鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

ブラッドレス・メアリー◇機動戦士ガンダム外伝◇第二話

2020-08-21 22:22:47 | 機動戦士ガンダム外伝

ブラッドレス・メアリー
~冷鉄のメアリー~
機動戦士ガンダム外伝

第二話


[どうやらジャブロー防空隊が上がって来たようだな。]
[撹乱陽動とは言え、爆撃までしたかんな。]
[バーンズ。ドップの再発進の準備、出来てるな!?]

[何時でも行けます!]

[うむ。スタンバっておけ。先ずは主砲、ぶっぱなして奴らのド肝を抜いてやんよ。]
[ニコール(砲手)!主砲スタンバイ!]

キラービー機首上部のハッチが、ゆっくりと後退してゆく。
同時にせり上がる15.5mm連装砲搭。
それに合わせるようにキラービーは回頭、ジャブロー防空隊ジェットコアブースター2機を正面に捕らえた。

[ニコール(砲手)からコックピットへ!]
[耳栓と閃光ゴーグルは、ちゃんと着けた?]

[ニコール!全員OKだ!]

[ビビって小便漏らすなよ!ブースター付き!]
ニコールがトリガーを引くと同時に[グワッ!]と揺れ、黒煙とオレンジ色の炎が混ざり、火薬の匂いが漂う中、揺れは収まった。

[よ~し!ブースター付きが、慌てて旋回した!]
[ライアン、トーゴ待たせたな。発進しろ!]

[ラジャー!!]


整備、弾薬補充を終え母機キラービーから再度発進したドップタイプ2機。
キラービー小隊の中では、エース級並みの腕の持ち主ライアンとトーゴの二人は発進して直ぐに"ブースター付き"=ジェットコアブースター2機、それぞれの後方へ回り込む事に成功した。
機動力ではブースター付きに軍配が上がるが、やはり、それだけではドッグファイトには勝てない。
パイロットの技量の差が歴然であった。

[高ポジションをありがとよ。]
[墜ちろ!!ブースター付きッ!!]

[ライアン。撃墜スコア更新だな。] 
[帰還(かえ)ったらビールおごれよ。]

[スコア更新した俺が、おごんの?]

[アハハ……]
突然、もう一人のパイロット、トーゴとの無線が途切れてしまう。
同時に四方八方に飛び散る金属片。
トーゴの機体は蒸発するかのように一条の高熱源エネルギーに貫(つらぬ)かれていた。

[……なっ!?何が一体?]


木々が生い茂る中、草木の陰から見え隠れする人工構造物。
ライアンは飛行高度をやや下げるとヘルメットのバイザーを上げ、真下を覗き込むように目を凝らした。

[……なんだよ。あれ!?]
[モビールスーツか?]
[にしては……?骨組み(フレーム)だけのモビールスーツか?]
[もしや、アレが隊長の言ってた新型の試作機か?]

[ライアン!無事か!]
目を凝らし、人工構造物を確認するライアンのインカムに曹長からの無線が飛び込んだ。
曹長をはじめキラービーに残る搭乗員たちは、度肝を抜かされていた。

[……無事であります!]  
[仕返しされたって感じです。度肝を抜かされましたよ。] 

[ライアン。出来るだけ資料(データ)を集め、退散しろ。] 
[深追いはするなよ。]

[OKだ。]
ライアンは今の高度より、更に高度を下げ、撮れるだけの写真を撮ろうと試みた。
今の高度で確認出来た物では、両手で抱える大型単身砲1門が確認出来た。
フレームだけの実験用モビールスーツに固定武装も無いと判断、それとシールドなどは見当たらない事から高度を下げた。
だが、それは思い込みと言う過信に過ぎない。

[グロロロロロローーーーッ!!]

[あっ!あんなところにバルカンが………。]

[ラッ!!ライアーーンッ!!]

[曹長!骨組み野郎がまた、巡洋艦クラスのメガ粒子砲を抱えた!]
[これ以上は危険過ぎます!]
[回頭の許可を!!]

[回頭はまだだ!]
[一発、喰らわせて回頭だ!!]
[ニコール!直ぐに主砲をぶっぱなせッ!!]

だが、1テンポ遅かった。
大事には至らなかったが右翼の三分の一を吹き飛ばされてしまう。
キラービーは[ガタガタ]と左右に小刻みに時には大きく揺れながら回頭を余儀なくされた。

[ニコール!奴に当たらなくても構わん!]
[15.5mmを土産にくれてやれ!]

更にキラービーは大きく揺れ、金属片を轟音と黒煙を、撒き散らかし回頭を終えた。

[……スプーラル操舵士。制空権、抜けれそうか?]

[おそらく。]
[ですが、エネルギーが流出している。]
[弾薬庫の荷物捨てて軽くしないとキツイかも知れません。]

[解った。]
[ニコール。主砲に次弾装填、あとは捨てろ。]


第三話へ
つづく。


ジオン軍汎用戦闘機ドップ

全高:4.6m
(ランディング・ギアを含む)
全長:9.2m
全幅:12.1m

推進機関:※ターボファンエンジン×2基

武装
※30mm6連装バルカン砲×2基
6連装ミサイルランチャー×2基

乗員:1


グフ・フライトタイプ(ディアブロ=メアリー機)

全高:18.7m
本体重量:61.5t
全装備重量:77.6t

出力:1.130kW
推力:108.400kg

センサー:3.600m
※クローキングデバイス・システム
(試作実験機の為、トータルで60分までしか使用出来ない。)

武装
※35mm3連装ショットガン
ガトリング・シールド
ヒートサーベル


使用している画像はイメージです。

この物語りは架空です。機動戦士ガンダムの二次創作です。
物語りに登場する人物、団体、兵器類などは架空です。
実在の人物、団体、兵器類とは関係ありません。