飛電vsザイア、ヒューマギアと人間が競うお仕事五番勝負の2回戦が「住宅販売」に決定した。ザイアの代表は不動産会社の売上トップの新屋敷。一方飛電側は、小さな不動産会社で働くヒューマギアを指名。2週間でどれだけの家を売り上げるかで勝敗を決することに。
石田監督回です。
いやぁ、監督でここまで雰囲気変わるとは!
なんつか、エッジがきいてましたね!
エフェクトの使い方も個性的でしたが、
一瞬、唇を捻じ曲げるイズとか
尊大すぎる新屋敷の態度とか
過去を語るときの新屋敷の虚無な表情とか。
そして、水落ちが諸田監督だけの必殺技じゃないことを教えてくれた(苦笑。
ていうか、この季節に水落ちとか、役者さんが心配になるのでほどほどに。
あと、最後にネオヒに必殺技かましたあとの
サウザーの後姿がめちゃくちゃ格好良かったです!!!
それはそれとして、すごく考えさせられる内容でしたね本編。
新章始まって2エピソード目ということで(2話1セットカウント)
ゆるいお話・・・っていうと語弊がありますが
個々のエピソードに重点をおいて、本筋はあまり進行しないのでは?と
タカをくくっておりました。いや、高橋脚本はゆるむヒマなど与えない!
ギャグ回だからと言って油断してはいけないのだ。
(※石田監督がギャグ風に撮っただけで、別にギャグ回ではない)
以前の感想で「もっと甲乙つけやすいお仕事で対決すべき」
「例えば会計計算とか、医学的な画像診断とか」てなことを書いたんですけど、
そういうデジタル化しやすい分野ではなく、
敢えて華道や住宅販売などをテーマにしたのは
やっぱり意味があったわけですよ。
私達が考えるAI導入というのは、
「手間のかかる作業」や「精度の高さを求められる作業」をAIに担当してもらい
それを基にして「最終判断は人間が下す」というのが、まぁ理想というか
そういうもんじゃないかな~と思ってたわけで。
でも、ゼロワンの世界はその数歩先を進んでいる。
「人工知能なんかに負ける気はしませんけどね。
ZAIAスペックがあれば、なおさら」
人間が有利であろうフィールドを用意し、
さらにAIと同等程度の人工知能によるサポートを与えた上で
「ヒューマギアが人間の立場を脅かす存在である」と知らしめる。
「私はこの頭脳と身ひとつで巨万の利益を生み出し
ZAIAジャパンをここまで成長させてきました。
人間にはそれだけの可能性があるんです。
たった一度でもヒューマギアに敗北すれば、人類はあっという間に衰退する。
あなたも不動産業界で生き残っていけませんよ」
「社長さん。もし、ですよ
もしヒューマギアが人より家を売れるようになったら
不動産業界はどうなるんですか?
人件費もかからない、新人教育のコストもかからない、
勝手に売り上げ伸ばして・・・そしたら、俺たち人間はどうなるんですか!」
新屋敷が夜遅くまで残業し、
プライベートや睡眠時間を犠牲にしてまで頑張っているのに、
一方のヒューマギアは、そもそもプライベートや睡眠時間など必要としない、
24時間365日働き続けることだって、可能だろう。
そんな相手にどうやって対抗するのか。
「いやぁ~ヒューマギアが薦めた家なんて、よく買う気になれますよね~。
だって、そうだろ?
ヒューマギアはベッドで寝ることもない、キッチンで料理もしない、
トイレにも風呂にも入らない。
そんなヤツに、家の何がわかるってんだよ」
人間がAIに勝つには、
たまたま前回の感想で深く考えもせず書いてたことなんですが
やっぱり「ストーリー」で勝つしかないと思うんですよね。
人間にとって不可欠な「プライベートの時間」をアドバンテージに変えるような。
例えば不動産販売で言うと。
「床暖房、僕も使ってるんですけど、いいですよ~。
やっぱりね、足元があったかいのって、安心感がすごいですw
実は僕、猫飼ってるんですけど、その猫も床暖房が大好きで・・・」
「僕もこの近くに住んでて、息子が○○小学校に通ってるんですけど、
校風もいいし、先生も熱心な方が揃ってて、そこは本当に太鼓判です!」
「ここの駅前商店街、僕好きなんですよね~。
とくにこの和菓子屋さん、僕、甘いもの好きなんで、
来ると必ず買っちゃうんですよね。おすすめは豆大福!」
みたいな。
物件検索や顧客のニーズとのマッチングのようなサポートについては
ZAIAスペックやパソコンを利用することで、AIと同等の結果を出せると思うんですが、
人件費の都合上、高コストにならざるを得ないのが人間の弱点だと思われるので
「人との会話という付加価値に多少のコストは惜しまない」
という、まぁいわゆる富裕層を狙っていく方向性っていうか、
ぜいたく品に近い立ち位置になるんじゃないかな。
いずれにしろ、その仕事を続けていくこと自体は不可能じゃないんでしょうが、
今よりずっと狭き門になりますよね。
「そんな時代は来ません。人間が勝つんです。それを使って」
「でも、もし!」
「もし負ければ、絶滅あるのみですよ。あなたも」
結局、天津垓にとって「お仕事五番勝負」というのは
「勝負に勝って飛電インテリジェンスを買収する」ことが目的じゃなかった。
「お仕事勝負」という土俵のうえに飛電インテリジェンスを乗せること自体が目的で
あとはもうどっちが勝とうが負けようが、ぶっちゃけ些細な問題でしかない。
そもそも、お仕事対決のテーマやら審査方法やら全てをZAIAが仕切ってる段階で
不公平さは否めないんですけども、
買収を盾にされた時点で既に勝負は決していたも同然で、
孫子の兵法に「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む」
という言葉があるそうですが(いまググッた)そりゃ勝てる気がしない。
「先日ヒューマギアが暴走した一件、あれはよみがえったアークによる影響だ。
人間から悪意を向けられ、負のシンギュラリティーに達したとき、
ヒューマギアはアークからの無線接続によって暴走する」
「つまり、彼を追い詰めるために」
「悪意とは感染するものだ。人から人へ。そして人からヒューマギアへ」
「これも、飛電崩壊のためのシナリオ・・・」
「負のシンギュラリティーに達したとき、アークと接続して暴走する」
という設定が今回明らかになりました。
いや無線接続とか出来たんかい! 不正なアクセスは禁止しようぜ!
つまり、人間から負の感情を引き出すために、
高い実績を持ち、自信と高いプライドを持つ人を対決相手に選び、
対決テーマも人間に有利な分野に設定したうえで、
その高いプライドをへし折るような煽り方をしてたわけで
いやもう、天津垓ってば本当にもう性格最悪ですよね!
前回、立花家元の不正をただした天津垓に対し、
或人が「案外、常識あるんですね」と失礼なことを言ってたんですが、
その「常識ある」態度っていうのが、実は味方を追い詰めるための作戦だったとか
本当にもう、天津垓の鬼畜っぷりを際立たせているよな!と、あらためて。
んで。以前からそうだったけど、天津垓はアークについて詳し過ぎるんだよね。
開発に関わった経緯があるので、当然っちゃあ当然なんですが。
なんかもう、天津垓自身がアークなんじゃ?っていう印象すらある。
「だから言ってるんです。ヒューマギアは一刻も早く廃棄すべきだと。
道具であるうちはセーフですが、
心を持ち、自我が芽生えるのはアウトでしょう。
なぜなら人工知能には、自我を抑制する理性が、存在しないのですから。
危険すぎる」
「自我が芽生えるのはアウト」だから、
「自我が芽生えた(シンギュラリティを起こした)個体は
アークが強制的に接続してマギア化(暴走)させ、自滅させる」
このルール自体が、天津垓の意図に沿ってるんですよね。
ってことは、シンギュラリティー→マギア化、というシステムを組み込んだのは
天津垓である、という可能性も否めないのでは?
と言いつつ。前回の感想で「天津垓がヒューマギアを憎むのは、
彼がどれだけ望んでも得ることのできない不老を約束されているから」という推測は
天津垓自身がアーク(もしくはその端末)である、という推測と真逆なので
少なくともどちらかはハズレなんだよな。えー、どっちもわりと自信あるんだけど。
※自信満々で提示した推測でも、外れるときは面白いように読み違えますよね!
関係ないけど、二人の会話シーンが、
お互いのオフィスとかじゃなくいつも同じカフェの同じ席なの
なんか「行き着けのカフェ」感があってとても良いですね。
そこだけ見ると、好青年どうしの爽やかな会話に見えて和む。
さてゼロワン。今までは「マギア化されたロボットが敵」だったんですが、
年が明けてから、その構図が大きく変わってきまして、
もはや、敵は「怪人」ではないんですよね。
とくに今回は、敢えて石田監督がそういう撮り方したんじゃないかな?
新屋敷は、相手の自尊心を抉ることを目的とした行動をとるし、
その悪意をぶつけられたスマイルは、だがしかしその悪意を理解できず
ただひたすらに叫び、水面をなぐりつけ、周囲をいたずらに破壊する。
もう完全に、人間が敵役なんですよね。
レイドライザーに人間の悪意を増幅する機能があるのかもしれませんが、
それにしたって、ここまで「敵が人間」っていう表現をしてきたのは
ゼロワンが初めてじゃないか? これが令和のライダーか。
或人。
本人に難があるとか言うわけでは決してないんですが、
天津垓がシナリオを引き、その手の上で転がされている現状、
なんか影が薄くなっちゃってるような。
「滅が復元したということですか?」
「どこだ!?すぐに破壊しないと!」
滅は破壊する!という姿勢が、ちょっと或人らしくないな~って思いました。
ヒューマギアは悪くないっていうのが君の持論ではなかったか。
An aqua current that encompasses
everything around it
和訳すると「全てのものをとりまく水流」かな。
不破さんが「クジラ野郎」と呼んでて、的確すぎるな!
滅セリフメモ。
「もはや俺の知るところではない。
俺は一度破壊され、滅亡迅雷.netとの通信を遮断されたからな」
「我らの同士を見つけたければ、レイダーを追え」
「レイダー、レイドライザーで変身した個体のことか?」
「そこにあいつは現れる」