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鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

猟犬たちの仮面舞踏会◇宇宙戦艦ヤマト2199ストリート◇後編

2021-07-18 18:53:00 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝
「……ん!?」
「……これは……キャプテン。」
UX-01ソナー士は右耳のヘッドホンを右手で押さえながら、静かにフラーケンを呼んだ。

「どうした?」

「これを。」左耳のヘッドホンをフラーケンに渡し、言葉を添えた。

「この亜空間内に自分たち以外に潜むものが在ります。」
「高速スクリュー音。亜空間魚雷です。」
「音からして、おそらく二本(ふたほん)。」

「うむ。」
「ハイニ。無音急速潜航。」
「亜空間深度600へ。」目を細め、蓄える口髭を左右になぞりながら、これも静かに命じられた。

「アイサー。」
「操舵士。ダウントリム20°無音急速潜航。」
「亜空間深度600。」

「ダウントリム20°無音急速潜航、アイサー。」
「亜空間深度600へ。」

ガトランティス次元潜航艦アスタロトが亜空間魚雷を撃ち放って一分が過ぎた。
距離にして2.000亜空間メートル手前で、このスクリュー音をキャッシュしたソナー士の耳。
現在、UX-01でいや、ガミラスでソナー士の聴力を超える者は居ない。
だが、そんな誇りに思うソナー士に匹敵する聴力の持ち主が、ガトランティス次元潜航艦アスタロトにも存在した。

「レイピア様!」
「ガミラス艦は、どうやら此方に気がついたようです!」
「無音のつもりでしょうが、微かに機関音をキャッチ、潜航して行きます!」

「……ほう。」
「貴様と似た耳を持つ者がガミラスにも居たとな。」
「副長。亜空間ピンガーを一度だけ打て。」

「……ピンガーでありましか?」
「此方の所在を教えてしまいますが。」

「構わん。我々の存在を見抜いた相手だ。」
「次の一手の探りを入れる。」

「アイサー。」

広大な亜空間内に反響音が環を描くように拡がってゆく。
小さな反響音とそれより大きな反響音が帰ってくる。
小さな反響音は二つ。
先ほど撃ち放った二本の亜空間魚雷だ。
もう一つの大きな反響音はUX-01の反響音だ。


【白色彗星帝国ガトランティス・バルゼー第七機動艦隊-第十テレザート星捜索戦隊戦隊長(次元潜航艦アスタロト艦長)アイ・レイピア】

肌の色はガトランティス人特有の薄めの黄緑色だ。
年齢は地球人に換算して22歳。
銀髪のショートヘアで紫色の瞳が特徴。
ゴラン・ダガーム同様に大帝ズォーダーから指揮官としての証である剣を授かっている。
ダガームとは異なり、細身の剣、レイピアタイプだ。
右手にはガントレットを装着し、黒を基調とした喪服をアレンジしたジャケットタイプの上着とショートパンツを着用している。
これはガトランティス軍所属の規定に反するものだが、時期大帝を即位するミルがまだ幼い頃、ズォーダーの政策に異義を唱えた反逆者によって暗殺仕掛けられた時に衛兵長だった先代のアイ・レイピアがミルを庇い命を落とし、現在のアイ・レイピアは喪に服した際に着用していた喪服である為、大帝は士気が下がらないのであるならばと、特別に許可を出すと同時にガトランティスの剣=レイピアを貸与された。
それ以来、アイ・レイピアは、この喪服を着用している。
貸与されたレイピアは対であるとも。
身長は割りと高いようで178センチ程有り、おまけに踵高10センチ以上のブーツを履く。
そして、もう一つ大帝から極秘に授かったものを秘めているとも。
これについてはサーベラーをはじめ高級士官たちも、触れては成らないと戒厳令が敷かれている。ただ一人を除いて。

「レイピア様!」
「ピンガーの反響音からして、奴らガミラスは亜空間魚雷の圧壊深度600以上を目指しているかと!」

「うむ。」
ガミラスの次元潜航艦も深度600以上、潜れる艦(ふね)か・・・
とレイピアは「ニヤリ。」と不適な笑みを浮かべ、同深度を取るよう命じた。

「操舵士。無音潜航。」
「亜空間深度600へ。」

一方、UX-01でも探りを入れていた。



「ハイニ。蛮族=ガトランティス人は、わざわざピンガーを打て来た。」
「俺たちへの挑戦(せんせんふこく)と云う事だ。」

「ソナー士。奴の動きは?」

「はっ。無音に切り替えたようです。」
「申し訳ありません。一分前にロストしました。」

「気にするな。」
「一分前の位置は解っているな!?」

「はい。それは勿論。」
ソナー士は亜空間(海)図=マップをモニタに開き、指を置いた。

「なるほど。」

「砲雷士。亜空間魚雷、全門装填。」
「俺の合図で全門、発射せよ。」

「操舵士。アップトリム5°深度500へ。」
「ソナー。音紋を取れ!

「アイサー!」

亜空間深度500へ浮上と同時にフラーケンは回頭、潜航して来るアスタロトの正面と予測した方向へ、全六門の亜空間魚雷を発射させた。
これにより、レイピア座乗艦アスタロトは機関を最大に更に潜航させた。

「キャプテン!ガトランティス艦、機関最大で更に潜航!」
「撃ち放った我が亜空間魚雷、迷走!」
「交わされました!」

「音紋はバッチリです!」

「うむ。」
「砲雷士。全門装填。」
「今度はフォーミングで装填せよ。」

「……?」
「ソナーより発令!」
「深度600の真下から高速スクリュー音!」
「音からして六本!おそらく全門発射かと!」

「機関長!機関停止!」
「操舵!進路、深度、このまま!

「……機関停止?ですか!」
機関長は目を丸くし、質問した。

「そうだ!機関停止だ!」
「沈みたくなければあと10秒で止めろ!」
あの状況から潜航して更に回頭し、魚雷を発射したと成れば、奴らはUX-01(この艦ふね)の音紋を既に入手済みだ。
俺たちか慌てて潜航すると予測してのホーミング魚雷だ!

「操舵!無音ダウントリム90°!」
「艦首を真下に回頭急げ!」
UX-01は位置を変えずに回頭を開始した。

「全門発射せよ!」

この状況下で次の戦闘に備えるなら、セオリー通りならアスタロトは深度600であることから、無音でそのままやり過ごす事も想定されるが、亜空間魚雷圧壊による影響を考えれば、やり過ごす事は考えにくい、更に潜航させる。
だが、フラーケンの読みは違う。
浮上だ。
何故なら、二度手間だからだ。
潜航し、魚雷圧壊の影響を避け、再び浮上し、攻撃を仕掛ける手間を考えると、UX-01と同じ深度に浮上し、攻撃を仕掛けると読んだのだ。

「ビンゴ。」だった。
アスタロトはUX-01と同じ深度に浮上、攻撃を仕掛けて来た。

「……スクリュー音4つ!!」

「やはりな。」
「魚雷、一番から四番装填!」
「無音、急速潜航!」

「けりをつける。」



「レイピア様!」
「スクリュー音2つ!前方より急接近!!」

「やはりな。」
「急速潜航ッ!!」

「……ん!?更にスクリュー音2つ!!」
「先の魚雷、コースターン!我がアスタロトに喰らいついてますッ!!」

「操舵士!そのまま無音に切り替え、潜航せよ!」
「通常亜空間魚雷とホーミング魚雷の二段階構えだ!」

「……待って下さい!あとから感知した魚雷もコースターンッ!!」

だが、それは違っていた。
フラーケンは二段階構えと見せかけ、全て通常亜空間魚雷を時間差で尚且つ、移動するであろうポイントを入力した魚雷を放っていたのだ。
無音航行にしたところで交わせる訳もなく、UX-01の放った亜空間魚雷の餌食と成ってしまう。

「やりましたね。キャプテン。」
「撃沈スコアにプラスされました。」腰に手を宛がい右の口角あげながら、ハイニが云った。
内部で誘爆を繰り返しながら沈降するガトランティス次元潜航艦アスタロト。



敵ながら「あっぱれ。」と誉めたいけど、我々をそこら辺の艦長やクルーらと一緒にした事に後悔して頂こうかね。
レイピアは不適な笑みを覗かせた。

「奥の手があったんだよね。」
「奥の手がね。」

沈降するアスタロトから小型次元潜航艇ネビロスと共にレイピアらクルーは脱出していたのだ。

「爆沈するアスタロトに気を取られている隙に我々は貴艦に忍び寄る。」

※全長60メートルの小型次元潜航艇ネビロスは音を消し、UX-01上部に接岸するがの如く、着艇させた。

「グワン!」と音を響かせ着艇した。
エアロック室の真上だ。
百戦錬磨のフラーケンも息を呑んだ。


「くっ。」
「ハイニ。どうやら招かざるゲストがお越しに成ったようだ。」
「歓迎の仮面舞踏会と行こうか。」

「総員に発令!」
「総員!白兵よーーーい!」

エアロック室を占拠したレイピアらは司令塔を目指し、雪崩れ込んだ。



「目指すは司令塔だッ!」
「この艦(ふね)を頂く!!」

当たれば死に直結する光線が所狭しと飛び交う中、レイピアは一際、目立っていた。
細身の剣=レイピアを両手に華麗な剣さばきに魅了されてしまいそうなくらい鮮やかに、そして軽やかに舞っていた。

「レイピア様。」
「司令塔にはここから昇るしかないようです。」
「自分があのハッチを爆破します。」
「少し、下がって身を隠して下さ………。」

「グハァ……。」
レイピアの右手から滴り落ちる血液。

「タンッ!タンッ!タンッ!」後方から響く銃声。
伝導管パイプにぶら下がるように半身を覗かせるハイニ。
ゆっくりと振り替えるレイピア。
半身を覗かせるハイニの真下にはレーザーナイフやパルス拳銃を手にする01のクルーたち数名。
床に目を向けるレイピア。
転がる部下たち。
レイピアは死を覚悟し、ハイニ目指し走り出した。

「バシュッ!!」

ハッチから覗かせるインカムとゴーグルを装着し、右手にショックガン=(スタンガン)を構えるフラーケンは、口を開いた。

「命は助けてやる。尋問する者が一人も居ないじゃ総統も、詰まらんだろうからな。」
「パーティーは終わりだ。」
「貴女(アンタ)の戦術、悪くなかったぜ。」


◆◆◆◆◆





「キャプテン。これが医療ドロイドの出した報告書です。」
「所属部隊と名前、それと階級しか口を割らず。」
「よほど腹、減ってたのか差し出した食事はペロリとたいらげましたよ。」

「……なるほど。肌の色以外は我々ガミラス人と同じか。子を宿す事も可能か。」

三十分後、仮の修復を終えたUX-01は予定を変更し、直接バラン星へ進路を向けた。


~the.end~


この物語りは、リメイクシリーズ【宇宙戦艦ヤマト2199】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。

猟犬たちの仮面舞踏会◇宇宙戦艦ヤマト2199ストーリー◇前編

2021-07-11 19:08:00 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝




「ハイニ。浮上用意。」

「アイサー!」

「操舵士。浮上20秒前!」
「カウント合わせ、はじめッ!」
UX-01司令塔内に副長ハイニの号令が飛んだ。
それに合わせ、亜空間から浮上するUX-01が、ゆっくりと通常宇宙空間に向かってゆく。

「で、キャプテン。何で補給にわざわざ、あのジレルを寄越したんですかね?」

「さぁな。総統の気まぐれだろうよ。が、しかし」
「まぁ。補給後が俺たちの次の作戦が開始される。ドメル閣下のもとでな。」
「あのジレルの魔女はヤマトに仕掛けるつもりらしいが、総統はその先を見据えておられるようだ。」

「その先を…ですか?」

「ああ。」

浮上を終えたUX-01はガミラス帝星情報相トップのミーゼラ・セレステラ座乗艦シャングリ・ラーとランデブー、横付けした。



「閣下自ら自分らの補給へ出向いて頂けるとは。」

「世辞はよろしくてよ。キャプテン。」
「それよりも、この作戦には貴官と貴官の艦(ふね)が不可欠。」
「なんせ、亜空間に潜み、姿を隠しながら散布出来るのは、貴官の艦(ふね)だけ。」

「それで散布する中身は何です?」

フラーケンの質問に目を細めるセレステラ。

「貴官は、いえ貴官らは知らない方がよろしいわ。」
「ミルベリア星系に存在するものよ。」
「賢い貴官のなら、これ以上の説明は要らないでしょ!?」

「解りました。」
「では、自分は補給の指揮に戻ります。」
フラーケンは右腕を肩の高さまで水平に上げ、手の掌をセレステラに向け、軽く腰から上を曲げ退室した。
10分後、補給を終えたUX-01は亜空間へと潜航、散布宙域を目指した。





◆銀河間空間外縁宙域 


惑星ビーメラまであと数光年の距離に差し迫った宇宙戦艦ヤマト。
そのヤマトはセレステラのゴーストリンク攻撃の中にあった・・・



「なるほど。ヤマトを拿捕する作戦か。」
「魔女らしい作戦だ。」

「ハイニ。進路をビーメラ星へ。」

「……?バラン星へ向かうのでは?」

「ああ。向かうが、その前にヤマトを追い込む。」
第6空間機甲師団本隊が此方に向かっている。その本隊へ追い込む。
「この前の借りを返さないとな。」

「て言うか本隊は扱いが難しい奴らが多いからドメル閣下も大変ですな。」

「ハイニ。それなら俺たちも曲者だぜ。」

「そりゃそうだ。」笑い声が司令塔内に響き渡った。



だが、この亜空間にはUX-01とは異なる次元潜航艦が、潜んでいた。



「艦長。亜空間深度50の浅瀬にガミラス艦艇を捕捉。」

「ほう。ガミラスの艦艇か。」
「テレザート星の捜索は一時、中止だ。」
「この亜空間に潜るガミラス艦艇を始末する。」

「副長。亜空間戦闘用意!」

「了解!」
「砲雷士!一番から二番、亜空間魚雷装填!」


後編へ
つづく。


この物語りは、リメイクシリーズ【宇宙戦艦ヤマト2199】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。

遥かなる約束の日-宇宙戦艦ヤマトストリート-第二話

2021-07-04 13:56:00 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝

-ゴルヴァ軍中央司令部-

「デビム司令!」
「イスカンダル軍は正規軍を出して来たようです!」 

「何ッ!!」
「駒使いの青虫どもではないのか?」

「間違いありません!」
「旗艦にはイスカンダルの紋章が入っています!」

「……まぁ。構わん。」
「臣民たちの脱出を急がせろ。」
「南極側を固め、三分の二の艦隊を皇帝の座乗艦グロデーズの護衛に回せ。」
「残り、三分一は臣民の脱出艦に付け。」

「ハハッ。」

白色を基調とする高級貴族感あるゴルヴァの制服に身を包み、高級士官が貸与される大剣を片手に指揮を取るデビムは、皇帝の護衛長をも兼任する右腕的存在である。
女性なから180センチメートル以上の高身長は、男性士官よりも頼れる存在感を醸し出している。
髑髏(しゃれこうべ)の口元をモチーフにしたマスクで口元を隠している。
これは現皇帝スカルダートのクーデターに賛同し、内戦時にスカルダートを庇い、負傷、口元の大きな刀傷の痕を隠す為に着用していると言われている。
噂ではスカルダートを逃がす為、捕虜と成った際に尋問中、質問に対し「口が裂けても云わん」と云ったところ、尋問する士官にナイフで両方の口角を切り裂かれたとも・・・
この時代のゴルヴァの医療技術なら傷痕を消す技術もあるのだが、本人は敢えて、その施工手術を拒否したも言われている。
剣術では現在、彼女の右に出る者は居ないとされている。
金髪のロングヘアに葵い瞳も彼女の特徴の一つ。


【ゴルヴァ軍総司令デビム】


【ゴルヴァ皇帝スカルダート】

「ゴルヴァの真の力を見せてやれ。」
「第二の母星で待っているぞ。デビムよ。」

「ハハッ。」

クーデターを起こし、皇帝まで上り詰めたスカルダート。
元々はイスカンダルの植民地惑星"エピドラ"の出身である。
当時、イスカンダルの支配下にあったエピドラでイスカンダル主義に反感を抱き、パルチザンを結成、革命を起こした。
当時、エピドラを統括していたイスカンダル人の総督を暗殺、革命は成功したかにみえたが、これに対し、時のスターシャは怒りを露にし、イスカンダル正規軍によってエピドラの民狩りが行われ、革命は鎮圧されて行った。
暗殺の首謀者であるスカルダートは自身の身に危機が迫り、エピドラを脱出、現在の惑星コルヴァに亡命、身を隠したが奴隷と成り果てたが、「このまま奴隷で終わる訳に行かない」と兵へ志願、認められコルヴァの一般兵として服従、ただこれは見せかけだけで、のしあがる為の口実でしかなかった。
武術と策には自信を持っていたスカルダートは、それらを巧みに使い、戦果を上げ信頼を勝ち取り、短期間で下士官にまでに成るほどだった。
そのスカルダートは、小隊を任せられ、別の小隊の下士官から下の兵たちの信頼を掴んでいった。
そこからクーデターと発展、時の皇帝を玉座から退かせ、即位形式で全臣民に見せつけ、皇帝の座に就いたとされる。
皇帝の座に就いたスカルダートの支配欲は増し、ここから小マゼラン銀河統一を目指す事と成る。
そして、支配が進むにあたり、警戒心が緩む中、戦果視察に赴いた事が仇となり、暗殺されかけたが、デビムによって難を逃れるがデビムは捕虜と成ってしまう事態にまで発展、右腕的存在のデビムを失う訳にには行かんと、大規模な奪還作戦を決行、デビムを救出、デビムの変わり果てた姿に涙を見せたとも。
蒼い肌と二つの長い角が特徴で、デビム同様に175センチメートルの高身長の女性。
IQは200以上とも。
青色を基調としたエピドラの民族衣装(正装)を今でも、こよなく愛し着用している。
デビムには厚い信頼を寄せている。
エピドラ人特有の長寿で現在、130歳を超えているとも。
他には"感応波"を有するとも。

悪戯に戦場が拡大されてゆく中、皇帝を中心に臣民たちを乗せた脱出艦艇は、ゴルヴァの南極側から脱出に成功、およそ600.000光年彼方の新天地惑星"デザリアム"を目指し、次々とワープ、母星ゴルヴァから遠ざかって行った。

「デビム司令。皇帝陛下以下、臣民たちは脱出に成功、全艦艇がワープ、以後、広域レーダーに反応無し!」

「うむ。」
「ゴルヴァを完全起動せよ!」
デビムは右手を素早く、胸の高さで前へつき出した。

「ふん。無人の帝都を空爆したところで、痛くも痒くもないわ!」
「主砲=無限アルファ砲。初弾、撃て!」

崩れゆく帝都、裂ける大地の隙間から一条の高熱源体が一文字にゴルヴァの空を貫く。
インペリアル・マザーシップの艦首、サブブリッジを粉微塵に吹き飛ばした。


第三話へ
つづく。


この物語りは、リメイクシリーズ【宇宙戦艦ヤマト2199】の設定を基本的に採用しています。
一部、説明文はWikipediaより引用。
私的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。

遥かなる約束の日-宇宙戦艦ヤマト-ストリート

2021-06-28 22:00:00 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝

天の川銀河から遥か168.000光年の銀河、大マゼラン銀河サレザー恒星系第四惑星イスカンダル。
この星の女王スターシャは、大小合わせた二つのマゼラン銀河を我が領土とし、大帝国を築き上げ、その名を轟かせた。

今から1.000年ほど前・・・

西暦1199年

日本では源頼朝が死去する。これにより、頼朝の子である源頼家が18歳で二代目鎌倉殿となる。世界ではイングランド王リチャード1世が戦闘中に肩に矢を受け、この傷が元で4月6日に死亡。4月6日 - イングランドでジョンが国王に即位。
ハンガリー王国アールパード王朝の国王。
こんな戦乱の時代だ。
そんな地球を他所に、遠く離れた大マゼラン銀河サレザー恒星系第四惑星イスカンダルでは既に、ワープ航法が可能な宇宙船や真空から産み出される無限のエネルギー波動エネルギーを応用した兵器を造りだす科学力や技術力を有していた。

時の女王スターシャは、これ等を持ち要り、手始めに自身が存在するサレザー恒星系を統治、帝国を築き上げる第一歩を踏み出した。
知的生命体の存在する惑星には武力を持って、同化政策を打ち出し、服従させた。
サレザー恒星系を統治するのに僅か十年という短い時間で成し遂げる事が出来たのには、双子星であるガミラスの民の力が大きかった。
地球からすれば超が付くほどの科学力を持つガミラスでも、イスカンダルの科学力には足元にも及ばないくらいな差があった。
ガミラスの民を駒として利用したのだ。
高度な科学力、技術力、豊かな生活環境と引き換えに・・・




真空は、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態。 また物理学の理論における概念として、古典論における絶対真空、量子論における真空状態を指す場合にも用いられることがある。 一般には、この古典論における絶対真空をイメージされることが多いが、「なにも無い状態」は実現不可能である。
ある容器内の中身を可能な限り排出してもゼロにすることはできず、極めて希薄な物質が残る。
宇宙空間が真空とされることが多いが、そこでも希薄な物質が必ず存在している。
この極僅かな物質の一つが波動エネルギーである。
時のスターシャは、無限に拡がり続ける宇宙からこの波動エネルギーを採取する装置を造らせた。
それはやがて巨大なプラントと化した。
後に、このプラントで起こった事故で偶然にも結晶体が生まれ、それが波動エレメントと成った。これが"コスモリバース・システム"の元であると同時に時空間の歪みを発生、回帰現象を引き起こした。
時のスターシャは、これ等にも眼を向け、科学者たちに研究させた。
「コレは極めて利用価値が高いもの。」と極秘扱いにした。
そして、代を継ぐスターシャは駒であるガミラスの民が力を蓄える事を良しとはしなかったのだ。
それは形に成って現れた。

「スターシャを守れ。」マザー・コスモ・コンピュータ=コスモ・ネットワーク・システムを蔓延させた。
あらゆる製品には必ずイスカンダル製の部品が組み込まれ、一般の民はもとより、軍備品の至るところまで、使われる事と成った。
このイスカンダル製の部品には"ウイルス"が仕込まれており、製品を使うほどに洗脳されてゆく一種の催眠術である。


-小マゼラン銀河中心部宙域・惑星ゴルヴァ-

「副長。我が母艦はここに固定。」
「姿勢制御にて保て。」
「駆逐宙雷艇発艦!」
「戦闘爆撃機発艦!」

「了解=ザーベルク!」

全長3.000メートルを超えるイスカンダル正規遠征軍インペリアル・マザーシップは現在、敵対する最大の勢力を誇るコルヴァ軍と決戦を迎えていた。
惑星コルヴァ上空に陣取り、制圧部隊を繰り出す。
母艦には駆逐宙雷艇10艇が搭載可能で、更に戦闘爆撃機100機、護衛の直俺機100機を搭載、まさに動くベース=基地だ。
他には兵装として主砲=波動衝撃波砲を三門、近接用波動衝撃速射単装砲をブリッジ周辺と艦両舷側、艦底部、合わせて120基装備する。
フォルムは怪鳥と呼ばれたプテラノドンを彷彿させる。
ライトグレーが基調でオレンジ色とジャーマングレーでラインやアクセントが所々に入り、ゴールドでイスカンダルの紋章が艦首上部、艦首両舷側、両翼上部と下部、両垂直尾翼、にそれぞれに描かれている。
イスカンダル正規軍の艦艇ではあるが、艦長又は艦隊司令以外はガミラス人が運航に務める。


【駆逐宙雷艇】

【戦闘爆撃】

時に西暦1299年
大小マゼラン銀河の統治を掲げ、百年の節目となるこの日、決戦の火蓋は切られた。


第二話へ
つづく。


この物語りは、リメイクシリーズ【宇宙戦艦ヤマト2199】の設定を基本的に採用しています。
一部、説明文はWikipediaより引用。
私的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。

◇ガミラスの遺産◇宇宙戦艦ヤマト2199外伝

2020-07-13 13:34:39 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝

私は、この太陽系冥王星圏準惑星エリスに駐留するガミラス太陽系占領軍の生き残り「ヌルル・マウゴ」。
階級は中佐。認識番号G07211919。
太陽系補給隊隊長。

太陽系占領軍司令部である冥王星基地が地球(テロン)のヤマトに敗れ、壊滅した事で行き場を失い、この地(準惑星エリス)に留まるしかなかった・・・

壊滅した事を知って、ノコノコと本国(ガミラス)に帰還出来る訳にも行かなかった。
自軍の占領軍司令部が壊滅したにもかかわらず、"逃げ帰った臆病者"のレッテルを貼られ、公開処刑だ。
運がよければ、"収容所惑星"と異名を持つ偏狭の地に送り込まれ、下等動物扱いで死ぬまで重労働だ。
どちらを選択しても【死】である。
ならば、私は軍属を辞め、生きる事を選んだ。
勿論、見つかれば死なのだが。
まぁ。最悪、地球(テロン)に投降して捕虜という選択肢も残ってはいた。
だが、幸いにして、この補給基地には食料もエネルギー資源は十二分に備蓄があり、地球(テロン)にも存在も知られていない。


私が発見されたのは地球(テロン)との終戦を迎えた三ヶ月後の事だ。
それも、偶然と言う言葉が似合うだろう。


◇ガミラスの遺産◇
宇宙戦艦ヤマト2199外伝


ー西暦2199年12月ー


宇宙戦艦ヤマトは片道168.000光年の航海から母星へと帰還した_。


私は宇宙戦艦ヤマトが太陽系を旅立った日から約十ヶ月が過ぎるころ、再びヤマトを観た。
これで確信したガミラスは地球(テロン)にヤマトに破れたと。
大ガミラス帝国も地に墜ちたと。

私は勝手に軍属を抜けた一人の脱走兵に過ぎない。
でも、今の暮らしは最高とまでは行かないが、快適だ。
私以外にガミラス人は居ない。
私の部下は全員アンドロイド兵。
そのアンドロイド兵のA.Iプログラムを書き換えれば兵ではない。
ただの汎用アンドロイドだ。
艦船だって補給用の貨物船三隻とそれを護衛する私の艦(ふね)バードラ型ガイデロール級一隻だけだ。
それも全てアンドロイドで運航が可能だ。
佐官以外になれば艦艇をカスタマイズする事が許されていたから、私のガイデロール級グシャナもパーソナルカラーである紫をベースに迷彩を施し、私が唯一戦果を上げ、出世に繋がった時に持っていた女神の像をモチーフにしたエンブレムを船体にマーキングしている。
もう、戦場に出撃(でる)事などない艦(ふね)
私の家(かくれが)と化した艦(ふね)。
特徴としては量産型や指揮官用とは異なり、初期に生産されたバードラ型。
バードラ型は艦首に大型兵器が搭載されているのが特徴。
量産するにあたり、コスト削減で廃止された兵器。
「陽電子衝撃波反射衛星砲」だ。
それと「小型反射衛星ドローン」と「宙雷艇型ブリッジ」の三点が主な違いである。
後に、陽電子衝撃波砲と反射衛星ドローンは、占領軍司令部冥王星基地で採用した。
もっとも、このグシャナに搭載された時よりも遥かにパワーアップされてだけどね。
それを可能に出来たのは、この準惑星エリスの地下に眠る豊富な鉱石のお陰。
宙雷艇型ブリッジは元々、ゼルクート級のブリッジ=独立戦闘指揮艦からの流用だ。
私は正統な一等ガミラス人だけど、基地を管理していたのは、二等ガミラス人と呼ばれたザルツ人。
私はザルツ人の部下として作戦に参加していたわ。
ザルツ人と言っても、"宇宙の狼"の異名を持つ猛将ドメル閣下の信頼を勝ち取ったザルツ人。
私の憧れた将が認めたザルツ人。
私もこの人たちは好きだった・・・
だから、一等とか二等とか分け隔てなく部下でいられた・・・

【バードラ型ガイデロール級戦艦】

艦体諸元
艦級 ガイデロール級

艦種

全長350m 
全幅42m 
全高70m

主機 ゲシュ=タム機関

武装
330ミリ三連装陽電子ビーム砲塔×3基(艦上2基、艦底1基)
280ミリ二連装陽電子ビーム砲塔×4基(艦尾)
近接防御火器(単装)×32基(艦橋側面)
近接防御火器(四連装)×6基(艦橋前方および後方)
魚雷発射管×12門(艦首)
魚雷発射管×21門(艦底)
艦首陽電子衝撃波反射衛星砲×1門
反射衛星ドローン×4機

搭載
宙雷艇(ブリッジ)×1艇
高速連絡艇×2艇(予備を含む)




「何処に隠れようと、この反射衛星に死角はない!」
「次が最後だ!ヤマトよ!」
「反射衛星砲、発射ーーーッ!!」


宇宙戦艦ヤマトはガミラフォーミングされた冥王星の海に沈んだ_。

私は目撃者の一人として、勝利を確信した。
でも、勝利の女神はヤマトに微笑んだ。


ヤマトは海の藻屑なんかに成っていなかった・・・
やられたフリをして、反撃の時を息を殺して、伺っていたに過ぎなかったのだ。

私は壊滅する基地に降りることなく、転進、エリスに隠れた・・・

それから約十ヶ月後、私は警務艦隊に発見され、本国に強制送還される寸前、この太陽系に赴いていた大使によって"おとがめ"は無し。とされ本国であるガミラスに帰還したわ。
私の艦(ふね)グシャナは接収され地球(テロン)にテスト艦として譲渡された。
二ヶ月後、地球(テロン)側はドレット・ノート級と改めて、試作品艦を造り、また、反撃衛星のシステム技術を応用して、拡散する超波動エネルギー砲を完成された。


【地球連邦防衛軍 前衛武装艦ドレット・ノート級】

艦体諸元
前兆250m
全幅62.3m
全高 99.0m

主機 次元波動エンジン×1基 補機 ケルビンインパルスエンジン×2基

乗員 約150名

武装
次元波動爆縮放射機(艦首)
30.5センチ三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×3基
6連装大型エネルギー砲(司令塔頭頂部)
四連装対艦グレネード投射機×2基(前甲板両側)
亜空間魚雷発射機×4基(艦首両舷)
小型魚雷発射管×8門(艦首両舷)
ミサイル発射管×8門(艦底)
短魚雷発射管×12門(両舷)
多連装ミサイル発射機×16基(両舷)
司令塔防護ショックフィールド砲×3基(司令塔前部および基部)
近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基(司令塔基部)
対空パルスレーザー砲塔×4基(司令塔および基部)
拡散型対空パルスレーザー砲塔×3基(司令塔基部後方)
対空ミサイルランチャー(前甲板)

搭載機・搭載艇
1式空間戦闘攻撃〈コスモタイガーII〉×15機 内火艇×2隻


~fin~


この物語りは私的考察と設定を混ぜた二次創作の宇宙戦艦ヤマト2199です。
使用している画像は、イメージです。