鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトサイドストーリー第四章・最終話

2021-11-28 21:16:00 | 宇宙戦艦ヤマト外伝
イメージ曲「space.battleship.yamato」より。

「……コイツ、俺の云うことを全く聞かん!」
「スターシアさんの意思なのか?ワープまでしやがった。」

「ん!?」
「アレはヤマト!!そして守のダーク・シャドウじゃないか!!」
「流石はコスモタイガーだ。」
「戦艦相手に派手に暴れてやがるぜ。」

「ん!?そうじゃない。」歳郎の目に飛び込む、酷くやられるダーク・シャドウ。

「白兵戦か。」


蛍光ブルーやピンクの光弾が激しく飛び交う中、進たちの上陸用舟艇サラマンダーはダーク・シャドウ艦に取り付く事に成功、
艦内へと突入した。
進の班はブリッジを目指し、もう一つの班は機関区を目指し、応戦に回った。




進は一旦、拳を握り肩の高さに上げ、前進を止めさせた。
「この先は主幹エレベーターだ。」
「隠れる場所無い。」
「左右二手に別れ、通路の壁ギリギリに、低い姿勢で進むぞ。」

「了解。」

エレベーターは第一ブリッジの階で止まっていた。

「……くっ。」
「既にブリッジに乗り込まれていたか。」進はエレベーターを下降させ、乗り込むと全員を片膝を床に付けさせ、短距離走のスターティングのような姿勢を取らせた。
これはエレベーターが第一ブリッジに着き、扉が開いた瞬間にダッシュでブリッジ内に飛び込むためだ。
緊張が走る中、第一ブリッジに着いたエレベーターの扉が開いた。
蛍光グリーンやオレンジ色の光弾が交差する中、進たちはダッシュで飛び込み、散らばった。



「ん!?」
「貴様。生きて戻って来れたんだ。」
「まぁ。いいか。」
「貴様らは、あたしが殺る!」長剣=刀を利き腕に片手持ちすると、天井に届く程のジャンプで、間合いを詰めて来る。
一斉にコスモライフルの銃口が向くが、お構い無しに斬りかかる。

「一人目ッ!!」
「二人目ッ!!」

「次はこっちだな。」
「死ねぇぇぇぇぇーーーッ!!」

「残念だったな。」三人目を殺ろと再びジャンプし、着地した背後から進は近き、コスモライフルをニオの背中に押し当てた。

「降参を受け入れろ。」

「笑止!」
「前にも云っただろ。」
「我々に降伏は無いと。」後ろ目に告げるニオは刀を短く持ち直すと、切腹した。
進の眼前で膝から崩れるニオ。
コスモライフルを捨て、ニオを抱える進。

「………馬鹿な事を。」ニオは切り裂いた腹から刀を抜き、最後の力を振り絞り、進に斬りかかるが、守の射った銃弾に息を引き取った・・・

「……兄さん。

「……これも武士の情けだ。」

「艦長。此方、機関区の侵入者を全て排除。ですが、ワープシステムを破壊され、この艦(ふね)はワープ出来ません。」

「解った。ブリッジも排除に成功した。」
「君たちは先にサラマンダーで待機していてくれ。」

「了解。」

「此方、ヤマト!」
「艦長!ユキカゼが参戦!」

「ユキカゼがか?了解した。

「兄さん。ユキカゼも参戦したらしいです。」

「………。」
守は無言だった。

「詳しい話は後程に。」

進は守にダメージコントローと後方へ下がる事を具申し、ブリッジを後にした。

「山本!待たせたな。」
「スナイパーで旗艦を沈めろ!」

「了解ッ!!」
「最中!聴いての通りだ!」
「発艦する!」
「照準合わせておけ!」

「ラジャー!」



「北野。自分たちがサラマンダーで離脱したら砲撃で残存艦艇を沈めろ。」

「了解。」


「主砲、第一、第三、第二の順で撃ち方はじめッ!!」


◆◆◆◆


「艦長。まだ、テストもしていないが物質転送システムを造った。」
「射程距離と云うか飛躍距離は短い。」
「即ちワープさせられる距離は短いがこれを使おう。」
「ガミラスとの七色星団海戦やガトランティスとの土星海戦を覚えているだろ!?」

「忘れもしません。」










「今回のような次元を飛び越えた転送ではないが、成功率はかなり高い。」
「許可なく大格納庫の片隅を借りたのは済まなかった。」
「これで守のダーク・シャドウ艦をワープさせ、ヤマトで牽引ワープをすればオリオン座宙域まで、一気に可能なはずだ。」
「スターシアさんの意識が健在で惑星(ほし)と融合する前に、何とかサーシアをスターシアさんと逢わせてやりたと思うのだが。」

「いいでしょう。やりましょう。」
「兄さんには自分が連絡を取ります。」
「ところで真田さん。ヤマトが牽引するのなら、物質転送システムは誰が送射するのです?」

「歳郎に、ユキカゼにやって貰う。」
「送射後、ユキカゼは自力でワープが可能だからな。」

「成る程。」

◆◆◆◆

-オリオン座宙域-

超新星化が進むイスカンダル星。

ワープアウトする三隻の艦(ふね)。
ヤマト第一艦橋に進に付き添われ姿を現すサーシア。
ヤマトの前方に金色の光りの輪が投影され、その中央にスターシアの姿が現れた。

「サーシア。」
「わたくしと守の娘サーシア。」
「元気な姿を視る事が出来、わたくしは嬉しく思う。」
「わたくしは、あらたな路を歩みはじめます。」

「もう。泣くのはおよしなさい。サーシア。」
「貴女は、これから"スターシア"を名乗り、スターシアとして生きてゆくのです。」
「貴女にイスカンダルを残せなかった事が心残りです。」

「ですが、わたくしは常に此処に存在します。」
「やがて時が流れ、生命(いのち)溢れる新たな恒星系が誕生する事でしょう。」
「生命(いのち)から生命(いのち)へと、永遠に終わることもない。」
「生命(いのち)の奏でる音色が、つづく事でしょう。」

「これから50億年後には、ここが新たな恒星が出来上がり、幾つかの惑星が存在し、恒星系が誕生します。」

「サーシア。貴女の子孫たちがスターシアを引き継ぎながら、惑星イスカンダルもまた、この恒星系に誕生する事でしょう。」

「わたしはイスカンダルのスターシア。」

「サーシア。」

サーシアには母スターシアの温もりが伝わっていた。
娘を抱き締める母。



イメージ曲





二週間後、古代 守を艦長とし、大山 歳郎、スターシアを継いだサーシアは地球防衛軍から譲渡されたダーク・シャドウ艦を改造、新たにデス・シャドウ艦として、地球防衛軍火星基地をあとにした。




こうして、この宇宙は新たな幕を開けた・・・

イメージ曲「space.battleship.yamato」より。
https://youtu.be/d9m8Y4i2v7g


~THE.END~




「やはり、あの身体は女神に相応しい身体だわ。」
「これからは長い伴侶と成りそうよ。スターシア。」


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。また、一部、「 銀河鉄道999」/松本零士・「美女幻影」「わが青春のアルカディア」増田氏イラスト等及び石津奏志デザイン、ノイ・デゥスーラより引用。 

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトストーリー第四章・第三話

2021-11-28 10:22:00 | 宇宙戦艦ヤマト外伝



「総員!第一級戦闘配置!」
「全コスモタイガーはスクランブルせよ!」
「前方のディンギル戦隊を排除!」
「地球戦艦の援護には入れ!」

「艦橋より、CIC北野へ。」
「戦闘指揮は俺が取る。」
「北野は南部のサポートを。」

「航空隊隊長山本へ。最中を同乗させ、カタパルトにて待機せよ。」
「最中研修生は航空隊控え室へ急げ。」
「山本隊長の指揮下へ入れ。」

「里都研修生は佐渡艦医のサポートを。」

「雪。全てを逐一、報告。」

「了解!」

「待って下さい!」
「妙です!ディンギル戦隊は地球戦艦を取り囲んでいるだけに見えます!」雪が告げた。
だが、同時にダーク・シャドウから火の手が上がる。
メインスクリーンを見詰める進は砲撃戦から、白兵戦へと作戦を切り替えた。

「航空隊は各編隊ごとにディンギル戦艦を取り囲め!」

「北野。聞こえるか?」
「作戦を変更する。北野は第一艦橋へ。」
「ヤマトを預ける。」

「相原。戦闘班のみに通達。」
「白兵戦用意と伝えろ。」
「白兵戦の指揮は俺が取る。」

「大格納庫へ。」
「サラマンダー発艦準備!」








一方、オリオン座宙域では・・・


「えらい事に成って来たぞ。」ぎっしり詰まった計器類に囲まれた、歳郎が呟くように云った。
マイクロ・ブラックホールの磁場/重力波の影響それに伴う、イスカンダル星自体の気象/地殻変動が、急激に変化したのだろかイスカンダルは急激に超新星化して行ったのだ。

「くっそ~。」
「古代。早く戻って来てくれ。」歳郎は祈りながら、他に何か打つ手は無いものかと、顎の下に右手をあてがい知恵を絞っていた。



「歳郎さん。」
「歳郎さん。」

ふと、顔を上げる歳郎の目の前に輝かしい光に包まれたスターシアが、現れた。

「す、スターシアさん。か!?」夢でも観ているのかと頬っぺたをつねる歳郎は、痛さに夢ではないと、眼鏡をかけ直した。

「……。」
「転送……いや、違う。」

「歳郎さん。」
「驚かせて、ごめんなさい。」

「わたくしはもう、この次元に存在していません。」
「今、歳郎さんが目にする姿はわたくしの前世の姿。」
「わたくしは娘サーシアの命と引き換えにあるお方と融合しました。」
「詳しく説明をしている時間はありません。」
「まもなく、わたくしは本当の姿に変わります。」
「歳郎さん。」
「イスカンダル星はわたくしと同化致します。」
「今までありがとう。」
「守に伝えて下さい。サーシアは無事にヤマトへ預けています。」
「この宙域から離れて下さい。」

「………。」

輝かしい光に包まれたスターシアは、ゆっくりと歳郎の前から消えた。

「何が何だか解らんが、ヤバいな。」

「古代に知らせるったって……。」

「……な、何だいきなりユキカゼが動きだしたぞ。」


最終話
つづく。


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。また、一部、銀河鉄道999及び石津奏志デザイン、ノイ・デゥスーラより引用。 

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトストーリー第四章・第二話

2021-11-18 19:48:00 | 宇宙戦艦ヤマト外伝




「あれは我、前世の身体。」
「先に話した通り、我が女神に戻るには女神として相応しいサーシアの身体が必要。」
「波動の力を秘めた魂はディンギルの王が必要としている。」
「ディンギルの王の目的は我には解らない。知る必要も無いのでな。」
「そして、もう既に身体と魂の分離の準備は整っておる。」と新たに指を指した。

透明な球体カプセルに裸体のサーシアは、液体酸素が満たされた中に居た。
静かに子宮の中で産まれて来るのを待つ胎児のように。
身体のあちらこちらにはプラグコードのようなものが、繋がっていた。

「……。素直に返す気はないのだと。」進は感じ、アナライザーに指示を飛ばした。

「アナライザー!サーシアを取り戻せ!」


「!動くなッ!!」
前衛を固める真ん中の"アンドロイド"が腕に内蔵されたビームガンをアナライザー目掛け、撃ち放つ。
だが、アナライザーを庇うように最中が立ち塞がった。

「キャァァァァァーーーッ!!」

「最中ッ!!」
「椎名!援護を!」ビーム光弾が飛び交う中、進は最中へ駆け寄った。
椎名も援護射撃をしながら後退、最中に駆け寄る進と合流した。
幸い最中への直接なダメージは免れていた。
ガーディアンのふくらはぎを貫通されただけだった。
また、アナライザーは上手く岩壁を利用しながら歩む速度は遅いものの、着実にサーシアの囚われたカプセルへと進んでいた。
進も最中を庇うように応戦、銃撃戦は激しさを増してゆく。

「椎名。最中を頼む。」
「俺はアナライザーの援護に回る。」

「了解。」


「させるかぁぁぁーーーッ!!」

バク転からのバク宙で空中を舞いながら、ビームガンを撃ち放って来る右翼を固めていた"アンドロイド"。

「喰らえーーーッ!!」

「ソコハ、ネラッテハ イケナイ!」

「なっ!?」

「ドシャン!!」と進のガーディアンに追い被さる"アンドロイド"。
回りには火花と放電するプラズマが飛び散っていた。
進の撃ち放ったコスモガンのビーム光弾はアナライザーの一言で弾道を狂わせてしまった。
胸を狙っていた進がトリガーを引く瞬間とアナライザーの一言、そして"アンドロイド"のバク宙のタイミングが、ズレた為、胸に当たる事なく膝下を切断するような弾道と成ったのだ。
右翼の"アンドロイド"は、そのまま進のガーディアンの上に落下した。
だか、進のガーディアンの右腕は"アンドロイド"の胸の真ん中を押し当てるように喰い込んでいた。
同時に左翼を固める"アンドロイド"が叫びながら膝から崩れるように地面に倒れた。




「アアアアアアアーーーーーッ!!」



そして真ん中の"アンドロイド"は動きを停めた。

「……き、貴様!」
「よくもわたしの……わたしのメモリーを破壊したな!」
「あの娘の身体と魂の分離を速めてやるッ!!」




「!」
「サーシア!」

「あれを使うしか。」
スターシアは自室に備えられた隠し部屋へと足を運んだ。
隠し部屋は壁も床も計器類で埋め尽くされた、特殊で特異な雰囲気が漂う。
部屋の中央には、一段高く成ったお立ち台のような円柱台が設置されている。
スターシアはその台に乗ると、胸の前に人差し指で長方形を描(えが)き、暗証番号を入力するように描いた長方形の中に複数の数字を描いた。
すると透明な円柱が天井から降り、スターシアを包む。
3秒後、スターシアは消えた。




「そこまでです。メッツァーラ。」
「わたしの娘サーシアを解放しなさい。」
「貴女にはわたしの身体を差し上げます。」
「高貴なメッツァーラなら、より高度な女神と成れるはず。」
「悪い話では無いはず。」



「スターシア!?」
「どうやって此処へ?」

「まさか!物質転送システムか!」

そのまさかであった。
スターシアの隠し部屋はテレポテーション・システムの部屋と成っていたのだ。
サーシアの波動を頼りに、座標を割り出しテレポテーションしたのだ。
テレポテーションするにはスターシア自身の細胞一つ一つまで量子に変換し、データ入力する必要がある。
そのデータを全て一つの狂いも無く、正確に転送先座標にインプットする事で、テレポテーションが可能となる。
入力ミスは時空間で永遠に彷徨う事になる。

「そうです。物質転送システムの一種、テレポテーションです。」


「それだけの科学を自在に操る女神のような人間。」
「伝説は伝説に在らず。実に存在する選ばれし人間。イスカンダルのスターシア。」
「良いだろ。娘より母である貴女の方が遥かに女神に近い。」
「娘は解放しよう。」

「シュメール人よ。スターシアを裸にしろ。」
「急げよ。シュメール人。」
「あの娘の身体と魂が分離が完了してしまうぞ。」


「古代さん。私なら大丈夫。」
「急いで下さい。」
おどおどする進の手を取り、背中のファスナーを下ろすように促した。
「スー」とスターシアを被う水色のドレスが足首まで落ちた。
透き通るような白い肌のスターシアは裸体を晒け出した。

「そのままこの台座まで連れて来い。」

「よし。シュメール人は下がれ。」
「スターシアよ。台座に乗れ。」
「儀式をはじめる。足を開け。」

「その前にサーシアの解放を。」

「よかろう。約束だからな。」
「だが、儀式の準備を済ませてからだ。気が変わっては困るからな。」

スターシアは自身の肩幅よら少し広めに両足を開き、儀式の準備を受け入れた。

「よし。娘を解放する。」
「シュメール人よ。あのカプセルの横の操作パネルに解除コードを入力しろ。」
「解除コードは儀式を始めながら教えてやる。」
そう云うとメッツァーラは複数の触手をスターシアの裸体に這わせて行った。
同時に解除コードを告げた。
進は解放する事に成功、サーシアは解放された。
メッツァーラとスターシアの儀式は終わり、スターシアはカプセル中へ入った。
スターシアの身体と魂の分離がはじまった。

「ふふふ。」
「シュメール人よ。その娘を連れ、この惑星(ほし)から去れ。」



「メッツァーラの女神よ。」
「貴女の持つ次元物質転送システムを貸して差し上げて。」
「私の最後の願いです。」
「ユークリッド空間ホールが崩壊した今、彼らヤマトの科学では戻る事が不可能。」


【メッツァーラの娘(次女)ラーヴィア】
記憶だけを残し肉体を棄て、機械生命体と成った。
ペニンシュラもトリラーも同様である。

【メッツァーラの息子(長男ペニンシュラ)】

【メッツァーラの娘(長女)トリラー】


「御母様。わたしからもお願い致します。」
姉上様のメモリーならわたしが復元します。」
「この者たちが居座る事こそ、ストレスです。」

「……ラーヴィア。」

「よかろう。」


◆◆◆◆



【次元物質転送システム】

サーシアを連れ戻した進たちはヤマトへ帰投、スターシアの意識の手助けにより、元次元空間へ量子テレポテーションした。
だが、進たちは眼前に飛び込む光景に言葉を失った・・・

「……あれは、あれは地球戦艦……。」

「ディンギル残存戦隊に囲まれてます。」


第三話
つづく。


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。また、一部、銀河鉄道999及び石津奏志デザイン、ノイ・デゥスーラより引用。 

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトストーリー第四章・第一話

2021-11-14 08:59:00 | 宇宙戦艦ヤマト外伝
イメージ曲:space.battle.ship.yamatoより。↓↓

「大村船務長。まだ、距離はあるな。」

「はっ。有りますが、我艦の有効射程距離に入ってます。」

「うむ。」
「体制はこのままで、拡散波動砲で一気に仕留める。」
「拡散波動砲、発射準備。」

「了解。」大村は態度には現さなかったが、「よし!」というガッツポーズを心の中で見せ、顔を覗かせた。
僅か1分でダーク・シャドウは解散波動砲発射準備を整えた。


「……これは!」
「ニオ戦隊長!前方の艦首に超高出力エネルギー微粒子が集約されています!」

「何ッ!」
「! ならば全艦隊に通達!」
「前方のあれが超高出力エネルギーをぶっぱなしたら白兵を仕掛ける!」

「了解ッ!!」


「古代艦長。拡散波動砲発射準備OK。」

「うむ。」
「全艦、対ショック、対閃光防御!」
「拡散波動砲発射ッ!!」


「超高出力エネルギー捕捉ッ!!」

「全艦隊、ワープッ!!」


「コダイサン。アノ、ゼンエイヲマモル3タイニハ、セイメイハンノウガ ウカガエマス。」

「人間……。」

「ハイ。ニンゲントカワリマセン。」

「……うむ。」

「どうしても一戦交えるつもりですか?」
「我々は地球所属ヤマトのクルー。」
「人間どうしが、無駄に血を流す事は避けたい。」
「もう一度、云う。貴女が拐ったイスカンダルの次期女王サーシアを返して貰えれば、このまま引き下がるが。」



「地球!?」

「ああ。シュメール人か。」シュメール人(Sumer、シュメール語: 𒆠𒂗𒂠:Ki-en-ĝir15)「古代ウルク文明を築いた民か。」

地球時間で紀元前3500年ウルク都市文明を発展させ、この都市文明を担った人間シュメール人。 「貴様らウルクはキシュ、ニップル、アダブ、シュルッパク、ウンマ、ラガシュ、ウルのような有力な都市惑星国家を統合、帝国を築いた民の末裔か。」

「どうりでな。あやつらディンギル人に似ている。」

メソポタミアの都市ウルクであり、当時、人口数万人を数え、ウルク期には西アジアにおける南部メソポタミアの優位性が明確なものとなり、ウルク文化がメソポタミア全域へと拡散させた。北メソポタミア各地に南部メソポタミアからの移住者による植民都市・前哨地が形成され、資源取引の拠点と成った。また、都市ウルクで初めて粘土板に記号を刻むことによる記録システムを作り、この最初期の文字(ウルク古拙文字)は非常に絵文字的な文字である。 現代の学者はそれが表しているモノをある程度理解することが可能なほどだ。

ウルクのアヌ神に捧げられたジッグラト。紀元前3500年ごろには「白色神殿」と呼ばれる建造物が頂上に建てられ、ジェムデト・ナスル期(紀元前3100年頃)から初期王朝時代(前2900年頃)ウルクと同じような都市国家が全シュメールに拡大していった。 初期王朝時代の第2期には近隣都市を従属させた有力な都市国家が複数成立していた。そのような都市国家にはキシュ、ニップル、アダブ、シュルッパク、ウンマ、ウルク、ウルなどがある。これらの都市国家では王権が強化され特定の家系に王位が独占されていき、これらの王は「王碑文」という形で自らの事績を記録に残すように成った。それらを統合、帝国を築いた民ディンギル王。



これらの都市の王たちには、数万年に及ぶ在位期間が設定されているなど神話的な伝承となっている。そして伝説的な大洪水があったとされている。

「洪水」のあとに最初に王権があったウルクの王に王権が遷った。キシュやウルクの初期の王たちは後世のメソポタミアで尊崇の対象となり各種の伝説が残されている人物も多い。キシュの王朝の事実上の創始者に位置づけられているウルクの王ルガール一世、エンメルカル、ルガルバンダ、そして古代メソポタミアにおいて最も有名な英雄で代表的である。

「偉大な世界征服者として崇拝を受けたウルクの王ルガール。」

ウルク=シュメールの国家が都市国家という枠組みを超え、広大な領域を支配する勢力となっていくと、それを表象する新たな称号が用いられるようになっていった。

ウルクの神殿は、中央の本殿と一方の側に沿った側廊から成っていた。側廊は神官の部屋の側面に立っており、一つの端には、演壇、および動物や野菜を生贄に捧げる日干し煉瓦のテーブルがあった。穀物倉や倉庫は通常は神殿の近くにあり、のちにウルク人は、人工的な多層段丘「ジッグラト」の頂上に神殿を置き始めた。ウルク=シュメール人最大の都市はウルクであり、その大きさはギリシアのアテネより広範囲に及んだ。

ウルク=シュメール人は、地母神であるナンム、愛の女神であるイナンナまたはイシュタル、風神であるエンリル、雷神であるマルドゥクなどを崇拝した。シュメール人が崇拝する神々(𒀭 - DINGIR - ディンギル)は、それぞれ異なる都市からの関連を持っていた。神々の信仰的重要性は、関連する諸都市の政治的権力に伴って、しばしば増大したり減少したりした。言い伝えによれば、ディンギル(神)たちは、彼らに奉仕させる目的で、粘土から人間を創造した。ディンギルたちは、しばしば彼らの怒りや欲求不満を地震によって表現した。シュメール人の宗教の要点が強調しているのは、人間性のすべては神々のなすがままにあるという事を見せつけた。

ウルク=シュメールにおいて女性は他の文明よりも高い地位を達成したが、文化は主として男性により支配される事が多かった。 また、ウルク=シュメール人は、宇宙がドームに囲まれた平らな円盤から構成されると信じ、シュメール人の「来世=別次元の宇宙」は、悲惨な生活で永遠に過ごすための酷い地獄へ降下する事を噂として流し、民たちに絶対服従とルガール王崇拝を従わせた。

「時は流れ、我と出会った。」 「これを見ろ。」と指を指す石壁に彫刻らしき飾りものが目に入った。 同時にメッツァーラの容姿は悪魔の化身のような容姿に変わった。





第二話
つづく。


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。また、一部、銀河鉄道999より引用。
一部、私設定を混ぜたWikipedia「シュメール人」を引用。