犬のほうが圧倒的にショーや競技会が多いのに、犬のウェルフェアを監視する人がいないのは不思議な気がします。また、アメリカなどではショーのための筋肉作りや、はつらつとした動きをさせるために薬物などをつかう、と聞いたことがあります。
競技会やショー会場で、パドックを見回るスチュワートの姿が見られるのはいつになるのでしょうか?
また5の「FEIは、馬スポーツに関わる者のすべてに対して、その専門知識に関する最高レベルの教育を身に付けるよう強く要請する」は動物愛好家のかたに特に心に留めておいて欲しい事柄です。
馬に乗るには馬のことを、犬を飼うには犬のことを
知っていなければなりません。
「飼う」と決めた以上、「知らなかった」ではすまない事があります。
その気にさえなれば、知る手立てはいくらでもあります。どうぞ、ご自分の犬について学んでください。