鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

◇新・宇宙戦艦ヤマト◇宇宙戦艦ヤマト二次創作第二十一話

2020-08-19 15:52:02 | 宇宙戦艦ヤマト外伝


◇新・宇宙戦艦ヤマト◇
宇宙戦艦ヤマト二次創作

第二十一話


濃硫酸の海と知らず、潜航するヤマトに異変が現れはじめていた。
だがクルーたちは、それは単なる海流の影響だと思っていた。
時折、大きく揺れる事もあるが、それは直ぐに収まりをみせていた。
だが、いくら応急ではあるもののダメージコントロールを施しても、隔壁を閉鎖しなければ漏水が止められない事に、漸く異変に気がついたのだった。

[此方、保安隊!ダメージコントロールが追い付かない!]
[損傷箇所が熱か何かに少しずつだが、融かされている!]
[漏水を防ぐには隔壁を閉鎖するしかない!]

[うむ。了解した。]


[総統!ヤマトは海に潜ったままです!]
[深く潜っているようで、ミサイルでは効果がありません!]

[濃硫酸の海に、そう長くは潜って居られまい。]
[根気よくミサイルを射て……いや、待て!爆雷に切り替え、ヤマトを沈めよ!]
[濃硫酸に融かされるか、爆雷の餌食になるかどちらが早いか見物するとしよう。]
 
[フッハッハッハッハッハッ!]と高笑いした時であった[ヤマト艦載機隊及びバラノドンの群れが本土内に突入した!]との報告が飛び込んだ。

[そっ!総統!!]
あわてふためくヒス副総統。

[何だね?騒がしいぞ。ヒス君。]

[ヤマト艦載機隊及びバラノドンの群れが本土内に突入したと!]

[だから何だね?放っておけ。]
[帰る場所を失った艦載機など、エネルギーが尽きれば墜ちるだけだろ!?違うかね?]

[確かに仰る通りでございますが、バラノドンはどう致しますか?]

[しつこいよ。ヒス君。]
[ヤマト艦載機を餌だと追っているのだろ。]

[そんな事より、祝杯だ。]





[艦長!ガミラスの海の成分が解りました!]
[それと、加藤隊長からの報告で、解ったことですがバラノドンを数体、倒したが直ぐに復元したとの事です!]
慌てた様子で第一艦橋に飛び込んできた真田の口から、驚きを隠せない言葉を耳にした。

[艦長!ガミラスの海の成分は濃硫酸です!]
[このままでは、ヤマトは海に、いや、濃硫酸に融かされてしまいます!]
[一刻も早く、この海から離脱する事を具申します!]

[……濃硫酸だと!?]



[艦長!ガミラス内にteamブラックタイガーとバラノドンの群れが、交戦しながら侵入して来ます!]

真田の報告を兼ねた具申に追い討ちを掛けるように、森雪の報告が飛び込んだ。
そんな中、艦長沖田は苦渋の選択を下した。

[やむを得ない……。]
[我々には未知な宇宙生命体ではあるが、虐待と非難されるだろうが、バラノドンには犠牲に成って貰う。]
[島。浮上準備!]
[古代。砲雷擊戦よーーい!]

[了解!]

[ヤマト。浮上!]
[使用可能な全砲門開け!目標、バラノドンの群れ!]
[撃ち方、はじめッ!!]

ヤマトの砲撃にいきり立つバラノドンの群れ。
teamブラックタイガーには目もくれず、一心不乱にヤマトに、喰らいつく。
嵐の雨のように降り注ぐ爆雷攻撃とヤマトからの砲撃で、粉微塵に吹き飛ぶバラノドンの群れ。
だが、塵と化したバラノドンは再び、塵どうしが繋がり、元の個体へと戻って行った。

[……バラノドンが、バラノドンが復元されて行きます!]
[いや、待って下さい!]
[バラノドンが巨大化して行きます!]
[合体して巨大化に!!]
雪をサポートする太田が叫ぶように告げた。

[相原!teamブラックタイガーに急いでガミラス星から離脱しろと伝えよ!]

[了解!]

[古代!波動砲発射だ!]
[目標!巨大化したバラノドン!!]

[艦長!波動砲を発射したらガミラス星にも……。]

[古代!命令が聞こえんのかッ!!]


[はっ、ハイ!]
[波動砲、発射準備!目標、巨大バラノドン!!]

[島!艦首回頭180度!]

[波動砲、発射ーーーーーーッ!!]



ヤマトが発射した波動砲によって、巨大化した宇宙生命体バラノドンは融解し、突き抜けた余剰エネルギーは外核に連なるミサイル発射基群を直撃、崩壊させた。
波動砲の威力は、それに留まる事なく衝撃波が中央都市を凪ぎ払った__。



戦いは終わった__。
静けさが漂うガミラス星内部。
ガミラスの都市も、兵器群も、すべてのものを一瞬にして呑み込んでしまった波動砲。

[……これが、これが戦争………。]
[私たちは自分たちが生き残る為なら、例え敵でもガミラス人を星ごと壊してしまった……]
[もう。私には神様が見えない……。]



[……雪。もう後戻りは出来ない。]
[これは運命なんだよ。]
[俺たちには変える事の出来ない……運命なんだ。]
[未来は変えられても、運命は変えられない。]
[……行こう。イスカンダルへ。]
[イスカンダルへ行けば、救いの手を差し伸べてくれたスターシャなら、あるいは知っているかも知れない。]

[……古代…君……。]


第二十二話へ
つづく。


この物語りは宇宙戦艦ヤマトをベースに、私的解釈や設定等を混ぜた二次創作の宇宙戦艦ヤマトです。
使用している画像はイメージです。