鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

アマゾーヌ-朧世のワルツ-第七話

2022-01-02 13:25:00 | オリジナル作品

幸いな事に、その日の晩は魔霊体の強襲はなかった。
翌朝を迎え、姉のボルチャナはバーニャの隠れ部屋へ足を運んだ。

「伯母様。お加減は?
「お粥をお持ちしました。」

「ボルチャナか。済まないな。」
「熱は相変わらずだ。下痢は今のところ落ち着いている。」
バーニャは上半身を起き上がらせ、ボルチャナが作って来たお粥を軽く二、三回、息を吹き掛け冷ましなかまら、口に運んだ。
空っぽに近い胃袋に染みわってゆく。

「茶粥か。」
「これは体力回復には、もってこいだな。」バーニャに笑みが溢れた。

「確か、ヒビキ様がお立ち寄りにる東京が在る国から伝わったものとか。」

「そうだな。米を食する文化は、この街には無かったからな。」
「先人たちが見よう見まねで土から造りから始まり、肥料等までを一から造り、今にあるんだ。」

「伯母様。薬味のツケノザワナ=野沢菜漬け、振り掛けますか?」
※みじん切りにした野沢菜漬け。

「おおっ。これは旨い。」
「食が進むな。」


 茶粥(ちゃがゆ)米をほうじ茶または緑茶(粉茶)で炊いたもの。もとは奈良の僧坊で食べられていたものが民衆に広がり定着した。 茶は木綿などで作った茶袋に入れ、湯を沸かした鍋でさきに抽出し、そこに米を入れて炊き上げる。家庭では二度手間になるので先に粥を炊きはじめ、ひととおり湯が沸き米が踊りだす早めのタイミングで投入し一緒に炊いてしまう(渋みが立つので途中で引き上げる)。 茶袋を入れたり引き上げるタイミングや、茶の量・種類などにより甘みや渋みが変わり、各家庭の味となる。塩を入れると甘みが増すが、血圧を気にする家庭では入れないことも多い。文化としては「大和の茶粥」として奈良が発祥とみられるが西日本各地で見られる。とくに和歌山県内では常食となっている他、大阪府南部・奈良県・京都府の一部地域では郷土食として食べられている。北前船の影響か山口、能登、青森、仙台でも見られるとされる。 畿内では名物として朝食として提供する旅館もある。東大寺の「お水取り」は1200年間続く行事であるが、行のあとの夜食に「ごぼ」という茶粥が出され、大和では1200年間、茶粥が食べら続けてきた可能性を示唆している。江戸時代の「名飯部類」には利休飯なるものが登場し、茶を煮出してこれを炊水として普通に米を炊き、その飯に出し汁をかけて海苔や茗荷を添えて提供するというものがある。 


◇◆◇◆◇◆


【パイドラの幻影】

「手こずっているみたいだね!?」
「世界初の大統領……いや、皇帝にまでしてやったのになぁ。」
「お前たちが甘やかすから駄目なんじゃないのか?」
三体の魔霊体を呼び出したパイドラ。





「……申し訳ございません。」

「これだけ時間を与えて、まだ六割強しか進んでおらぬではないか。」
「お前たちを復活させた意味が無いに等しい。」
「再び封印され、生き地獄の日々を送るか?」



「……そ、それだけは何卒、御勘弁下さいませ。」
「……イレギュラーが発生しまして。」

「イレギュラー?」
「何事にもイレギュラーは付きもの。」
「言い訳は要らん。」

「…………。」
「大統領の尻(ケツ)を蹴りあげ、事を急がせます!」
「あと一週間。一週間の猶予を。」

「ふん。」
「その言葉に嘘は無いだろうな!?」
「我が主は儂ほど寛大ではないからな。」
「儂の首が飛べば、解るな。」



「御意!!」



【パイドラ】


パイドラ クレータ島の王ミーノースとパーシパエーの娘として生まれた。
カトレウス、デウカリオーン(英語版)、グラウコス、アンドロゲオース、アカレー、クセノディケー、アリアドネー、の兄妹。 アテーナイ王テーセウスの妻。
テーセウスとの結婚の祝宴の席に嫉妬したアンティオペー(かつてテーセウスと結婚していたアマゾーンの女王)が、他の"アマゾーン"たちを引き連れて乱入し命を狙われるが、テーセウスに助けられ、アンティオペーは殺されてしまうが、テーセウスとの間に二子アカマースとデーモポーンとを生んだ後、テーセウスとアンティオペーの息子ヒッポリュトスへの恋をアプロディーテーに吹き込まれ、義理の息子を愛してしまう。しかし、その恋は実らず、恋文は焼き捨てられ、ヒッポリュトスに罵倒される。
彼がテーセウスに訴えることを恐れ、自分の寝室の扉を破り、衣を引き裂き、ヒッポリュトスが暴行を働いたと偽りの訴えをした。
これを信じたテーセウスは、ポセイドーンに祈り、ヒッポリュトスは戦車に引きずられて死んだ。しかしその後、自分の恋情が露見したため、自殺した。

アンティオペーは、アマゾーンの女王である。アレースとオトレーレーの娘で、ヒッポリュテーと姉妹。アテーナイ王テーセウスとの間にヒッポリュトスを生んだ。 アンティオペーはヘーラクレースがヒッポリュテーの帯を得るためにアマゾーンの国を訪れたとき、同行していたテーセウスにさらわれた。アマゾーンたちはアテーナイに遠征し、アンティオペーを助けようとしたがテーセウスに敗れた。アンティオペーはテーセウスの妻となり、ヒッポリュトスを生んだが、後にテーセウスはクレータ島の王ミーノースの娘パイドラーと結婚した。このためアンティオペーはアマゾーンを率いて結婚式を襲ったが、結婚式の出席者たちは扉を閉めてアンティオペーたちを殺したとも、テーセウスに殺されたとも、あるいはヘーラクレースに殺されたとも、またあるいはモルパディアーに殺されたともいう。 プルタルコスによればピロコロスなどの人々は、アンティオペーはヘーラクレースに同行した報酬としてテーセウスに与えられたが、アンティオペーはテーセウスに恋をして自らヘーラクレースに降伏したともいわれる。しかし、レーロスのペレキューデースやヘッラニコス、ヘーロドトスなどは、テーセウスはヘーラクレースの後にアマゾーンに遠征し、アンティオペーを捕虜にした。ビオンによれば、テーセウスは贈物を持って来たアンティオペーを騙して船に乗らせ、出航したという。メネクラテスによるとテーセウスとアンティオペーはビーテューニアのニカイアに一時滞在した。このときテーセウスの部下のソロエイスはアンティオペーに恋をしたが、そのことをソロエイスの友人がアンティオペーに伝えると、アンティオペーはこれを拒絶した。アンティオペーはそのことをテーセウスに告げなかったが、ソロエイスは絶望して河に身を投げた。プルタルコスによれば、アンティオペーをさらわれたアマゾーンはアテーナイ市内に攻め込んだため、テーセウスは神託に従い、ポボスに犠牲を捧げてアマゾーンと戦った。アンティオペーは密かに傷ついたアマゾーンたちをカルキスに運んで世話し、死んだ者たちをアマゾネイオンに葬った。



「クックックッ。」
「それでよい。」

第八話へ
つづく。


この物語りはオリジナル作品です。
登場する人物、企業等は全て架空です。
実在する人物、企業等は関係ありません。
使用している挿し絵的画像はイメージです。