Notes3~ヨミガタリストダイアリー

名古屋市在住の俳優/朗読者・ニシムラタツヤの演(や)ったり読んだりの覚え書き

#SANDAI じゃなくて、

2017年03月30日 | インプロについて
■ちきしょー、と思う気持ちと、そりゃそうだよな、という納得半々というところでしょうか。1日おきまして「SAN-DAI」のことを。
http://realdgame.jp/ajito/nagoya-himitsu/2017/02/the-san-dai.html

■時はまさに世紀末、ではなくて年度末でありまして、諸事もろもろ一緒くたになって襲いかかってきております。それをかいくぐるようにして出演してまいりました。SANDAIとは落語の三題噺でありまして、つまり即興で3つのお題からうまいことオとすことを競うステージ、とでも言えば良かったでしょうか。私も含めた16名の参加で、芸人の方、役者の方、まったく舞台に立たれた経験のない方など、バラエティに富んだ顔ぶれのその一部に、朗読の人として加わったわけです。

しかし、結果はこうでした。



■予想はしていましたが、もうすがすがしいほどに受けませんでした。「昭和」「ちらし旅」と…あと1つなんだっけ? いつものスタイル「声で絵を描(か)く」で挑んでも、他の方が凄すぎて、客席の皆さんにも相手にされていないようなあの恐怖感、久しぶりに味わった気がします。実際、終演後もなんか、寂しくてね。「なーんだ、ニシムラってあの程度かよ」って知ってる人には思われただろうなあ、とも。すいません、この程度です。

■ただこうも思いました。スタイルの違いだし、と片付けるのは簡単で、実際イベントの種類として笑いが不可欠な空間になることは目に見えていましたし事実そうでしたし。ただ、やっぱりそれを突き詰めていくと、レベルの高いところでは共通点が見つかっていくんではなかろうか、とも感じたのです。優勝の瀬戸口さん、ナントカカントク、山本さん等から瞬間放たれるシチュエーションの分かりやすさと入り込みやすさ、展開のスピーディーさとツボの突き加減、ああいうものに憧れつつも、やっぱり自分はボソボソと物語を読んでいくのではないか、と。それを時折確認しながら、できればああいう場所に近づくために、私の形(かた)を磨く一層の必要を気付かせてくれた場所だった、と言えるかもしれません。



■最初は「#SANDAI」をもって「OSHIMAI」だよこんなもん!と、ずいぶん捨て鉢な気持ちで書き始めたこのエントリですが、すっかりそんな気持ちも消えてました。笑わせず、泣かせもせず、ただ言葉を並べて世界を描こう、と思います。これからも。主催の中内さん、天野さん、ヒミツキチ名古屋のスタッフの皆さま、そしてご来場のお客様にもちろん、ご一緒頂いた15名の皆さまに深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

即興実験学校、ついに(わりとよく知られている)劇場へ!

2012年05月26日 | インプロについて


■昨日の『「青べか物語」を読む』ですが、ちょっと思うところあり、急遽の予定ですが来週6月1日(金)、もう1回いしぐれ珈琲(ここ)さんで開催することといたしました。読むモノは昨日と同じ「土堤の春」から始まる4篇です。今回は行けなかったわなんてありがたいことを言って下さるそこのあなた、是非お越し下さいね。お待ちしています。
■そして、これは今日明日の、はるか東京のお話です。AfroWagenを名乗って活動を始めた当時、3年間にわたって名古屋に招聘していましたインプロ(即興演劇)の普及・研究ユニットと言えばいいんだろうか、「即興実験学校」(インプロ・ラボ)が公演活動を始めたんだよということは何年か前に聞いていたのですが、まさかそんな規模の大きなものに成長していたとは思いませんでした。今日の夜と明日昼/夜、【即興実験学校 春のインプロ劇場公演】と銘打って東京・阿佐ヶ谷の「ザムザ阿佐ヶ谷」で公演を行います。即興実験学校のウェブサイトはこちらです。
■即興、というとどうしても「鶴瓶のスジナシ!」、いやもっといえばシーンを振りかえるアフタートークの様子から、とにかく笑えるものとして捉えられる方も多く、ちょっとそれは誤解を含んだものがあるなあと感じています。それに即興でござい、と自由に演じているようにみえて実は、それまでの自身の思考とか、身体の規則性の中からまり抜け出ていないことが多いのです。自分の体験も含めて考えれば。
■起こったことを受け入れ、その上でなお、普通でいること(Be average)。移ろいゆく心の動き妨げないこと。そういうアクションをしていると、シーンに奇蹟が起こるのです。今日の午後7時と明日の2時、6時の阿佐ヶ谷では、きっとそういう瞬間に生で立ち会えると思います。予約も特に必要ないとのことですので、お近くの方、ぜひ遊びに行ってあげて下さいませ。
■うーん、しかし明日か。どうしよ、行こうかな名古屋から…。

「Advanced Theater PJ」その2ー溶け込むこと=「現在の見える化」すること

2012年01月24日 | インプロについて


■「Advanced Theater PJ」について、今朝も少し書いたのですが、もう少し考えていたらふと気づいたことがあったので、書き残しておきたいと思います。
■舞台上で行われる俳優同士のやりとりを、密閉された空間から取り出すような形でこれまで2回、ustreamを用いて全世界に配信してきました。詳しくはこちらにアーカイブが残してありますのでご覧下さい。非日常が日常の中に溶け込み、奇妙な形で同居しているということに、当初は結構違和感を感じていました。確かにインプロをやってきましたが、経験してきたのは観て下さる方を前にしてのショーケースで、相手役しかいない中での30分のストーリーを進めてゆくことなど、まるで経験したことがなかったのですから。
■改めて考えると、演じる自分達がいる目の前にカメラがあるということは、映画やテレビドラマの撮影でも同じなのですが、レンズが映していない部分はあっさり捨象しても全く構わないのとは大きく異なり、演じている自分達が、周りにとって明らかに異質なものとして居ることを、与えられたプロットの内容のいかんに関わらず意識せざるを得ないのです。配信そのものが何らかの理由により止まってしまったり、映るフレーム内に予想できない何者かが入ってきたりすることだってあります。このプロジェクトにおいて、カメラは絶対ではないのです。
■つまり、会場となる空間に、日常の風景の一部として溶け込もうする一方で、あるプロットを進行させてゆく。異なる2方向の力に引き裂かれて見えてきたのは、「いま、ここにいる」ことは、自分の身体の状態によってのみ制御されるということなのだろうということでした。フィクションを追えばおうほど、現在は「見える化」することができるだろう。それを明日の配信では忘れないように、これまででもっともフィクション性が高いと思われるプロットに挑戦してみようと思います。ご期待下さい。なお、写真は1回目の配信の、東京でのショーケースにおける展示風景です。

「Advanced Theater PJ」に明日出演!

2012年01月24日 | インプロについて
■『喫茶店や路上、駅のホーム、電車内などの公共空間でゲリラ的に芝居をし、それをUstreamで配信するプロジェクトです。芝居はその場所で日常的に起きるような状況設定(喫茶店での雑談など)で展開されます。あえて日常に埋もれる形で展開されるため、周囲の人々にはおおよそそれが芝居であることはわからないでしょう。
しかしUstream越しに観ることで初めてそれを芝居として確認することができます。―』
■これに明日夜、岐阜市から出演します。詳細を事前に、少しずつお知らせしましょう。いわば、路上のインプロです。では。

「Advanced Theater PJ」に本日出演!

2011年09月09日 | インプロについて


■9月になっても相変わらず蒸し暑い日々が続きますね。先週の今頃、台風こっち(名古屋)に来るかな、来たら大変だよなあ、と噂しあっていたのですが、まさか和歌山、奈良であれほどの被害をもたらすことになってしまうとは…。現地の皆様は大変な日々が続きますが、何とか復興に向けて頑張ってください、としか掛ける言葉が見つからないのが辛いです。
■やるべき時、やりたいとほんの少しでも動いた時にはまず深く考えずにそっちに走る、ということは、今般の震災以降、特に意識するようになったところです。そんな中で出会ったプロジェクト、今夜2回目の実施となりましたので今回は余裕をもってお知らせします。「Advanced Theater PJ」と言います。詳細はリンクをご参照ください。劇場を拡張し、世界中にある演技を大々的に、しかし現地では日常に混じって密やかに展開される約30分間のustream中継番組です。プロットだけは緩く作って、始まったらあとは流れに任せるフリー・インプロの一種とも言えます。ここで何と私、岐阜市を中心に活動そろそろ60年の「劇団はぐるま」の糸永しのぶさん!と初めて共演させて頂きます。
■本日21時ごろから、リンク先のページで是非ご覧下さいませ。なお、詳しい情報はTwitterアカウント @AT_Pj でもご案内しています。そして、主宰者曰く「出演してくれる役者さん」「ゲリラ的に芝居をやらせてくれる店舗やスペース」「状況設定、キャラクターなどのアイデア」「オープニング、エンディングムービー」「配信中に流させてくれる音楽」などいろいろ募集しているとのこと。ぜひ興味のある方はアクセスを!
■では、まもなく準備のために家を出ます。

クラム型iBookと夏への準備1

2010年05月08日 | インプロについて
■いま、生業としているもう1つの仕事の関係上、昨夜は終電までのロングラン。中村公園にて鳥居見ながら鶏塩うどん食べて、たぶん歩いて帰って、部屋に入ったような気がします。気がしますという言い回しからお分かりかとは思いますが、今日午後3時くらいまで寝たり起きたりだったので…。
■さて、1週間後には「潜水署長」がまたあったり、ust中継への実験をそこでやったりするのですが、その前に本日はこの後、あるところでインプロをやって参ります。これの結果によっては新たな展開があったりするかもというところです。また振り返りという形でご報告しようと思います。ところで、空いた時間は最近、写真のものと格闘中。ある方面からまとめて10台近くのクラムシェル型のiBookを譲り受けまして、あれ変えてこれ入れて、のひとり「じゃんぱら」状態(笑)。さて、そろそろHDDほフォーマットが終わるかなあ。

C.T.T.ワークショップ「うそをついてみる(インプロで)」」

2010年04月20日 | インプロについて
■日付変わって昨日、今日とC.T.T.nagoya試演会vol.10が始まっています。雨上がりのぐずついた天気の中多くのお客様にご来場頂きました。ありがとうございます。後ほど報告が公式ブログに載ると思います。
■その前段、月曜日の夜は並行して行っているC.T.T.ワークショップの当番日。「うそをついてみる」というタイトルで3時間遊んできました。以下、振り返り。あまり読んでて楽しいものはないかもしれませんが…。
■キャッチボールで身体とイメージを柔らかくするいつものスタートに続いて、多少手探り状態ながら、「おーい」をやってみる。はるか昔、それこそ大学の演劇部時代に教室の端と端に分かれて、片一方が背中を向けたもう一方に向かって呼びかける。「おーい」と。つまり今風に言えばフォーカスを定めることを目的にしたゲームであるのだが、今回のご参加は経験者の方がほとんどだったので、放射状に外を向いてもらい、発せられた声、全く明後日の方向に出された声のフォーカスを見つめてもらう。
■意識的に硬くなってもらった所で、ここで思いっきり開放してもらったのが今回の成功の1つであったように思った。「クイズ殺し屋は誰だ」。ユリさんの本のいうところの「殺人エンダウンメント」とも似ているし、一般的なシアターゲームとしても有名だけれど、ここで敢えて「うそを付く」ことを実践してもらった。すなわち、アイコンタクトでする殺し屋、見つめられたものがオーバーに人生の終わりを迎えて倒れるのが続くのが普通であるところを、コンタクトされてなくとも死んで下さいね、と伝える。むろん、解答者のいない所で、小声。面白いように誰もが正解にたどり着けない。だまし合いをする中で、自然に回答者とコンタクトが生まれる。むろん、一緒にスタジオを歩き回っている殺し屋に対しても。
■休憩の後、ジブリッシュ。2チームに分かれて基本的な伝言ゲーム。ここでは、付こうとしなくても勝手にうそは生まれることを体験してもらう。「誤解」という名前で。言葉を聞いて次の相手に伝えようとする場合、徐々に意味の通じない言葉から関心が離れ、ジェスチャーゲームに変わってしまう危険性があることを発見する。収穫。そのことを少し話す。最初に与えた文章を伝えようとしても、そういう状態に陥ってしまうと、不思議なことに伝わるニュアンスからも類似しているものが消えるのだなあ。
■最後にペーパーズ。いつも通り、小さな奇蹟がそこここに起こる。それを幸せな気分で見ていた。課題と成果、両方に恵まれた良いワークショップであったように思う。

C.T.T.ワークショップ「タイトルを付けてみる(インプロ編)」

2009年12月07日 | インプロについて
■…改めて見返すと、ぜんぜんタイトルと違うことやっているじゃないか自分、と思わないでもないが、今日は七ツ寺にてC.T.T.ワークショップの当番日。久しぶりに2時間半にわたってインプロの各種ゲームをじっくり進める。いつも思うことだけど、自分の知識や経験に基づいたファシリテーションも、自分では気付かないあやふやな部分を常に含んでいる。それが工夫が足りない、と切り捨ててしまうことは簡単だけど、そうすることは翻って、共にゲームに関わる他のメンバーからのオファーを受け止める場所まで奪ってしまうことになるのだ。実感として、これこそ経験として。
■イメージを共有する。アイディアを共有するために邪魔をするものは何か?そして邪魔者がない状態とはどんな状態か。それらを語る僕の言葉はまだまだ貧しいだけだけど、それを肉付けするためのヒントを、今夜のメンバーからもたくさん頂くことが出来た。ありがとうございます。「サブテキスト」という概念とインプロの間の関係は何度でも繰り返して考えないといけないと痛感する。考えて、やってみて、また考える。そうして身体に刻み付けて行くしかないだろう。
■最後に、本当に久しぶりにペーパーズをした。インプロに携わりだした時を通り越して、アポロシアターの袖口で、(近藤)豊、ちゅーや、サコーのやりとりを観ていた時のような、妙にドキドキするような感覚が蘇ってきた。アイディアにYes!と言えば、アイディアもYes!と返してくれる。それは演ずる誰にも与えられる可能性を持つ、インプロの神様(居るかどうかは知らん)からのインシデンタル・ギフトなのだと思う。お、そういえばプロジェクト・ナビの最終公演のタイトルもそんなだったな。

2009年度名古屋地区合同講習会に出張

2009年11月14日 | インプロについて
   

■ウェブサイトはトップページはだいたい完成したが「Impro」のコンテンツのみが移行を終わっていない。明日中にできるだろう。きっと。もしお待ちの方がいらっしゃれば申し訳ないです。あとしばらく時間を下さいませ。
■今日は午後の2時間、実は頻繁に来ている場所で「エチュード」について教えて下さいというご依頼を受けて出向く。20近くの分科会に分かれていて、控え室に入れば相当の豪華メンバー。素の佳梯かこさんなんて初めて拝見した。まあその一方で、やれ弁当取って来てとかパンフ持って来てとか人使いの荒い(笑)某スターズの主宰者などもいたが。ごはのはえさんは公演週に続いての名古屋。8時前に京都を電車で出て来られたという。本当にお疲れ様です。
■対象の生徒は16名の予定だったが欠席があり、実行委員の高校生にも入ってもらい15名。まずはグループごとに適当にテーマを与えてやってもらって、その2~3分間を振り返りながら、「つくらない」というワードを軸に「エチュード」のハマりやすいところを自分なりに話した。オチ(る)、ダレ(る)、ヒキ(引く)をつくらないために何が必要だろうか。特にシーンをつくる際にまず間違いなく「オチ」を作ろうとするのは、高校生だけでなく自分自身にとっても常に課題になっていることだと思う。『ギャグ」という言葉の語源を辿れば、おかしな表情や動作をする時に人が一瞬固まる、行動を中断するという意味合いがある。そこに頼りすぎることで、互いのアイディアによって生まれて来たシーンが崩れてしまうことについて詳しく。そして、それらのアイディアを尊重し(Yes)、受け止め(and),さらに拡げる(spread)ことで時間と空間がどこまでもつながる可能性を持っていることを話した。ウィンピング、キャンセリングについても少し触れたが、これはまだまだ深める必要があると痛感した。
■最後に黒板に黄色で書いた。「答えは他人にある」、と。自分が全てそのシーンについて知っているのであれば、そこにダイアローグは生まれない。チャンスがあればの話だが、これからいくらでも教えることに、教わることもありそうだ。この機会を与えて下さった名古屋事務局の森川先生(名東高)に感謝。ありがとうございました。今度は湯葉のおいしい店に行きましょう。割り勘で。
■会場を出てアートピア。例によって例のごとく吉澤館長とだべり、「名古屋アタック」以来お久しぶりの齋藤敏明師匠にも会ってから、姫池052スタジオへ。B級小町の「サティコのくせに」観劇。また改めて。お薦めします。