Notes3~ヨミガタリストダイアリー

名古屋市在住の俳優/朗読者・ニシムラタツヤの演(や)ったり読んだりの覚え書き

耐久観劇in天白文化小劇場

2004年08月19日 | 舞台特に演劇
もともと、月ごとで何本舞台を観る、とか、
目標を決めてかかる律儀な性格でもないのですが、
何だかユリカ(東京でいうパスネット、京阪神のスルットカード
みたいなやつ)の減りが異様なので振り返ってみると、昨日まで
ですでに4本。必ず週末はどこかの劇場をハシゴしている
計算になり、さすが夏休みと溜息半分というところです。

さて、いよいよ来ました燐光群のツアー「だるまさんがころんだ」、そして「私たちの戦争」。


「だるまさん」=地雷。この「=」が「→」になったり、
「←」になったり、その結び目となるさまざまな瞬間に、人を踊らせ、
人に踊らされる人の群れ。あるいは一個人のタペストリーが
眼前に飛び込んできました。

事件は決して起こってはならない、日本で唯一の地雷を製造
していた工場に勤める男は、家に帰ると来る日も来る日も
「事件」を妻や子供たちに言って聞かせる。実に他愛のない出来事を、
まるでそれを用いて何かを覆い隠そうとするかのように。

頻繁に洪水を起こす大河。傍らに寄り添う肥沃な土地。
ただし、地雷に埋めつくされ、一晩のうちに3人が命を落とす、
そう言う意味での「肥沃」さに、遠い国の部族は誰もが難民となり、
自らのコミュニティを守るために地雷をバラまく側となる。

幼い頃に足を失った彼女は、大学内で「地雷研究会」を名乗って
彼と会う。自分が属する組の親分から地雷を手に入れて来る命
を受けた彼は、途方に暮れた末辿り着いた彼女と恋に落ちる。
地雷除去ボランティアの仕事に自分の生き甲斐を見い出した
彼女は次第に、生身の体を失ってゆく。

テーマは重いです。重すぎる程です。
しかし、その重さを実に軽やかなステップで互いに編みあわせて
行くことに、大きく惹かれました。そして、いつもと変わらない
テンションを保っていることにほっとした気もありました。


私が心配することでもないのですが、いちファンとして。


では、稿を改めて、「私たちの戦争」、そしてその後のことについて
私の考えを述べたいと思います。


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