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[ おたまじゃくし ] / 2005年07月30日
いよいよ「亡国のイージス」公開の日です。おめでとうございます。こんな作品を書いてくれた文豪福井にまず感謝します。様々な困難を乗り越えて映画化に尽力されたP氏、監督、その他すべてのスタッフの皆さん、演じてくれた俳優さんたちにも感謝!飛ぶことしか能のないヤクザなパイロットを花の都で勤務させてくれて(したくはなかったけどね。)、こんな凄いプロジェクトに絡めてくれた海幕補任課に感謝!でも、二度と花の都で勤務させないでね!私に好き勝手な仕事をさせてくれた上司にも感謝します!あんなスゴイ上司は、飛び職の中にもなかなかいませんね。とにかくキレるんですよ。私もキレることでは、人後に落ちませんが(違う意味で・・・)。ときどき暴れて迷惑をかけた職場の同僚にも感謝します。
そして、ブログにお付き合いいただいたすべての皆さんに感謝します。このブログの私以外の執筆者は、常時「亡国のイージス」に携わっている方々ですが、私は、南の島で自分のための訓練に明け暮れ、ときどきここにくだらないことを書いて茶化すだけでしたが、いつも望外の暖かいお言葉、励まし、お叱りをいただき、飛んでるだけではけっして得られないすばらしい経験をさせていただきました。でも、ほかの執筆者のように、皆さんのコメントに対し、きちんと回答・返信差し上げられなかったこと、申し訳ありません。最後までお付き合いいただき、本当に感謝申し上げます。
これから、映画館に行きます。今まさに移動中です。すでに試写会で見せてもらいましたが、もう一度、映画館で真っ白な気持ちで観てきます。鹿児島地方は、土砂降り、雷ドカドカ!やはり日ごろの行いの悪さでしょうか?大雨洪水警報まで発令されてしまいました。
来週か再来週には、原隊に復帰できる見込みですが、帰りましたら都内か横浜あたりで、2度3度と観に行くつもりです。どうぞみなさんも何度もご覧になって下さい。
この映画の製作に関わってこられたすべてのみなさん、応援していただいたすべてのみなさん、本当にありがとうございました。私の(残りの)人生で、こんな経験は、二度とできないと思います。この自衛官としては稀有な経験(ブロガーのみなさんからいただいたコメントを含めて)を忘れることなく、今後の勤務に励んでいく所存です。心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
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[ おたまじゃくし ] / 2005年07月23日
遅くなりまして、申し訳ありません。やっと書き込めます。
いよいよ来週の土曜日ですねぇ!本当に楽しみです!私たちも当日は休み、の予定ですので、前日から天文館に進出して大いに呑み、気分を盛り上げて鹿児島中央駅付近の劇場に乗り込むつもりです。くれぐれも飲み過ぎないように注意します。

私は、4月から南の島で機種転換訓練を受けていますが、やっと終わりが見えてきました。順調に進んだ場合、あと2週間で終了、原隊に復帰できそうです。(しかし、台風が・・・)
この訓練は、海上自衛隊の正式な命令に基づいて実施されているものであり、「ジャパプレに行きたいよー!」などと言って、勝手にサボって東京に行くなんてことはできません。タカシちゃんあたりから「おいでよ!」と呼ばれれば行くんですけど、そんなことはありえませんからねぇ。おとなしく訓練してます。ジャパプレに参加されるブログ常連の皆様、どうぞ楽しんできて下さい。

なんか、関東地方で地震があったようですが、大丈夫ですか?「亡国のイージス」公開を前に不吉な前兆、否、皆さんの期待の大きさが天変地異を呼んだのでしょうか?いずれにせよ、大きな被害がないことをお祈りします。

テレ朝の特番、すごかったですねぇ。観ましたよ!あの館山基地での撮影が大々的に取り上げられていました。10機ものSH-60Jを同時に飛ばすことは、1個航空隊では不可能、そこで、第21航空群隷下の101、121、123の各航空隊から航空機・搭乗員を派出して混成の編隊を編成することになりました。
10機編隊の撮影を行うためには、各航空隊間の細部調整、飛行ルート・高度などをはじめ、民間の撮影ヘリとのコーディネートなど、館山基地で調整を担当した若いパイロットは、さぞたいへんだったと思います。
彼は、私の教え子です。いつもこのブログにふざけたコメントを書き込む教え子と名乗るヤツとは別人です。
彼のお父さんも海上自衛隊の哨戒ヘリパイロットでした。真田広之氏の最後の撮影に協力してくれた第121航空隊に所属されていた昭和61年の春、伊豆半島石廊崎沖で訓練中に殉職されました。
彼は、小学生だったそうです。そして今、お父さんが勤務した館山基地で、同じ哨戒ヘリパイロットとして勤務しているのです。大学卒業時には、おそらく多くの就職の選択肢があったのでしょうが、あえてお父さんと同じ道を選んだということです。
彼のお父さんのみでなく、多くの隊員が海上自衛隊創設以来、不幸な事故で命を落としています。ミスが死に直結することになりかねないわれわれパイロットは、「命の重さ」ということを常に意識の片隅に置いて勤務しています。自分のミスで死んではいけない、クルーを殺してはいけない、自分や仲間の家族を泣かしてはいけない、ということを考えない日はありません。だからこそ、自らに厳しい訓練を課し、後輩や部下を厳しく鍛えるのです。
パイロットばかりでなく、艦艇乗員、陸上勤務員などすべての海上自衛官が自分の、仲間や家族の、守るべき国民の命の重さを胸に勤務しているのです。
特番の中で、「きりしま」の清井先任伍長がそんな話をしていましたよね?
異論のある方もいるでしょうが、おそらく現在のわが国で命の重さということを、いちばん考えているのは、自衛隊員ではないかと思います。
そんなわれわれ海上自衛官の想いを、真田氏はじめ出演者の方々が見事に表現してくれています。映画の中に海上自衛官の想いも併せてご覧いただければ幸いです。

さて、海上自衛隊の全面協力、知られざる協力をご紹介しましょう。
撮影協力が決定される以前から、「亡国のイージス」を担当した海幕広報室員、彼は、平成14年夏から海幕広報室に勤務していました。2年間の刑期じゃなくて任期の予定でした。
本格的な撮影が始まった昨年夏、彼は飛行配置に復帰する予定でした。しかし、撮影は、まだまだ続きます。
海上自衛隊の決断は素早かった!撮影終了まで、彼の転勤は、凍結されたのです!撮影の終了は、12月13日、「うらかぜ」の映像の素になる「いかづち」での撮影でした。彼が、飛行配置に復帰したのは、今年3月末でした。すごいですよねぇ!海上自衛隊、人事まで含めて全面協力していたんですねぇ!(谷原君のマネ?)

さあ、今夜は渡世人とまたまた呑んだくれます。皆さんも夏本番の週末、大いに呑みかつ食らい、夏バテなんか吹ッ飛ばして下さい。そして大いに「亡国のイージス」を語って下さい。では、来週、封切りの日、最後の書き込みでお会いしましょう。

(注:教え子君のお父さんに関する内容につきましては、本人の了解を得ております。)


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[ おたまじゃくし ] / 2005年07月16日
いや~、暑いです。本当に暑いし、熱い!南の島は、昨日の梅雨明け宣言を受けて、今日は朝から気温がグングン上昇して、この時間になっても凄い暑さです。そして、ブログも熱いですねぇ!
ただ今、私は、フェリーに乗って海の上を走っています。デッキに出たところ、生ぬるいのを通り越して、汗ばんだ身体にさらにベトベトと衣服を貼り付けようとする海風に全身を弄られてしまいました。そそくさと冷房の効いた船内に避退し、これを書き始めたところです。
今夜は、先日、東京から福岡に転勤になった友人が遊びに来るということで、私と数人の仲間とこのあたりで一番大きな街に繰り出すところです。
さあ、今日を入れてあと3回でこのブログを愛して下さる皆様ともお別れですね。もうお気づきの方も多いのでしょうが、ここの執筆者はみな映画、出版業界等それぞれその道のプロばかりです。そんな中で、まったく畑違いの私がここでえらそうなことを書くのは、正直な話、いろいろな意味でかなり大変なことでした。最初は、真面目にいこうと思っていたのですが、やはり時間とともに地が出てしまい、頭と育ちの悪さは隠しようもなく、ついついくだらない話で、お茶を濁してしまいました。
コメントをいただいても、なかなかお答えできないし、調子に乗りすぎて皆様に不愉快な思いをさせたりと、本当にご迷惑をお掛けしました。
あと3回、真面目にご挨拶できる機会があるかどうかわかりませんので、本日この場でお礼とお詫びを申し上げます。また、映画が公開されましたならば、ぜひ2度3度と劇場に足を運んでいただき、出演する役者さんたちの演技に胸を熱くし、ここまで造り上げたP氏、監督はじめスタッフのの苦労と映画に対する情熱をご理解いただくとともに、全面協力させていただいた防衛庁、海・空自衛隊のこと、特にそこで働く隊員ひとりひとりの「思い」を少しでも感じていただければ幸いです。
また、公式大綱の誌面、産経新聞、サンケイWeb.上におきまして、文豪福井氏はじめ、P氏などに身に余るお言葉をいただき、感謝の言葉もありません。それ以上に戸惑っています。あんなに書いていただくような者では、ありませんよ。映画の撮影協力だって、トップがやれって言ったんだから、逆らうやつがいる訳ないじゃないですか。私は、部隊に電話かけて、後輩相手に「あーだ、こーだ。」と指図していただけですから。(たまには、手足も使いましたが・・・)テレ朝特番にも登場してしまい、これから街を歩くときには、サングラスが離せなくなってしまいました。見苦しいツラをお見せしまして、申し訳ありません。
あっ、もうすぐ入港だそうです。今日は、本当に内容がなくて申し訳ありません。あと2回、何か新鮮なネタを見つけてきますので、ご勘弁下さい。では、友人、同僚とわが国のこと、亡国のイージスのこと、熱く語り、大いに呑んだくれてまいります。皆様もよい休日をお過ごし下さい。

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[ おたまじゃくし ] / 2005年07月09日
またまた土曜日になりました。相変わらずの四十肩、今日もまた針に通ってしまいました。やはりくせになってしまったようです。針のあとは、温泉にゆっくり浸かって、心身ともにリフレッシュでした。そして、日が落ちたら、南の島の経済活動を活性化させるため、仲間とともに出撃することになっています。われわれのように訓練中の搭乗員は、晴れればフライトに汗を流しつつひたすら腕を磨き、雨降ればマニュアル、教範を友として知識を磨く、休日には、浴びるように酒を飲む!「飛行気乗りは、宵越しの金はもたねぇ!」という海軍航空隊の伝統を墨守しているのです。(現代社会では、こういうのを馬鹿の見本というようですが。)

一昨日は、七夕でした。年に一度の逢引きは、どうだったのでしょうか?私の知ったこっちゃありませんが、私は、夜間飛行訓練をさせてもらいました。七夕の夜の夜間飛行、すげぇ、ロマンチックな話に聞こえますが、とんでもないことになりました。
その夜の訓練項目は、計器による進入訓練が主だったため、通常の訓練で飛行する高度よりもかなり高い高度を飛行しました。
訓練中から右耳に違和感があったのですが、翌日は、痛みとともに膿が出てくる状況に陥ってしまいました。そうです、中耳炎というやつになってしまったのです。
釣りだけでなく、海中に潜ることも趣味とする私にとって、中耳炎は、毎年1回は経験する腐れ縁的なビョーキなんですが、何もこの時期に、しかも今シーズンは、まだ潜ってねぇぞ!といった心境です。
封切りまでには、訓練を終わって花の都に帰れるはずだったのに、なんてこったい!うまくいけば、ジャパ・プレにも潜り込もうと思っていたのに・・・ やはり普段からおこないの悪いやつは、報いを受けるものなんですね。みなさん、正直に生きましょう、正直に。(お前に言われたかねぇよ!そりゃそうだよな。)
それにしても、このブログのご招待企画は、すごい!驚きだぜ! ジャパ・プレ、その他の試写会へのご招待に比べたら、つまらないプレゼント企画、でも抽選や発送の手間は同じだよねぇ。M越ちゃん、忙しいのに悪いねぇ。よろしく頼むよ。

「公式大綱」、いいですねぇ!映画の解説本としてもいいんでしょうけど、これ単体でも読み物として面白いと思います。
「たかなみ」全面協力でした。艦長の高橋2佐、江田島・第1術科学校の中級課程で数ヶ月間ご一緒させていただきましたが、「絵に描いたような船乗り」というような印象をお受けいたしました。たしか、艦艇用兵課程に入校されていたと思いますが。ちなみに、私たち搭乗員は、航空用兵課程でした。中級課程というのは、1等海尉くらいでそれぞれの専門分野の教育を受けるため、1~4の術科学校に半年から1年間入校させられる、いわば幹部海上自衛官の義務教育、われわれは「中学校」と呼んでいます。

私たちが航空用兵課程に入校した際の「統率科長」のことを書きましょう。潜水艦のりでした。航空用兵、艦艇用兵その他すべての課程学生を集めて教育する共通課程の親分なんですが、最初の教務で、ものすごく厳しいことを言いました。なんと言ったかは、憶えていませんが。重要なのは、最後に言った言葉です。「俺の官舎の扉は、いつでもオープンだ。どんどん飲みに来い。」こういう話には、即座に行動を起こす搭乗員。学生長のK1尉(戦術航空士:能登沖不審船事件の際、威嚇のために爆弾を投下するP-3Cの僚機としてオトリになって飛行した機の機長)の指示により、急遽「出撃線表」を作成、毎週金、土、日曜の夜は、5~6名が編隊を組んで単身赴任中の統率科長宅に波状攻撃をかけました。毎週毎週学生から受ける波状攻撃は、50代のおっさんには、キツかったようです。ある月曜日、ついに出勤してきませんでした。統率科の教官が迎えに行き、事なきを得ましたが、教官たちから「お前たちは、科長を殺す気か!」と怒鳴られたものです。
しかし、科長もわれわれもその後、就業まで毎週末飲んだくれていました。岩国基地の米軍将校のご夫人が、英会話の講師として毎週火曜日あたりに来られるのですが、「週末は、何をしましたか?」と必ず聞くのです。もちろん英語で。われわれの答えは毎週同じ、「フィッシング・アンド・ドリンキング」  こいつら馬鹿じゃないの?と思われたことでしょう。
さて、われわれも無事中級課程を修業しました。毎週お世話になった統率科長には、航空用兵課程学生一同から、トイレの床に敷くマットと便座カバーなどをプレゼントしました。
統率科長は、「お前たちがくれたものをトイレになど敷けない。」と言って枕にしていたそうです。この人もいいおっさんでした。

「たかなみ」副長・秋元3佐、私の100倍は真面目な男です。「公式大綱」の取材を「たかなみ」でやることになって、一番喜んだのは、彼でした。福井晴敏の大ファンなんです。昼食には、献立を変更してわざわざカレーを用意してくれました。現在は、海幕運用課で勤務しています。
秋元、早く海へ戻りたいだろうけど、クサらず頑張れよ!

飛行長・古庄3佐、前海幕長とは、縁もゆかりもありません。以前、同じ時期に館山基地で勤務していましたが、よく一緒にサカナをいじめに行きました。若い隊員が、ルアー・フィッシングに凝っていた頃、「キャッチ・アンド・リリース」などとエラそうにほざいてる小僧がたくさんいましたが、私も古庄も「キャッチ・アンド・ストマック」でした。「海の生き物に喰えないものなし!」 彼も現在は、どこかの飛行隊に戻って大空を飛び回っているはずです。お~い、古庄、また洲崎でサカナいじめようぜ!

まだ「公式大綱」をお求めでない方、私は、角川書店には何の義理もありませんが、この本はいい!映画に行く前にぜったい買って下さい。買って損はないです!実は、「おたまじゃくし」が実名で1箇所出てくるんですよ。あ~ぁ、びっくりした。

南の島からのプレゼント企画、ほんとうにつまらないものばかりですが、このプロジェクトに参加させていただいたことへのお礼と、毎週私の拙い文章を読んで下さるみなさんへのささやかな官舎の気持ちです。どうぞ、M越ちゃんが悲鳴を上げるほど応募してやってください。
それでは、また。
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[ おたまじゃくし ] / 2005年07月02日
またまた土曜日ですねぇ。ペンギンさんの鼻血の話で、私も若い頃、鼻血を流した思い出を紹介したいと思います。「おたまじゃくし」というニックネームの由来とも言うべき体験です。

神々の島を卒業して、国内巡航、遠洋航海を終え、操縦士や戦術航空士といった搭乗員要員に選抜された者は、山口県下関市にある小月航空基地に集められます。
3ヶ月間の地上教育の後、単発の固定翼機を用いた教育を受けます。われわれの頃は、KM-2という機体でしたが、現在はT-5という機体が使用されています。
まず、離着陸訓練から始まり、スピンやループといったアクロバット飛行、基本的な計器飛行、一人で飛んでも編隊飛行など盛り沢山の訓練を受けました。
飛行中は、教官と学生の一対一の真剣勝負、学生はもちろん真剣に訓練に臨みますが、教官も自分の知識、技量をすべて学生に教える、叩き込むべく必死に教育します。文字通り叩き込みます!
飛行中は、フライトヘルメットをかぶっていますので、教官も学生のヘルメットばかり叩いていたのでは、手が痛くなります。ヘルメットから露出している顔面は、引っ張ったくには、絶好の目標となります。
誤解のないように言っておきますが、教官は、学生が憎くて叩くわけでは、ありません。近い将来、実戦部隊で様々な任務をこなさなければならない学生に、自分の持てる知識・技量をすべて学生に教えようとする熱意のあまりの愛の鞭なんです。
それに、飛行中に危険操作などしようものなら、それこそ地面に穴を掘るか海に水柱を立てることになるのですから、丁寧に「だめじゃないですか。ちゃんとやりましょうね。」なんて言ってる場合じゃないんですよ。「なにやっとるんじゃ!あほ!ぼけ!かす!チンパンジー!」などと怒鳴りながら、顔面に裏拳が飛んできます。このセリフ、私がある教官から、実際に投げかけられた暖かい言葉です。
顔面を殴られるということは、なかなか痛いことなんですが、当然、鼻血も流します。でも操縦桿から手を離すわけにもいかないので、着陸時には、鼻の下から口の周りにかけて、鼻血が固まってすごい顔になっています。毎回のフライトで、鼻血を流すというわけでは、ありませんが。
私と交替で、同じ教官とフライトする同期は、飛行機から降りてきた私の顔面を見て、自分の運命を悟ったように粛然として飛行機に乗り込んでいきます。
フライトが終わり、飛行後のブリーフィングを受けますが、これまた熱い教育の場です。正座、前支え(腕立て伏せの姿勢を続ける)は、当たり前。しかし、教育の場を離れると、それはそれは和やかに、学生と教官=先輩と後輩の関係です。ひとりの学生の失敗を笑い話にしたり、自分の経験を話してくれたり、殴り殴られるという一歩間違えれば、陰湿な雰囲気になる状況が、まったく感じられない、本当にすばらしい人間関係ができているんですね。
学生の担当教官を決めるのも、いろいろ考えて決めているんです。殴られたり怒鳴られたりが、苦手そうな学生には紳士的な教官を、私のような一言も二言も多く、殴られ強い学生は、それなりの教官に担当させる。
私のようにある程度経験をつんで、教官配置になった場合、自分が教えられた教官と同じ教育方法をとってしまうものなんですね。まあ、大学でも体育会でしたから、似たような生活でしたが・・・
そういうわけで、私も教育は、言葉よりも手足を多用して行いました。そこから「おたまじゃくし」というあだ名が付けられたということなんですよ。
海上自衛隊に入りたいと思っている皆さん、入隊適齢期のお子さんをお持ちのお母さん、ご安心下さい、殴り殴られは、過去の話です。今は、そんな教育をする教官は、ほとんどいません。が、たまにはいます。しかし、殴りながら教育してくれた教官たちとは、今もいい関係を続けています。ありがたい話ですよね。
では、私の教育方針をご紹介します。「常に厳しく、時には厳しく、たまに見せる厳しさ!」です。
「亡国のイージス」のスタッフ、この人たちの中にも厳しい方がいました。若いスタッフを怒鳴りつけたりしていました。撮影現場は、ピリピリした空気、でもいい緊張感なんですね。若い頃の教育現場を思い出し、このスタッフのつくる映画なら、間違いないだろう(何が?)と感じました。


おまたせしました。お約束のプレゼントの発表です。応募方法や抽選方法については、K林氏やM越氏に考えてもらうとして、無責任にプレゼント内容のみご紹介します。
すでに、K林氏の手元に届いていると思いますが、①海上自衛隊オリジナル携帯ストラップ、中には、限定商品の「搭乗員バージョン」もあります。
そして、来週早々K林氏に宅急便で送りますが、②全国的に人気が高まっている芋焼酎「海」及び「小鹿」の海上自衛隊鹿屋航空基地オリジナルパッケージ、鹿屋航空基地でしか手に入りません。
さらに大隈特産の和牛肉を使用した「海軍航空隊のカレー」(レトルトパック)、以上をご用意いたしました。数量も結構ありますので、応募方法の告知がありましたら、皆様、ふるってご応募下さい。では、また来週!
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[ おたまじゃくし ] / 2005年06月25日
私事で恐縮ですが、今日も働いていました。そして、まだまだ肩の痛みがとれず、どうにも我慢できないので、また針に行ってきました。根本的な痛みの原因を突き止めて、対処すれば直るとは、いわれますが、多分蓄積された疲労が出てきているものでしょうから、どうにもなりません。対症療法ですがしばらくは針に頼ることになりそうです。
しかし、暑い!梅雨は、どこへ行っちまったんだい?今年の夏も水不足になりそうですねぇ。ということで、水に絡んだ話題です。

最近では、どこの基地に行っても屋内プールが完備されており、1年中水泳を楽しめます。とはいえ、海上自衛官にとって水泳は楽しむものではなく、泳げて当たり前、というものなんですが。もちろん、水泳ができない、まったく泳げないという人も入隊当初はいます。ところが、最初の数ヶ月の教育期間のうちに、総員が泳げるようになるんですね。海上自衛隊の教育は。
入隊してすぐに「運動能力検定」と「水泳能力検定」というのがあります。これで、水泳能力が基準以下だったり、まったく泳げなかったりという人は、以後の水泳訓練では、赤い帽子をかぶり、一まとめにされて特別訓練をします。「赤帽」訓練といいます。
けっこうキツイ訓練ですから、大変なんですけど、みんな泳げるようになります。最低限の基準も満たしてしまいます。わずか数ヶ月で。この教育ってすごいと思いませんか?
さて、神々の島の幹部候補生、彼らにはさらに過酷な訓練が待っています。夏休暇直前の8海里遠泳とそれに備えた訓練です。8海里ってどのくらいの距離?1海里=約1.8kmですから・・・という距離です。これを平泳ぎで、海ですから潮流の早い場所は、クロールで泳ぐのです。
遠泳に備えた訓練は、4月~6月は、プールでひたすらコースを往復することから始まり、暑くなり、海で泳げるようになると、江田内と呼ばれる湾内で最初は1時間、そして2時間、という具合に次第に時間を延ばしていきます。最終的には、半日くらい泳いでいるのですが、本番の遠泳は、われわれの分隊は、約9時間かかりました。
朝0830(マルハチサンマル)に海に入り、泳ぎ終えて上陸したのが1730(ヒトナナサンマル)でした。もちろん教官たちが乗った機動艇や伝馬船が、分隊ごと隊列を組んで泳ぐわれわれの周囲に配置されていますので、緊急事態には、即座に対応できます。(逃げないように見張っていたのかも?)
ときどき教官が海に投げ入れるカンパンに、池の鯉のように群がって泳ぎながらかじります。もう1枚カンパンを頭の上にのせて、腹が減ったらまたかじる。昼食は、伝馬船の船べりにぶら下がって、握り飯やら沢庵を食べました。そして、決められたコースをひたすら泳ぐ、泳ぐ、泳ぐ・・・
入校当初「赤帽」だった者も、総員が完泳してしまうのですから、本人の努力もスゴイですけど、この教育システム、なんなんだ?
遠泳の後は、日焼けによる肩、背中の痛みに翌日から悩まされ、すぐに始まる休暇では、極端に短いヘアスタイルに、どこの国の人?というような黒い顔で故郷に帰らなければなりません。今となっては、いい思い出です。長い年月は、すべてを美しく変えてくれるものですね。
ところで、女性の候補生も男と同じ、みな8海里完泳していました。

もう一つ海水の話を。
護衛艦の風呂ですが、入港中は、もちろん桟橋から水道管をつないで真水を使用しますが、海水がきれいな海域、つまり陸岸からかなり離れた海域では、浴槽の湯は、海水を使用しています。シャワーなどの湯は、艦内の浄水装置で海水を真水にしたものですが、浴槽は、「海水風呂」です。
これ、結構気持ちいいものですよ。冬場は、カラダも暖まるし、いいもんですよ!
幹部候補生学校を卒業し、遠洋航海に行った際、米国内のある軍港に停泊中、隣に停泊していた米駆逐艦の水兵からロブスターを捕獲するかごを借りてきて仕掛けたところ、みごとに大きなロブスターを捕まえました。
これを、海水風呂で飼育使用ということになったのですが、数日間元気で浴槽内で暮らしたロブスターでしたが、ほとんどの実習幹部が上陸した隙に、当直員の胃袋に収まってしまいました。わずか数日の命とはいえ、護衛艦内の海水風呂の意外な活用法を確立させたこのロブスターの冥福を祈りたいです。
では、ますます暑くなりますが、みなさんも体調を崩さないよう気をつけてください。
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[ おたまじゃくし ] / 2005年06月18日
またまた1週間たってしまいました。今日は、仕事の都合で、こんな時間の書き込みになってしまいました。無責任な話ですが、平日は、PCを開いてブログのコメントを確認させていただく時間がありません。週末、書き込み前にまとめて確認させていただいています。たくさんの方から、お叱りをいただき、落ち込んで書き込めないのでは、と思われた方もいるかもしれませんが、心も体もそんなに弱くないもので、ふてぶてしく書き込みさせていただきます。(なんだ、その態度は!反省してるのか!:心の声)
まったくもって、デリカシーのカケラもない発言と、言葉足らずだった点については、本当に申し訳なく、あらためて不愉快な思いをさせてしまったすべての皆様にお詫びいたします。しかしながら、私が横っ面をひっぱたかれたときは、職場の同僚とその手の話を面白おかしくしている休憩時間、ひっぱたいたおばさんも、ひっぱたかれた私自身も大笑いしながら、周りの同僚も腹を抱えて大笑いという状況でした。そういうことなんですが、この話は、もう止め。いずれにせよ、余計な話は、しないのが一番ということですね。

さて、南の島の航空隊に「T」君という若手のパイロットがいます。若手ですが、操縦の腕は、なかなかのもの、礼儀正しく、人間的にもすばらしい男です。
彼、中学・高校時代には、JACに所属していたそうです。真田広之の後輩なんですね。真田氏もたいへん礼儀正しく、仕事は常に真剣勝負、という人物です。まぁ、酔い潰れた私の鼻の穴に地鶏の竜田揚げを突っ込んだ話は、この際忘れましょう。
この二人を見るにつけ、JACというところは、すばらしい教育、または躾をする組織だなぁ、と感じています。

やっぱり支離滅裂だなぁ・・・  えーと、海上自衛隊の航空機の任務は、主として洋(海)上を飛ぶことなんです。(そんなん、知っとるワイ!:○○○さんの声)でも、震度5以上の地震が発生すると、その地域を担当する航空群から、状況偵察のために航空機を飛ばすことになっているんですよ。だから、海の上だけしか飛べないというわけではなく、あらゆる任務に対応するための訓練を日夜続けているんですよ。それは、艦艇部隊も同じですが。

基地や母艦を遠く離れた洋上で、悪天候に遭遇したり(天候予察ができてない!:神の声)、エンジン、操縦系統、その他機体のトラブル、被攻撃(まだない!)等で、飛行を継続できない状態になった場合、洋上に不時着水(デッチング)しなければならなくなります。過去には、実際に航空機がデッチングし、多くの尊い搭乗員の命が失われています。
ということで、デッチングに備えた訓練もわれわれ搭乗員は、当然しなければならないのです。いやいや、緊急事態から生還するために進んで、訓練しなければならないのです。
南の島の航空基地には、海上自衛隊唯一の「着水脱出訓練装置(デッチング・トレーナー)」という大掛かりな装置があります。
ヘリのコクピット(模擬を模した装置)に搭乗員が乗り込み、プールの中に墜落、逆さまにひっくり返りながら、3~4メートル沈みます。われわれ搭乗員は、その状態から脱出する訳です。
なぜ、ひっくり返るのか?ヘリを模擬していますので、ヘリはエンジンやトランスミッションなど重量物が操縦席より上にあるため、洋上に着水して、ローターの推力が失われると、ひっくり返ってしまうのです。
今週月曜日の午前中、この訓練を受けました。朝一に胃検診のため、バリウムと発泡剤、検査後の下剤まで飲まされたあとでした・・・・ キツかった~!デッチングしても苦労して脱出しないで、一思いに楽になろう、などと一瞬考えてしまいました。(またまた、余計なこと!削除すればいいのですが、戒めのためこのまま残しておきましょう。)
この訓練、われわれ海自の搭乗員は、年1回の実施が義務付けられています。毎年やるんですよ!こんなことを!
精強の誉れ高き米海兵隊の搭乗員は、同様の訓練を4年に1回やるということです。オリンピックじゃねぇだろう!海上自衛隊って、こんなにすごい組織だったんですね。

ところで、「いそかぜ」から総員離艦した乗員たち、ただ一人、行を助けるため艦に戻るべく海に飛び込む仙石曹長。彼が手にする携帯用空気ボンベ、これ、実は、ヘリ搭乗員がフライト時に携帯する緊急呼吸装置なんです。これを持つようになって、だいぶ楽になりました。実際のデッチングでも生存率が上がると思います。無理やり映画にこじつけてすみません。

手前味噌ですが、海上自衛隊、本当にすごい組織です。そういえば、昨年、赤フンドシに5つ星を縫い付けたお隣さんが、我が家の玄関先に潜ったまま迷い込みましたが、あの時も、探知してから、「追尾止め」が下令されるまで、一瞬たりとも「失探」することなく、捕まえていました。この精強さは、普段からの弛まぬ努力の賜物なんですよ。
ということで、今日は、わが社のアピールでやめておきます。
では、また来週。
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[ おたまじゃくし ] / 2005年06月11日
本当に1週間、あっという間ですね。今朝、南の島は、強風と土砂降り、宿舎でおとなしくしています。給料日前ですし・・・ 本業のほうが、ケツに火が着いたどころか、全身火達磨状態で、ブログを覗く余裕もなかったのですが、すごい盛り上がりですねぇ!コメントの量も内容もすごい!ちょっと緊張しつつ、今日もくだらない話を書かなければなりません。
昨夜、P氏の懐刀ともいうべき、K氏からご連絡をいただき、「アンタレス」やら「仮面ライダー」の話をパンフレットに載せるとかいう、冗談みたいな話が進行していると聞き、ビビッてます。本音は、やめとけよ~!なんですよ。歴史的大作「亡国のイージス」のパンフレットの品位が著しく傷つくような気がするのですが・・・

さて、なんちゃって海上自衛官シリーズ、今週はお休みさせていただきます。知り合いらしき方々からのコメントに「駄洒落」とか「標語」の書き込みがありましたので、私が過去に作った「標語」をいくつか紹介させていただきます。「駄洒落」は100回のうち2~3回しか笑えないらしいので、やめときます。しかし、フライト中に駄洒落なんか言った憶えないんだけどなぁ・・・

どこの、どんな組織でも「標語」と言うものがあると思います。交通安全や火災予防などの「標語」もそうですよね。海上自衛隊も「標語」が好きです。ことあるごとに「○○安全」「○○推進」などの「標語」を隊員から募集したりしています。艦内や部隊のいたるところに印刷された「標語」「指導方針」などが貼られています。
真面目な「標語」ばかりなんですが、ユーモアを解し、ウィットに富んだ海上自衛官たちは、昔から、ことあるごとに茶化した「標語」作りに励んできました。古くは、こんなのがあります。「飛ぶな!飛ばすな!航空安全」 そりゃそうだ、飛ばなきゃ航空事故は、起こらない!

以前、艦艇に乗り組んでいた頃、「総員離艦」の標語を作って、副長に喰らわされました。「総員離艦!日ごろから決めておこうよ、持ち出す品と盗む品」 これ、ユーモアじゃない!ただの不真面目なヤツというところでしょうか?
ある飛行隊では、上司から「おい、お前だけだぞ!セクハラの標語、提出してないのは!」と言われ、慌てていくつか作って提出したら、やっぱり喰らわされました。「セクハラは、女の誇りよ!もっとして!」「セクハラをやってやられて明るい職場」 だって、ただ「セクハラの標語」と言われたら、誰だって「セクハラ推進」だと思うじゃないですか?ねえ?そのとき、ある年配の女性事務官に「いいよねぇ、セクハラ適用除外で。」と言ったら、横っ面をひっぱたかれて、「ごめんなさい!まだまだセクハラされたい年頃なのね。」でもう1発。前回コメントで「すき」と告って下さった方、すみません。ご発言を撤回されてけっこうです。その頃からです、「セクハラ推進委員」と呼ばれるようになったのは。

もちろん私とて、空を飛ぶときは真剣勝負、きわめて真面目にやってます。真面目にやっても真面目に見えないというキャラでずいぶん苦労しているのですが・・・ 嫌いなデスクワークについても「標語」を作って頑張っています。「最低の努力で、それなりの結果」、ドジを踏んだときには、「笑顔でごまかせ自分の失敗、厳しく追及仲間の失敗」、嫌いな上司に対しては、「逆らわず、笑顔のままで従わず。」これ、嫌いな上司に面と向かって言っちまったことがあって、そのときは、やっぱり喰らわされました。
会社でも、こんな「標語」を頭の中に入れて仕事をすれば、気楽になるんじゃないですかねぇ?

海上自衛隊用語についても、少しお話させてください。
航空機の型式の読み方、ご存知ですか? たとえば、P-3C、SH-60J、これの正しい読み方なんですが、「ピー・スリー・シー」、「エス・エイチ・ろくじゅう・ジェイ」なんです。なぜだか一桁の数字は英語読み、二桁以上は、日本語読みなんです。
「から」と「より」も使い分けています。時系列的なことは「から」なんです。「12:00から訓練を開始する。」=○ですが、「12:00より・・・」=×です。「これから・ただいまから」=○、「これより・ただいまより」=×なんです。「より」は、比較だけに使われます。「航空部隊より艦艇部隊のほうが・・」とか、「おたまじゃくしは、鬼塚よりハンサム」とか・・・

「以上、かかれ!」というのを気に入っていただいた方もいらっしゃいますが、これも便利ですよね。訓練の開始「かかれ!」、整列あるいは集合した隊員を解散させるとき「かかれ!」、食事を食べ始めるとき「かかれ!」?、なんにでも使えます。自分の子供に説教した後「かかれ!」とやってるお父さん、いっぱいいますよ。日曜日にテレビを観て寛ぐ奥さんに「夕食の支度、かかれ!」、この人は、ひっぱたかれて、自分で夕食の支度をしていたそうです。

「てーっ!」というのもあります。これは、「撃て(打て)!」が縮まったというか、変化したのですが、海上自衛隊では、武器を発射するとき「よーい、てーっ!」です。映画の中にも出てきます。運動会のスタートも「よーい、ドンッ!」ではなく「よーい、てーっ!」です。

護衛艦1隻のこと、「個艦」と言います。何隻かで訓練することを「隊訓練」とか「群訓練」とかいいますが、1隻だけでくんれんするのは「個艦訓練」、いったいなんの訓練をするやら?
数年前の観艦式、低空で写真撮影するヘリを見ていた一般乗艦客の若い女性、「あんなに低いところで何をしているのですか?」、答える私、「写真撮影ですよ。」、「なんの写真を撮っているのですか?」、「この艦、個艦の写真ですよ。」・・・怪訝な顔して立ち去ってしまいました。

えっ?何?今日のなんちゃって自衛官は、お前だ!ですか?そうですねぇ、そろそろ責任取らないといけないかも・・・




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[ おたまじゃくし ] / 2005年06月04日
昨夜は、今日の書き込みに備えて構想を練ろうと、温泉行きリフレッシュ、そこまではよかったのですが、結局大酒飲んでへろへろになりました。で、今日も行き当たりばったりで書き始めています。
最初にお詫びさせてください。たくさんの方からコメントをいただきながら、その全部にお答えできていません。申し訳ありません。四六時中PCを開ければいいのですが、なかなかそうもいかない環境なもので・・・ 本業のほうもちょっとケツに火が着いてきましたので、どうにもこうにも、というところです。皆さん、本当にすみません。M越君のすばらしい働きにとてもついていけません。

さて、以前私がご紹介した古庄前海幕長が真田氏に贈った短歌の話ですが、多くの方がこの短歌について、お知りになりたいようですね。でも、お教えできません。この件は、「亡国のイージス」の主演として、真摯に海上自衛官を演じてくれた真田氏に対し、海幕長という立場にあった古庄氏が感謝の気持ちとして自作の短歌を贈ったということです。これには、私も含め現場のスタッフ、隊員みな感激しました。その感激をお伝えしたくてご紹介したんですが、短歌、それ自体は、古庄、真田両氏の男同士の友情の証、とでもいうべきものなのです。ですから、私ごときが、これがその短歌です、みたいなこと言えないんですね。どうもすみません。何かの席で、真田氏自身が紹介するかもしれないですね。

この古庄氏もなかなかお茶目でして、ある土曜日、横須賀基地に停泊中の某艦で撮影中の現場に、P氏と一緒にお忍びで見学にやってきました。舷門を登る私服の海幕長。「なんで?なんで?あれ海幕長だよね?どして?なんで?」と当直士官。「見んかったことにせい!あれは、古庄幸一というただのオヤジや!」と言ったんですが、彼は大慌てで士官室に駆け込み、休日の自宅で家族と寛ぐ艦長に電話を入れました。艦長、直ちに帰艦し、欽ちゃん走りで舷門を登ってきました。海上自衛隊、艦から家に帰ることを「帰る」とは言わないんですね。艦に行くこと、これが「帰る」なんです。新婚の奥さんに「艦に帰る。」と言って、「あなたの家は、どこなんですか!」と言われた幹部、たくさんいますよ。しかし、一番おかしかったのは、舷門に立直していた若い乗員、私服の海幕長が「ご苦労様です。お世話になります。」というのに対し、「あ、おじさん、そこ段差あるから気を付けてね。転んで怪我でもされたら困るから。」これには、P氏も私も腹を抱えて大笑いでした。海幕長、「どうだ、俺の演技力も大したものだろう。」と言ったとか、言わなかったとか。あのねぇ、古庄さん、若い子たちは、海幕長の顔なんか知らねぇつうの!

お茶目といえば、真田広之。こいつもなかなかですよ。防衛庁海上幕僚監部御用達の地鶏料理屋さんで飲んだときの話。前夜、仕事がしがらんで一睡もしていなかった私は、座敷の壁に背をあずけてぐっすり眠ってしまいました。安らかに眠る私の鼻の穴に地鶏の竜田揚げを突っこもうとする真田広之。こんな写真が、私の手元にあります。その周りで楽しそうに笑うP氏、海幕広報室長、その他。おい、真田、先輩にむかってなんちゅうことするんじゃい!ええ加減にせい!私は、真田と同じ日本の大学の同窓です。しかも1年先輩。この地鶏料理屋の社長は、私の後輩、体育会の4年と1年いわば神様と奴隷の関係です。それは、どうでもいいことですが、どなたかが某大の学生の合コンとか、できちゃったなんとかと書いていましたが、そんな訳でして某大のことはよく知りません。合コンとか、できちゃったなんて話、どこの世界でも珍しくないですよね。某大の子たちも若いんだからいろいろあるでしょう。私なんか、この歳になっても合コンに誘われますよ。ね、S?A?T?C?さん?

さてさて、文豪・福井と飲んだ話。面白くもおかしくもない話なんですけど、何かの調整に文豪・福井が、(この呼び方、私が始めたんですけど、福井晴敏氏のファンとして、お付き合いさせていただいて感じたその人柄に惹かれて、こう呼んでますので、馬鹿にしてる、なんて思わないで下さい。)P氏その他と海幕を訪れたときの話です。すべて調整が終わり、夕刻のそろそろ一杯という時間になりました。そこで、厚生棟の中にある食堂で一杯飲みはじめました。P氏は所要があるとかで、先に帰りましたが、文豪・福井と私は大いに語り合いながら杯を重ねました。
夜景のきれいなところで飲みなおしましょう、ということになり、庁舎19階にある空幕広報室に行きました。空幕広報室では、いつでも酒を飲んでいると誤解されると困ります。この日は、空中自衛隊の幹部が防衛記者クラブの記者さんたちと懇親会をしていたのです。その後、数人の記者さんたちが、広報室で残りの酒を処分していたということですから。
みなさん、文豪・福井を大歓迎!文豪も楽しく過ごされたようです。しかし、文豪、酒強いですねぇ!で、宴も終わり、家が同じ方向だという某通信社の記者と一緒にハイヤーで正門を出て行く文豪・福井。まっすぐ家に帰ったのかどうかは、私の知ったことじゃありませんが・・・ まだ独身でしたよ、文豪・福井そのときは。

長くなりますが、今週のなんちゃって海上自衛官。えっ?もういい?来週にしろ!ってですか?
そうですねぇ、ネタはとっておいたほうがいいかもしれないですねぇ。でも、書き始めたんで、書いてしまいます。
神々の島での刑期を終えた(幹部候補生学校を卒業した)候補生たちは、3等海尉に任官し、護衛艦に乗って海に出て行きます。日本国内を回りながら訓練を重ね、約5ケ月間の遠洋航海に旅立ちます。
候補生の間も、護衛艦実習といって、何度か航海に出ます。実習員が当直士官、副直士官として実際に護衛艦を操艦するのですが、内海など島の多い海域では、たびたび変針しますので、かなり大変なんですよ。今日登場する彼は、実習員として当直士官勤務中でした。彼の号令で艦は進んでいくのです。あろうことか、この当直士官、変針点を確認してなかった!変針することすら頭にない。この護衛艦のホンモノの航海長、「おい!変針点だろ?どうしたんだ?おい!変針せんかっ!」と怒鳴りました。そんなこと言ったってアンタ、確認忘れたんだからしょうがないでしょう。彼、大物でした。「変身!」と叫ぶなり、仮面ライダーに変身しました。そう、藤岡なんとかさんのように、仮面ライダーの変身のポーズを護衛艦の艦橋でキメたのです!一瞬時が止まりました。うそのような静寂。真っ先に正気を取り戻したのは、航海長でした。自分で変針の号令をかけるなり、仮面ライダーの首根っこをわしづかみ、艦橋ウィングに引っ張り出し、海に叩き込もうとしてました。周りの乗員が止めたからよかったですが、あれは、本気だったな。
相良町のオープンセットの艦橋、マストで格闘する仙石とヨンファ。このシーンの撮影を見ていたとき、私の頭の中に当時の情景が彷彿とよみがえりました。

では、みなさん、楽しい週末をお過ごし下さい。
ところで、誤解なきよう、アンタレス=パンティ=仮面ライダー=おたまじゃくし、ではありません。絶対に違います。すべて別人ですから。
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[ おたまじゃくし ] / 2005年05月28日
広島県江田島市、ここに海上自衛隊第1術科学校という艦艇乗組員の教育をする施設があります。そして、同じ敷地には、幹部候補生学校があり幹部海上自衛官は、みなここを巣立って部隊で活躍しているわけです。
幹部候補生学校は、旧海軍兵学校、明治時代に建てられた赤レンガの生徒館や教育参考館、大講堂などが現存している、旧海軍、海上自衛隊の精神的基盤の地なんです。私も1年間、そこで暮らしました。当時の教官たちは、今の私を見るにつけ、教育の無力ということを感じていると思いますが・・・

昨年8月、P氏、真田広之、吉田栄作など数名を案内し、1日ここでの生活を体験してもらいました。
早朝6時、学生舎に響き渡る総員起こしのラッパのラストサウンドとともにいっせいに飛び起きた候補生たちは、わずか1分半ほどの間に、作業服に着替え、ベッドメイキングをしたうえで、グラウンドに整列します。
そして、号令調整、朝早くからひたすら大声で号令をかけます。近所迷惑というなかれ、神々の島・江田島には、早朝の号令調整をうるさいなどと感じる住民は住んでいません。みなさん、旧海軍兵学校時代から、国に殉ずる若者たちを暖かく見守ってくれていたのです。
ひとしきり怒鳴り散らした後は、海上自衛隊第1体操で身体をほぐします。通常ですと体操の後、甲板掃除となります。海上自衛隊は、陸上で掃除をすることも甲板掃除、宿舎を居住区、デッキと呼び、外出することを上陸という、すべてが艦艇を基本とした生活なんです。
で、たまに総員起こし後すぐに「総短艇」という江田島名物が行われることがあります。このときも、研修参加の皆さんのために、事前に教育部長や学生隊長におねがいして、一発、ぶちかましてもらいました。
各分隊ごとに担当のカッターが吊るされているダビッドまで走って行き、カッターを海上に降ろし、沖のブイを一周して帰ってくる競技なんです。起きたとたんこんなことやって、カラダにいいわけない!カラダのためにやるんじゃないんです。精神力を鍛錬するためにやるんです!まっ、真田氏も吉田氏も驚いたというより、目が点、でしたね。
そして、朝食、午前8時の国旗掲揚、課業整列と続きます。部屋に帰ると、赤鬼・青鬼と呼ばれる二人の幹事付という指導官が、ベッドメイキングの悪いベッドをひっくり返しているし、ロッカーを閉め忘れた者は、ロッカーの中身が部屋中に散らかっていたり・・・ ただでも時間がないのに、ますます時間がなくなっちまう・・・ これが、神々の島の朝の風景でした。

さて、天測というのをご存知でしょうか。太陽や星を観測してその角度を計算し、自分の位置を測定する方法です。天測に使える星は、いくつか決まっており、その星を知ることから天測の授業は始まります。天測の教官、いまでは、とってもエライ人なんですが、「みょうこう」の撮影の時、P氏などもたいへんお世話になった方です。
われわれには、星にまつわるギリシャ神話を話してくれました。この人、顔に似合わず、彼女を口説くのに、夜空の星を指差して、神話を解説したそうです。
海上自衛隊では、巡検という夜回りみたいなものがあるんですが、この教官に「アンタレスはどれだ?」と聞かれ、教官を指指し「あんたれす!」と答え、目の玉が飛び出るほど殴られたヤツがいました。私じゃないですよ!この教官、中島みゆきの歌が好きなんですよ。あのNHKの番組の主題歌だったやつ。題名忘れましたが。

私の同期にもおかしなヤツは、たくさんいます。ヘリの搭乗員は、フライトの際、必ずヘルメットをかぶりますが、汗止めのインナーキャップをかぶってから、ヘルメットをかぶるのですが、彼のインナーキャップは、レースがひらひらした女性用のパンティでした。たぶん奥さんの何でしょうけど・・・(ごめんな、勝手に登場させて・・・)
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