初めましてイザヤです。来日して6年目の映画ライターです。
今回、映画会社からの依頼で2年6ヶ月前から映画「亡国のイージス」
密着製作ドキュメントを担当しています。本来公開の直前に紙面にて
記事にする予定でしたが、ブログの開設に伴い一足早くレポート
することになりました。日常会話はほぼ大丈夫なのですが書き文字
にはあまり自信がありません。誤字、脱字そして変なフレーズは
どうかご容赦のほどお願い致しまし。
正直に言いますと今回の依頼には少々戸惑いました。
何故なら私は曲がりなりにも映画ライターです。どの作品も実際に自分
が観た印象をストレートにレポートなり批評なりして来ました。それは
本国イギリスに於いても同様でしたし世界中どこに行ってもどの映画を
観ても変えることの出来ない信念だと思っています。ですから、来日
当初は日本の「映画評論家」を自認する人々が正々堂々と特定の映画の宣伝
(テレビのコマーシャル)で「この映画は死ぬほど泣けます!」と叫んで
いるのを目の当たりにして、「なんだかなぁ、英国ではありえないな・・・」
などと大きな疑問を感じていました。今もそうですが・・・。
そんな訳で「亡国のイージス」の製作ドキュメントなるものを担当してしまったら、
完成した映画を観た後にこの作品をちゃんと批評出来ないのでは?本当は
そう思っていなくても「素晴らしい映画です!」と誉めなくてはいけないのでは?
などととても不安に思いました。しかし、映画会社の執行役員の方から
「好きに書いていいよ、正直にね。批判したって構わないから」と言われて
考えが変わりました。それならこのテーマ、キャスト、製作規模などどれを
とっても日本映画史上に記録され記憶されるやも知れない?大作に密着して
みようと決心した次第です。まぁ、それに条件面が良かったというのも少し
ありますが(笑)。
長い前置きで失礼かましました。
実は現在この文面はLAに向かうJALの機内で打ってます。監督、録音監督、
そしてプロデューサーに同行して4月にハリウッドで行われるダビング(映画製作の
最終過程で、簡単に言えば画と音を合わせて最後に映画を完成させる工程)
の打ち合わせの取材に向かう機内です。「亡国のイージス」は編集、音楽、仕上げ
の作業を海外で行いますのでそれらの細かいレポートは後日掲載させて
頂きます。で、本作の企画立ち上がりから脚本制作、キャスティング、スタッフィング、
そして海上自衛隊との交渉からロケハン、本撮影、そして海外に於ける仕上げまでを
余すとこなくレポートしたいと思います。まず第一回目の今回は2年半前に初めて
経験した脚本の打ち合わせ、いわゆる「ホン打ち」のことを少々。
私が会議室に入った時にはすでに4人の出席者がテーブルに着いていました。
彼らは阪本監督、原作者福井晴敏、脚本家長谷川康夫、そして
プロデューサーの小滝祥平の4人です(ご本人たちの承諾を得て本レポート
では全て敬称略です)。
「なんだか重い雰囲気だなぁ~」と思っていたところ、
最初に口を開いたのは福井でした。
福井「・・・それじゃぁ今回の映画化は無かったつぅことで・・・。」
「えっ?!」2003年9月19日、ドキュメントの幕開けはビックリするほど
暗いシーンから始まりました。
以下次号
イザヤ 拝
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