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鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇後編①

2021-01-24 11:44:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝

柴田が気を失っている一方で、水没した都市中心部の建物内に侵入した須藤たちは、一度、降りれる階まで降りる事にした。
酸素ボンベは一時間分の酸素しか持たない。
その為、効率を考えれば最上階から捜索していたのでは、僅かしか捜索出来ないからだ。

「そう云えば班長も空挺の訓練を受けたんですよね。」

「ああ。だが、駒沢、君みたく卒業課題をクリアしていない。」
「課題中、左足首を骨折してな、途中棄権しちまった。」
「完治してリハビリ後、もう一度、推薦されたんだが、嫁さん貰ったら正直、怖く成ってな。」
「守るものが出来た怖さってヤツさ。」
「そんで、断念したよ。て云うか辞退した。」

「そうだったんですか。」

「でもな。その守るものも、ガミラス戦役でなくしちまった……。」
「遊星爆弾でな。」

「……すみません。悲しい話をさせてしまって……。」

「私と同じだ……。」駒沢はそう言葉には出さなかったが、心の中で呟いていた。



「なぁに。気にすんな。駒沢。」
「それよりも、酸素があと45分しか持たない。先を急ごう。」

「了解。」


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

後編①



あれから何れくらい気を失っていたのだろ?
柴田はデスラーの私室とは別の部屋に移されていた。

「総統。例の娘が目を覚ましたようです。」
別室をモニタリングするコマンダーが報告を入れた。

「うむ。」

「暁と云ったかね!?」
「漸くお目覚めしたかな?」

柴田の耳に届くデスラーの言葉。

「ええ。目覚めたわ。」
「パイロットスーツが見当たらないけど、殺されなかっただけ、マシって事かしら?」

「クックックックッ。」
「気の強い嬢ちゃんだ。ヤマトのクルーらしいな。」
「まぁ。そんなに尖りなさんな。」
「暁くん。君を解放しようと思っているんだが。」

「……解放!?」

「そう。解放だ。」
「パイロットスーツは直ぐに返そう。」
「君は機械の手を持っていたんだね。」

「……機械!?間違いではないけど、違うわね。」
「義手は機械ではなく医療用のサポート……

「そんな事はどうでもいい。」デスラーは暁の言葉を遮って話を続けた。

「君のその手と自身を少し、改良を加えた。」
「さっきも云ったように暁くん。君をヤマトに返す。」
「君は我がガルマン・ガミラスの栄光ある下部(しもべ)としてね。」
「ヤマトに戻り、ヤマトの情報を我々に提供する。それだけで、今までと何ら変わりなく生きて行ける。」
「拒否すれば死だ。但し、ヤマトの中でだがね。」
「君の身体にはナノサイズの爆弾を装着させて貰った。遠隔操作可能な爆弾だ。」
「自走地雷とでも云ったところかな。」
「情報を集め、私に提供してくれればそれでいい。」
「成功すれば、中和剤をプレゼントするよ。」
「悪い条件ではあるまい?」

「……でも、私がノコノコとヤマトに戻ったら逆に怪しまれるわね。」
「そしたら即、検査してナノサイズの爆弾は取り除かれるわね。」
「まぁ。その前に遠隔操作とやらで私がお陀仏かもだけど。」
「その時は般若心経を唱えてね。」

「フッハッハッハッハッハッ!」
デスラーは豪快に笑い話を続けた。

「ますます気に行ったよ。」
「だが、ご心配ご無用だ。君を救出させれば、怪しまれん。」
「我々は、この艦(ふね)を含め、大型戦闘艦が2隻、合計3隻、それもヤマトより大型で火力も上だ。」
「君が事を暴露し、戦闘に成ったとしてもヤマトに勝ち目は、無い!」
「さあ。どうするかね?柴田 暁。」
モニタ越しにデスラーの目が紅く光った。

「……解ったわ。引き受けるわ。

「そうか。朗報を待つよ。」モニタはそこで「プツリ。」と消えた。

「フッハッハッハッハッハッ!」デスラーは高々と笑った。
デスラーにはもう一つ、別の狙いがあった・・・




残り最上階のみと成った捜索班。

「残りの酸素が15分だ。この部屋を捜索してランディングクラフトに戻るぞ。」

「了解。」

「……!?」
「あの箱、怪しいわね。」とデスクの上に置かれた箱を見つけた駒沢は、酸素の持ち時間を気にするあまり、何時に無く焦りがあった。
デスクまで泳いだ時だった箱は持ち出されようとしていたのか、白骨化した腕と繋がれていた。

「キャッ!」
軽く驚いた駒沢はウェットスーツと酸素ボンベのチューブを尖った瓦礫に引っかけ、動きが取れずにいた。
気泡が駒沢を悪戯に包む。

「しまった……。」

ヘルメットに内臓された無線を飛ばした。
駆け付けた須藤は自分のマウスを駒沢に咥えさせた。

「……すみません。班長。」

「喋るな。無駄に酸素が減る。」

駒沢はデスクの上の箱を指をさした。
残り五分と成った。

「駒沢。すまんが、時間が足らん!ボンベとウェットスーツを捨てろ!」
裸体をさらけ出す事に成るが、その言葉に駒沢は頷いた。
箱を抱え、須藤と駒沢は交互に須藤のマウスを咥え、ランディングクラフトへ帰投した。

「……小林!目を瞑って!」近傍モニタを覗く折原が慌ただしく云った。

「なっ!なんだよ真帆、いきなり!」

「いいから小林は目を瞑って!」

コックピットの窓からも駒沢の裸体が確認出来た。
アワアワと小林はうろたえ手で目を覆ったが、やはり少しは気にするのか指の隙間から上がって来る二人を見ていた。

「だから見るなって!」

「裸を見てる訳じゃなく、二人の位置を確認しただけだよ……。」

「私が合図します!」

「わ、解ったよ。」

収用され、貨物室の排水が開始された。

「宝を回収した。ヤマトへ戻ろう。」

「了解!」



こうして、須藤たちが持ち帰った箱は無事、解析に回され、新たな情報を掴んだ。

「……天の川銀河……精神生命体テレサ………。
テレサ………逢え……
……………モノポールエネルギーと………テレサの力が……………。」





「……テレサって、あのテレサの事か?」解析結果を目にした上条がいち早く口を開いた。

「おそらく。」
「天の川銀河と書かれている事からまず、間違いない。」
古代がそれに答えた。

「ですが、テレサはガトランティスと共に……なんて云うか、消滅したのでは?」

「ああ。確かに。」








後編②へ
つづく。

この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇中編④

2021-01-23 21:03:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝

「ナビゲーションの通りなら、そろそろ都市の中心よ。」
コスモ・ランディングクラフトのナビゲーションレーダーを見つめる折原が告げた。
操縦悍を握る小林は横目でレーダーを覗き込み、操縦悍を切った。

「あの水面に突き出た建物が中心かな。」

「よし。あの割れた窓から中へ入ってみるか。」
小林の報告に班長の須藤が反応を示し、準備に入った。

「機長(キャプテン)。自分たちはあの建物に侵入してみる。」
「コスモ・ランディングクラフトは此処で待機してくれ。」

「了解。……了解したけど、何処で着替えるんです?」
「それなら大丈夫だ。」
「この下部=貨物室で着替える。」

「了解です。」
「……えっ!あっ!駒沢一等宙曹もですか?」
小林は素朴な疑問を投げた。

「あっ。それでしたら大丈夫です。」
「レンジャーの訓練では日常茶飯事でしたし、マジマジ見る隊員は居ませんよ。」
「見てる余裕なんて有りませんでしたからね。」
「五分で着替えて整列しなきゃならない世界でしたから。」

「えっ!五分!?」

「そうです。五分で編み上げブーツまで履き終え、整列が完了してなければ、腕立て伏せが待っていましたから。」
「まあ。朝礼後、改めて整える時間はありましたけどね。」

「マジっすか!いや、すみません。そんな過酷な朝だったんですね。」
そんな会話のやり取りの中、駒沢はウェットスーツに着替えを終わらせていた。

「小林キャプテン。着替え終わったので、貨物室の注水を開始して下さい。」

「えっ!あっ!?了解。」
小林はコックピットと貨物室を繋ぐハッチを閉じ、貨物室の注水を開始した。

「注水完了まであと、一分!」小林のカウントがインカムを通し、聴こえて来る。
それに合わせて気泡が幾つも舞っていた。

「注水完了!」
「機首ハッチ。オープン!」

「ブワッ。」と大きな気泡が海面目指し、浮かび上がった。
隊長の須藤を先頭に五名のクルーが数珠繋ぎに列を成し、建物中に消えた。


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

中編④





二隻の大型戦闘艦が出迎える。
デスラーズⅢから見て右手側の艦に接岸した。

「艦長。左舷に総統座乗艦=デスラーズⅢ接岸。」
「総統とのモニタ通信、繋がります!」

「うむ。解った。」

「コマンダーよ。捕虜を連れ、デスラーズに行け。」
「総統、直々に尋問するそうだ。」

「ラジャー。」


「総統。例の地球人をお連れ致しました。」

「うむ。」
「コマンダー。下がってよい。」

「ラジャー。」
「少しお待ち下さい。拘束具を付け直します。」

「コマンダー。下がれと、云ったはずだが。」

「……申し訳ございません。」コマンダーは一歩下がり、頭を下げ、デスラーズⅢのブリッジを後にした。
柴田は柴田で警戒心を解くことなく、様子を伺っていた。
拘束は解かれたままだが、不審な動きと思われれば、死は免れない。
だがらこそ逆に身動きが取れずにいた。

「地球人いや、ヤマトのクルーよ。」
「少し、話をしよう。」

「衛女=侍女。ヤマトのクルーを私の私室へ案内して差し上げなさい。」
デスラーの私室はメインブリッジの後部中央にある。
柴田は前後左右を衛女に囲まれ、デスラーの私室へ連れて行かれた。
自動扉が開くと一足先に柴田の前から姿を消したデスラーの姿が目に映った。
部屋の中央には、丸型のマルチテーブルが置かれている。
普段は縁の装飾を除けば会議等に使用出来る丸型テーブルだ。
卓上は用途に合わせて切り替えられる仕組みだ。
分割され広域から近傍空間を映し出す事が、可能なモニタとして使用出来るかと思えば、"チェス"のようなゲームも可能だ。
また、通信機能も備わる。
今は何も映し出されていない。
ただ中央にガミラスの紋章が映っているだけだ。
そのテーブルの中央にデスラーが腰を下ろしていた。
そして、そのお奥にもう一人の人影が確認出来た。
幼い子供を抱き抱える女性だと解った。

「掛けたまえ。」デスラーが云うと衛女の一人が椅子を引いた。
柴田が腰を下ろすと4人の衛女は部屋の四隅に立ち並んだ。
デスラーは軽く右手を肘から上をあげた。
右奥に立つ衛女がガミラス酒の入ったデカンタとグラスを乗せたワゴンを押して来た。
運ばれたガミラス酒は、デスラーより先に柴田に注がれ、次にデスラーに注がれた。

「地球人の口に合うかわからないが、ガミラスの最高級酒だ。」

「大丈夫だ。毒や薬などは入っていない。」

柴田の表情は強張ったままだった。
そんな時だった奥の豪華なソファーに座る女性が「総統。わたくしにも頂けるかしら。」と声を掛けて来た。

「ああ。いいよ。」
衛女は奥に座る女性にもガミラス酒を注いだ。

「お先に頂くわ。」
女性は一口、口に含んだ。
それに釣られるようにデスラーが口に含んだ。
最後に柴田が口に含んだ。

「さて、本題に入ろう。」
「先ずは名前を聞こうか。」

「柴田 暁です。」

「ヤマトに乗って長いのかね?」

「まだ、乗ったばかりです。」

「なるほど。」
「では、ヤマトの目的も解らないかな?」

「ヤマトはカスケード・ブラックホールに呑み込まれた地球及び太陽系を元の天の川銀河に戻す為、航海している。」
そこまで話をした時だった柴田に異変が現れはじめた。

「……やはり、何か混ざっている。」と柴田は思いはじめた。

だが、それは誤りだった。

「おや、眠くなられたのかね?」

「……やはり、何か混ざっているだろう!?」

「これは失礼した。」
「説明が足らなかったね。」
「以前の我々は僅かながら放射能を含んだ酸素でなければ、長くは生きれない身体だったが、ガルマン星で暮らしていゆく内に身体は変体してった。」
「その星の環境に適応してた行った。」
「地球より酸素濃度は幾分、濃い酸素の環境に適応する身体に成った。」
「地球人の君には眠気を誘う濃さかもしれんな。」

デスラーの話が終わる頃、柴田は気を失った・・・


後編①へ
つづく。

この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇中編③

2021-01-20 21:36:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
古代の新たな指示により、選出された施設科のクルーたちは早速、ランディングクラフトに最小限必要な物質を積み込みをはじめた。
班長として選出された須藤は階級一等宙尉と下だが古代と同じ35歳だ。

「古代艦長とこうして同じ艦(ふね)に乗れた事を光栄に思います。」
「自分は、ガミラス戦役からの古参ですが、今までの部隊では煙たがられる存在でね。」

「やはり、ガミラス戦役からの軍属の方でしたか。」
「乗り込まれた時、何となくですが、そうではないかと感じていました。」
「あなた方には感謝しています。」
「地球の復興には、あなた方の力がなければ、あれだけの早さで復興は成し遂げられなかった。」

「ありがとうございます。自分らは支援が仕事みたいな部隊ですから。」




「お話し中すみません。班長。荷の積み込み完了しました。」
古代と須藤の話に割って入った駒沢は「ニカッ!」と笑顔を覗かせた。
少女のようなあどけなさなが残る彼女はまだ、18、19歳といったところだろうと古代は思った。
年齢は、さぼど見た目と違わず21歳だったが、古代は改めて驚かされた。
それは、胸に輝くバッジだ。
彼女は施設科に所属しながらも、第一空挺部隊とレンジャー部隊の訓練を卒業していたのだ。

「おっ!」
「駒沢一等宙曹は空挺とレンジャー訓練を受けていたのか。」
「エキスパートじゃないか。」



「ああ。これですか!?」
「ただ単に、男性に負けたくなかっただけで、喰らいつて行ったら訓練課程を終了していました。って感じです。」
「私、元々、幼い頃からキャンプやサバイバルゲームとか男子に混ざって遊んでいましたし、野生のと云うか天然の動物や植物とふれあいたい気持ちも強かったのと、それに毎年のように異星から侵略された地球で生き残るには、自分の命は自分で守るしかないと考え、生き残る術の一つとの思いもあったので。」と再び笑顔を見せた。

「そうだったのか。」
「頼もしい限りだ。これからの地球や太陽系、銀河の平和を頼んだぞ。」

「艦長。大袈裟です。班長と同じ過ぎです。」

「アハハハハ。」三人の笑い声が大格納庫内に響いた。


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

中編③



「よりによって捕まっちゃうなんて……。」
捕虜と成ってしまった柴田は、悔やんでいたものの、逆に敵を知るチャンスかもとポジティブに考えはじめていた。

だが、捕虜と成って30分は経つが尋問の"じ"の字もない。
ただ、誰かを待っている事だけは、感じ取る事が出来た。


「おい。地球人。」
「何を考えている?助けを願っているなら無駄な願いだ。」
「ヤマトは我々の艦(ふね)を攻撃出来ない。」
「我々は攻撃が可能だがな。」
「だが、安心しろ。我らガルマン・ガミラス総統の慈悲でヤマトは沈めん。」

柴田は思った。
だがら尋問されないのかと。
そして、ヤマトを沈める気が無いのなら、私は脱出も可能かもと。






「総統。朗報でございます。」
「先発隊がヤマトのクルー一人を囚えたそうです。」

「ヤマトのクルーを!?」
「何故、全員ではなく、一人だけのだ?」
「これの何処が朗報だと云うのかね?」
デスラーは目を細め、ガミラス酒を口に含んだ。
侍女は肩をすくめ、一礼して一歩下がった。

「まぁ。済んでしまった事は仕方ない。」
「それよりもだ。ならばヤマトの拿捕も早期解決だな。」と独り言を呟いたデスラーは自艦の速力を上げさせた。

「大佐。速力上げ、先発隊と合流を急げ。」

「ラジャー。」

「機関!第一戦速へ!」

◆ 

一方、ヤマトを発進したコスモ・ランディングクラフトは、水没した都市へと侵入した。
「キュルキュル」とキャタピラーの音色を大地に響かせ、土埃(つちぼこり)を舞い上がらせた。
やがて土埃は水飛沫(みずしぶき)へと変わった。
それと同時に機体は軽く揺れた。
完全に大地が水の底へ水没した境目を超えた証だ。
湖に浮かぶボートのように「プカリ」と浮いた。
キャタピラーは駆動を止め、機体内に格納され、代わりにキールが両サイド漏出された。
上段二つのエンジンが停止、下段エンジンと機首部スラスターからは吸い込んだ水を噴射、推進力に変えた。
水飛沫が増した。
水面スレスレを飛んでいるかのように進んだ。
高層ビルであったであろう建物がパイロンのように上部又は、最上部が海面から顔を出す。
そのパイロンを縫うようにナビゲーションレーダーを頼りに都市中心部を目指した。


中編④へ
つづく。

この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。
 


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇中編②

2021-01-17 20:53:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝

「艦長!ヤマトとあの惑星間で何やら通信を交わしているようです!」
「空間通信波をキャッチしました!」

「何ッ!?」
「よし。総統が到着するまでにはまだ、少し時間がある。
「ヤマトを見張りつつ、惑星側の発信源を押さえる!」
「艦はこのまま!総統の到着を待つ!コマンダーは上陸準備!」
「準備出来次第、降下、発信源を確保せよ!」

「ラジャー!」


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

中編②


拾ったノートをコスモレコーダーに持ち帰った柴田は再び、解析にかけた。

そこで解った事、それは・・・

「水の惑星アクエリアスが観測された………
我々に……術………
ゴーダ文明………天の川銀河に…在する……の女神………………。」

「精神生命体テ……の…………が必要。」

「天の川銀河!?」柴田はインカムを装着、ヤマトに無線を飛ばした。

「……しまった。オフにしてるの忘れてた。
苦笑いを浮かべ、無線をオンにした時であった柴田は同時に囲まれた事に気づいた。

「なッ!?」

「此方、ヤマト。」
「柴田、何か?」

「………。」

「此方、ヤマトの中西。柴田、何か?」

「………。」

「うぐぐ……。」
「…せ……よ…。」

「柴田!柴田三等宙尉!」

「ブチッ。」無線はそれっきり繋がる事はなかった。

「古代艦長!」
慌ただしく中西は告げた。

「柴田との連絡が突然、切れました!」
「何かガタガタと騒がしく良くは聞き取れませんでしたが、複数の者を伺わせてました!」

「うむ。」
「桜井。ヤマトをあの惑星に降下させよ。」

「了解。」

だが、時既に遅しであった。
降下するヤマトはガルマン・ガミラス艦載機とすれ違う。

「……チッ!」
「ヤマトに見つかった!」

「機長!光学迷彩を展開せよ!

「ラジャー!」


「艦長!」
「前方からガルマン・ガミラス艦載機!」
「ヤマト左舷を通過!」

「……き、消えた……。」
「ガルマン・ガミラス艦載機が消えた!」

「なっ何ッ!?」
艦長席に腰を下ろす古代は立ち上がり、通過するガルマン・ガミラス艦載機を目視で追った。

「降下中止しますか?」
ヤマトの舵を握る桜井が言った。

「……。」
「いや、このまま降下、柴田のコスモレコーダーを回収する。」

「了解。」

古代らはガルマン・ガミラス艦載機が気になるところだったが、柴田のコスモレコーダー回収を優先、降下した。

「真下に都市が見えます。」
「水没しているようです。」

「右舷前方にコスモレコーダー。」

「うむ。」
「桜井。ヤマト固定!」
「回収班は回収作業に入れ!」

「了解。」

回収作業するクルーから連絡が入った。

「此方、回収作業班。柴田の存在は確認出来ず。」
「ただ、解析をしていた痕跡が有ります。」

「解析!?」
通信を担当する中西は振り返り、古代に伺った。
古代は右手親指を上に向け、「クイッ。クイッ。」と上げで見せた。

「中西より、回収班へ。了解した。コスモレコーダー回収を済ませ、帰投せよ。」

コスモレコーダー回収を済ませた古代は折原を大格納庫へ呼び、柴田が解析したノートや解析データを電算室コンピュータに繋げ、その場で解析させた。

「水の惑星アクエリアスが観測された………
我々に……術………
ゴーダ文明………天の川銀河に…在する……の女神………………。」
「精神生命体テ……の…………が必要。」

「天の川銀河……か。」
古代は胸の前で腕組みをし、一瞬、目を閉じた。
再び目を開く古代は告げた。

「施設科から数名を選出、小林、折原。水没している都市を調査、他に手がかりになるものは無いか調査せよ。」
「コスモ・ランディングクラフトを出す。」

「了解。」



【コスモ・ランディングクラフト=上陸用舟艇】
全長17.3 m
全幅17.7 m
搭乗員4名
積載過重量20 t
武装前方固定式単裝砲×2
対白色彗星帝国戦役時に、新たにヤマトに搭載された惑星降下用の艦載内火艇。現実世界の上陸用舟艇と同様の性格を持つ。衛星軌道上の艦船から敵地である惑星に降下することを前提に設計されており、艇体には装甲が張られ、地上制圧のために艇首に固定式単裝砲2門を持つ。艇尾に4基のエンジン。下部にキャタピラを装備し不整地の疾走が可能。装甲兵員輸送車に大気圏突入能力と飛行機能を付加したような仕様である。人員や物資輸送の双方を効率よく行えるように、大きさの割にはカーゴルームは広く、内側の壁面にはロングシートの座席がある。乗降扉は艇正面にある。艇内レイアウトはカーゴルームが前、操縦席が後部上方にあるという独特なもの。操縦室は4人乗りであり、パイロットは後部の専用扉から乗降する。カーゴルームと操縦室はつながっておりカーゴルームからの乗降も可能。

中編③へ
つづく。

この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇中編①

2021-01-17 01:14:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝

【惑星リンボス】

地球そっくりの惑星に赴いた柴田は降下を開始、大気圏を抜けた。
降下するコスモレコーダーの飛行ルートを表すかのように、飛行機雲が跡を付ける。
少し、開けた大地が見える。
その大地のほぼ中央辺りに都市があった痕跡が、伺えた。
朽ち果ててはいるが都市である事は解った。
目視した限りでは、人影は見当たらない。
柴田は思い切って降りてみる事にした。


「上空からの情報収集は、この辺りが限界かな!?」
「大気調査は出来たけど、やっぱり気になるのは、あの都市ね。」
柴田は深入りしなければと都市を調べる事にし、コスモレコーダーを着陸させた。

「都市の一部は水没してるのね。」と周りを見渡した。
足元に転がる瓦礫に混ざり、都市のネームプレートらしき物を見つけた。

「……読めない。解析に掛けてみなくちゃ解らないわね。」

コスモレコーダーの解析機からは、「……リンボス中央……」と読み取れた。
柴田はコスモレコーダーの解析機である程度は読み取れた事で、更に興味が湧いた。

「都市の入口付近なら大丈夫ね。」と根拠の無い自信だけど、興味という魔物には敵わなかった。
入口付近の建物を幾つか調べてみた。
一度、水没し、水が退いた痕跡が伺えた。この建物を最後に一旦、ヤマトに連絡を入れようと思い、効率を考え二階から探る事にした。
階段を上がりはじめた時だった一冊のノートを拾った。

「この階段に流されたって事は二階も水没したのかしら!?」
「とりあえずコスモレコーダーに戻って解析、ヤマトに連絡するか。」


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

中編①


【惑星リンボス】

柴田が訪れた時点では、過去に文明が栄えていた形跡が伺えた程度だった・・・

荒廃した惑星リンボスは後に、西暦2283年頃
宇宙大航海時代、地球防衛政府は各星系に根付いた植民地星と地球の独立戦争を経て独立権を獲得した植民地星と地球の間に西暦2345年に結成された恒星間連邦国家=地球連邦を結成。
略称はE.F (Earth Federation)。
結成の際に地球連邦の移民者によって開拓された星であったが、24世紀末に地中にモノポールが含まれていることが判明すると地球連邦所属の多くの移民船団が殺到し、同時に地球連邦の技術者集団もモノポールの研究の為に派遣された。
急速な人口爆発を経てタウンの拡大化が進んだが、その動きが結果としてセイレーン連邦側からも注目される原因となってしまう。 星歴2405年に銀河100年戦争が勃発すると両陣営の戦闘艦の墜落や流れ弾、またモノポールが産出することからセイレーン連邦の占領と無理な採掘により急速に環境が破壊されると共に多くの住民が惑星外に脱出する。 しかし、一方で宇宙に脱出する術を持たない者達が取り残されタウンの治安は急速に悪化、難民問題が深刻化した。 休戦後は緩衝惑星として両陣営に設定されるも、実際はセイレーン軍による占領が続く。
結果として星歴2405年時から駐留しているセイレーン軍、特に純血のセイレーン人の権威が強い状況が続いていた。 その後、ロココ星より出土したゴーダ文明の本拠地のデータが入ったYAMATOのディスクを破壊しようとしたブローネの策略により、秘密裏にモノポール爆弾を仕掛けられる。 その後、第18代YAMATOの騒動によりワグア星駐留の地球連邦軍よりミサイル攻撃を受けた際に、モノポール爆弾も爆発。 第18代YAMATOが市民を乗せ離脱した後、リンボスそのものが爆発した。







「ヤマトを発見した!」
「総統に連絡を!」


中編②へ
つづく。


この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。