素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダーリバイス 第48話「覚悟の証明!これが…日本一のお節介!」

2022-08-16 17:13:30 | 仮面ライダーリバイス
悪魔の力に頼らず、現存する全てのライダーシステムを駆逐するー。
そう宣言し、襲いくるジョージ・狩崎。残された僅かな家族の思い出を守るため、ジュウガと戦う大二とさくら。だがその強さに完膚なきまでに叩きのめされ、
ツーサイドライバーとリベラドライバーを奪われてしまう。意気消沈する三兄妹に、ヒロミは、狩崎の一連の行動の真の動機は父である狩崎真澄への復讐なのではないかと告げる・・・。


「真澄さんとの思い出を、これ以上汚さないでください」
「汚したのはあの男の方だ。私に自分の悪魔を埋め込み、支配しようとしたんだ」
「それは支配じゃない、愛だ。離れていてもあなたを見守りたいという、願いだ」
「・・・黙れッ!」


いや、「もう無理」ってなった。

うーん、制作の思惑はわかるんですよ。
父親と息子が、お互いを愛しているのに、ボタンを掛け違ってしまって、
ぎくしゃくしたまま今に至っていて。
それを、一輝が大切な家族の記憶を犠牲にしてまで修復するっていう。
「家族」をテーマにしたリバイスならではの展開ですよね、わかります。

でもね、そこにもってくまでの設定が、やり過ぎ。
自分の悪魔を息子に埋め込むとか、無理。フォローのしようもない。無理。
それ以前の「生存してることをずっと隠していた」っていう設定だけでも
充分だったんじゃないかなと思うんだけどな。
確かにちょっと弱いけど、パパ大好きジョージにとったらかなりの裏切りよ?

100歩譲って、真澄パパの想定してる「自分の悪魔」っていうのが、
バイスみたいな、自分のバディとも言える信頼できる存在で。
息子を守ってくれて、なおかつデメリットは自分だけが背負う、
そういう条件なら、ギリありかなとは思うんですけど
(それでもやっぱり、息子の意思を無視してる時点でどうかと思う)

真澄パパの知ってる悪魔って、「ベイル」だからね。
完全なる害悪だからね。意味わからん。
マジ、支配したかったという以外の理由が見つからない。

そうなっちゃうとさ、一輝の言葉なんて所詮、
仲良し家族がいて、悪魔とも良好な関係を築けていて・・・っていう
「持てる者」の意見でしかないように見えるんですよ。

あのさ、じゃあさ、例えば父親に独断でベイルを埋め込まれて、
そのベイルが制御不能で勝手に暴れまくった挙句
自分の大切な家族を燃やして殺してしまったとして
(実際にベイルは五十嵐家に火をつけて殺そうとしたんだから、有り得る展開だと思う)
それでも、「でもそれは、父が俺を愛していたからだ」で許せるの?

・・・許しかねないな、ニチアサの主人公だから(困惑。

とにかく、「家族の大切な記憶を犠牲にしても構わない一輝」vs「狩崎さん」の対決だと、
「こんな父親の記憶なら、消えてくれたほうがどんだけマシか!」って言いそうな狩崎さんに
軍配をあげたくなるのです。
「お前にとって罰と思えるソレですら、俺にとったら救いにもなり得る」ってくらい
お互いの立ち位置に、距離ありすぎるんですよ。ベースが違うんですよ。

両親が修羅場を経験したとは言え、それに気づかされることもなく
幸せ家族として愛し愛されてここまで真っ直ぐに育ってきた、
そういうお節介主人公の言う、持てる者の上から目線の説教なんて、
それこそ、「便所紙よりも役に立たねーよ!!!」としか思えなくてなぁ・・・。

ん~。ねぇ。
家族をテーマにするのは良い。家族愛を語るのも良い。
だけど、愛を理由にして息子に自分のわがままを押し付けるのは
令和の世の中にそぐわないよなと思いました。
だって、愛じゃなくてマジ呪いだもん。無理無理どうしても無理。
せめてもうちょっとマイルドな設定でやって欲しかった。アレか、劇場版との兼ね合いか。



ともあれ。リバイスを見て学んだのは、
制作の意図に共感できなかったら、もうどうにもならんなってことですね。
ニチアサクラスタとしては、「肌にあわないからもう見ない」という選択はしたくないので
結果として、文句言いながら見続けるという最低な視聴者になってしまって
本当に申し訳ないと思ってる。ギーツでは心を入れ替えて頑張ります。

狩崎さんの変身シーンの背後に飛行機が横切っていくの、めっちゃ格好良かったですね!

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (がー)
2022-08-20 11:34:44
記憶消失の唐突感の原因が分かりました。
今まではエピソード記憶が消えていたのに急に意味記憶が消えたからですね。


>もう無理

もうまさに真澄さんの発想がキラキラネームを付ける毒親でしたね。
何かしら脚本家の思惑があるのか、額面通りなのか、
解釈って難しいなと先週痛感したばかりなので悩んじゃいます。
あーでも結局は狩崎が折れた形になったんだから一輝の言い分が正しいという事になっちゃうのかな?
もし順序が違っていれば大分印象が変わったかもです。
真澄さんの告白→ジュウガ編→和解してから亡くなる→アルティメット開発→ギフ討伐
の流れだったらモヤモヤしなかったかも。


>リバイスを見て学んだのは

まぁ文句が出るのも期待の表れですから良いんじゃないでしょうか。
わたしが分かったのはやはり井上脚本は面白いという事です。
今回は対抗馬が井上脚本だから比較できちゃうわけですが
そう考えるとギーツも前半はドンブラに持っていかれてしまう可能性が!


>飛行機が横切って

あれ超カッコよかったです!
たまたまだったんですかね。


この時期あのコートが暑いのか狩崎がずっとテカっていて気になりました。
フォームチェンジはすぐするんだから衣装チェンジもサクッとしてあげてと思いました。
返信する
Unknown (茜空)
2022-08-20 18:33:44
コメントありがとうございます!

> 今まではエピソード記憶が消えていたのに急に意味記憶が消えたからですね。

制作側の意図としては「家族とのエピソード記憶が全て消えたから、家族の顔も忘れた」
っていうことなんでしょうが、そうはならんやろ!感が、ねw。

個人的に違和感が残ったのは、記憶が消えたあとの、家族に対する一輝の態度です。
例えば私の場合、自分の記憶が消えていくと知ったら、対処方法を考えるし、
それを周りに知られたくなかったら、必死で演技すると思うんです。

知らない話題を振られたら、適当に話をあわせつつ、なんとか誤魔化す。
見覚えのない人に声をかけられても「あなたは誰ですか?」なんて、絶対に言わない。
職場(銭湯)に見覚えのない人がいても、それを客だと決め付けて声をかけたりしない。

少なくとも、これまではそうやって、家族に知られないよう振舞ってきてたわけですよ。
そばにバイスがいるならなおさら。
バイスの協力があれば、完全に記憶を失ったとしても、
そりゃまぁ不自然さはあったとしても、なんとかやり過ごせた可能性が高いと思うんです。

それが、無邪気とも言える顔で「誰ですか?」なんて言い放てるとか、
痴呆症じゃないけど、記憶を失ったことで
一輝の人格まで変わってしまったような気持ち悪さがあります。

とにかく。
制作のやりたかった「ラストの絵」にあわせて話を作っているので
辻褄をあわせるために、後半バタバタになってるんだろうなという印象。
そうまでしてやりたかった「ラストの絵」に、否が応にも期待が高まるところですが。さて。

> 結局は狩崎が折れた形になったんだから一輝の言い分が正しいという事になっちゃうのかな?

なにしろ、子供向け番組ですから。
「世の中には、子どもの気持ちを思いやれない親もいる」とか
「親の言うことだからと、全てを受け入れる必要はない」なんて内容をやるには
あと10年くらい必要なんじゃないでしょうか。
少なくとも、小さいお子さんの見る番組で伝えるような内容ではないし(苦笑。

だから、ここはもう、狩崎さんが父親の愛を認める展開しかなかったわけですが、
そうなると、がーさんの言うとおり、和解する→真澄さんが死ぬ、の方が、良かったですよね。
ただ、その場合、「変身するたびに記憶の消える一輝」と「強敵ギフとの対決」を同時にやることになるので
「記憶なんかどうでもいいから、とりあえず倒しとけ!」て、
みんな思っちゃいますよね、人類の存続かかってるんでw。

いや、そうなると本当に、どんだけすごいラストを用意してくれてるんだろ?
っていうところです。期待していいのかな。期待しましょうかねw。
返信する

コメントを投稿