鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

ブラッドレス・メアリー◇機動戦士ガンダム外伝◇第三話

2020-08-23 19:47:33 | 機動戦士ガンダム外伝

ブラッドレス・メアリー
~冷鉄のメアリー~
機動戦士ガンダム外伝

第三話


ガタガタと揺れる中、主砲弾装填を終わらせたニコールが問い掛けた。

[マーチン(曹長)。絨毯(じゅうたん)爆撃の残った弾薬の信管は抜かなくて良いのか?]

[ああ。そうだな。抜いてくれ。]
 
[了解。]
[バーンズ。手の空いている者たちと抜いてくれ。]


[ニュータイプ対応モビールスーツ・アストライア=ガンダムアストライア試作実験機]

[ジョルジョ兄さん。稼働テスト中にジオンに遭遇するとわ思っていなかったけど、メガ粒子カノンの射撃テストデータが思わぬ形で、収集出来たのは良かったとポジティブに捉えるか!?]

[ナナイ研究補佐。兄はよせ。仮にも民間とは言え、実験中だ。]
[ナナイ研究補佐にはニュータイプとしての素質が感じられるが、ナナイ研究補佐。稼働テストは終了する。]
[傷は与えたけど、逃してしまったからな。]


[将来、あの方が搭乗する機体を失う訳には行かないわね。]
[だってこの機体はアストライア様だもの。]
そう心に思い、ナナイは兄ジョルジョの指示に従った。

ナナイ・ミゲル(ニュータイプ・パイロット研究生補佐。)

※現在、兄ジョルジョ・ミゲルと共にジオン独立同盟の活動員として活動している事を隠し、アナハイム社でモビールスーツ開発・稼働テストのテストパイロット(補佐)として、協力している少女。


数年後、フラナガン機関の研究を引継いだサイド3仮施設にて研究員として携わり、ナナイ自身も過去にニュータイプ訓練を受けている事から、宇宙世紀0084年以降は連邦軍のニュータイプ施設の優良研修生となった。
その後、ネオ・ジオンの戦術士官大尉で、ニュータイプ研究所の長も務める。
シャアと個人的にも親しく、思いを寄せている。
軍事では参謀として、私的な場では恋人として、彼を公私にわたってサポートする。
軍人としては部下に厳格な面を見せる。
シャアが連れてきたクェス・パラヤをシャアから任され彼女を強化するが、彼女に対して多少の嫉妬も抱いており、何かとクェスをかまうシャアに苛立ちを見せることもあった。
本人はパイロットとして戦場には出ないものの、彼女自身もニュータイプらしき素質があるところが垣間見える。
戦場でサザビーを駆るシャアの行動や感情を強く感知し、把握していた。
戦局の終盤では、シャアが死に急ごうとしているように感じたのか、不安の入り混じった思念を送るが、アムロとの決着に没入するシャアに「男同士の間に入るな」と一蹴されてしまう。そして、地球に落下するアクシズを包むサイコフレームの光の渦の中にあるシャアが大気圏の摩擦熱で消滅したと思われた瞬間、シャアの命が尽きたと感じたのか号泣する。



[マーチン(曹長)。信管は全て外した。]

[うむ。]

[みんな。ありがと。] 
[全員。落下傘、着用して脱出しろ。]

[……ん!?曹長。今、脱出って言った?]

[言ったよ。]
[もう。キラービーは持たねぇ。]
[制空権離脱まで、あと12Km以上、機体を軽くしたとは言え、超えれそうにない。]
[だから、みんなは此処で降下(おり)ろ。]

[みんなはってマーチン(曹長)は?]

[俺か?俺は隊長に[罠だ。]と伝えに戻る。]

[心配すんなって。俺、こう見えてレンジャー上がりだせ。]
[柔な連邦兵に殺られねぇよ。]
マーチンは左胸に付けたレンジャーバッチを見せた。

[解った。]
[ご武運を!]

[よし。みんな降下せよ!]

こうして、曹長マーチン・アスト一人を残し、キラービーの搭乗員は脱出した。
マーチンは操舵席に座ると、キラービーを回頭させた。

[おっと。間に合ったようだ。]
[間に合わなかったら、言い訳出来ねぇからな。]
[やはり、実験機。自力でベースには戻れない。]
[運搬用トレーラーに載せての移動。それが命取りなのさ。]
マーチンはキラービーの速度をあげた。
キラービーの揺れが激しさを増す。

[わり~な。こっちは主砲に装填済み!]
[喰らいやがれッ!!] 

不安定な飛行の中、主砲をぶっぱなしたキラービーは、更に金属片を撒き散らした。
不安定な飛行に加え、射撃レーダーの不具合で最後に撃ち放った主砲弾はアストライアに当たる事はなかった。

[チッ。外したか。]
[だけど、冥土の土産は持ってゆけ!]

[ウオオオオオーーーッ!!]
マーチンはキラービー体当たりさせる為、操縦悍を目一杯、押し倒した。


ジャブローの密林の上空に一条の閃光が静かに輝いていた__。


[……ん!?]
[あれは……]
ジャブローの上空に散らばる金属片の中に、ランスを手に持つ蜜蜂が描かれた破片を目にしたメアリーは、暫く言葉を失った__。


第四話(最終話)へ
つづく。


使用している画像はイメージです。

この物語りは架空です。機動戦士ガンダムの二次創作です。
物語りに登場する人物、団体、兵器類などは架空です。
実在の人物、団体、兵器類とは関係ありません。