◇新・宇宙戦艦ヤマト◇
宇宙戦艦ヤマト二次創作
第十九話
[ワープアウト!]
[……なっ!何だ!?あの惑星(ほし)は、表面が穴だらけだぞ。]
島は目を丸くし、口を開いた。
[あれがガミラスの母星。]
[……何だって?]
[サーシャさん。今、何て?]
淡々と答えたわたくしに、耳を疑うかのように古代が訪ねて来た。
第一艦橋の他のクルーたちも、同様であった。
[あれがガミラスの母星よ。]
周りのクルーたちの驚きとは違って古代は自席から立ち上がると、勢いよくわたくしに詰め寄り、こう言い放った。
[サーシャ……あんた、藪機関士の言い通り、騙していたのか?]
古代の顔は鬼の形相のように、怒りに満ち溢れていた。
今にも、わたくしの胸ぐらを掴み、殴りかかるくらいの勢いが感じられた。
[古代!落ち着け。]
沖田の強めの言葉が飛んだ。
[……しかし、沖田艦長。]
[古代。]
・・・・・
[古代さん。よく見て。]
[あの穴だらけのガミラス星の奥にもう一つ頭が見え隠れしているものが、見えるでしょ!?]
[ガミラスの隣が、イスカンダル星よ。]
[ガミラスとイスカンダルは二連星なのよ。]
[……二連星?]
古代は疑問を投げ掛けた。
そこに真田が割ってはいった。
[二連星か。互いの星が引き合い、自転しながら太陽の周りを回る星の事だ。]
古代は落ち着きを取り戻したようだった。
[……二連星。]
[でも、何で、あれだけの科学力と軍事力を持つガミラスは、貴女方のイスカンダルに手を出さなかったのです?]
[……ガミラスより科学力も軍事力もイスカンダルの方が優れていると言う事ですか?]
そう古代が問いかけた時であった、浮遊する幾つもの隕石が、うようよと動き出したのだ。
[……ん!?]
[周りに浮遊する隕石が、動き出したぞ。]
顔を青く染めた太田が報告した。
[……隕石が!]
[ハッ!]としたわたくしには思い当たるものが、あった。
[あれは隕石何かじゃない!]
[あれはバラノドンよ!]
[バラノドン?]
[そう。バラノドン。正式な名前は未だに解っていない宇宙の生物。]
[恒星から恒星間を群れで回遊する生物よ。]
[普段は大人しい生物。でも群れで襲う事も希にあるわ。]
[刺激しなければ襲う事はしないわ。]
[ガミラス星方向より、戦闘機多数!]
[くっ!]
[teamブラックタイガーはスクランブルだ!]
[全艦戦闘配置!]
わたくしの説明に被せるように雪の報告。
その報告に艦長が、指示を出す前に古代は命令を下した。
[古代。ブラックタイガー隊、発艦後、ガミラス星に突入する!]
[ガミラス星本土を叩く!]
[島。ガミラス星へ進路を取れ!]
[了解!]
◆
[デスラーーッ!!デスラーーッ!!デスラーーッ!!]
[ガミラス精鋭の諸君!]
[どうやら獲物が罠に掛かったようだ。]
[全力で狩りを始めようではないか!]
[おおーーーッ!!!]
第二十話へ
つづく。
この物語りは宇宙戦艦ヤマトをベースに、私的解釈や設定等を混ぜた二次創作の宇宙戦艦ヤマトです。
使用している画像はイメージです。
つづく。
この物語りは宇宙戦艦ヤマトをベースに、私的解釈や設定等を混ぜた二次創作の宇宙戦艦ヤマトです。
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